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公開番号
2025101534
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-07
出願番号
2023218448
出願日
2023-12-25
発明の名称
二酸化炭素固定方法
出願人
東洋建設株式会社
代理人
弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
主分類
E02D
3/12 20060101AFI20250630BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約
【課題】地球温暖化に起因する二酸化炭素をセメントスラリーに固定する際、二酸化炭素の溶解に対する効率性、供給の計量容易性、施工の確実性及びその取り扱い性を向上させることができる二酸化炭素固定方法を提供する。
【解決手段】セメントスラリーを地盤中に圧送、攪拌してセメント改良杭を造成する際に二酸化炭素を固定する二酸化炭素固定方法であって、地盤中に圧送する前段階のセメントスラリーと、固体化された二酸化炭素とを混合して、セメントスラリーに二酸化炭素を固定するので、地球温暖化に起因する二酸化炭素をセメントスラリーに固定する際、二酸化炭素の溶解に対する効率性、供給の計量容易性、施工の確実性及びその取り扱い性を向上させることができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
セメントスラリーを地盤中に圧送、攪拌してセメント改良杭を造成する際に二酸化炭素を固定する二酸化炭素固定方法であって、
地盤中に圧送する前段階のセメントスラリーと、固体化された二酸化炭素とを混合して、セメントスラリーに二酸化炭素を固定することを特徴とする二酸化炭素固定方法。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
セメントと水を混合、攪拌してセメントスラリーを製造するミキサーと、該ミキサーからのセメントスラリーが固結しないように攪拌するアジテータと、を用い、
前記固体化された二酸化炭素を、前記アジテータまたは/及び前記ミキサー内のセメントスラリー中に投入して、
前記固体化された二酸化炭素が投入された前記アジテータまたは/及び前記ミキサー内の攪拌速度を上げることを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素固定方法。
【請求項3】
セメントと水を混合、攪拌してセメントスラリーを製造するミキサーと、該ミキサーからのセメントスラリーが固結しないように攪拌するアジテータと、を用い、
前記固体化された二酸化炭素を、板状ブロックまたは多数の粒状体を板状に集合させて形成して、
前記板状ブロックまたは前記粒状体群を保持部材により保持して、
前記ミキサーまたは/及び前記アジテータ内のセメントスラリー中に縦置きで配置することを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素固定方法。
【請求項4】
セメントと水を混合、攪拌してセメントスラリーを製造するミキサーと、該ミキサーからのセメントスラリーが固結しないように攪拌するアジテータと、を用い、
前記固体化された二酸化炭素を、板状ブロックまたは多数の粒状体を板状に集合させて形成して、
前記板状ブロックまたは前記粒状体群を保持部材により保持して、
前記ミキサーまたは/及び前記アジテータ内のセメントスラリー中に横置きまたは横置き状態から上下方向に傾斜させて配置することを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素固定方法。
【請求項5】
前記板状ブロックまたは前記粒状体群を、互いに間隔をあけて複数設けることを特徴とする請求項3または4に記載の二酸化炭素固定方法。
【請求項6】
前記保持部材は、昇降自在な支持軸部材に接続されることを特徴とする請求項3または4に記載の二酸化炭素固定方法。
【請求項7】
前記固体化された二酸化炭素を前記セメントスラリー中に配置している際、前記支持軸部材に振動機能を付与することを特徴とする請求項7に記載の二酸化炭素固定方法。
【請求項8】
セメントと水を混合、攪拌してセメントスラリーを製造するミキサーと、該ミキサーからのセメントスラリーが固結しないように攪拌するアジテータと、該アジテータからのセメントスラリーを受け入れて攪拌する密閉容器と、を用い、
前記アジテータ内と前記密閉容器内との間にてセメントスラリーを循環させ、
前記密閉容器内のセメントスラリー中に前記固体化された二酸化炭素を投入することを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素固定方法。
【請求項9】
前記アジテータと前記密閉容器との間にて、セメントスラリーを循環ポンプにより循環させることを特徴とする請求項8に記載の二酸化炭素固定方法。
【請求項10】
前記アジテータと前記密閉容器と間にて、セメントスラリーを前記アジテータと前記密閉容器と連通させる二本の循環配管を用いて自然流下にて循環させることを特徴とする請求項9に記載の二酸化炭素固定方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、セメントスラリーを地盤中に圧送、攪拌してセメント改良杭を造成する際に、当該セメントスラリーに二酸化炭素を固定する二酸化炭素固定方法に関するものである。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
セメント改良杭を造成する工法のひとつとして深層混合処理工法(CDM工法)がある。一般に、深層混合処理工法は、専用の作業船(CDM船)上、または陸上設備によりセメント、水及び混和剤を混合したセメントスラリーを軟弱地盤中に圧送して、機械的に周辺地盤と撹拌することで軟弱地盤の土砂と混合する工法であり、この工法により、軟弱地盤中にセメント改良杭を造成して当該軟弱地盤を改良している。なお、作業船は、海上でセメント、海水及び混和剤を混合することが可能な船であり、一定の頻度で材料を補給する。一般に地盤中の土砂1m
3
あたりのセメント添加量はC=50~250kg/m
3
であり、水(W)とセメント(C)との比率(例えばW/C=0.6程度)にてセメントスラリーが製造される。このセメントスラリーが地盤中へ圧送ポンプにより圧送される。
【0003】
また、セメントには多くの酸化カルシウム(CaO)が含まれており、水を加えたセメントスラリーには、セメントと水との反応により、カルシウムイオン(Ca
2+
)と水酸化イオン(OH
-
)が生じる。そのために、セメントスラリーはアルカリ性を呈し、多くのカルシウムイオン(Ca
2+
)を含有している。このセメントスラリーに、二酸化炭素(CO
2
)が溶解すると、二酸化炭素は、水と反応して炭酸(H
2
CO
3
)となり、水素イオン(H
+
)をひとつずつ解離して、水酸化イオン(OH
-
)と反応することでアルカリ性が中性化する。これとともに炭酸イオン(CO
3
2-
)は、カルシウムイオン(Ca
2+
)と結合して炭酸カルシウム(CaCO
3
)となりセメントスラリー中に固定される。要するに、二酸化炭素が炭酸カルシウムとなりセメントスラリー中に固定される。
【0004】
すなわち、二酸化炭素は、アルカリ水に溶解しやすいことが知られている。水にセメントを加えたセメントスラリーは、アルカリ性を呈するために二酸化炭素は溶解しやすい。セメントスラリーに二酸化炭素が溶解するとpHは中性化する。しかしながら、セメントスラリーに溶解した二酸化炭素から供給される水素イオン(H
+
)が中和のために消費されると、酸性側に中和する要素がなくなる。一方、セメントの水和反応(CaO+H
2
O→Ca
2+
+2OH
-
)に伴うアルカリ化の効果は、前記中和効果よりも大きい。つまり、セメントスラリーに適切な量の二酸化炭素を供給し、二酸化炭素のロスなく、効率よく炭酸カルシウムを生成することが可能になれば、セメントスラリーは二酸化炭素の固定媒体となりうるものである。
【0005】
そこで、地盤改良に際して二酸化炭素を固定化する技術として、特許文献1には、セメントミルクを地盤中に圧送、攪拌してセメント改良杭を造成する杭造成装置であって、内部にセメント及び水が流入されて、これらセメント及び水が攪拌されてセメントミルクを製造する、気密処理された密閉容器と、該密閉容器内に二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給手段と、前記密閉容器内の二酸化炭素を含むセメントミルクを地盤中に圧送する圧送管と、を備えている杭造成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2023-18309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の杭造成装置では、二酸化炭素供給手段によって、セメントミルクに気体の二酸化炭素を供給する場合には、二酸化炭素がセメントミルク中で浮上して、供給する二酸化炭素のロスが発生する虞がある。また、気体であるために散気管などの供給設備に、セメント固化物や、二酸化酸素の供給に伴う炭酸カルシウムの固化物が付着し、継続した良好な二酸化炭素の供給にはメンテナンスが必要となる虞がある。さらに二酸化炭素の供給量をセメントスラリーの流量や圧力により管理する必要があり、計量誤差が生じる可能性があるとともに、投入容器までの供給経路において高い気密処理等を施すなど、施工管理において講じる措置が必要であり、改善する余地がある。
【0008】
そして、本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、地球温暖化に起因する二酸化炭素をセメントスラリーに固定する際、二酸化炭素の溶解に対する効率性、供給の計量容易性、施工の確実性及びその取り扱い性を向上させることができる二酸化炭素固定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための手段として、請求項1の発明は、セメントスラリーを地盤中に圧送、攪拌してセメント改良杭を造成する際に二酸化炭素を固定する二酸化炭素固定方法であって、地盤中に圧送する前段階のセメントスラリーと、固体化された二酸化炭素とを混合して、セメントスラリーに二酸化炭素を固定することを特徴とするものである。以下、固体化された二酸化炭素をドライアイスと称する。
【0010】
請求項1の発明では、例えば、深層混合処理船(CDM船)上で、地盤中に圧送する前段階のセメントスラリーとドライアイスとを混合して、例えば、深層混合処理船上のアジテータ内でドライアイスをセメントスラリーに浸した状態として、溶解し、炭酸塩として固定可能な定量(実験ではセメントスラリー1.0Lに対して、二酸化炭素、約0.4~0.6kgである)を計量された二酸化炭素をセメントスラリーに固定できるので、二酸化炭素の溶解に対して、そのロスを低減することができ、二酸化炭素の溶解に対する効率性、供給の計量容易性、施工の確実性及びその取り扱いも容易となり、有効となる。また、二酸化炭素を気泡化するためのバブル生成装置をも必要とせず、装置全体を簡素化することもできる。
(【0011】以降は省略されています)
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