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公開番号
2025104846
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-10
出願番号
2023222984
出願日
2023-12-28
発明の名称
エステル化多糖類の製造方法
出願人
広栄化学株式会社
代理人
弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類
C08B
3/06 20060101AFI20250703BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】セルロースをエステル化するために触媒を実質的に使用せず、カルボン酸を除去または低減して、オニウム塩を含む回収液をリサイクルすることができる、エステル化多糖類の製造方法を提供する。
【解決手段】下記(1)~(8)の工程を有する、エステル化多糖類の製造方法であって、(1)オニウム塩に多糖類を溶解させる工程、(2)エステル化剤を添加する工程、(3)溶媒を添加してエステル化多糖類を析出させる工程、(4)エステル化多糖類をろ過する工程、(5)ろ液から溶媒を除去する工程、(6)アミンを添加して、オニウム塩とアミン-カルボン酸塩に分離する工程、(7)オニウム塩を回収する工程、(8)回収したオニウム塩をリサイクルする工程を有する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記工程(1)~工程(8)を有する、エステル化多糖類の製造方法。
工程(1):
式(1)で表されるオニウム塩と多糖類を混合し、多糖類をオニウム塩に溶解させる工程。
(式1):
JPEG
2025104846000020.jpg
31
169
(式中、R
1
、R
2
は同一又は異なって、ヘテロ原子を含んでも良い炭化水素基を示す。R
1
、R
2
は分岐や環構造、二重結合を含んでいても良い。R
3
は水素原子又は炭素数1~5の炭化水素基である。R
4
は炭素数1~12の炭化水素基を示で、ヘテロ原子及び、二重結合、分岐構造、環構造を含んでも良い。)
工程(2):
工程(1)で得られた混合物に式(2)または式(3)で表されるエステル化剤を添加し、エステル化多糖類を生成させる工程。
(式2):
JPEG
2025104846000021.jpg
30
169
(式中、R
5
は炭素数1~12の炭化水素基で、ヘテロ原子及び、二重結合、分岐構造、環構造を含んでも良い。)
(式3):
JPEG
2025104846000022.jpg
30
169
(式中、R
5
は炭素数1~12の炭化水素基で、ヘテロ原子及び、二重結合、分岐構造、環構造を含んでも良い。R
6
は水素原子もしくはメチル基である。)
工程(3):
工程(2)で得られた混合物に水、アルコール、ケトンから選ばれる少なくとも1種類のエステル化多糖類が不溶である溶媒を添加し、エステル化多糖類を析出させる工程。
工程(4):
工程(3)で析出したエステル化多糖類をろ過し、式(1)で表されるオニウム塩、式(4)で表されるカルボン酸及びエステル化多糖類が不溶である溶媒を含むろ液と、エステル化多糖類を分離する工程。
(式4):
JPEG
2025104846000023.jpg
19
169
(式中、R
5
は炭素数1~12の炭化水素基で、ヘテロ原子及び、二重結合、分岐構造、環構造を含んでも良い。)
工程(5):
工程(4)で分離したろ液を加熱及び/又は減圧して、該ろ液からエステル化多糖類が不溶である溶媒を除去する工程。
工程(6):
工程(5)で得られた前記(1)式で表されるオニウム塩と前記式(4)で表されるカルボン酸を含む混合物に、式(5)で表されるアミンを添加して、アミンーカルボン酸塩を生成させ、オニウム塩を含む層とアミン-カルボン酸塩を含む層に分離させる工程。
(式5):
JPEG
2025104846000024.jpg
33
169
(式中、R
7
、R
8
及びR
9
は、同一でも異なっても良く、水素原子又は炭素数1~18の炭化水素基であり、二重結合、分岐構造、環構造を含んでも良い。また、R
7
、R
8
及びR
9
のそれぞれに含まれる炭素数の合計は8以上である。)
工程(7):
工程(6)で分離したオニウム塩を含む層を、オニウム塩を含む回収液として回収する工程。
工程(8):
前記工程(7)で回収した回収液を工程(1)へ導入する工程。
続きを表示(約 720 文字)
【請求項2】
前記工程(6)において、工程(5)で得られた
前記式(1)で表されるオニウム塩と前記式(4)で表されるカルボン酸を含む混合物に、水及び/又は親水性溶媒を添加する、請求項1に記載のエステル化多糖類の製造方法。
【請求項3】
前記工程(6)において、工程(5)で得られた
前記式(1)で表されるオニウム塩と前記式(4)で表されるカルボン酸を含む混合物に、(i)式(5)で表されるアミンを添加する、または、(ii)当該アミンが、疎水性溶媒で希釈されたアミン溶液を添加する、請求項1に記載のエステル化多糖類の製造方法。
【請求項4】
工程(1)において、前記式(1)で表されるオニウム塩が少なくとも2種類である、請求項1に記載のエステル化多糖類の製造方法。
【請求項5】
工程(2)において、前記式(2)または前記式(3)で表されるエステル化剤が少なくとも2種類である、請求項1に記載のエステル化多糖類の製造方法。
【請求項6】
前記工程(1)において、前記式(1)で表されるオニウム塩が非プロトン性極性溶媒で希釈されたオニウム塩溶液である、請求項1に記載のエステル化多糖類の製造方法。
【請求項7】
前記工程(7)において、
オニウム塩を含む回収液に、
前記式(5)で表されるアミンを添加して、アミンーカルボン酸塩を生成させ、オニウム塩を含む層とアミン-カルボン酸塩を含む層に分離させ、
分離したオニウム塩を含む層を、オニウム塩を含む回収液として回収する、
請求項1に記載のエステル化多糖類の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、エステル化多糖類の製造方法に関係する。
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
地球環境または自然環境の保護および維持が求められており、化学物質や機能性材料にも、環境への負荷が少ないもの、または、負荷を低減できるものが求められている。そのようなものとして、天然高分子、特に多糖類または多糖類誘導体が注目されている。
【0003】
多糖類の中でもセルロースはフィルム、繊維や薬剤用途等に利用されている。また、セルロースの誘導体も幅広い商業用途に利用されている。
一般に、セルロースはグルコースを構成単位とし、無水グルコースのβ-1,4-結合ポリマーである。また、セルロースの誘導体は、セルロースの構成単位であるグルコースに存在する3つの水酸基の少なくとも一部が他の官能基へ誘導化された化合物である。
また、セルロースをエステル化したセルロースのエステル化物およびセルロース誘導体に残存する水酸基をエステル化したセルロース誘導体のエステル化物も、幅広い商業用途に利用されている。
【0004】
そして、セルロースのエステル化物の製造方法として、例えば、特許文献1に、セルロースをカルボキシル化イオン液体に溶解させ、該セルロース溶液をアシル化試薬と触媒の存在下で接触させることによって、セルロースエステルを含む溶液を調整し、該溶液を非溶媒と接触させてセルロースエステルを沈殿させ、沈殿したセルロースエステルとカルボキシル化イオン液体を分離することによって、セルロースエステルを回収し、分離したカルボキシル化イオン液体をセルロース溶解に使用するために再循環させる、セルロースエステルの製造方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特表2010-518244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のセルロースエステルの製造方法は、セルロースをエステル化するために、アシル化試薬を使用し、さらに、エステル化の速度を増大させるために、触媒として具体的にはプロトン酸であるメタンスルホン酸を使用する製造方法である。
触媒は、エステル化セルロースに残存することが考えられ、残存した場合、製品になるエステル化セルロースの品質に影響する懸念がある。
また、アシル化試薬として具体的には、無水酢酸を使用しており、セルロースをアシル化した後に、酢酸が残るために、メタノールを加えて、残った酢酸をメチルアセテートとして除去している。しかし、残った酢酸の除去または低減が充分にできているとは言えず、カルボキシル化イオン液体を再循環するには、酢酸のさらなる除去または低減が必要である。
よって、セルロースをエステル化するために触媒が必要であること、および、酢酸のさらなる除去または低減が課題となっている。
【0007】
上記のような先行技術の状況において、本発明は、セルロースをエステル化するために触媒を実質的に使用せず、カルボン酸のさらなる除去または低減ができる、エステル化多糖類の製造方法、好ましくはエステル化セルロースの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、セルロースをエステル化するために触媒を実質的に使用せず、カルボン酸のさらなる除去または低減ができる、エステル化多糖類の製造方法について、鋭意検討し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、以下の[1]~[7]を提供するものである。
[1]
下記工程(1)~工程(8)を有する、エステル化多糖類の製造方法。
工程(1):
式(1)で表されるオニウム塩と多糖類を混合し、多糖類をオニウム塩に溶解させる工程。
(式1):
JPEG
2025104846000001.jpg
30
169
(式中、R
1
、R
2
は同一又は異なって、ヘテロ原子を含んでも良い炭化水素基を示す。R
1
、R
2
は分岐や環構造、二重結合を含んでいても良い。R
3
は水素原子又は炭素数1~5の炭化水素基である。R
4
は炭素数1~12の炭化水素基を示で、ヘテロ原子及び、二重結合、分岐構造、環構造を含んでも良い。)
工程(2):
工程(1)で得られた混合物に式(2)または式(3)で表されるエステル化剤を添加し、エステル化多糖類を生成させる工程。
(式2):
JPEG
2025104846000002.jpg
29
169
(式中、R
5
は炭素数1~12の炭化水素基で、ヘテロ原子及び、二重結合、分岐構造、環構造を含んでも良い。)
(式3):
JPEG
2025104846000003.jpg
30
169
(式中、R
5
は炭素数1~12の炭化水素基で、ヘテロ原子及び、二重結合、分岐構造、環構造を含んでも良い。R
6
は水素原子もしくはメチル基である。)
工程(3):
工程(2)で得られた混合物に水、アルコール、ケトンから選ばれる少なくとも1種類のエステル化多糖類が不溶である溶媒を添加し、エステル化多糖類を析出させる工程。
工程(4):
工程(3)で析出したエステル化多糖類をろ過し、式(1)で表されるオニウム塩、式(4)で表されるカルボン酸及びエステル化多糖類が不溶である溶媒を含むろ液と、エステル化多糖類を分離する工程。
(式4):
JPEG
2025104846000004.jpg
19
169
(式中、R
5
は炭素数1~12の炭化水素基で、ヘテロ原子及び、二重結合、分岐構造、環構造を含んでも良い。)
工程(5):
工程(4)で分離したろ液を加熱及び/又は減圧して、該ろ液からエステル化多糖類が不溶である溶媒を除去する工程。
工程(6):
工程(5)で得られた前記(1)式で表されるオニウム塩と前記式(3)で表されるカルボン酸を含む混合物に、式(5)で表されるアミンを添加して、アミン-カルボン酸塩を生成させ、オニウム塩を含む層とアミン-カルボン酸塩を含む層に分離させる工程。
(式5):
JPEG
2025104846000005.jpg
33
169
(式中、R
7
、R
8
及びR
9
は、同一でも異なっても良く、水素原子又は炭素数1~18の炭化水素基であり、二重結合、分岐構造、環構造を含んでも良い。また、R
7
、R
8
及びR
9
のそれぞれに含まれる炭素数の合計は8以上である。)
工程(7):
工程(6)で分離したオニウム塩を含む層を、オニウム塩を含む回収液として回収する工程。
工程(8):
前記工程(7)で回収した回収液を工程(1)へ導入する工程。
[2]
前記工程(6)において、工程(5)で得られた
前記式(1)で表されるオニウム塩と前記式(3)で表されるカルボン酸を含む混合物に、水及び/又は親水性溶媒を添加する、[1]に記載のエステル化多糖類の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、セルロースをエステル化するために触媒を実質的に使用せず、カルボン酸のさらなる除去または低減ができる、エステル化多糖類の製造方法を提供でき、当該製造方法で回収されたオニウム塩を含む回収液をリサイクルすることができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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