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公開番号2025105297
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-10
出願番号2023223756
出願日2023-12-29
発明の名称車両用自動変速機の制御装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類F16H 61/06 20060101AFI20250703BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】自動変速機における係合機構を係合させることによるガタ打ちショックの低減と制御応答性の向上との両立を図る。
【解決手段】コントローラは、係合機構を解放状態から係合状態に切り替える指示があった場合に、予め定めた第1油圧を予め定めた時間の間、係合機構に供給する急速充填制御を行い(ステップS3)、予め定めた時間の経過後に第1油圧より低い第2油圧を係合機構に供給するパッククリアランス詰め制御を行い(ステップS4)、パッククリアランス詰め制御中の入力回転数が予め定めた回転数変化したことを検出し(ステップS5)、入力回転数が予め定めた回転数変化したことが検出されたことにより第2油圧より低い第3油圧を係合機構に供給するガタ打ちショック抑制制御を行い(ステップS6)、その後に、係合機構を滑りの生じない完全係合状態とする油圧を係合機構に供給する昇圧制御を行う(ステップS7,8)。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
油圧が供給されることにより解放状態から係合状態に切り替わる係合機構を有し、前記係合機構の解放および係合の状態に応じて変速状態が変化する車両用自動変速機の制御装置であって、
前記係合機構を解放状態から係合状態に切り替える油圧を制御するコントローラを備え、
前記コントローラは、
前記係合機構を解放状態から係合状態に切り替える指示があった場合に、予め定めた第1油圧を予め定めた時間の間、前記係合機構に供給する急速充填制御を行い、
前記予め定めた時間の経過後に前記第1油圧より低い第2油圧を前記係合機構に供給するパッククリアランス詰め制御を行い、
前記パッククリアランス詰め制御中の前記車両用自動変速機の入力回転数が予め定めた回転数変化したことを検出し、
前記入力回転数が予め定めた回転数変化したことが検出されたことにより前記第2油圧より低い第3油圧を前記係合機構に供給するガタ打ちショック抑制制御を行い、
前記ガタ打ちショック抑制制御の後に、前記係合機構を滑りの生じない完全係合状態とする油圧を前記係合機構に供給する昇圧制御を行う
ことを特徴とする車両用自動変速機の制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される自動変速機を対象とした制御装置に関し、特に油圧によって動作する係合機構の係合および解放によって変速状態を切り替えるように構成された自動変速機を制御する装置に関するものである。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
車両用の自動変速機は、多数の可動部品によって構成されており、それらの可動部品には、動作を可能にするためのクリアランスが僅かなりとも設けられている。可動部品はそのクリアランス分、移動できるから、トルクもしくは荷重の掛かり方によってそのクリアランス分移動すると、部品同士の接触もしくは衝突が生じる。このような接触もしくは衝突をガタ打ちと称しており、トルクを伝達する部品同士の間でガタ打ちが生じると、音が生じるだけでなく、トルクの急激な変化、あるいは段差のある変化が生じ、車両においては、これが違和感となったり、品質の低下要因となったりすることがある。
【0003】
クラッチやブレーキなどのいわゆる係合機構が係合することに起因するガタ打ちによるショックを低減するように構成された装置が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された装置は、摩擦式の係合装置の油圧を制御する装置であって、ガレージシフトと称される変速の際の油圧を、ガタ打ちの生じない変速の際の油圧より低圧に制御するように構成されている。ガレージシフトは、前進と後退とを切り替える変速であるから、歯車などの部材に掛かるトルクが短時間のうちに反転する。そのために、クリアランスもしくはバックラッシュが反転するので、部品同士が歯面などで衝突するいわゆるガタ打ちが生じる。これに対して、変速状態を前進状態からニュートラルに切り替え、その後、再度前進状態に切り替える場合には、トルクの作用方向が反転することがないので、特にはガタ打ちが生じない。そこで、特許文献1に記載された発明では、変速が、ガタ打ちの生じる変速か、ガタ打ちの生じない変速かを判断し、ガタ打ちが生じる変速の場合には、いわゆる定圧待機圧を、ガタ打ちの生じない変速の場合に較べて低くし、歯面など、部品同士をゆっくり接触させ、ショックを緩和もしくは回避することとしている。なお、特許文献1に記載された装置では、入力回転数の変化が予め定めた変化から外れている場合にはその回転数の乖離を是正するように、定圧待機圧を補正することとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2006-046354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に記載されている定圧待機の制御は、クラッチなどの摩擦係合機構自体に生じているクリアランスを詰める(パック詰めと称されることがある。)ための初期圧制御に続けて実行される。パック詰めは、係合判断が成立した場合に、係合圧を、先ず、予め定めた圧力に上昇させるとともに、所定の短時間、その圧力に保持した後、係合圧を下げる制御であり、係合機構を構成している摩擦材同士の間のクリアランスを詰めて、トルクを積極的には伝達しない程度に摩擦材同士を接触させる。これに続けて定圧待機圧を設定すると、トルクの伝達に伴う回転変化が次第に生じ、ついには歯車などの部品同士がトルク伝達可能に完全に連結する。特許文献1に記載された装置では、ガタ打ちによるショックが悪化しない程度に定圧待機圧を設定している。しかしながら、特許文献1に記載された装置では、その定圧待機圧を、ファーストフィルと称される上記の初期圧制御の後、予め定めた時間の間、保持することとしている。そのため、実質的な係合が生じるガタ打ち時点もしくはその直前の油圧が低くなるとしても、それ以前のいわゆる係合進行中での油圧も定圧待機圧に維持されてしまい、その分、係合の進行に遅れが生じ、ひいては制御応答性が損なわれる可能性がある。
【0006】
本発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、ガタ打ちによるショックの低減と制御応答性とを両立させることのできる制御装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の目的を達成するために、油圧が供給されることにより解放状態から係合状態に切り替わる係合機構を有し、前記係合機構の解放および係合の状態に応じて変速状態が変化する車両用自動変速機の制御装置であって、前記係合機構を解放状態から係合状態に切り替える油圧を制御するコントローラを備え、前記コントローラは、前記係合機構を解放状態から係合状態に切り替える指示があった場合に、予め定めた第1油圧を予め定めた時間の間、前記係合機構に供給する急速充填制御を行い、前記予め定めた時間の経過後に前記第1油圧より低い第2油圧を前記係合機構に供給するパッククリアランス詰め制御を行い、前記パッククリアランス詰め制御中の前記車両用自動変速機の入力回転数が予め定めた回転数変化したことを検出し、前記入力回転数が予め定めた回転数変化したことが検出されたことにより前記第2油圧より低い第3油圧を前記係合機構に供給するガタ打ちショック抑制制御を行い、前記ガタ打ちショック抑制制御の後に、前記係合機構を滑りの生じない完全係合状態とする油圧を前記係合機構に供給する昇圧制御を行うことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、係合機構を解放状態から係合状態に切り替える場合、先ず、急速充填制御が実行される。これは、予め定めた第1油圧を、予め定めた時間の間、係合機構に供給する制御であり、係合機構において油圧が供給するべき箇所に空いていた空所に油圧が充填され、係合機構が係合状態に向けて動作を開始するいわゆる準備状態が完了する。これに続けてパッククリアランス詰め制御が実行される。これは、第1油圧より低圧の第2油圧を係合機構に供給する制御であり、上述したいわゆる準備状態が完了していることにより、係合機構は第2油圧によって係合方向に動作し始める。摩擦式係合機構であれば、解放状態において、互いに接触する箇所の間にクリアランスが生じているので、係合機構が係合状態に向けて動作し始めると、先ずは、このクリアランスが詰まってくる。それに伴って、摩擦係合機構がトルクを伝達し始めるので、入力回転数が変化する。その入力回転数の変化量が予め定めた所定量になったことが検出され、それに伴って、第2油圧より低圧の第3油圧が係合機構に供給される。その結果、係合機構の係合状態への変化が緩慢になり、また自動変速機の様々な部分に生じているガタが詰まる速度が緩やかになる。こうしてガタが詰まっていわゆるガタ打ちが生じるが、ガタが詰まる速度が緩やかであることにより、ガタ打ちによるショックが回避され、あるいは抑制される。また、急速充填制御の後、ガタを詰める速度を緩やかにするガタ打ちショック抑制制御を行うまでの間に、第3油圧より高圧の第2油圧を係合機構に供給するので、その間での係合状態に向けた係合機構の動作を速くすることができ、その結果、解放状態から係合状態に切り替えるまでの全体としての時間を短縮し、いわゆる制御応答性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の実施形態における自動変速機の模式図である。
そのバルブボディの一部の油圧回路を示す模式図である。
そのECU(コントローラ)の機能的構成を説明するためのブロック図である。
本発明の実施形態で実行される制御を説明するためのフローチャートである。
係合圧の時間的な変化を説明するための模式的なタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
つぎに、本発明を図に示す実施形態に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施形態は本発明を具体化した場合の一例に過ぎないのであって、本発明を限定するものではない。
(【0011】以降は省略されています)

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