TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025106343
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-15
出願番号2025058114,2022562783
出願日2025-03-31,2021-05-03
発明の名称空気から二酸化炭素を回収して二酸化炭素を燃料及び化学物質へと直接変換するための方法
出願人インフィニウム テクノロジー,エルエルシー,INFINIUM TECHNOLOGY,LLC
代理人弁理士法人藤本パートナーズ
主分類C10G 2/00 20060101AFI20250708BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】再生可能電気、空気及び水を、低炭素又はゼロ炭素で燃料及び化学物質へと変換するための方法を提供する。
【解決手段】空気、電気及び水を含む供給物の流れを、炭化水素を含む生成物の流れへと変換するための統合された方法であって、
a.水を含む電解槽の供給物の流れを、水素及び酸素を含む電解槽の生成物の流れへと変換する電気分解のステップと、
b.空気の流れから二酸化炭素を除く直接空気回収のステップと、
c.逆水性ガスシフトの生成物の流れを生成する逆水性ガスシフトのステップと、
d.炭化水素合成の生成物の流れを生成する炭化水素合成のステップと、
e.自己熱改質のステップと、
を含む方法である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
空気、電気及び水を含む供給物の流れを、炭化水素を含む生成物の流れへと変換するための統合された方法であって、
a.水を含む電解槽の供給物の流れを、水素及び酸素を含む電解槽の生成物の流れへと変換する電気分解のステップであって、用いる電気の少なくとも一部は再生可能資源からのものである前記電気分解のステップと、
b.空気を吸着剤と接触させて、前記空気の流れから二酸化炭素を除く直接空気回収のステップと、
c.前記電解槽の生成物の流れからの前記水素の少なくとも一部が、前記直接空気回収のステップからの二酸化炭素を含む流れと反応し、一酸化炭素を含む逆水性ガスシフトの生成物の流れを生成する逆水性ガスシフトのステップと、
d.前記電解槽の生成物の流れからの前記水素の少なくとも一部を、前記逆水性ガスシフトの生成物の流れの少なくとも一部を含む流れと反応させて、炭化水素合成の生成物の流れを生成する炭化水素合成のステップと、
e.電気分解により生成された少なくとも一部の前記酸素を、前記炭化水素合成のステップからの未反応の反応物を含む1の流れ又は複数の流れと反応させる自己熱改質のステップと、
を含む方法。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
前記直接空気回収は固体に担持されたアミン吸着剤を用いる、請求項1に記載された方法。
【請求項3】
前記電解槽で生成された水素を含む流れを用いて、固体に担持された前記アミン吸着剤を再生させる、請求項2に記載された方法。
【請求項4】
前記直接空気回収において、水性のKOHを用いて空気から二酸化炭素を除去する、請求項1に記載された方法。
【請求項5】
前記電解槽が場所1にあり、前記直接空気回収が場所2にあり、電解槽からの水素をLOHCの方法により場所1から場所2へと運ぶ、請求項1に記載された方法。
【請求項6】
逆水性ガスシフトの反応器の原料を電気輻射炉で少なくとも1,500°Fへと加熱し、前記反応器の容器は断熱性の反応器であり、前記反応器の出口温度が前記反応器の入口温度よりも少なくとも100°F低い、請求項1に記載された方法。
【請求項7】
前記逆水性ガスシフトの反応器への供給物は、水素の二酸化炭素に対するモル比が2.5~4.0であるような組成を有する、請求項7に記載された方法。
【請求項8】
前記炭化水素合成の供給原料は、水素の一酸化炭素に対するモル比が1.90から2.20の間であり、C

~C
24
選択性が70%以上であり、C
24
よりも重い生成物へと変換される一酸化炭素の量が10%未満である、請求項1に記載された方法。
【請求項9】
前記自己熱改質のステップは供給物として水蒸気を含み、前記水蒸気の炭素に対する比率が0.40~1.00である、請求項1に記載された方法。
【請求項10】
前記ATRの触媒が固溶体触媒を含む、請求項9に記載された方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、大気中の二酸化炭素を直接回収し、水の電気分解により生成される水素を使用して二酸化炭素を燃料及び化学物質へと変換することにより、再生可能電気、空気及び水を、低炭素又はゼロ炭素で燃料及び化学物質へと変換するための方法、触媒、材料に関するものである。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
二酸化炭素は、工業的及び生物学的な多くのプロセスにより生成される。二酸化炭素は、通常、大気中へと排出され、産業革命の開始以来、地球上の大気中の二酸化炭素濃度は上昇し続けている。二酸化炭素は、地球規模の気候変動の原因となる著しい温室効果ガスとして認識されている。特に、二酸化炭素の発生源での削減は難しく、一般的に成功していない。大気中の二酸化炭素は増え続けている。二酸化炭素に対処するさらに好ましいプロセスは、二酸化炭素を、大気中の空気から効率的に回収して有用な生成物へと変換し、例えば燃料(ディーゼル燃料、灯油、ジェット燃料、ガソリン若しくはガソリン混合燃料、又は他の燃料)及び化学物質(メタノール、アンモニア、溶剤、ワックス、オレフィン、又は他の化学物質)等のように例えば石油及び天然ガス等の化石資源から生成される燃料及び化学物質と置き換えることができ、その結果として、大気中への二酸化炭素の正味の総排出量を低くすることである。これが、低炭素、超低炭素又はゼロ炭素の燃料及び化学物質が意味するものである。
【0003】
二酸化炭素は、幾つかの供給源から得ることができる。天然ガス又は石炭から肥料用のアンモニアを生成する産業に関する製造工場では、大量の二酸化炭素を生成する。トウモロコシ又は小麦をエタノールへと変換するエタノール工場では、大量の二酸化炭素を生成する。天然ガス又は石炭から発電する発電所では、大量の二酸化炭素を生成する。天然ガス鉱床はまた大量の二酸化炭素を含み得るため、幾つかの場所において、天然ガス処理工場ではかなり大量の二酸化炭素を処理する必要がある。CO

を回収して利用するには、排気ガスの流れ(a flue gas stream)又は二酸化炭素が主成分ではない別の流れから、二酸化炭素の分離を要することが多い。排気ガスの蒸気(the flue gas steam)から二酸化炭素を除去するために、アルキルアミンが用いられる。このプロセスで使用されるアルキルアミンには、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジイソプロピルアミン、アミノエトキシエタノール、又はそれらの組み合わせが含まれる。金属有機構造体(Metal Organic Framework:MOF)材料はまた、化学吸着又は物理吸着を用いて二酸化炭素を低濃度の流れから分離し、この流れから二酸化炭素を回収する手段として用いられてきた。高濃度の二酸化炭素を得る他のプロセスには、燃焼プロセスの間に生成した二酸化炭素を、循環している金属酸化物材料(circulating metal oxide material)に回収させる、化学ループ燃焼が含まれる。
【0004】
二酸化炭素はまた大気から回収することができ、二酸化炭素の直接空気回収(direct air capture:DAC)と呼ばれる。空気中の二酸化炭素濃度は約415ppmとかなり低いので、空気から二酸化炭素を回収することの課題は、排気ガス又は他の供給源からの回収とは異なっている。このような低濃度では、液体のアルキルアミンはアミン損失が大きくなりすぎる場合が多いため、うまく機能しない。MOF化合物は、二酸化炭素の物理的吸収に基づき、通常、二酸化炭素の取り込み量が少なすぎる。出版物、Sanz-Perez, et al, "Direct Capture of CO
2
fromAmbient Air", Chem. Rev. 2016, 116, 11840-11876では、CO

の直接空気回収について歴史的な発展が詳述されている。二酸化炭素を低濃度の空気流から回収するために、数多くの材料が試みられてきた。
【0005】
過去10年間で最も有望なものとして、2つの主要なタイプの材料及びプロセスが発展してきた。第1の有望な材料及びプロセスのセットは、アミンを繋ぎとめた固体吸着剤の使用である。これは、(先に述べた液体アミンと同様に)アミンのCO

回収能力を利用したものであるが、これらのタイプの材料は化学的に固体に繋ぎとめられる。先に述べた金属酸化物に基づく化学吸着剤とは異なり、担持されたアミン吸着剤は、ほぼ大気下の条件で作動し、理想的には穏やかな温度変化で再生させることが可能である。Choi et al, "Application of Amine-Tethered Solid Sorbents forDirect CO
2
Capture from Ambient Air", Environmental Science& Technology, 2011, 45, 2420-2427では、これらの材料について詳しく説明されている。しかし、これらの化学吸着剤には、二酸化炭素を放出するための温度変化と、二酸化炭素を洗い流すための不活性ガスとが必要である。実験室では、窒素又はアルゴン又は他の不活性ガスが用いられている。しかし、商業的には、二酸化炭素からの不活性ガスの分離が、二酸化炭素の最初の回収とほとんど同じくらい重要な問題となる。この不活性ガスの問題を克服するために、ある種のこれら担持された吸着剤では、水蒸気を用いて二酸化炭素を放出させ、吸着剤を再生可能なことが示されている。Wen Li, et.Al "Steam Stripping for Regeneration of SupportedAmine-Based CO2 Adsorbents", ChemSusChem 2010, 3, 899-903を参照されたい。US9,555,365で説明されているように、Global Thermostatにより開発された技術は、DACのためのこの一般的なアプローチの部類に入る。
【0006】
第2の材料及びプロセスは、水性(aqueous)の金属水酸化物を用いて空気中のCO

と反応させて金属炭酸塩を生成し、これをか焼して回収したCO

を放出し、金属水酸化物を再び作るものである。このサイクルは、連続した一連の化学反応器内で行うことができる。この技術は、Carbon Engineeringにより高められている。彼らのプロセスは、Keithet al, "A Process for the Capture of CO
2
from theAtmosphere", Joule 2, 1573-1594, August 15, 2018で詳細に説明されている。彼らのプロセスから結果として得られる二酸化炭素は、900℃から冷却され、100気圧よりも高圧に圧縮されて、地質的に隔離される又はCO

パイプラインへと送られる。再生可能な水素(H

)源は、水から電気分解で生成することができる。
【0007】
JPEG
2025106343000002.jpg
12
170
【0008】
この反応は、電気を用いて、水を、水素と酸素とに分解するものである。電解槽は、電解質で隔てられたアノードとカソードとで構成されている。方法が少し異なると電解槽の機能が様々に異なり、これは主に、要する電解質材料の種類の違いによるものである。
【0009】
しかし、それぞれの電気分解技術は、水が常圧及び常温でシステムへ供給され、全てのエネルギー入力が電気の形で提供される場合、39.4kWh/kgH

(水素のHHV)の電気エネルギー入力の理論的最小値を有する。適切な熱エネルギーがシステムへ供給されれば、必要な電気エネルギー入力は、39.4kWh/kgH

よりも少なくなる可能性がある。例えばPEM水蒸気電気分解や特に固体酸化物電気分解等の高温電解では、電解槽が低コスト熱源又は廃熱源と同位置にあれば、全てのエネルギーを電気で供給する場合よりも作動コストを低くすることができる。(Study on development of water electrolysis in the EU Final Report,E4tech Sari with Element Energy Ltd for the Fuel Cells and Hydrogen JointUndertaking, February 2014)。電気分解に必要な高いエネルギーを考慮すると、本発明により想定するゼロ炭素の燃料及び化学工場の配置は、安価な再生可能電力がある場所又はその近辺に配置する必要がある。
【0010】
電気分解の他に、現在の重要な研究では、光エネルギー及び光触媒を用いて、水を、水素と酸素とへ分解する方法が検討されている。(Acar et al, Int. J. Energy Res. 2016; 40: 1449-1473)。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

阪本薬品工業株式会社
水系潤滑剤
今日
三菱重工業株式会社
炭化炉
24日前
三菱重工業株式会社
炉設備
今日
三菱重工業株式会社
炭化炉
1か月前
新日本理化株式会社
潤滑油
10日前
日本製鉄株式会社
処理装置、処理方法、およびプログラム
9日前
三菱重工業株式会社
炭化炉及びその制御方法
7日前
日本製鉄株式会社
処理装置、処理方法、およびプログラム
9日前
品川リフラクトリーズ株式会社
コークス炉の装入孔蓋
1か月前
三菱化工機株式会社
ガス化ガスのガス前処理設備、及びガス前処理方法
1か月前
ENEOS株式会社
潤滑油組成物
1か月前
株式会社ZEエナジー
炭化装置および処理方法
9日前
カナデビア株式会社
ガス化装置
8日前
株式会社ネオス
金属加工油剤、金属加工液、使用方法及び析出抑制方法
14日前
エスティーティー株式会社
潤滑塗膜用組成物及び潤滑塗膜
21日前
国立大学法人東京農工大学
パーム酸油の骨格異性化による改質方法
1か月前
三菱ケミカル株式会社
潤滑油添加剤、潤滑油、及び潤滑油添加剤の製造方法
22日前
日油株式会社
樹脂用摺動性向上剤およびこれを用いた樹脂組成物
16日前
日本特殊陶業株式会社
濃度測定装置、反応装置および濃度測定方法
15日前
JFEスチール株式会社
石炭ケーキの製造方法および冶金用コークスの製造方法
1か月前
株式会社エムエスケイ
乾留熱分解油化システム、及び乾留熱分解油化方法
29日前
株式会社環境経営総合研究所
下水汚泥等の高含水率物質の燃料化システム
7日前
UBE三菱セメント株式会社
バイオマス燃料の製造システム、及び、液体燃料の回収装置
1か月前
ディーエル ケミカル カンパニー リミテッド
潤滑油粘度指数改善剤及びそれを含む潤滑油組成物
22日前
三菱重工業株式会社
バイオマスガス化炉、液体燃料製造設備、及びバイオマスガス化炉の運転方法
7日前
三菱ケミカル株式会社
潤滑油添加剤、重合体、粘度指数向上剤、潤滑油及び潤滑油添加剤の製造方法
22日前
エネサイクル株式会社
炭化炉及びガス化システム
1か月前
古河電気工業株式会社
有用炭化水素の製造方法および有用炭化水素の製造装置
14日前
サンライズソリューション株式会社
芳香族成分を多く含む油の燃焼性改善方法、及び内燃機関燃料の製造方法
22日前
インスティテュート・フォー・アドバンスド・エンジニアリング
熱分解原料及び生産品イメージ情報を用いた制御装置及び方法
29日前
シェブロン ユー.エス.エー. インコーポレイテッド
改良された改質プロセス
23日前
ENEOS株式会社
グリース組成物及びこのグリース組成物を用いた摺動部分の潤滑方法
7日前
ENEOS株式会社
冷凍機油、冷凍機用作動流体組成物、潤滑方法及び冷凍機油の製造方法
21日前
アフトン・ケミカル・コーポレーション
潤滑剤用のケイ素含有化合物
23日前
シェブロン・オロナイト・テクノロジー・ビー.ブイ.
船舶用ディーゼルシリンダー潤滑油組成物
1か月前
コッパーズ デラウェア インコーポレイテッド
ピッチ収率を増加するための熱処理プロセス及びシステム
14日前
続きを見る