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公開番号
2025106825
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-17
出願番号
2024000388
出願日
2024-01-05
発明の名称
画像観察機能付き分光装置
出願人
ピンポイントフォトニクス株式会社
代理人
個人
主分類
G02B
21/00 20060101AFI20250710BHJP(光学)
要約
【課題】
光学顕微鏡を用いてラマン顕微鏡観察を行うためには、光学顕微鏡が複数のフィルターターレットを有している必要があるため、通常の蛍光顕微鏡においてはラマン顕微鏡観察を行うことが容易でなく、特別な顕微鏡を用いなければならなかった。
【解決手段】
光学顕微鏡に一般に1つあるいは複数個具備されているカメラポートに接続が可能なラマン散乱光の分光計測が可能な画像観察機能付き分光装置を提供する。
【選択図】図7
特許請求の範囲
【請求項1】
画像観察光学系への脱着が可能であり、
散乱光を励起するレーザ光源と、
試料からの散乱光の波長情報を取得する分光器と、
画像情報を取得する撮像素子とを有する画像観察機能付き分光装置であって、
画像観察光学系により観察を行う試料の画像の第1の結像位置に撮像素子を配置し、
画像観察光学系への脱着部と撮像素子との間に、レーザ光源の波長およびレーザ光源の波長よりも長い波長の光を反射する第1の分光ミラーを配置し、
第1の分光ミラーを配置することにより形成される第2の結像位置に、レーザ散乱光を励起するレーザ光が集光し、かつ、画像観察光学系を介して試料上にレーザ光が照射するように第1の光学レンズを配置し、
試料からの散乱光が、画像観察光学系と第1の分光ミラーを介して第2の結像位置に集光した後、第1の光学レンズによりほぼ平行光とされた後、分光器に入射するようにレーザ光を反射し散乱光を分離する第2の分光ミラーを配置することにより、
観察を行う試料の画像情報と分光情報を取得することを特徴とする画像観察機能付き分光装置
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【請求項2】
上記画像観察機能付き分光装置において、
画像観察光学系を用いて取得した試料の画像情報に、試料の分光情報を取得したレーザ照射位置を付加した情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の画像観察機能付き分光装置
【請求項3】
上記画像観察機能付き分光装置において、
画像観察光学系を用いて取得した試料の画像情報を用いて、分光情報を取得する位置を指定することを特徴とする請求項1あるいは2に記載の画像観察機能付き分光装置
【請求項4】
上記画像観察機能付き分光装置において、
画像観察光学系を用いて取得した試料の画像情報は、画像観察機能付き分光装置内に配置される撮像素子とは異なる画像観察光学系に接続された撮像素子により撮影された画像情報であることを特徴とする請求項1より3のいずれかに記載の画像観察機能付き分光装置
【請求項5】
上記画像観察機能付き分光装置において、
第1の光学レンズと第2の分光ミラーとの間に角度が調整可能なミラーデバイスを配置することにより、画像観察光学系を介して試料上に照射されるレーザ光の位置を調整することを特徴とする請求項1より4のいずれかに記載の画像観察機能付き分光装置
【請求項6】
上記画像観察機能付き分光装置において、
画像観察光学系を用いて取得した試料の画像情報を用いて分光情報を取得する領域を指定することにより、対応する領域内の複数の位置の分光情報を取得することを特徴とする請求項1より5のいずれかに記載の画像観察機能付き分光装置
【請求項7】
上記画像観察機能付き分光装置において、
第1の分光ミラーは、厚さが約2mm以下の板状部材であり、レーザ光源の波長よりも長い波長の光を反射するコーティング面はレーザ光源側に配置されることを特徴とする請求項1より6のいずれかに記載の画像観察機能付き分光装置
【請求項8】
上記画像観察機能付き分光装置において、
第1の分光ミラーは、厚さが約1mmの板状部材であり、レーザ光源の波長よりも長い波長の光を反射するコーティング面はレーザ光源側に配置されることを特徴とする請求項1より6のいずれかに記載の画像観察機能付き分光装置
【請求項9】
上記画像観察機能付き分光装置において、
画像観察機能付き分光装置が接続される画像観察光学系は、光学顕微鏡であることを特徴とすることを特徴とする請求項1より8のいずれかに記載の画像観察機能付き分光装置
【請求項10】
上記画像観察機能付き分光装置において、
画像観察機能付き分光装置が接続される画像観察光学系の画像観察光学系への脱着部は、Cマウントであることを特徴とする請求項1より9のいずれかに記載の画像観察機能付き分光装置
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
ラマン分光法は、ラベルフリーで非破壊的に、化学的特性を得ることができる手法である。そして、顕微鏡の対物レンズを用いて、局所的に励起を行うレーザ光を照射することにより、試料の化学的特性を非破壊的に対物レンズの光学分解能に相当する空間分解能で評価できる手法である。
したがって創薬の領域においては、治療対象部位をラマン分光法を用いて投薬時から経時的に観察することにより、投与された薬がいつ対象部位に届き、どのような化学変化をするのかを観察することが可能である。
続きを表示(約 3,500 文字)
【0002】
図1にバイオ研究の領域において一般的に用いられている蛍光顕微鏡の概略構造図を示す。蛍光顕微鏡システム20は、集光レンズ2により、水銀ランプなどのランプ光源1より出射した照明光束8がフィルターターレット15内の蛍光フィルターキューブ11を介して対物レンズ3に導かれ、例えば培養容器16内に細胞培養液18とともに配置されている細胞試料19を照明する。蛍光フィルターキューブ11内には蛍光試薬の照明に適した波長を選択するためにエキサイトフィルター12が配置されているとともに、蛍光試薬より発光した蛍光波長が観察されるようにエミッションフィルター14が配置されるとともに、照明光を対物レンズ3側に反射し、蛍光波長をカメラ6側に透過させるような反射・透過波長特性を有するダイクロイックミラー13が配置されている。蛍光顕微鏡システム20には、複数の蛍光フィルターキューブから観察に適しているフィルターキューブを容易に選択できるよう、複数の蛍光フィルターキューブを搭載するフィルターターレット15が具備されている。
【0003】
蛍光顕微鏡システム20には結像レンズ4およびカメラ6が配置されており、対物レンズ3の観察倍率に応じた観察対象である細胞試料が蛍光発光する画像情報を取得することができる。蛍光顕微鏡システム20は、観察者の各種ニーズに応じたカメラが取り付けられるようにカメラポート5が配置されている。図1に示した蛍光顕微鏡システム20においては、カバーガラス17を介して観察された顕微鏡の観察光9は、蛍光フィルターキューブ11のダイクロイックミラー13およびエミッションフィルター14により所定の波長成分の観察光束9となり、結像レンズ4により収束され、ミラー10により反射された後、カメラポート5に接続されているカメラ6内の撮像素子7に結像する。そして、観察者の各種ニーズに応じたカメラが光学顕微鏡に取り付けることができるように、Cマウントと呼ばれる規格のカメラポートがほぼすべての光学顕微鏡に1つあるいは複数個具備されている。Cマウント規格とは、内径25.4mm(1インチ)でピッチ0.794mmのネジが接続部に形成されており、ネジ端面から17.526mmの距離に結像位置が配置される規格である。
【0004】
図2に、特許文献1に示すラマン分光法を用いた顕微観察方法を行うことが可能な光学系の構築例としてのラマン顕微鏡システム40の構成例を示す。ラマン分光法においては、試料より散乱発光される光の波長が、照明光の波長からどの程度波数が変化したかどうかの情報からその物質情報を取得する方法である。そのためラマン顕微鏡システムは、試料に照射する光源にはなるべく波長幅が狭いレーザ光源を用いることが有効であり、試料より散乱発光される光の波長情報を取得するために分光器を用いる。さらに試料に照射する光を対物レンズを介して集光するとともに、図2に示したシステムにおいては集光する位置を2次元でスキャンするためのスキャン機構を有している。
光源にレーザ光源を用いること、分光器を用いて信号光の受光を行うこと、スキャン機構を有していることが図1に示した蛍光顕微鏡システム20と異なっている。
【0005】
ラマン顕微鏡システムにおいても、蛍光顕微鏡の画像観察機能により試料の画像情報を取得し、蛍光顕微鏡観察画像とラマン顕微鏡システムにより取得された情報とを比較を行うことは便利であるため、市販されているラマン顕微鏡観察装置には、図3に示すように、ラマン分光情報を取得する際には使用しない、ランプ光源1およびカメラ6が配置されていることが一般的となっている。図3に示す構成においては、フィルターターレット27においてフィルターキューブが配置されていない位置とするとともに、フィルターターレット15においてフィルターキューブ11が配置される位置としている。
【0006】
図2におけるラマン顕微鏡システム40を用いて、培養容器16内に細胞培養液18とともに配置されている細胞試料19のラマン分光情報を取得する方法を説明する。
例えば波長532nmのレーザ光源21より出射されたレーザ光は、集光レンズ22により平行光をされ、ミラー36により反射された後、レーザ光源の波長を反射し、レーザ光源21の波長よりも長い波長を透過するダイクロイックミラー23により反射した後、2次元可動ミラーデバイス24に照射される。2次元可動ミラーデバイス24におけるミラー24aにより反射したレーザ光は、fシータレンズよりなるスキャンレンズ25に入射し、結像面37に集光スポットを形成する。ミラー24aをスキャンレンズ25のバックフォーカス位置に配置することにより、結像面37に形成される集光スポットの位置は、可動ミラー24aの角度に応じて制御することができる。集光面37に集光スポットを形成したレーザ光束34は、結像レンズ26および対物レンズ3により形成される結像光学系により、カバーガラス17を介して観察を行う試料に集光される。ここで、ラマン顕微鏡システム40においては、蛍光顕微鏡観察機能を具備するために、結像レンズ26と対物レンズ3との間に、光学系からの退避が可能なミラー29を第2のフィルターターレット27内に配置されているフィルターキューブ28に配置している。
【0007】
試料より発光された散乱光束35は、対物レンズ3により集光され、ミラー29および結像レンズ26により結像面37に集光された後、スキャンレンズ25によりほぼ平行光となった後、可動ミラー24aにより反射しダイクロイックミラー23に至る。ダイクロイックミラー23は、上述のようにレーザ光源21の波長よりも長い波長を透過する波長特性を有しているため、レーザ光源21の波長よりも長い波長成分の散乱光はダイクロイックミラー23を透過しレーザ光源21の光を吸収しレーザ光源21の波長よりも長い波長を透過するレーザ光吸収フィルター30を透過した後、集光レンズ31によりマルチモード光ファイバー32に入射された後、分光器33に入射され散乱光の波長成分情報が計測され、ラマン分光情報が取得され、試料の化学的特性を取得することができる。
【0008】
次に、ラマン顕微鏡システム40を用いて、培養容器16内に細胞培養液18とともに配置されている細胞試料19の蛍光観察像を取得する方法を図3を用いて説明する。蛍光顕微鏡観察の照明には、ランプ光源1より出射した照明光束8が第1のフィルターターレット15内に具備されている蛍光フィルターキューブ11内のエキサイトフィルター12を透過しダイクロイックミラー13により反射し対物レンズ3に入射する必要がある。
細胞試料19の蛍光光束9は、結像レンズ4を介してカメラ6に入射するため、蛍光顕微鏡観察時においては、第2のフィルターターレット27内に具備されているフィルターキューブ28は退避される必要がある。
【0009】
第1のフィルターターレット15内に具備されている蛍光フィルターキューブ11および、第2のフィルターターレット27内に具備されているフィルターキューブ28は、ともに、退避可能である必要がある。また、第1のフィルターターレット15は、ランプ光源1の光路に接続され、第2のフィルターターレット27は、レーザ光源21の光路に接続されているため、第2のフィルターターレット27と第1のフィルターターレット15は、ともに、対物レンズ3の光軸上に配置されている必要はあるが、兼用は困難である。蛍光顕微鏡に具備されているフィルターターレットの数は通常1つであるため、通常顕微鏡にラマン顕微鏡機能を加えることは容易ではなく、フィルターターレットを2段構成にするという改造を行わなければならない。
【0010】
さらに、図2および図3に示したラマン顕微鏡システム40において、カメラ6により取得される画像と、可動ミラー24の駆動により照射されるレーザ集光スポットとの位置情報を関係を得るためには、ラマン顕微鏡システム40を構築した後に、試料のラマン分光情報と、カメラ6による画像撮影を行いデータを比較し、位置校正を行う必要があるため、カメラの交換作業を行った場合には、その都度試料のラマン分光情報と、カメラ6による画像撮影の位置校正作業を行う必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)
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