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公開番号
2025107921
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-22
出願番号
2024001480
出願日
2024-01-09
発明の名称
ガスセンサ装置
出願人
学校法人常翔学園
,
株式会社IBS
代理人
個人
,
個人
主分類
G01N
27/28 20060101AFI20250714BHJP(測定;試験)
要約
【課題】本発明は、ガスの濃度が低く電流値が小さい場合でも、電解式ガスポンプを用いて被検査部材の性能や状態を精度良く検査することができるガスセンサ装置を提供することを課題とする。
【解決手段】カソード1とアノード2の間を流れる電流を計測することが可能な電解式ガスポンプP1、P3を用いたガスセンサ装置であって、計測用の電解式ガスポンプP1のガス排出側に排出用の電解式ガスポンプP3が設けられ、計測用の電解式ガスポンプP1のガス排出側の第2のチャンバ20と、排出用の電解式ガスポンプP3のガス流入側の第1のチャンバ10とが連通状態で接続され、排出用の電解式ガスポンプP3により計測用の電解式ガスポンプP1で発生したガスを排出させる。
【選択図】図5
特許請求の範囲
【請求項1】
第1のチャンバに配置された還元反応電極と、第2のチャンバに配置された酸化反応電極と、第2のチャンバまたは第1のチャンバに注入される電解液と、前記還元反応電極および前記酸化反応電極に挟まれたイオン交換可能なセパレータと、前記還元反応電極および前記酸化反応電極に電圧を印加する電圧印加装置とを備え、
前記電圧印加装置が前記還元反応電極および前記酸化反応電極に電圧を印加し、第1のチャンバまたは第2のチャンバに流入したガスが一方の前記還元反応電極または前記酸化反応電極において電気化学的還元反応または電気化学的酸化反応するとともに、他方の前記酸化反応電極または前記還元反応電極において電気化学的酸化反応または電気化学的還元反応により生じたガスが第2のチャンバまたは第1のチャンバから排出される過程において、前記酸化反応電極と前記還元反応電極の間を流れる電流を計測することが可能な電解式ガスポンプを用いたガスセンサ装置であって、
計測用の電解式ガスポンプのガス排出側に排出用の電解式ガスポンプが設けられ、
前記計測用の電解式ガスポンプのガス排出側の前記第2のチャンバまたは前記第1のチャンバと、前記排出用の電解式ガスポンプのガス流入側の前記第1のチャンバまたは前記第2のチャンバとが連通状態で接続され、前記排出用の電解式ガスポンプにより前記計測用の電解式ガスポンプで発生したガスを排出させることを特徴とするガスセンサ装置。
続きを表示(約 2,100 文字)
【請求項2】
被測定部材によりガス供給室とガス透過室に区画された状態で当該被測定部材を保持するホルダと、前記ホルダにおいて前記ガス透過室側に配置された前記計測用の電解式ガスポンプと、前記計測用の電解式ガスポンプのガス排出側に配置された前記排出用の電解式ガスポンプとを備える請求項1に記載のガスセンサ装置。
【請求項3】
前記ホルダは、前記ガス供給室側に配置された別の排出用の電解式ガスポンプをさらに備える請求項2の記載のガスセンサ装置。
【請求項4】
前記ホルダは、被測定部材を挟着状態に保持するとともに、前記ガス供給室の開口面積が前記計測用の電解式ガスポンプのガス流入側の前記第1のチャンバまたは前記第2のチャンバの開口面積よりも大きく形成されている請求項2に記載のガスセンサ装置。
【請求項5】
第1のチャンバに配置された還元反応電極と、第2のチャンバに配置された酸化反応電極と、前記第2のチャンバまたは前記第1のチャンバに注入される電解液と、前記還元反応電極および前記酸化反応電極に挟まれたイオン交換可能なセパレータと、前記還元反応電極および前記酸化反応電極に電圧を印加する電圧印加装置とを備え、
前記電圧印加装置が前記還元反応電極および前記酸化反応電極に電圧を印加し、前記第1のチャンバまたは前記第2のチャンバに流入したガスが一方の前記還元反応電極または前記酸化反応電極において電気化学的還元反応または電気化学的酸化反応するとともに、他方の前記酸化反応電極または前記還元反応電極において電気化学的酸化反応または電気化学的還元反応により生じたガスが前記第2のチャンバまたは前記第1のチャンバから排出される過程において、前記酸化反応電極と前記還元反応電極の間を流れる電流を計測することが可能な電解式ガスポンプを用いたガスセンサ装置であって、
前記電圧印加装置は、前記酸化反応電極および前記還元反応電極に対して所定の周波数および振幅の交流電圧を直流電圧に重畳して印加することを特徴とするガスセンサ装置。
【請求項6】
第1のチャンバに配置された還元反応電極と、第2のチャンバに配置された酸化反応電極と、前記第2のチャンバまたは前記第1のチャンバに注入される電解液と、前記還元反応電極および前記酸化反応電極に挟まれたイオン交換可能なセパレータと、前記還元反応電極および前記酸化反応電極に電圧を印加する電圧印加装置とを備え、
前記電圧印加装置が前記還元反応電極および前記酸化反応電極に電圧を印加し、前記第1のチャンバまたは前記第2のチャンバに流入したガスが一方の前記還元反応電極または前記酸化反応電極において電気化学的還元反応または電気化学的酸化反応するとともに、他方の前記酸化反応電極または前記還元反応電極において電気化学的酸化反応または電気化学的還元反応により生じたガスが前記第2のチャンバまたは前記第1のチャンバから排出される過程において、前記酸化反応電極と前記還元反応電極の間を流れる電流を計測することが可能な電解式ガスポンプを用いたガスセンサ装置であって、
被測定部材によりガス供給室とガス透過室に区画された状態で当該被測定部材を保持するホルダと、前記ガス透過室に第1のバルブを介して接続された計測用の電解式ガスポンプと、前記ガス供給室に第2のバルブを介して接続された参照用の電解式ガスポンプとを備え、
計測時に第1のバルブを閉じ、かつ第2のバルブを開いた状態において、前記計測用の電解式ポンプで計測された電流と、前記参照用の前記電解式ポンプで計測された電流を差動増幅することを特徴とするガスセンサ装置。
【請求項7】
前記計測用の電解式ガスポンプおよび参照用の前記電解式ガスポンプは、被測定部材に対して位置および構成が対称的に配置されている請求項6に記載のガスセンサ装置。
【請求項8】
前記ガスとして酸素が用いられ、
前記第1のチャンバの前記還元反応電極において酸素の電気化学的還元反応により水酸化物イオンが発生したあと、該水酸化物イオンが前記セパレータを透過して前記酸化反応電極へ移動し、前記第2のチャンバの前記酸化反応電極において該水酸化物イオンの電気化学的酸化反応により酸素が発生する請求項1から請求項7のいずれかに記載のガスセンサ装置。
【請求項9】
前記電解式ポンプの酸化反応電極と前記還元反応電極との間を流れる電流を計測し、下式により前記被測定部材の酸素透過度を算出する請求項8に記載のガスセンサ装置。
酸素透過度(OTR)= i
∞
V
m
/4F/S/p
i
∞
:レベルオフ電流
V
m
:ガス(酸素)のモル体積
F:ファラデー定数
S:被測定部材の面積
p:ガス(酸素)の圧力差
【請求項10】
前記被測定部材は、包装材に用いられるバリアフィルムである請求項9に記載のガスセンサ装置。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解式ガスポンプを用いて所定の被測定部材の性能や状態などを測定するガスセンサ装置に関するものである。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、バリアフィルム(ポリマーフィルム)は、食品、医薬品の長期保存はもとより、有機ELや有機太陽電池などの劣化防止には不可欠となっている。特に酸素は腐敗、酸化劣化の原因となり、水と共に遮蔽する必要がある。一方、プラスチック(ポリマーフィルム)は環境問題にも関わり、できるだけ使用量を控えて薄膜化および高機能化することがSDGsの観点からも要請されている。このように、バリアフィルムは不可欠な基盤材料・技術で隠れた大きい市場であり、今後、さらに需要が拡大すると予想される。
【0003】
このようなバリアフィルムのガス透過度は、ユーザーによる個別の要求あるいは素材によっては標準化に準ずる仕様を備えている装置で評価が可能である。特に、素材の製造プロセス、商品の検査、および特殊な条件でのバリア性は、標準化された方法に限らなくても、簡易な方法で評価し標準化された装置による評価と比較検証すればよい。特に、米国モコン社製は高精度(酸素透過度:OTR < 0.1cc/m
2
/day/atm)ではあるが、高価なため簡便、安価に測定できる装置が嘱望されている。
【0004】
本出願人は、燃料電池の還元反応電極(カソード)側をバリアフィルムで塞ぐことによって、バリアフィルムを透過する酸素量に比例する電流から、酸素透過度(OTR:Oxygen Transmission Rate,[cc/m
2
/day/atm])を評価する装置(電解式酸素ポンプ)を既に提案している(例えば、非特許文献1、2および特許文献1参照)。この方法では、OTR>100cc/m
2
/day/atmが測定限界で、例えば、厚さが50μm以下の高密度ポリエチレン(HDPE) の測定が可能である。しかし、実際に要求される測定感度はハイバリアフィルム(OTR<1cc/m
2
/day/atm)で、その感度をクリアできる装置が必要となる。
【0005】
ここで、図1に電解式酸素ポンプPによるバリアフィルムFの酸素透過度(OTR)を測定するための装置を示す。カソード1の還元反応は、下式(1)で示すように、バリアフィルムを透過したO
2
が電圧印加装置5から供給される電子(4e
-
)によって還元され4OH
-
となって、セパレータ4をアノード2側へ透過する。アノード2側へ透過した4OH
-
は、下式(2)に従って、酸化反応により純酸素(O
2
)が発生する。全体の反応としては、下式(3)に示すように、O
2
がカソード1からアノード2へ移動する酸素ポンプとして働く。アノード2で発生するH
2
Oはセパレータ4を透過してカソード1側へ移動し、カソード1へH
2
Oを供給しなくてもカソード1の還元反応は進行する。即ち、4個の電子が流れれば、一個のO
2
が還元されたことになる。カソード1とアノード2はSHEに対して0.401Vの同じ反応電位で、電極表面での分極あるいはIRドロップを補えば、反応は低電位で起こる。
【0006】
<カソードでの還元反応>
2H
2
O + O
2
+ 4e
-
→ 4OH
-
0.401 V vs.SHE …(1)
<アノードでの酸化反応>
4OH
-
- 4e
-
→ 2H
2
O + O
2
0.401 V vs.SHE …(2)
<全体反応>
O
2
(カソード)+2H
2
O(カソード)→O
2
(アノード)+2H
2
O(アノード) 0V …(3)
【0007】
図1の装置のバリアフィルムFにSUS板を用いて、電圧印加装置5からV
app
を両電極に印加すると電流iが流れる。最初、カソード1内にある酸素が還元反応によって消費されて、図2(a)に示すように約30分で急速に減少する。その後、ゆっくり減少し20時間ほど経つと電流値は平衡電流、即ち、レベルオフ電流(i
∞
)になって一定値に近づく。第1のチャンバ10の酸素濃度も電流と同様に、最初、大気圧の20%であったが約0.2%に減少する。図2(b)は酸素濃度と電流値の関係を示すもので、ごく低濃度と高濃度を除いて、ほぼ直線的な比例関係になっている。図2(a)から17時間以上経っても、電流は僅かに流れ続け0にならない。SUS板はガス透過係数がほぼ0で、本来、レベルオフ電流は0になるはずであるが有限の値である。電流が僅かに流れながら減少する振る舞いと、有限の値が問題で、その起源を調べることが重要である。
【0008】
図3に色々なバリアフィルムを用いて測定した印加電圧(V
app
)とレベルオフ電流(i
∞
)の関係を示す。図3の特に重要な結果は、レベルオフ電流が印加電圧に依存しない平坦な部分があること、および点線で示したバックグランド電流が見られることである。平坦な領域のレベルオフ電流は、バリアフィルムを透過する酸素量に律速されていることで、酸素透過度が評価できることを保証する。即ち、レベルオフ電流に限って言えることで、このレベルオフ電流はバリアフィルムを透過する酸素量と平衡していることを示す。バックグランド電流は、(1)アノード2に集積された酸素のカソード1へのクロスオーバー、(2)水の電気分解電位への熱励起、(3)装置の筐体に吸着した酸素やピンホールからのリーク、あるいは(4)電極からセパレータおよび電解液への電子あるいは正孔の注入などの要因が考えられる。なお、図3において、HDPE13mmおよびSilicon1.0mmの電流値は、フィルム面積が10倍(4cm
2
→39cm
2
)になれば、レベルオフ電流が約10倍になることを示している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
Memoirs of Osaka Institute of Technology Vol67,No2(2022)PP79-84「電解式O2ポンプによるバリアフィルムの酸素透過率測定」
Memoirs of Osaka Institute of Technology Vol67,No2(2021)PP29-37「電解式リークディテクター」
【特許文献】
【0010】
特開2023-89534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)
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