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公開番号2025109237
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-25
出願番号2024002950
出願日2024-01-12
発明の名称トナー用ポリエステル樹脂エマルション、樹脂粒子の製造方法、及び、トナーの製造方法
出願人株式会社リコー
代理人個人
主分類G03G 9/087 20060101AFI20250717BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】コアシェル構造を有し、コア粒子に対するシェル粒子の凝集性及びその均一性に優れるトナー用ポリエステル樹脂エマルションの提供。
【解決手段】アルコール成分及びカルボン酸成分を重縮合して得られるポリエステル樹脂(A)を含む樹脂粒子(S)が、水系媒体中に分散してなるトナー用ポリエステル樹脂エマルションであって、前記アルコール成分は、炭素数4以上6以下の直鎖状又は分岐状の脂肪族飽和炭化水素を骨格とする、3価又は4価のアルコールを含み、前記ポリエステル樹脂(A)の酸価(AV)に対する、前記ポリエステル樹脂(A)の水酸基価(OHV)の比が0.30以上1.00以下であり、前記AVが10mgKOH/g以上25mgKOH/gであり、前記ポリエステル樹脂(A)はポリエチレンテレフタレート(PET)由来の繰り返しユニットを40質量%以上70質量%以下含有するトナー用ポリエステル樹脂エマルション。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
アルコール成分及びカルボン酸成分を重縮合して得られるポリエステル樹脂(A)を含む樹脂粒子(S)が、水系媒体中に分散してなるトナー用ポリエステル樹脂エマルションであって、
前記アルコール成分は、炭素数4以上6以下の直鎖状又は分岐状の脂肪族飽和炭化水素を骨格とする、3価又は4価のアルコールを含み、
前記ポリエステル樹脂(A)の酸価をAV(mgKOH/g)とし、前記ポリエステル樹脂(A)の水酸基価をOHV(mgKOH/g)としたとき、OHV/AVが、0.30以上1.00以下であり、前記AVが10mgKOH/g以上25mgKOH/gであり、
前記ポリエステル樹脂(A)は、テレフタル酸とエチレングリコールとの縮合体からなるポリエチレンテレフタレート(PET)由来の繰り返しユニットを40質量%以上70質量%以下含有する、
ことを特徴とするトナー用ポリエステル樹脂エマルション。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記ポリエステル樹脂(A)のアルコール成分は、トリメチロールプロパンを含有する、請求項1に記載のトナー用ポリエステル樹脂エマルション。
【請求項3】
結着樹脂を含むコア粒子と、前記コア粒子を被覆するシェルと、からなるコアシェル構造を有するトナーの製造に用いられるシェル形成用樹脂エマルションである、請求項1または2に記載のトナー用ポリエステル樹脂エマルション。
【請求項4】
前記結着樹脂が、非晶性ポリエステル樹脂(B)を含有する、請求項3に記載のトナー用ポリエステル樹脂エマルション。
【請求項5】
前記アルコール成分は、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、及び2,3-ブタンジオールから選ばれる少なくとも1種以上を、前記アルコール成分の全量に対して30mol%以上含む、請求項1または2に記載のトナー用ポリエステル樹脂エマルション。
【請求項6】
前記樹脂粒子(S)の、示差走査熱量測定(DSC)における昇温2回目のガラス転移温度(Tg)は、65℃以上75℃以下である、請求項1または2に記載のトナー用ポリエステル樹脂エマルション。
【請求項7】
結着樹脂を含むコア粒子と、前記コア粒子を被覆するシェルと、からなるコアシェル構造を有する樹脂粒子の製造方法であって、少なくとも下記(1)~(4)の工程を含むことを特徴とする樹脂粒子の製造方法。
(1)有機溶媒中に少なくともポリエステル樹脂、離型剤を溶解又は分散させて溶解物又は分散物を得る工程
(2)前記溶解物又は分散物を水系媒体中に懸濁させてコア粒子分散液を生成する工程
(3)前記コア粒子分散液に請求項1又は2に記載のトナー用ポリエステル樹脂エマルションを加えて、前記コア粒子の表面にシェルを形成させる工程
(4)前記有機溶媒を除去する工程
【請求項8】
結着樹脂を含むコア粒子と、前記コア粒子を被覆するシェルと、からなるコアシェル構造を有するトナーの製造方法であって、少なくとも下記(1)~(4)の工程を含むことを特徴とするトナーの製造方法。
(1)有機溶媒中に少なくともポリエステル樹脂、離型剤を溶解又は分散させて溶解物又は分散物を得る工程
(2)前記溶解物又は分散物を水系媒体中に懸濁させてコア粒子分散液を生成する工程
(3)前記コア粒子分散液に請求項1又は2に記載のトナー用ポリエステル樹脂エマルションを加えて、前記コア粒子の表面にシェルを形成させる工程
(4)前記有機溶媒を除去する工程

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、トナー用ポリエステル樹脂エマルション、樹脂粒子の製造方法、及び、トナーの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置に用いられるトナーには、省エネルギー化に対する市場要求から、低温定着性に優れたトナーが要求されている。また、高温多湿等の過酷な環境下においてもトナー粒子同士の融着が発生しない耐ブロッキング性に優れたトナーや、画像形成装置の出力高速化に伴うストレスに十分耐えうる機械的耐久性に優れたトナーが要求されている。
近年、耐熱性や機械的耐久性を付与する目的で、コア粒子の表面にシェル粒子から形成されたシェルを設けた、所謂コアシェル構造を有するトナーの開発が進んでいる。トナーのコアシェル化の手法は、これまでに様々な技術が提案され実用化されてきているが、低温定着性に優れたポリエステル樹脂を、コア粒子及びシェル粒子の両方に使用したケミカルトナーが主流となっている。
【0003】
例えば、コア部及びシェル部における樹脂に対して、ポリエチレンテレフタレート(PET)を配合した静電電荷現像用トナーが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらのコアシェル構造を有するトナーは、コア粒子へのシェルの付着状態が重要であり、シェルが均一に付着していなかったり、現像機内の撹拌ストレス等で剥がれてしまうと、帯電性などのトナー特性の安定性に悪影響を及ぼしたりする。
本発明は、コアシェル構造を有し、機械的耐久性に優れ、長期の使用に渡っても帯電安定性に優れたトナーが得られるトナー用ポリエステル樹脂エマルションを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための手段としての本発明のトナー用ポリエステル樹脂エマルションは、
アルコール成分及びカルボン酸成分を重縮合して得られるポリエステル樹脂(A)を含む樹脂粒子(S)が、水系媒体中に分散してなるトナー用ポリエステル樹脂エマルションであって、
前記アルコール成分は、炭素数4以上6以下の直鎖状又は分岐状の脂肪族飽和炭化水素を骨格とする、3価又は4価のアルコールを含み、
前記ポリエステル樹脂(A)の酸価をAV(mgKOH/g)とし、前記ポリエステル樹脂(A)の水酸基価をOHV(mgKOH/g)としたとき、OHV/AVが、0.30以上1.00以下であり、前記AVが10mgKOH/g以上25mgKOH/gであり、
前記ポリエステル樹脂(A)は、テレフタル酸とエチレングリコールとの縮合体からなるポリエチレンテレフタレート(PET)由来の繰り返しユニットを40質量%以上70質量%以下含有する、
ことを特徴とするトナー用ポリエステル樹脂エマルションである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によると、機械的耐久性に優れるトナーを得ることができるとともに、長期の使用に渡っても帯電安定性に優れたトナーが得られるトナー用ポリエステル樹脂エマルションを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1は、本発明に関する画像形成装置の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
コアシェル構造を有するトナーにおいては、トナーの低温定着性、耐熱保存性、帯電安定性及び機械的耐久性の観点から、コア粒子表面に形成されるシェルが均一に配され、かつ欠損箇所がないことが大変重要であることが知られている。より具体的には、コア粒子表面に対して、シェルが均一かつ欠損箇所がないように配されていない場合、トナーの機械的耐久性が低下することに起因して、画像形成装置内の現像ストレス等によってコア粒子からシェルが剥がれ落ち、各トナー性能が著しく悪化することが懸念されている。
【0009】
上記特許文献1に記載されている従来技術においては、コアシェル構造を有するトナーのシェル部に対してポリエチレンテレフタレート(PET)を導入することで、トナーの耐久性、及びトナー表面におけるワックスの露出を抑制している。しかしながら、当該シェル部を形成するシェル粒子に対してポリエチレンテレフタレート(PET)を導入すると、シェル粒子の疎水性が低下することに起因して、コア粒子及びシェル粒子の凝集性が低下し、コア粒子表面に均一なシェルを作製することが困難となることが懸念されている。
【0010】
本発明者らが鋭意検討したところ、コアシェル構造を形成する際、即ちコア粒子表面に対してシェル粒子を凝集させる際に、ポリエステル樹脂(A)の酸価をAV(mgKOH/g)とし、前記ポリエステル樹脂(A)の水酸基価をOHV(mgKOH/g)としたとき、ポリエステル樹脂の酸価(AV)に対する水酸基価(OHV)の比(OHV/AV)が特定の数値範囲内にあるポリエステル樹脂を水系媒体に分散させたエマルションを用いることにより、コア粒子に対するシェル粒子の凝集性及び凝集均一性が向上し、機械的耐久性に優れると共に、長期の使用に渡っても帯電安定性に優れたトナー及び現像剤が得られることを知見した。具体的には、次の通りである。
(【0011】以降は省略されています)

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