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公開番号2025110037
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-28
出願番号2024003734
出願日2024-01-15
発明の名称高揚力装置および航空機
出願人三菱重工業株式会社,国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
代理人個人,個人,個人,個人
主分類B64C 9/26 20060101AFI20250718BHJP(航空機;飛行;宇宙工学)
要約【課題】性能を十分に引き出すことのできる高揚力装置を提供すること。
【解決手段】高揚力装置は、翼と、翼の前縁に連なる格納庫に格納され、前縁の前方に展張するフラップと、格納庫に格納される待機位置と前方に展張する展開位置との間を、フラップを移動させるリンク機構と、を備える。
翼の前縁は、リンク機構を構成するリンク部材が待機位置と展開位置との間を移動する際に出入りする干渉回避開口を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
翼と、
前記翼の前縁に連なる格納庫に格納され、前記前縁の前方に展張するフラップと、
前記格納庫に格納される待機位置と前記前方に展張する展開位置との間を、前記フラップを移動させるリンク機構と、を備え、
前記翼の前記前縁は、前記リンク機構を構成するリンク部材が前記待機位置と前記展開位置との間を移動する際に出入りする干渉回避開口を備える、高揚力装置。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記リンク機構は、
原動リンクと、第1従動リンクおよび第2従動リンクと、前記原動リンクと前記第1従動リンクを連結し、かつ、前記原動リンクと前記第2従動リンクを連結する伝達リンクと、を備え、
前記原動リンクの揺動運動により前記第1従動リンクおよび前記第2従動リンクが揺動運動し、
前記干渉回避開口には、前記伝達リンクが出入りする、
請求項1に記載の高揚力装置。
【請求項3】
前記フラップは、
前記第1従動リンクと前記第2従動リンクの双方にピン結合により連結される第1フラップ要素と、
前記第1従動リンクの一部をなす第2フラップ要素と、を備える、
請求項2に記載の高揚力装置。
【請求項4】
前記待機位置において、
前記第1フラップ要素と前記第2フラップ要素は折り畳まれ、前記第1フラップ要素は前記格納庫に格納され、前記第2フラップ要素は前記翼の下面の一部を構成し、
前記展開位置において、
前記第1フラップ要素と前記第2フラップ要素は、前記前縁の前方に展張され、面一のフラップ面を構成する、
請求項3に記載の高揚力装置。
【請求項5】
前記フラップが前記待機位置において、前記干渉回避開口を閉じ、
前記フラップが前記展開位置において、前記干渉回避開口を開く、開閉体を備える、
請求項1に記載の高揚力装置。
【請求項6】
前記開閉体は、
前記フラップの前記待機位置から前記展開位置への移動に伴って、前記干渉回避開口を開き、
前記フラップの前記展開位置から前記待機位置への移動に伴って、前記干渉回避開口を閉じる、
請求項5に記載の高揚力装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、航空機の主翼の前縁に設けられる高揚力装置としてのクルーガーフラップ(Krueger Flap)に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
航空機の離着陸時に用いられる高揚力装置の中で、主翼前縁に取り付けられるスラットが一般的である。スラットに代わる高揚力装置としてクルーガーフラップが注目されている。クルーガーフラップは、スラットに対して少なくとも以下の2つの特質を有する。
空力抵抗低減のための層流の流れを維持する目的のため、主翼の前面の平滑度をあげることが可能である。平滑度が上げることができれば、下面側から主翼前面を防護するように大きく展張することにより虫などが付着する前縁汚染による乱流化を防ぐことも可能である。
離着陸時の高揚力装置から出る騒音を低減できる。
例えば特許文献1には、航空機の飛行状態に応じてフラップの位置および角度をより適切に設定することが可能な高揚力装置が開示されている。特許文献1の高揚力装置は、第1回転軸とフラップに接続される第1リンク機構と、第2回転軸とフラップに接続される第2リンク機構と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-151200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
クルーガーフラップは、機械的な構造が複雑であることから、重量が増えることに加えて、複雑な機構を格納するためのスペースが必要であることから専ら大型機に適用されたり、比較的スペースが確保し易い内翼部のみに適用されたりする。特許文献1の高揚力装置は、二つのリンク機構を備え、かつ、二つの回転軸を備えるので、機械的な構造が複雑であるとともに重量が増える。このように、クルーガーフラップは、適用対象および適用箇所が限定されることにより、十分な性能を確保できないことがある。
以上より、本開示は性能を十分に引き出すことのできる高揚力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る高揚力装置は、
翼と、
翼の前縁に連なる格納庫に格納され、前縁の前方に展張するフラップと、
格納庫に格納される待機位置と前方に展張する展開位置との間を、フラップを移動させるリンク機構と、を備える。
翼の前縁は、リンク機構を構成するリンク部材が待機位置と展開位置との間を移動する際に出入りする干渉回避開口を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示の高揚力装置によれば、翼の前縁は、リンク機構を構成するリンク部材が待機位置と展開位置との間を移動する際に出入りする干渉回避開口を備える。したがって、本開示の高揚力装置によれば、揚力が最大限に得られるまでフラップを展張することができるので、フラップの性能を十分に発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
実施形態に係る高揚力装置を示す縦断面図である。
実施形態に係る高揚力装置を上方から視た斜視図である。
実施形態に係る高揚力装置を下方から視た斜視図である。
実施形態に係る高揚力装置の動作を示す縦断面図である。
実施形態に係る高揚力装置の動作を示す上方から視た斜視図である。
実施形態に係る高揚力装置の動作を示す下方から視た斜視図である。
実施形態に係る高揚力装置における干渉回避開口を開閉する開閉体の一例を示す図である。
実施形態に係る高揚力装置における干渉回避開口を開閉する開閉体の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照しながら、実施形態について説明する。
高揚力装置1は、航空機の主翼50の前縁51にフラップ2を備え、フラップ2が図4、図5および図6のそれぞれのS03で示すように、離陸時または着陸時において前方へ展張することによって、揚力係数を高めることができる。フラップ2は、第1フラップ要素5と第2フラップ要素6の二つの要素からなる。飛行機の巡航中、図4、図5および図6のそれぞれのS01に示すように、第1フラップ要素5は主翼50の格納庫55の中に格納され、第2フラップ要素6は主翼50の下面57の一部を構成する。高揚力装置1は、図3,図6に示されるように、主翼50の前縁51に干渉回避開口53を設けることにより、フラップの可動範囲を広げることができる。
【0009】
〔高揚力装置1の構成:図1,図2,図3参照〕
高揚力装置1は、リンク機構10を介して原動軸3の正回転または逆回転の動作を伝達することによりフラップ2を展開位置において構成する。なお、フラップ2を構成する第1フラップ要素5と第2フラップ要素6は何れもリンク機構10の構成要素の一つをなしている。つまり、リンク機構10は、それ自身でフラップの機能を備える。
【0010】
[フラップ2(第1フラップ要素5)]
フラップ2は、翼形状を有する一方向に長い部材であって、主翼50の前縁51において主翼50の翼長方向Lに沿って設置される。フラップ2は、前述したように、第1フラップ要素5と第2フラップ要素6から構成される。
第1フラップ要素5は、フラップ本体5Aと連結アーム5Bを備える。フラップ本体5Aは高揚力装置1が展開位置において、揚力の向上に寄与する。連結アーム5Bは、フラップ2を展張させるリンク機構10の第2従動リンク15とのピン結合による連結を目的にフラップ本体5Aと一体的に設けられる。連結アーム5Bはフラップ本体5Aの内側、つまり展張時の下面側に形成されている。第1フラップ要素5は、フラップ本体5Aの側においてもリンク機構10の第1従動リンク13とピン結合により連結されている。
フラップ本体5Aは、第1フラップ構成面5Cを備えている。
(【0011】以降は省略されています)

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