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公開番号2025110163
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-28
出願番号2024003943
出願日2024-01-15
発明の名称電動機の診断装置
出願人東芝産業機器システム株式会社
代理人弁理士法人サトー
主分類G01R 31/34 20200101AFI20250718BHJP(測定;試験)
要約【課題】レアショートの発生を精度良く検出する。
【解決手段】診断装置1は、電動機2の電流を検出する電流検出回路5と、電動機2の電圧を検出する電圧検出回路6と、電流検出回路5および電圧検出回路6により検出される電動機2の電流および電圧に基づいて電動機2のレアショートを診断するための各種の処理を実行する処理部7と、を備える。処理部7は、電動機2の電流および電動機2の電圧を用いて電圧位相を基準にした逆相電流ベクトルを計算して取得する取得処理と、正常時の所定の第1期間に取得した逆相電流ベクトルに基づいて基準値を設定する設定処理と、運転時に取得した逆相電流ベクトルと基準値との差分である差分ベクトルを計算する計算処理と、差分ベクトルが予め定められた閾値以上になった場合に電動機2にレアショートが発生していると診断する診断処理と、を実行する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
電動機の電流を検出する電流検出回路と、
電動機の電圧を検出する電圧検出回路と、
前記電流検出回路および前記電圧検出回路により検出される前記電動機の電流および電圧に基づいて前記電動機のレアショートを診断するための各種の処理を実行する処理部と、
を備え、
前記処理部は、
前記電動機の電流および前記電動機の電圧を用いて電圧位相を基準にした逆相電流ベクトルを計算して取得する取得処理と、
正常時の所定の第1期間に取得した前記逆相電流ベクトルに基づいて基準値を設定する設定処理と、
運転時に取得した逆相電流ベクトルと前記基準値との差分である差分ベクトルを計算する計算処理と、
前記差分ベクトルが予め定められた閾値以上になった場合に前記電動機にレアショートが発生していると診断する診断処理と、
を実行する電動機の診断装置。
続きを表示(約 250 文字)【請求項2】
前記処理部は、
さらに、運転時に取得した逆相電流ベクトルを所定の第2期間毎に平均化した値に基づいて前記基準値を更新する更新処理を実行する請求項1に記載の電動機の診断装置。
【請求項3】
前記処理部は、
さらに、前記第1期間の逆相電流ベクトルのばらつきに基づいて逆相電流の標準偏差の値を統計的に求める統計処理を実行し、
前記診断処理では、前記標準偏差の値に所定の値を乗算した値を前記閾値として用いる請求項1または2に記載の電動機の診断装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電動機の診断装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
例えば誘導電動機などの電動機は、多くの工場の設備として広く利用されており、特に化学プラントや発電所などでは多数の誘導電動機が利用されている。従来、このように利用される数多くの電動機の状態を監視するため、熟練者により1台ずつ定期的にメンテナンスする、といった定期メンテナンスが実施されてきた。しかしながら、熟練者の人手不足や設備稼働の効率化とIoT化などを背景として、センサによる電動機の状態監視が求められるようになってきている。
【0003】
代表的なセンサとして振動センサや熱センサなどが挙げられるが、これらのセンサによる状態監視では、監視対象が多くなるとコストが増加するという課題がある。また、コントロールセンタのように電動機の運転を集中管理する配電盤により電動機の状態監視を行うことも考えらえるが、その場合、配線が増えることから設置が困難になるという課題がある。このような事情から、電動機に電源供給するための電源線を活用した診断方法が提案されている。
【0004】
電動機の故障原因の1つとして、固定子巻線のコイル間で短絡が起こるレアショートが挙げられる。レアショートは、短絡部に比較的大きな電流が流れることから発見が遅れると巻線の焼損に至るおそれがあり、そのために早期検出が求められる。また、レアショートが起こると短絡部に流れる電流によって三相に流れる電流のバランスが悪くなり逆相電流が増加する。このような逆相電流により電動機のレアショートを検出することが考えられる。しかし、逆相電流の大きさだけを監視してレアショートを検出する方法では、位相だけが変化して逆相電流の大きさが変わらない場合もあり得ることから、逆相電流の変化を確実に捉えることができず、その結果、レアショートの検出精度を十分に高めることができないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6945728号公報
特許第6113384号公報
特許第6099852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、レアショートの発生を精度良く検出することができる電動機の診断装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態の電動機の診断装置は、電動機の電流を検出する電流検出回路と、電動機の電圧を検出する電圧検出回路と、前記電流検出回路および前記電圧検出回路により検出される前記電動機の電流および電圧に基づいて前記電動機のレアショートを診断するための各種の処理を実行する処理部と、を備える。前記処理部は、前記電動機の電流および前記電動機の電圧を用いて電圧位相を基準にした逆相電流ベクトルを計算して取得する取得処理と、正常時の所定の第1期間に取得した前記逆相電流ベクトルに基づいて基準値を設定する設定処理と、運転時に取得した逆相電流ベクトルと前記基準値との差分である差分ベクトルを計算する計算処理と、前記差分ベクトルが予め定められた閾値以上になった場合に前記電動機にレアショートが発生していると診断する診断処理と、を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
第1実施形態に係る電動機の診断装置の構成を模式的に示す図
第1実施形態に係る初期設定用フローの具体的な内容の一例を示す図
第1実施形態に係る診断フローの具体的な内容の一例を示す図
第1実施形態に係る電動機の逆相電流の分布の一例を示す図
第1実施形態および比較例に係る正常時とレアショート時との逆相電流ベクトルの位相が同じ場合のレアショート検出を説明するための図
第1実施形態および比較例に係る正常時とレアショート時との逆相電流ベクトルの位相が異なる場合のレアショート検出を説明するための図
第1実施形態に係る逆相電流ベクトルの位置によりレアショートが発生した相を特定する手法を説明するための図
第2実施形態に係る電動機の診断装置の構成を模式的に示す図
第2実施形態に係る診断フローの具体的な内容の一例を示す図
第2実施形態に係る基準値の更新方法の一例を説明するための図
第2実施形態に係る一定期間毎に測定された逆相電流の一例を示す図
第3実施形態に係る電動機の診断装置の構成を模式的に示す図
第3実施形態に係る初期設定用フローの具体的な内容の一例を示す図
第4実施形態に係る電動機の診断装置の構成を模式的に示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、複数の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について図1~図7を参照して説明する。
【0010】
<診断装置の構成>
図1に示すように、本実施形態の電動機の診断装置1は、図示しない機械設備を運転駆動するための電動機2の診断を行うものである。なお、以下では、電動機の診断装置のことを診断装置と省略することがある。診断装置1において、電力系統から引き込まれた電源の主回路3には、主回路3の負荷電流を検出する変成器4が設けられている。
(【0011】以降は省略されています)

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