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公開番号2025110281
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-28
出願番号2024004122
出願日2024-01-15
発明の名称積層体、およびそれを含む成形体
出願人株式会社カネカ
代理人弁理士法人池内アンドパートナーズ
主分類B32B 27/30 20060101AFI20250718BHJP(積層体)
要約【課題】熱可塑性アクリル系樹脂を含む樹脂層、およびポリカーボネート樹脂を含む樹脂層を含み、透明性が良好であり、広い温度範囲において二次成形の際の積層体の割れ、破断、および白化を抑制することができる積層体、およびそれを含む成形体を提供する。
【解決手段】樹脂層(A)、および樹脂層(B)を含む積層体であって、樹脂層(A)は、メタクリル酸メチル単位を50重量%以上含む熱可塑性アクリル系樹脂(a)を含む樹脂組成物(A)からなり、樹脂層(B)は、ポリカーボネート樹脂(b)を含む樹脂組成物(B)からなり、積層体の厚みは350μm以下であり、積層体の厚み方向のヘイズが2%未満であり、積層体の延伸前の伸度を0%とした場合、130℃~160℃における引張破断伸度が200%以上であり、かつ、130℃~160℃において150%の伸度で均一に延伸した延伸部位のヘイズが3%未満である、積層体とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
樹脂層(A)、および樹脂層(B)を含む積層体であって、
前記樹脂層(A)は、メタクリル酸メチル単位を50重量%以上含む熱可塑性アクリル系樹脂(a)を含む樹脂組成物(A)からなり、
前記樹脂層(B)は、ポリカーボネート樹脂(b)を含む樹脂組成物(B)からなり、
前記積層体の厚みは350μm以下であり、
前記積層体の厚み方向のヘイズが2%未満であり、
前記積層体の延伸前の伸度を0%とした場合、130℃~160℃における引張破断伸度が200%以上であり、かつ、130℃~160℃において150%の伸度で均一に延伸した延伸部位のヘイズが3%未満である、積層体。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
前記ポリカーボネート樹脂(b)は、二価フェノール化合物の炭酸エステルからなる構成単位を80重量%以上含む、請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
前記樹脂組成物(B)中の前記ポリカーボネート樹脂(b)の含有量は50~99重量%である、請求項1に記載の積層体。
【請求項4】
前記樹脂組成物(B)のガラス転移温度は、130℃以下である、請求項1に記載の積層体。
【請求項5】
前記熱可塑性アクリル系樹脂(a)中のメタクリル酸メチル単位の含有量は80重量%以上である、請求項1に記載の積層体。
【請求項6】
前記樹脂組成物(A)中の前記熱可塑性アクリル系樹脂(a)の含有量は50重量%以上である、請求項1に記載の積層体。
【請求項7】
前記樹脂組成物(A)中の前記熱可塑性アクリル系樹脂(a)の含有量は80重量%以上である、請求項6に記載の積層体。
【請求項8】
前記樹脂層(A)と前記樹脂層(B)の厚み比率(樹脂層(A)/樹脂層(B))は、97/3~5/95である、請求項1に記載の積層体。
【請求項9】
前記樹脂組成物(B)は、前記ポリカーボネート樹脂(b)に加えて、さらに透明熱可塑性樹脂(b2)を含む、請求項1に記載の積層体。
【請求項10】
前記透明熱可塑性樹脂(b2)は、ポリエステル樹脂およびポリカーボネート樹脂(但し、前記ポリカーボネート樹脂(b)を除く。)からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項9に記載の積層体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性アクリル系樹脂を含む樹脂層、およびポリカーボネート樹脂を含む樹脂層を含む積層体、およびそれを含む成形体に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
ポリメタクリル酸メチルに代表されるアクリル系樹脂は、透明性、硬度、耐候性等の優れた特性を活かして、様々な用途に使用、展開されている。アクリル系樹脂の用途として、例えば、自動車内外装部品にフィルムをラミネートして使用する加飾・保護用途、携帯電子機器、パソコン、および家電等の電子機器の外装部材の加飾・保護用途およびディスプレイ表面部の保護、ならびに建材等の表面の耐候性保護の用途などが挙げられる。このような用途においては、アクリル系樹脂をフィルム形状に加工し、成形体の表面に種々の方法で積層して用いられる。
【0003】
アクリル系樹脂は比較的脆性な材料であるため、フィルムとしての取り扱いを可能にするための一つの手法として、アクリル系樹脂に対してコアシェル型ゴム粒子やエラストマー成分などを添加して、透明性を維持しつつフィルム形状における柔軟性や加熱加工時の二次成形性を付与するような手法が一般的になっている。
【0004】
アクリル系樹脂材料を透明な加飾・保護用のフィルムとして用いるためのその他の手法として、アクリル系樹脂からなる樹脂層に、強靭性に優れるポリカーボネート系樹脂からなる樹脂層を積層するという手法が挙げられる(例えば、特許文献1および2)。アクリル系樹脂層とポリカーボネート系樹脂層からなる多層構造を持つフィルム材料(以下、アクリル/PC多層フィルムとも称する。)の用途としては、ディスプレイ装置の平板状の表面の保護材料または該保護材料の基材としての用途に加えて、例えば、真空成形、フィルムインサート成形、インモールド射出成形、および3次元積層成形などのいずれかの成形手法を用いて、ディスプレイ装置の透明カバーなどの成形体の曲面形状または立体形状部を有する表面に積層することにより、成形体全体を加飾および/または保護するとともに、ディスプレイ表示面を保護し、光学機能などの特性を付与する、成形用フィルムまたは成形用フィルムの基材としても用いられる(例えば、特許文献3および4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2002-370324号公報
特開2007-326334号公報
特開平7-156197号公報
特開2009-234183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
フィルム材料を曲面形状または立体形状部を持つ表面への積層用途に適用する場合には、フィルム材料を、必要に応じて成形体の表面に沿った形状に賦形する、二次成形の工程を経ることが必要となる場合がある。しかしながら、従来のアクリル/PC多層フィルムは、異なった性質を持つ二種の樹脂材料を積層しているため、例えば二次成形に伴う延伸の際に、アクリル系樹脂とポリカーボネート樹脂の界面が剥離して界面あるいはポリカーボネート樹脂層内が白濁あるいは白化すること、フィルムが割れおよび/または破断を起こすことなどの問題があった。このため従来用いられているアクリル/PC多層フィルムは、曲面や立体形状を有する面への積層において必要となる、二次成形性、延伸性、もしくは表面形状への追従性という観点においては、必ずしも十分な性能を有していなかった。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであって、熱可塑性アクリル系樹脂を含む樹脂層、およびポリカーボネート樹脂を含む樹脂層を含み、透明性が良好であり、広い温度範囲における二次成形性が向上し、二次成形の際の積層体の割れ、破断、および白化を抑制することができる積層体、およびそれを含む成形体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1以上の実施形態は、樹脂層(A)、および樹脂層(B)を含む積層体であって、前記樹脂層(A)は、メタクリル酸メチル単位を50重量%以上含む熱可塑性アクリル系樹脂(a)を含む樹脂組成物(A)からなり、前記樹脂層(B)は、ポリカーボネート樹脂(b)を含む樹脂組成物(B)からなり、前記積層体の厚みは350μm以下であり、前記積層体の厚み方向のヘイズが2%未満であり、前記積層体の延伸前の伸度を0%とした場合、130℃~160℃における引張破断伸度が200%以上であり、かつ、130℃~160℃において150%の伸度で均一に延伸した延伸部位のヘイズが3%未満である、積層体に関する。
【0009】
本発明の1以上の実施形態は、前記積層体、および成形体基材を含み、前記積層体は、前記成形体基材の表面に積層されている成形体に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、熱可塑性アクリル系樹脂を含む樹脂層、およびポリカーボネート樹脂を含む樹脂層を含み、広い温度範囲における二次成形性が向上し、二次成形の際の積層体の割れ、破断、および白化を抑制することができる積層体、およびそれを含む成形体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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