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公開番号2025112294
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-31
出願番号2025006962
出願日2025-01-17
発明の名称フッ素系樹脂フィルムおよびその製造方法
出願人株式会社クレハ
代理人弁理士法人鷲田国際特許事務所
主分類C08J 5/18 20060101AFI20250724BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】透明性が高いフッ素系樹脂フィルムを提供すること。
【解決手段】測定温度260℃、測定時のせん断速度50s^-1で測定された溶融粘度ηが600Pa・s以上4000Pa・s以下であり、厚さが80μm以上1000μm以下であり、かつ単位厚さ当たりのヘイズが0.35%/μm以下である、フッ素系樹脂フィルム。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
測定温度２６０℃、測定時のせん断速度５０ｓ
－１
で測定された溶融粘度ηが６００Ｐａ・ｓ以上４０００Ｐａ・ｓ以下であるフッ素系樹脂フィルムであって、
厚さが８０μｍ以上１０００μｍ以下であり、かつ単位厚さ当たりのヘイズが０．３５％／μｍ以下である、
フッ素系樹脂フィルム。
続きを表示（約 730 文字）【請求項２】
前記フィルムを平面視したときの最大幅および最小幅の算術平均値である大きさが１００μｍ以上である異物の数が７個／０．２５ｍ
２
以下である、
請求項１に記載のフッ素系樹脂フィルム。
【請求項３】
ＪＩＳＢ０６０１：２００１に準じて測定された表面高さ粗さＲｚが小さい側の表面のＲｚで、０．５０μｍ以下である、
請求項１に記載のフッ素系樹脂フィルム。
【請求項４】
フッ化ビニリデンに由来する構成単位を主成分として含む、
請求項１に記載のフッ素系樹脂フィルム。
【請求項５】
圧電フィルム用のフィルムである、
請求項１に記載のフッ素系樹脂フィルム。
【請求項６】
測定温度２６０℃、測定時のせん断速度５０ｓ
－１
で測定された溶融粘度ηが６００Ｐａ・ｓ以上４０００Ｐａ・ｓ以下であるフッ素系樹脂を加熱溶融する工程と、
前記加熱溶融されたフッ素系樹脂を押出してフィルム状に成膜する工程と、
前記成膜されたフィルムを、表面温度が１２５℃以下の冷却ロールに接触させて冷却する工程と、
を有する、請求項１～５のいずれか１項に記載のフッ素系樹脂フィルムの製造方法。
【請求項７】
前記加熱溶融する工程では、前記フッ素系樹脂を、前記フッ素系樹脂の融点より７５℃以上高く、１０５℃高い温度以下の温度で加熱溶融し、
前記温度で溶融しているフッ素系樹脂を、ろ過精度１０μｍ以上４０μｍ以下のフィルターでろ過する工程をさらに有する、
請求項６に記載のフッ素系樹脂フィルムの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、フッ素系樹脂フィルムおよびその製造方法に関する。
続きを表示（約 1,700 文字）【背景技術】
【０００２】
フッ素系樹脂フィルムは、耐候性、耐熱性、耐汚染性、耐薬品性、耐溶剤性、機械的特性、二次加工性等の特性が高いことから、建築物の内外装用部材、成形品の表面材、太陽電池モジュールの表面保護材または裏面保護材、および燃料電池部材等の各種用途に使用されている。中でも、耐候性、耐汚染性及び耐薬品性が高いことから保護フィルムや光学部材への応用が期待されており、透明性の高いフッ素系樹脂フィルムの要望が高い。
【０００３】
また、フッ素系樹脂フィルムは、分極処理することにより圧電フィルムとなることが知られている。前記圧電フィルムはタッチパネル等に使用されるため透明性が求められる。前記圧電フィルムの透明性は、圧電処理する前のフッ素系樹脂フィルムの透明性に大きく支配されるため、透明性の高いフッ素系樹脂フィルムの開発が望まれている。なお、本明細書において、フッ素系樹脂圧電フィルムまたは圧電フィルムとは、後述の方法により測定された圧電定数ｄ
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が１．０ｐＣ／Ｎ以上であるフッ素系樹脂フィルムを意味する。
【０００４】
フッ素系樹脂フィルムの製造方法として、フッ素系樹脂を溶解させた溶液を用いて溶液キャスト法により製造する方法（特許文献１等）と、フッ素系樹脂を熱溶融させて押出成形する方法（特許文献２）と、が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
国際公開第２０１５／０６４３２４号
特開平０５－１０２５４８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
溶液キャスト法では、フッ素系樹脂の溶解に多量の極性有機溶媒を用いるため、溶媒の回収が必要であり製造コストが割高になるだけでなく、有機溶媒による作業環境や自然環境への影響についての配慮も必要になる。また、フッ素系樹脂の溶解に極性有機溶媒が使用されるため、フッ素系樹脂フィルムに前記溶媒が残留すると圧電フィルムの製造工程における分極化が妨げられる虞がある。
【０００７】
一方、フッ素系樹脂を熱溶融させて押出成形する方法では、高温まで加熱すると樹脂が変性して、分解物（異物）が発生したりするなどの不具合が生じる虞がある。
【０００８】
前記樹脂の分解等の変性を抑制しつつ熱溶融法による押出成形をするには、溶融粘度の低いフッ素系樹脂を用いることが好ましい。しかしながら、熱溶融した前記樹脂を押出成形して成膜したフッ素系樹脂フィルムは透明性が低いという課題がある。
【０００９】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、透明性が高い、特には延伸および分極処理をした後にも透明性が高いフッ素系樹脂フィルムおよびその製造方法を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
上記課題を解決するための本発明の一実施形態は、下記［１］～［５］のフッ素系樹脂フィルムに関する。
［１］測定温度２６０℃、測定時のせん断速度５０ｓ
－１
で測定された溶融粘度ηが６００Ｐａ・ｓ以上４０００Ｐａ・ｓ以下であるフッ素系樹脂フィルムであって、
厚さが８０μｍ以上１０００μｍ以下であり、かつ単位厚さ当たりのヘイズが０．３５％／μｍ以下である、
フッ素系樹脂フィルム。
［２］前記フィルムを平面視したときの最大幅および最小幅の算術平均値である大きさが１００μｍ以上である異物の数が７個／０．２５ｍ
２
以下である、［１］に記載のフッ素系樹脂フィルム。
［３］ＪＩＳＢ０６０１：２００１に準じて測定された表面高さ粗さＲｚが小さい側の表面のＲｚで、０．５０μｍ以下である、［１］または［２］に記載のフッ素系樹脂フィルム。
［４］フッ化ビニリデンに由来する構成単位を主成分として含む、［１］～［３］のいずれかに記載のフッ素系樹脂フィルム。
［５］圧電フィルム用のフィルムである、［１］～［４］のいずれかに記載のフッ素系樹脂フィルム。
（【００１１】以降は省略されています）

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