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公開番号2025112873
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-01
出願番号2024007392
出願日2024-01-22
発明の名称カーボン材料分散液及びその使用
出願人大日精化工業株式会社
代理人弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類C08L 101/00 20060101AFI20250725BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】薄膜状態かつ低い導電材濃度にて導電性を向上した塗膜を形成することが可能なカーボン材料分散液を提供すること。
【解決手段】単層カーボンナノチューブ、及び多層カーボンナノチューブのうち少なくとも1種のカーボン材料と、水性媒体と、分散剤と、バインダー樹脂と、を含有し、下記(1)、(2)及び(3)の要件を満たす、カーボン材料分散液。
(1)カーボン材料に対する分散剤及びバインダー樹脂の量が、カーボン材料の種類毎に、それぞれ所定範囲内である。
(2)カーボン材料の含有量が10質量%である厚さ1μmの乾燥皮膜の表面抵抗率が、1.0×103Ω/sq以下である。
(3)波長580nmにおける吸光度が1.8±0.02となるように、ブランク液で希釈して得られる希薄分散液の、波長780nmの吸光度AHに対する、波長380nmの吸光度ALの比(AL/AH)が、1.45以上である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
単層カーボンナノチューブ、及び多層カーボンナノチューブのうち少なくとも1種のカーボン材料と、水性媒体と、分散剤と、バインダー樹脂と、を含有し、
下記(1)、(2)及び(3)の要件を満たす、カーボン材料分散液。
(1)前記カーボン材料が前記単層カーボンナノチューブを含む場合に、前記単層カーボンナノチューブ100質量部に対する前記分散剤の量が、50質量部以上600質量部以下であり、前記単層カーボンナノチューブ100質量部に対する前記バインダー樹脂の量が、300質量部以上850質量部以下であり、
前記カーボン材料が前記多層カーボンナノチューブを含む場合に、前記多層カーボンナノチューブ100質量部に対する前記分散剤の量が、20質量部以上200質量部以下であり、前記多層カーボンナノチューブ100質量部に対する前記バインダー樹脂の量が、700質量部以上880質量部以下である。
(2)前記カーボン材料の含有量が10質量%である厚さ1μmの乾燥皮膜の表面抵抗率が、1.0×10

Ω/sq以下である。
(3)波長580nmにおける吸光度が1.8±0.02となるように、前記カーボン材料を含有しないこと以外は前記カーボン材料分散液と同一組成のブランク液で希釈して得られる希薄分散液の、波長780nmの吸光度A

に対する、波長380nmの吸光度A

の比(A

/A

)が、1.45以上である。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
前記分散剤が、高分子分散剤及びセルロース誘導体の少なくともいずれかであり、
前記高分子分散剤が、スチレン-マレイン酸変性ポリマー又は(メタ)アクリロニトリルに由来する構成単位(1)及び(メタ)アクリル酸に由来する構成単位(2)を有するポリマーである、請求項1に記載のカーボン材料分散液。
【請求項3】
前記バインダー樹脂が、セルロース誘導体、スチレン-ブタジエン共重合体、及びアクリル系樹脂からなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1に記載のカーボン材料分散液。
【請求項4】
前記単層カーボンナノチューブの平均長が、5μm以上600μm以下であり、
前記多層カーボンナノチューブの平均長が、30μm以上5,000μm以下である、請求項1に記載のカーボン材料分散液。
【請求項5】
前記カーボン材料分散液中の前記カーボン材料の濃度が20質量%以下である、請求項1に記載のカーボン材料分散液。
【請求項6】
塗料、インキ、コーティング剤、樹脂成形品材料、導電性材料、熱伝導性材料、及び帯電防止材料のいずれかの製品を製造するための、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載のカーボン材料分散液の使用。
【請求項7】
カーボン材料分散液で形成された皮膜を備える、電池材料及び機械部品のいずれかの製品を製造するための、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載のカーボン材料分散液の使用。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボン材料分散液及びその使用に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
カーボンブラック、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ(以下、「CNT」とも記す)、グラファイト、及びグラフェン等のカーボン材料(ナノカーボン材料)は、炭素原子の共有結合によって形成される六員環グラファイト構造を有している。このため、導電性及び伝熱性等の種々の特性が発揮される材料であり、幅広い分野でその特性を活かすための方法が検討されている。例えば、カーボン材料の電気的性質、熱的性質、及びフィラーとしての性質に注目し、帯電防止剤、導電材料、プラスチック補強材、半導体、燃料電池又は二次電池等の電極、及びディスプレーの陰極線等に用いることが検討されている。
【0003】
これらの用途では、近年、高性能化が要求されており、カーボン材料としてCNTが盛んに用いられている。なお、導電性等の諸物性を向上させるには、液媒体中にCNTを分散させるための分散剤の種類及び量の他、塗膜又は電極等を形成する場合に用いるバインダー樹脂の選択も重要である。
【0004】
関連する従来技術としては、例えば、平均外径が3nm以下であるCNTと分散剤を含んだ分散体であって、動的光散乱法によって測定した平均粒径が200nm以上1500nm以下であることを特徴とするCNT水性分散液、並びに分散液を乾燥して得た塗膜の表面抵抗を測定してCNTの導電性を評価する方法が提案されている(特許文献1)。
【0005】
また、特定の触媒を用いて合成したCNT及び樹脂を含有する樹脂組成物、並びに合成したCNTを含有する塗膜の表面抵抗を測定してCNTの導電性を評価する方法が提案されている(特許文献2)。
【0006】
さらに、帯電防止層がバインダー樹脂と単層カーボンナノチューブ塗料によって形成され、表面抵抗率が3.0×10

Ω/sq以下の帯電防止シートが提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2010-254546号公報
特開2015-123410号公報
特開2021-195546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一般に、導電性塗料塗工物において、導電性塗料塗工層の膜厚が厚いほど導電性が高い。導電性塗料塗工物の小型化及び軽量化のために、例えば塗工層を非常に薄い1μm厚とすると、CNTを含む導電性塗料を塗工しても1.0×10

Ω/sq以下の高い導電性を得ることが困難であった。
【0009】
塗工物中の導電材の濃度を高めれば一般に導電性は向上する。しかしながら、相対的に塗工物中のバインダー樹脂の濃度が低下するため、伸び又は曲げ等のバインダー樹脂の特性が反映されにくくなり、均一な塗工物を得ることが困難となる。あるいは均一な塗工物が得られても、柔軟性及び密着性といった塗工物の耐久性が低下するため、高い導電性と良好な塗膜物性の両立は困難であった。
【0010】
CNTを含有するカーボン材料分散液は、例えば、対象物品等の導電性を向上させるための材料として使用される。そして、カーボン材料分散液の導電性は、例えば、カーボン材料分散液を塗布及び乾燥して形成された塗膜の表面抵抗率を測定することによって評価することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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