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公開番号
2025113657
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-04
出願番号
2024007922
出願日
2024-01-23
発明の名称
窒化物半導体発光素子の製造方法、及び窒化物半導体発光素子
出願人
学校法人 名城大学
代理人
弁理士法人グランダム特許事務所
主分類
H01S
5/343 20060101AFI20250728BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】バリア層の厚みを抑えつつ、発光層内におけるトレンチ欠陥の発生を抑え得る窒化物半導体発光素子の製造方法、及び窒化物半導体発光素子を提供する。
【解決手段】窒化物半導体発光素子の製造方法は、InNを含むGaInN量子井戸層12Aを積層する量子井戸層積層工程と、GaInN量子井戸層12Aの表面にバリア層12Bを積層するバリア層積層工程と、を備えている。バリア層積層工程におけるバリア層12Bの原料原子のマイグレーションは、量子井戸層積層工程におけるGaInN量子井戸層12Aの原料原子のマイグレーションよりも小さい。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
InNを含む量子井戸層を積層する量子井戸層積層工程と、
前記量子井戸層の表面にバリア層を積層するバリア層積層工程と、
を備え、
前記バリア層積層工程における前記バリア層の原料原子のマイグレーションは、前記量子井戸層積層工程における前記量子井戸層の原料原子のマイグレーションよりも小さい、窒化物半導体発光素子の製造方法。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記バリア層積層工程における成長温度は、前記量子井戸層積層工程における成長温度よりも低い、請求項1に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
【請求項3】
前記バリア層の原料原子は、AlNを含む、請求項1又は請求項2に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
【請求項4】
InNを含む量子井戸層を積層する量子井戸層積層工程と、
前記量子井戸層の表面に第1のバリア層を積層する第1バリア層積層工程と、
前記第1のバリア層の表面に第2のバリア層を積層する第2バリア層積層工程と、
を備え、
前記第1バリア層積層工程における前記第1のバリア層の原料原子のマイグレーションは、前記量子井戸層積層工程における前記量子井戸層の原料原子のマイグレーションよりも小さく、
前記第2バリア層積層工程における前記第2のバリア層の原料原子のマイグレーションは、前記第1バリア層積層工程における前記第1のバリア層の原料原子のマイグレーションよりも大きい、窒化物半導体発光素子の製造方法。
【請求項5】
前記第1バリア層積層工程における成長温度は、前記量子井戸層積層工程における成長温度よりも低く、
前記第2バリア層積層工程における成長温度は、前記第1バリア層積層工程における成長温度よりも高い、請求項4に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
【請求項6】
前記第1のバリア層の厚みは、0.1nmから0.3nmである、請求項4又は請求項5に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
【請求項7】
前記第1のバリア層の原料原子は、AlNを含む、請求項4又は請求項5に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
【請求項8】
前記第1のバリア層の厚みは、0.1nmから0.3nmである、請求項7に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
【請求項9】
前記第1バリア層積層工程における前記第1のバリア層の成長速度は、前記量子井戸層積層工程における前記量子井戸層の成長速度よりも速く、
前記第2バリア層積層工程における前記第2のバリア層の成長速度は、前記第1バリア層積層工程における前記第1のバリア層の成長速度よりも遅い、請求項4に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
【請求項10】
InNを含む量子井戸層と、
前記量子井戸層に積層された第1のバリア層と、
前記第1のバリア層に積層された第2のバリア層と、
を有する発光層を備え、
前記第1のバリア層は、AlNを含み、積層方向における厚みが0.1nmから0.3nmである、窒化物半導体発光素子。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は窒化物半導体発光素子の製造方法、及び窒化物半導体発光素子に関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
特許文献1、2、及び非特許文献1には、量子井戸層にIn(インジウム)を含んだ、所謂、GaInN量子井戸層を有する発光層について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2006-237281号公報
特開2008-235758号公報
S.M.Ting et al"Morphological evolution of InGaN/GaN quantum-well heterostructures grown by metalorganic chemical vapor deposition"、J.Appl.Phys.94 1461-1467(2003)
C.Stampfl et al"Energetics and electronic structure of stacking faults in AlN, GaN, and InN"、PHYSICAL REVIEW B VOLUME 57,NUMBER 24,R15052-55(1998)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
GaInN量子井戸は、原理的に近紫外から近赤外までの発光波長をカバーし、LEDやレーザーなどの発光層として利用することができる。現在までに、GaInN量子井戸を用いた構成で実用化が進んでいる波長域は、400nmから520nmである。波長が長い領域では、GaInN量子井戸のIn組成を高くする必要がある。この場合、GaInN量子井戸を低い成長温度で結晶成長したり、基板となるGaN基板との格子不整合が生じたりすることによってGaInN量子井戸における結晶性の低下が顕著になる。ゆえに、500nm以上の波長で発光するGaInN量子井戸を形成するには、一般的に結晶成長における工夫が必要である。
【0005】
ここで、波長500nm以上の領域で発光するようなGaInN/GaN量子井戸構造を形成すると、トレンチ欠陥と呼ばれる結晶欠陥が発光層内に多く発生し、このことが発光効率の低下に繋がる。トレンチ欠陥とは、結晶成長を進めるにつれ、環状をなした堀のような溝が形成され、結晶成長を進めるにつれ、溝幅が拡がるように成長する欠陥である。ゆえに、波長500nm以上で発光する高品質なGaInN量子井戸を得るには、トレンチ欠陥の発生を抑制することが重要である。トレンチ欠陥の発生を抑制する手法としていくつかの手法が提案されている。
【0006】
現実的な手法は、GaInN量子井戸層に工夫するのではなく、その直上に積層するバリア層に工夫することである。具体的には、バリア層の成長温度をGaInN量子井戸層の成長温度よりも高めることによってトレンチ欠陥の抑制に成功している。さらに、バリア層を積層させるために成長温度を高める際に、GaInN量子井戸層内のInがGaInN量子井戸層の表面から脱離することを防ぐ目的で、数nmの厚さのAlGaNキャップ層をGaInN量子井戸層の表面に積層して設ける場合も多い。結晶成長における一原子層の厚さは、0.3nm程度であるため、GaInN量子井戸層の表面を完全に覆うためには数原子層積層する必要であり、少なくとも0.3nmよりも十分厚い、数nmの厚さが必要であると考えられる。
【0007】
トレンチ欠陥が発生する要因の一つとして、Inを過剰に供給することによるIn-In直接結合の存在が報告されている。Inを過剰に供給する行為は、長波長で発光するGaInN量子井戸層を形成する際に必要な行為であり、Inの供給量を低下させることができない。このため、Inを過剰に供給したGaInN量子井戸層を形成した後に成長温度を高くすることによってGaInN量子井戸層の最表面に存在するIn-In間結合を除去することによってトレンチ欠陥の発生を抑制している。
【0008】
一方、トレンチ欠陥が発生する別の要因として、積層欠陥の形成も挙げられている。積層欠陥とは、六方晶である結晶に立方晶の成分が混入することに相当し、立方晶の成分が混入したところを起点としてトレンチ欠陥が発生する。興味深いのは、高い歪が内在するGaInN量子井戸層内で積層欠陥が発生するのではなく、その直上にバリア層を積層している際にバリア層内に積層欠陥が発生する点である。非特許文献2には、C.Stampflらの理論計算が開示されている。詳しくは、非特許文献2には、積層欠陥の形成エネルギーがGaInNよりもGaNの方が低いことが開示されている。このことから、GaInN量子井戸層で蓄積した歪みと、GaNにおける低い形成エネルギーと、の両方の影響によってバリア層で積層欠陥が発生し、トレンチ欠陥の形成に繋がっていると考えられる。
【0009】
我々は500nm以上の波長で発光するGaInN量子井戸層を、主に面発光レーザーに適用したいと考えている。その場合、バリア層の厚みを薄くすることによって、面発光レーザー共振器内の光定在波の腹の位置にできるだけ多くのGaInN量子井戸層を配置させた発光層を実現したい。これによって、レーザーにおける光閉じ込め係数を高くすることができ、さらに、LEDとしてもキャリア注入効率の改善に繋げることができる。例えば、このような薄い発光層を実現するには、2nm程度の薄い厚みのバリア層が必要になる場合もあり、このような薄い厚みのバリア層でトレンチ欠陥の抑制をしなければならない。
【0010】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、バリア層の厚みを抑えつつ、発光層内におけるトレンチ欠陥の発生を抑え得る窒化物半導体発光素子の製造方法、及び窒化物半導体発光素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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