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公開番号
2025114450
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-05
出願番号
2024154278
出願日
2024-09-06
発明の名称
コネクタ用端子材及びその製造方法、並びにコネクタ
出願人
三菱マテリアル株式会社
代理人
個人
主分類
C25D
7/00 20060101AFI20250729BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約
【課題】銅錫合金層の表面の形状を制御し、摩擦係数を低減し、耐摩耗性及び耐熱性を向上させる。
【解決手段】銅又は銅合金からなる基材の表面に皮膜が形成されるとともに、皮膜は、基材の表面上に形成されたニッケル又はニッケル合金からなるニッケル層と、該ニッケル層の上に形成された銅及び錫の合金からなる銅錫合金層と、該銅錫合金層の上に形成された錫又は錫合金からなる錫層と、を有しており、ニッケル層の平均厚さが0.05μm以上3.00μm以下であり、銅錫合金層の表面における山頂点の算術平均曲率Spcが700mm
-1
以上2200mm
-1
以下であり、錫層の平均厚さが0.05μm以上2.00μm以下、かつ、銅錫合金層の平均厚さが0.15μm以上1.55μm以下である。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
銅又は銅合金からなる基材の表面に皮膜が形成されるとともに、前記皮膜は、前記基材の表面上に形成されたニッケル又はニッケル合金からなるニッケル層と、該ニッケル層の上に形成された銅及び錫の合金からなる銅錫合金層と、該銅錫合金層の上に形成された錫又は錫合金からなる錫層と、を有しており、
前記ニッケル層の平均厚さが0.05μm以上3.00μm以下であり、
前記銅錫合金層の表面における山頂点の算術平均曲率Spcが700mm
-1
以上2200mm
-1
以下であり、前記錫層の平均厚さが0.05μm以上2.00μm以下、かつ、前記銅錫合金層の平均厚さが0.15μm以上1.55μm以下であることを特徴とするコネクタ用端子材。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記銅錫合金層の表面における銅錫合金粒子の円形度が0.5以上であることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ用端子材。
【請求項3】
前記錫層の表面に前記銅錫合金層の一部が露出しており、前記錫層の表面における前記銅錫合金層の露出面積率が5%以上70%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコネクタ用端子材。
【請求項4】
相手側に接続される接続部と、基板に固定される基板固定部とを有するとともに、少なくとも前記接続部に、前記皮膜が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコネクタ用端子材。
【請求項5】
前記基板固定部は、表裏面及び両側面の全面に、表面が錫又は錫合金からなる錫表面層が形成されていることを特徴とする請求項4に記載のコネクタ用端子材。
【請求項6】
相互に接続可能な一方側端子と他方側端子とを有し、これら一方側端子及び他方側端子の少なくともいずれかが、請求項1又は2に記載の前記コネクタ用端子材からなるとともに、前記一方側端子と前記他方側端子との前記銅錫合金層の表面における山頂点の算術平均曲率Spcの差は、200mm
-1
以上1200mm
-1
以下の範囲であることを特徴とするコネクタ。
【請求項7】
前記一方側端子と前記他方側端子との前記銅錫合金層の表面における銅錫合金粒子の円形度の差は、0.4以下の範囲であることを特徴とする請求項6に記載のコネクタ。
【請求項8】
銅又は銅合金からなる基材の表面に、ニッケル又はニッケル合金からなるニッケルめっき層、銅又は銅合金からなる銅めっき層、錫又は錫合金からなる錫めっき層をこの順に積層してめっき層付き基材を形成するめっき層形成工程と、前記めっき層付き基材を加熱するリフロー処理を実施するリフロー処理工程とを有し、
前記めっき層形成工程では、前記ニッケルめっき層の厚さは0.05μm以上3.00μm以下、前記銅めっき層の厚さは0.10μm以上0.70μm以下、前記錫めっき層の厚さは0.20μm以上2.90μm以下にそれぞれ形成され、
前記リフロー処理工程は、大気雰囲気で150℃以上270℃以下の第1炉内温度に設定した第1加熱炉内に前記めっき層付き基材を3秒以上30秒以下の時間内に通して該めっき層付き基材を錫の融点未満まで加熱する第1加熱処理と、該第1加熱処理後、第1炉内温度より高い232℃以上350℃以下の第2炉内温度に設定した第2加熱炉内に前記めっき層付き基材を3秒以上35秒以下の時間内に通して加熱する第2加熱処理と、該第2加熱処理によって前記錫めっき層が溶融した直後に前記めっき層付き基材を急冷する冷却処理と、を有することを特徴とするコネクタ用端子材の製造方法。
【請求項9】
前記冷却処理では、前記めっき層付き基材の温度が50℃になるまでの冷却時間を4秒以上60秒以下とすることを特徴とする請求項8に記載のコネクタ用端子材の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子材表面の摩擦係数を低減したコネクタ用端子材及びその製造方法、並びにコネクタに関する。
続きを表示(約 1,400 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の電気配線の接続に用いられる車載用コネクタが知られている。車載用コネクタ(車載用端子)は、メス端子に設けられた接触片とメス端子内に挿入されたオス端子とが所定の接触圧で接触することで、電気的に接続されるように設計された端子対を備える。
【0003】
このようなコネクタ(端子)として、銅又は銅合金板上に銅めっき及び錫めっきを施し、リフロー処理を行うことで、銅又は銅合金板上に銅錫合金層及び錫層を形成し、耐摩耗性に優れた端子材が知られている。
【0004】
このような銅錫合金層及び錫層を形成した端子材として、例えば特許文献1では、基材の粗さを制御して、銅錫合金層の錫層からの露出状態を制御することにより、挿入力を低減しているが、予め、基材の粗さを制御するために加工しておく必要がある。
【0005】
また、特許文献2では、銅錫合金層上の錫又は錫合金からなる錫層を非常に薄くすることで、挿入力を低減しているが、錫層が少ないために加熱後の接触抵抗が増大するという問題がある。
【0006】
また、特許文献3では、銅錫合金の一部をニッケル(Ni)に置換して、銅錫合金を急峻な凹凸形状にして、錫層を0.2μm以上0.6μm以下残すことで、摩擦を低減し、加熱時の接触抵抗が高くなることを防いでいるが、銅錫合金層が急峻なため、摺動時に削れやすく、耐摩耗性が劣るという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2007-100220号公報
特開2011-012320号公報
特開2014-240520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これら特許文献記載の端子材において、摩擦係数を低減させるために、表層の錫層を薄くして、硬い銅錫合金層の割合を多くすることが行われている。表面の軟らかい錫層が挿抜時に凝着を生じ易いため、挿入力が高くなる問題があることから、この凝着を防ぐために、銅錫合金層を最表面に露出させるとよいが、高温環境下での接触抵抗が高くなり、また微摺動摩耗に対して耐摩耗性が不足していた。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、銅錫合金層の表面の形状を制御し、摩擦係数を低減し、耐摩耗性及び耐熱性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のコネクタ用端子材は、銅又は銅合金からなる基材の表面に皮膜が形成されるとともに、前記皮膜は、前記基材の表面上に形成されたニッケル又はニッケル合金からなるニッケル層と、該ニッケル層の上に形成された銅及び錫の合金からなる銅錫合金層と、該銅錫合金層の上に形成された錫又は錫合金からなる錫層と、を有しており、前記ニッケル層の平均厚さが0.05μm以上3.00μm以下であり、前記銅錫合金層の表面における山頂点の算術平均曲率Spcが700mm
-1
以上2200mm
-1
以下であり、前記錫層の平均厚さが0.05μm以上2.00μm以下、かつ、前記銅錫合金層の平均厚さが0.15μm以上1.55μm以下である。
(【0011】以降は省略されています)
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