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公開番号
2025116187
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-07
出願番号
2025092491,2020027527
出願日
2025-06-03,2020-02-20
発明の名称
ピッチ障害抑制方法
出願人
株式会社片山化学工業研究所
,
ナルコジャパン合同会社
代理人
弁理士法人WisePlus
主分類
D21H
21/02 20060101AFI20250731BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約
【課題】製紙工程におけるピッチ汚れの抑制・防止に有用なピッチ障害抑制方法を提供する。
【解決手段】パルプ化工程及び/又は調成工程におけるパルプスラリーに含まれるピッチのサイズを制御し抄紙工程におけるピッチ障害の発生を抑制するピッチ障害抑制方法であって、上記パルプスラリーに含まれる上記ピッチの平均粒径が150μm未満となるように、上記パルプ化工程及び上記調成工程の少なくとも一箇所のパルプスラリーに酸化剤を添加する酸化剤添加ステップ、及び/又は、上記パルプ化工程及び調成工程の少なくとも一箇所のパルプスラリーにピッチ分散剤を添加するピッチ分散剤添加ステップを備えるピッチ障害抑制方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
パルプ化工程及び/又は調成工程におけるパルプスラリーに含まれるピッチのサイズを制御し抄紙工程におけるピッチ障害の発生を抑制するピッチ障害抑制方法であって、
前記パルプスラリーに含まれる前記ピッチの平均粒径が150μm未満となるように、前記パルプ化工程及び前記調成工程の少なくとも一箇所のパルプスラリーに酸化剤を添加する酸化剤添加ステップ、及び/又は、前記パルプ化工程及び前記調成工程の少なくとも一箇所のパルプスラリーにピッチ分散剤を添加するピッチ分散剤添加ステップを備える
ことを特徴とするピッチ障害抑制方法。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
抄紙工程におけるパルプスラリーに含まれるピッチのサイズを制御し、前記抄紙工程におけるピッチ障害の発生を抑制するピッチ障害抑制方法であって、
前記パルプスラリーに含まれる前記ピッチの平均粒径が150μm未満となるように、前記抄紙工程の少なくとも一箇所のパルプスラリーに酸化剤を添加する酸化剤添加ステップ、及び、前記抄紙工程の少なくとも一箇所のパルプスラリーにピッチ分散剤を添加するピッチ分散剤添加ステップを備える
ことを特徴とするピッチ障害抑制方法。
【請求項3】
パルプ化工程及び/又は調成工程と、抄紙工程とにおけるパルプスラリーに含まれるピッチのサイズを制御し、前記抄紙工程におけるピッチ障害の発生を抑制するピッチ障害抑制方法であって、
前記抄紙工程のパルプスラリーに含まれる前記ピッチの平均粒径が150μm未満となるように、前記パルプ化工程及び前記調成工程の少なくとも一箇所のパルプスラリーに第一の酸化剤を添加する第一の酸化剤添加ステップ、及び/又は、前記パルプ化工程及び前記調成工程の少なくとも一箇所のパルプスラリーに第一のピッチ分散剤を添加する第一のピッチ分散剤添加ステップを備え、さらに、前記抄紙工程の少なくとも一箇所のパルプスラリーに第二の酸化剤を添加する第二の酸化剤添加ステップ、及び/又は、前記抄紙工程の少なくとも一箇所のパルプスラリーに第二のピッチ分散剤を添加する第二のピッチ分散剤添加ステップを備えることを特徴とするピッチ障害抑制方法。
【請求項4】
酸化剤は、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、二酸化塩素、過酸化水素、及び、結合ハロゲンからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載のピッチ障害抑制方法。
【請求項5】
第一の酸化剤及び第二の酸化剤は、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、二酸化塩素、過酸化水素、及び、結合ハロゲンからなる群より選択される少なくとも1種である請求項3に記載のピッチ障害抑制方法。
【請求項6】
ピッチ分散剤添加ステップでは、残留塩素濃度が0.5mg/L以上、30mg/L以下のパルプスラリーにピッチ分散剤を添加する請求項1、2又は4に記載のピッチ障害抑制方法。
【請求項7】
第一のピッチ分散剤添加ステップ及び第二のピッチ分散剤添加ステップでは、残留塩素濃度が0.5mg/L以上、30mg/L以下のパルプスラリーにピッチ分散剤を添加する請求項3又は5に記載のピッチ障害抑制方法。
【請求項8】
酸化剤添加ステップ及びピッチ分散剤添加ステップを備え、前記酸化剤は、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、二酸化塩素及び結合ハロゲンからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1、2、4又は6に記載のピッチ障害抑制方法。
【請求項9】
ピッチ分散剤は、界面活性剤、カチオンポリマー及び有機溶剤からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1、2、4、6又は8に記載のピッチ障害抑制方法。
【請求項10】
第一及び第二のピッチ分散剤は、界面活性剤、カチオンポリマー及び有機溶剤からなる群より選択される少なくとも1種である請求項3、5又は7に記載のピッチ障害抑制方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は製紙工程におけるピッチ障害抑制方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
従来から、製紙工程(なかでも特に抄紙工程)においてはピッチによる障害が発生し、これを抑制・防止するために、様々な薬剤の開発が行われてきた。
ピッチとは、木材やパルプおよび紙から遊離した天然樹脂やガム物質、さらには紙およびパルプの製造工程で使用される添加剤等に由来する有機物を主体とする非水溶性の粘着物質のことをいう。
【0003】
一般に、ピッチは、紙およびパルプの製造工程の工程水(パルプスラリーや白水)中では、コロイド状態で分散しているが、何らかの外的作用、例えば、大きな剪断力、pHの急激な変化、硫酸バンド(硫酸アルミニウム)の過剰添加などにより、そのコロイド状態が破壊されて、凝集、巨大化するものと考えられている。
この凝集、巨大化したピッチは、その粘着性により、紙やパルプ、さらにはファンポンプ、配管内、チェスト、ワイヤー、フェルト、ロールなどの製造装置類に付着するだけでなく、この付着物が剥離して紙やパルプに再付着する。そして、形成された紙の汚点・欠点が紙製品の品質を低下させ、発生する断紙が生産性・作業性を低下させるなどの障害を引き起こす。
【0004】
近年、紙の多様化により添加剤の種類やその使用量が増加し、また古紙の使用比率が増加し、製紙工程中で使用する水のクローズド化が高くなるにつれて、従来にも増してピッチ障害の発生が増加すると共に、その発生形態が複雑化している。
例えば、従来のグランドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)などの機械パルプ由来のピッチや、クラフトパルプ(KP)などの化学パルプ由来のピッチのみでなく、古紙原料由来のピッチトラブルが増加している。古紙原料由来のピッチとしては、雑誌の背糊(ポリ酢酸ビニル)やラベル(アクリル系粘着糊)のような合成樹脂が挙げられる。
また、生産性を向上させるために、装置の大型化、抄紙速度の上昇により、他の要因と相まって、ワイヤーパート、プレスパートのロール、毛布、毛布サクションボックスへのピッチ汚れの問題が顕在化している。
【0005】
このようなピッチ障害を抑制する方法として、微細タルクなどの無機系化合物にピッチ成分を吸着させる方法、凝集する前のピッチ粒子をパルプ繊維に定着させる方法、ピッチ粒子を分散させる方法およびこれらを組み合わせた方法などが提案され、実用化されている。
【0006】
例えば、特許文献1には、分子量20,000~100,000のポリジアリルジメチルアンモニウム塩および分子量20,000~100,000のエピクロルヒドリン-ジアルキルアミン縮合物から選択されるカチオンポリマーと高級脂肪族アミンにエチレンオキサイドまたはエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを付加させた非イオン界面活性剤とを有効成分として含有する紙・パルプ製造工程用ピッチ障害抑制剤が開示されている。
しかしながら、従来の添加剤や方法ではピッチ障害の防止効果が充分とはいえず、さらに有効な薬剤や方法が望まれている。
【0007】
また、特許文献2では、紙原料から抄紙を行う紙製造系におけるピッチ障害抑制方法が記載されており、紙製造系の水系におけるカルシウムイオン濃度の増加を抑制する処理を行うことで、ピッチの付着が抑制されることが開示されている。
【0008】
また、特許文献3では、製紙プロセスにおけるピッチ制御にリパーゼと酸化剤との組み合わせを使用する方法が記載されており、これにより、ピッチ又は他の繊維成分を含む堆積物形成汚染物質を制御することが記載されている。さらに、繊維をリパーゼ及び少なくとも1つの過酸化物源無含有酸化剤の組合せと接触させることで、有機汚染物質を繊維から遊離させ堆積物形成汚染物質を制御することが記載されている。
【0009】
このように、紙を製造する抄紙工程において、ピッチ障害を抑制する方法は、従来から検討されているが、抄紙工程におけるピッチ障害が抑制されたパルプスラリー、すなわち抄紙工程においてピッチ障害が生じない程度にコントロールされたピッチを含むパルプスラリーについてはあまり検討されてこなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2004-044067号公報
特開2011-226032号公報
特許第6084689号
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)
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