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公開番号2025117589
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-13
出願番号2024012371
出願日2024-01-31
発明の名称耐水性紙、包装容器
出願人王子ホールディングス株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類D21H 19/38 20060101AFI20250805BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】ヒートシール性を有し、耐水性に優れ、かつトップカール加工性に優れた耐水性紙を提供すること。
【解決手段】紙基材の少なくとも接液面に、耐水性層を有する耐水性紙であって、縦方向の引張弾性率が7.5GPa以下であり、縦方向のショートスパン圧縮強度が7.5kN/m以下であり、かつ、耐水性紙の一方の面と他方の面とを、130℃、圧力2kgf/cm²、2秒の条件でヒートシールしたときのヒートシール剥離強度が、7.0kN/m以上である、耐水性紙。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
紙基材の少なくとも接液面に、耐水性層を有する耐水性紙であって、
縦方向の引張弾性率が７．５ＧＰａ以下であり、
縦方向のショートスパン圧縮強度が７．５ｋＮ／ｍ以下であり、かつ、
耐水性紙の一方の面と他方の面とを、１３０℃、圧力２ｋｇｆ／ｃｍ
２
、２秒の条件でヒートシールしたときのヒートシール剥離強度が、７．０ｋＮ／ｍ以上である、
耐水性紙。
続きを表示（約 840 文字）【請求項２】
前記耐水性層の合計塗工量が、７ｇ／ｍ
２
以上である、請求項１に記載の耐水性紙。
【請求項３】
前記紙基材の少なくとも接液面に、下塗り層および前記耐水性層をこの順に有する、請求項１に記載の耐水性紙。
【請求項４】
前記下塗り層は、ラテックスおよび顔料を含有し、下塗り層における顔料に対するラテックスの質量比（ラテックス／顔料）が１０／９０以上４０／６０以下である、請求項３に記載の耐水性紙。
【請求項５】
前記紙基材を構成するパルプ原料が、広葉樹晒クラフトパルプ（ＬＢＫＰ）および針葉樹晒クラフトパルプ（ＮＢＫＰ）を含有し、広葉樹晒クラフトパルプのカナダ標準ろ水度が３１０ｍＬ以上５５０ｍＬ以下であり、かつ、針葉樹晒クラフトパルプのカナダ標準ろ水度が４２０ｍＬ以上５５０ｍＬ以下である、請求項１に記載の耐水性紙。
【請求項６】
前記紙基材を構成するパルプ原料が、広葉樹晒クラフトパルプ（ＬＢＫＰ）および針葉樹晒クラフトパルプ（ＮＢＫＰ）を含有し、該パルプ原料中の広葉樹晒クラフトパルプ（ＬＢＫＰ）と針葉樹晒クラフトパルプ（ＮＢＫＰ）との質量比（ＬＢＫＰ／ＮＢＫＰ）が、６０／４０以上１００／０以下である、請求項１に記載の耐水性紙。
【請求項７】
前記紙基材が澱粉系乾燥紙力増強剤を含有する、請求項１に記載の耐水性紙。
【請求項８】
前記紙基材の坪量が２００ｇ／ｍ
２
以上である、請求項１に記載の耐水性紙。
【請求項９】
前記耐水性層が、ポリオレフィン系樹脂およびアクリル系樹脂からなる群より選択される少なくとも１種を含有する、請求項１に記載の耐水性紙。
【請求項１０】
前記紙基材の少なくとも一方の面の最上層に前記耐水性層を有する、請求項１に記載の耐水性紙。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、耐水性紙およびこれを用いてなる包装容器に関する。
続きを表示（約 2,700 文字）【背景技術】
【０００２】
飲料、食品等の各種容器や、食品用カトラリー（例えば、箸、スプーン、フォーク等）として、従来プラスチック製品が使用されてきたが、環境負荷低減を目的として、紙製品への転換が望まれている。
【０００３】
従来、基紙の片面にポリエチレンフィルムをラミネートしたポリエチレンラミネート紙が、飲料、食品等の各種容器に使用されてきたが、再生時にポリエチレンフィルムの除去が困難であり、再生利用性に劣るという問題があった。
このような問題に対応するために、抄紙工程での性能の付与や、塗工による性能の付与により、耐水性等を付与することが行われてきた。
【０００４】
また、特許文献１には、プラスチックの使用量を低減することができる包装用紙を提供することを目的として、紙基材の少なくとも一方の面に少なくとも１層のヒートシール層を有する包装用紙であって、前記ヒートシール層がアイオノマーを含み、前記ヒートシール層の乾燥塗工量が全層で２～１０ｇ／ｍ
２
であり、前記ヒートシール層が少なくとも一方の面に２層以上形成されていることを特徴とする包装用紙が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
特許第６５８０２９１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
特許文献１に記載された耐水性紙は、該耐水性紙を各種の容器等に加工する際に、トップカール加工性に問題があった。
そこで、本発明は、ヒートシール性を有し、耐水性に優れ、かつトップカール加工性に優れた耐水性紙を提供すること、および該耐水性紙を用いてなる包装容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明者らは、紙基材上の少なくとも接液面に耐水性層有する耐水性紙において、縦方向の引張弾性率およびショートスパン圧縮強度を特定の値以下とし、かつ、ヒートシール剥離強度を特定の値以上とすることにより、上記の課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【０００８】
すなわち、本発明は、以下の＜１＞～＜１５＞に関する。
＜１＞紙基材の少なくとも接液面に、耐水性層を有する耐水性紙であって、縦方向の引張弾性率が７．５ＧＰａ以下であり、縦方向のショートスパン圧縮強度が７．５ｋＮ／ｍ以下であり、かつ、耐水性紙の一方の面と他方の面とを、１３０℃、圧力２ｋｇｆ／ｃｍ
２
、２秒の条件でヒートシールしたときのヒートシール剥離強度が、７．０ｋＮ／ｍ以上である、耐水性紙。
＜２＞前記耐水性層の合計塗工量が、７ｇ／ｍ
２
以上である、＜１＞に記載の耐水性紙。
＜３＞前記紙基材の接液面に、下塗り層および前記耐水性層をこの順に有する、＜１＞または＜２＞に記載の耐水性紙。
＜４＞前記下塗り層は、ラテックスおよび顔料を含有し、下塗り層における顔料に対するラテックスの質量比（ラテックス／顔料）が１０／９０以上４０／６０以下である、＜３＞に記載の耐水性紙。
＜５＞前記紙基材を構成するパルプ原料が、広葉樹晒クラフトパルプ（ＬＢＫＰ）および針葉樹晒クラフトパルプ（ＮＢＫＰ）を含有し、広葉樹晒クラフトパルプのカナダ標準ろ水度が３１０ｍＬ以上５５０ｍＬ以下であり、かつ、針葉樹晒クラフトパルプのカナダ標準ろ水度が４２０ｍＬ以上５５０ｍＬ以下である、＜１＞～＜４＞のいずれか１つに記載の耐水性紙。
＜６＞前記紙基材を構成するパルプ原料が、広葉樹晒クラフトパルプ（ＬＢＫＰ）および針葉樹晒クラフトパルプ（ＮＢＫＰ）を含有し、該パルプ原料中の広葉樹晒クラフトパルプ（ＬＢＫＰ）と針葉樹晒クラフトパルプ（ＮＢＫＰ）との質量比（ＬＢＫＰ／ＮＢＫＰ）が、６０／４０以上１００／０以下である、＜１＞～＜５＞のいずれか１つに記載の耐水性紙。
＜７＞前記紙基材が澱粉系乾燥紙力増強剤を含有する、＜１＞～＜６＞のいずれか１つに記載の耐水性紙。
＜８＞前記紙基材の坪量が２００ｇ／ｍ
２
以上である、＜１＞～＜７＞のいずれか１つに記載の耐水性紙。
＜９＞前記耐水性層が、ポリオレフィン系樹脂およびアクリル系樹脂からなる群より選択される少なくとも１種を含有する、＜１＞～＜８＞のいずれか１つに記載の耐水性紙。
＜１０＞前記紙基材の少なくとも一方の面の最上層に前記耐水性層を有する、＜１＞～＜９＞のいずれか１つに記載の耐水性紙。
＜１１＞前記紙基材の両面に前記耐水性層を有する、＜１＞～＜１０＞のいずれか１つに記載の耐水性紙。
＜１２＞耐水性紙の接液面において、接触時間３０分における２０℃の水のＣｏｂｂ吸水度が１５ｇ／ｍ
２
以下である、＜１＞～＜１１＞のいずれか１つに記載の耐水性紙。
＜１３＞耐水性紙の接液面において、接触時間３０分における９０℃の水のＣｏｂｂ吸水度が２０ｇ／ｍ
２
以下である、＜１＞～＜１２＞のいずれか１つに記載の耐水性紙。
＜１４＞包装容器用である、＜１＞～＜１３＞のいずれか１つに記載の耐水性紙。
＜１５＞＜１＞～＜１４＞のいずれか１つに記載の耐水性紙を用いてなる、包装容器。
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、ヒートシール性を有し、耐水性に優れ、かつトップカール加工性に優れた耐水性紙が提供される。さらに、本発明によれば、該耐水性紙を用いてなる包装容器が提供される。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
［耐水性紙］
本実施形態の耐水性紙は、紙基材の少なくとも接液面（表面ともいう）に、耐水性層を有する耐水性紙であって、縦方向の引張弾性率が７．５ＧＰａ以下であり、縦方向のショートスパン圧縮強度が７．５ｋＮ／ｍ以下であり、かつ、耐水性紙の一方の面と他方の面とを、１３０℃、圧力２ｋｇｆ／ｃｍ
２
、２秒の条件でヒートシールしたときのヒートシール剥離強度が、７．０ｋＮ／ｍ以上である。本実施形態の耐水性紙は、ヒートシール性を有し、耐水性に優れ、かつトップカール加工性に優れる。
（【００１１】以降は省略されています）

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