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公開番号2025117871
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-13
出願番号2024012835
出願日2024-01-31
発明の名称変性共役ジエン系重合体、靴用ゴム組成物、及びアウトソール
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08C 19/22 20060101AFI20250805BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】引張強度に優れ、耐摩耗性とグリップ性とのバランスに優れ、特に耐摩耗性に優れ、無機充填剤の低減化が可能となることで軽量な靴用ゴム組成物が得られる変性共役ジエン系重合体を提供する。
【解決手段】RI検出器とUV検出器を用いたGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定で得られる分子量分布曲線の全体面積100%に対し、結合芳香族ビニルの結合量が25質量%以下である成分の分子量分布曲線の面積が5~70%であり、
結合芳香族ビニルの結合量が35質量%以上である成分の分子量分布曲線の面積が5~40%であり、
前記分子量分布曲線において、前記結合芳香族ビニルの結合量が35質量%以上である成分の面積領域が、前記結合芳香族ビニルの結合量が25質量%以下である成分の面積領域よりも高分子側に存在し、
ガラス転移温度(Tg)が-40℃以下である、
変性共役ジエン系重合体。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
RI検出器とUV検出器を用いたGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定で得られる分子量分布曲線の全体面積100%に対し、結合芳香族ビニルの結合量が25質量%以下である成分の分子量分布曲線の面積が5~70%であり、
結合芳香族ビニルの結合量が35質量%以上である成分の分子量分布曲線の面積が5~40%であり、
前記分子量分布曲線において、前記結合芳香族ビニルの結合量が35質量%以上である成分の面積領域が、前記結合芳香族ビニルの結合量が25質量%以下である成分の面積領域よりも高分子側に存在し、
ガラス転移温度(Tg)が-40℃以下である、
変性共役ジエン系重合体。
続きを表示(約 680 文字)【請求項2】
分子量分布曲線の全体面積100%に対し、
100,000以下の分子量の成分の面積比率が5%以上であり、
1,000,000以上の分子量の成分の面積比率が5%以上である、
請求項1に記載の変性共役ジエン系重合体。
【請求項3】
下記の<条件(1)>、<条件(2)>を満たす、
請求項1に記載の変性共役ジエン系重合体。
<条件(1)>
JIS K6300(ISO 289-1)の条件で測定したムーニー粘度が、30~100である。
<条件(2)>
変性率が、30質量%以上である。
【請求項4】
前記変性共役ジエン系重合体が、共役ジエン単量体単位と、芳香族ビニル単量体単位とを有し、かつ窒素原子含有官能基を有する、
請求項1に記載の変性共役ジエン系重合体。
【請求項5】
請求項1に記載の変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分100質量部と、
無機充填剤(B)20質量部以上と、
を、含有する靴用ゴム組成物。
【請求項6】
前記ゴム成分が、前記変性共役ジエン系重合体以外のゴム状重合体(C)を含み、
前記ゴム成分中の前記変性共役ジエン系重合体の含有量が、90質量%以下であり、
前記ゴム成分中の前記ゴム状重合体(C)の含有量が、10質量%以上である、
請求項5に記載の靴用ゴム組成物。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の靴用ゴム組成物を含むアウトソール。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、変性共役ジエン系重合体、靴用ゴム組成物、及びアウトソールに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、靴用ゴム組成物(例えば、アウトソール製造用材料などの靴底用ゴム組成物)においては、安全性を高めるためのグリップ性能、着用者の運動に伴う荷重や衝撃力に耐える強度及び耐摩耗性が要求されている。また靴の軽量化という観点からは、靴底材に発泡体を用いることが提案されている。一方において発泡体は、非発泡体に比べて耐摩耗性が劣るという問題点を有している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ゴム組成物の耐摩耗性を向上させるための一般的手法として、カーボンブラック、炭酸カルシウム、シリカ等の無機充填剤を配合する方法が知られている。靴底の着色を可能とし、意匠性が高められるという観点から、一般的にシリカや炭酸カルシウム等の白色系の無機充填剤が用いられている。一方において、シリカ等の無機充填剤は、カーボンブラックと比較して、ゴム材料との親和性に劣るため、シリカのゴム材料中への分散性が必ずしも良好ではなく、この分散性不良により、ゴム組成物の加工性、耐摩耗性、及び機械強度の低下を招来する、という問題点を有している。
【0004】
上述したような問題点に対し、特許文献2において、特定の官能基が共役ジエン系重合体鎖に結合した構造を有する共役ジエン系ゴムを主成分とする靴底用ゴム組成物が提案されている。
しかしながら、特許文献2に開示されている技術によれば、ゴム組成物の加工性は改善するものの、靴底材としてのグリップ性及び耐摩耗性の改善効果は未だ十分なものではない、という問題点を有している。
【0005】
また、特許文献3においては、1,2-ポリブタジエン、ビニル・シスブタジエンゴム、熱可塑性重合体、発泡剤、及び架橋剤を含有する発泡体用組成物が開示され、靴底用組成物として有用であることが記載されている。
しかしながら、特許文献3に開示されている発泡体用組成物は、強度、耐摩耗性等が、未だ十分ではなく、改善すべき余地がある、という問題点を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2000-236905号公報
特開2005-162777号公報
特開2006-16518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
アウトソール等に用いられる靴用ゴム組成物の技術分野においては、グリップ性と耐摩耗性を高いレベルで両立させることが要求されており、またこれらの特性を備えるとともに、靴用ゴム組成物として使用する際の引張強度等の機械強度や軽量化も求められるは、上述した従来技術においては、未だ達成できていない。
【0008】
そこで本発明においては、上述した従来技術の問題点に鑑み、引張強度等の機械強度に優れ、かつ背反する性能であるグリップ性と耐摩耗性のバランスに優れ、特に耐摩耗性に優れ、無機充填剤の添加量を減らすことにより軽量な靴用ゴム組成物が得られる、変性共役ジエン系重合体、前記変性共役ジエン系重合体を含有する靴用ゴム組成物、及びアウトソールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上述した従来技術の課題を解決するため鋭意検討した結果、変性共役ジエン系重合体の各分子量における結合芳香族ビニルの結合量を制御することにより、上述した従来技術の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
【0010】
〔1〕
RI検出器とUV検出器を用いたGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定で得られる分子量分布曲線の全体面積100%に対し、結合芳香族ビニルの結合量が25質量%以下である成分の分子量分布曲線の面積が5~70%であり、
結合芳香族ビニルの結合量が35質量%以上である成分の分子量分布曲線の面積が5~40%であり、
前記分子量分布曲線において、前記結合芳香族ビニルの結合量が35質量%以上である成分の面積領域が、前記結合芳香族ビニルの結合量が25質量%以下である成分の面積領域よりも高分子側に存在し、
ガラス転移温度(Tg)が-40℃以下である、
変性共役ジエン系重合体。
〔2〕
分子量分布曲線の全体面積100%に対し、
100,000以下の分子量の成分の面積比率が5%以上であり、1,000,000以上の分子量の成分の面積比率が5%以上である、前記〔1〕に記載の変性共役ジエン系重合体。
〔3〕
下記の<条件(1)>、<条件(2)>を満たす、
前記〔1〕又は〔2〕に記載の変性共役ジエン系重合体。
<条件(1)>
JIS K6300(ISO 289-1)の条件で測定したムーニー粘度が、30~100である。
<条件(2)>
変性率が、30質量%以上である。
〔4〕
前記変性共役ジエン系重合体が、共役ジエン単量体単位と、芳香族ビニル単量体単位とを有し、かつ窒素原子含有官能基を有する、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の変性共役ジエン系重合体。
〔5〕
前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分100質量部と、
無機充填剤(B)20質量部以上と、
を、含有する靴用ゴム組成物。
〔6〕
前記ゴム成分が、前記変性共役ジエン系重合体以外のゴム状重合体(C)を含み、
前記ゴム成分中の前記変性共役ジエン系重合体の含有量が、90質量%以下であり、
前記ゴム成分中の前記ゴム状重合体(C)の含有量が、10質量%以上である、
前記〔5〕に記載の靴用ゴム組成物。
〔7〕
前記〔5〕又は〔6〕に記載の靴用ゴム組成物を含むアウトソール。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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