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公開番号2025118099
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-13
出願番号2024013208
出願日2024-01-31
発明の名称エタノールの変換方法、C2-3オレフィンの製造方法、及び触媒の再生方法
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C07C 1/20 20060101AFI20250805BHJP(有機化学)
要約【課題】精製系の操業負荷を低減するエタノールの変換方法、C2-3オレフィンの製造方法、及び触媒の再生方法の提供。
【解決手段】ゼオライト触媒を備える固定床反応器を2基以上用いて、エタノールを含む原料を炭素数3以上のオレフィンを含有する反応ガスに連続的に変換する方法であって、前記原料を前記固定床反応器のうち少なくも1基の反応器に供給し、前記原料を前記ゼオライト含有触媒に接触させ、前記反応ガスを得る反応工程を有し、前記反応工程におけるプロピレンの製造速度が初期の製造速度に対して15%以下の変動となる時間内で、前記原料を供給する固定床反応器を切り替える、エタノールの変換方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ゼオライト触媒を備える固定床反応器を2基以上用いて、エタノールを含む原料を炭素数3以上のオレフィンを含有する反応ガスに連続的に変換する方法であって、
前記原料を前記固定床反応器のうち少なくも1基の反応器に供給し、前記原料を前記ゼオライト含有触媒に接触させ、前記反応ガスを得る反応工程を有し、
前記反応工程におけるプロピレンの製造速度が初期の製造速度に対して15%以下の変動となる時間内で、前記原料を供給する固定床反応器を切り替える、エタノールの変換方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記固定床反応器の切り替えにおける、切り替えに係る前記固定床反応器への前記原料の有効原料供給質量流量の合計の変動を5%以内とする、請求項1に記載のエタノールの製造方法。
【請求項3】
前記反応ガスがエチレンを含有し、
前記固定床反応器の切り替えにおける、切り替えに係る前記固定床反応器からのエチレン製造速度の変動を20%以内とする、請求項1に記載のエタノールの変換方法。
【請求項4】
前記固定床反応器の切り替えにおいて、切り替え先の前記固定床反応器への前記原料の供給開始後に、運転中の前記固定床反応器への前記原料の供給停止を行う、請求項1に記載のエタノールの変換方法。
【請求項5】
固定床反応器を3基以上用い、
前記反応工程において、前記原料を前記固定床反応器のうち少なくとも2基の反応器に導入する、請求項1に記載のエタノールの変換方法。
【請求項6】
酸素を含有する再生ガスを、前記反応工程に用いられている固定床反応器とは異なる反応器に導入し、前記反応工程で前記触媒に付着したコークを650℃以下の反応器内温度で燃焼させる触媒再生工程を有する、請求項1に記載のエタノールの製造方法。
【請求項7】
前記触媒再生工程の前に、前記固定床反応器に不活性ガスを流通させて、前記固定床反応器内の炭化水素の濃度を5.0体積%以下に低減する炭化水素パージ処理工程を含む、請求項6に記載のエタノールの変換方法。
【請求項8】
前記触媒再生工程の後に、前記固定床反応器に不活性ガスを供給し、前記固定床反応器内の酸素の濃度を2.5体積%以下に低減する酸素パージ処理工程を含む、請求項6に記載のエタノールの変換方法。
【請求項9】
前記酸素パージ処理工程の後に、前記固定床反応器に炭化水素を主に含むパージガスを供給し、反応器内の不活性ガスの濃度を10.0体積%以下に低減する不活性ガスパージ処理工程を含む、請求項6に記載のエタノールの変換方法。
【請求項10】
前記反応工程で一固定床反応器に前記原料を供給する時間T
R
と、一固定床反応器が前記触媒再生工程に要する時間T
C
とが、T
R
≧T
C
を満たす請求項6に記載のエタノールの変換方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エタノールの変換方法、C
2-3
オレフィンの製造方法、及び触媒の再生方法に関する。
続きを表示(約 4,000 文字)【背景技術】
【0002】
低級オレフィン、芳香族化合物等の炭化水素は化学産業における重要な基幹原料であり、特に、需要増加が見込まれるプロピレンは製造方法の開発・改良が盛んになされてきた。その中でも、一般的なプロピレンの製造方法としては、ゼオライトを活性種とした触媒にナフサやオレフィン類を接触させる方法が知られている。
【0003】
オレフィン類以外にも、近年の環境保全意識の高まりから、バイオマス由来のアルコール類を原料とした低級オレフィンや芳香族化合物などの化成品製造が注目を集めている。特に、エタノールはバイオマス原料からの製造方法が確立された化合物であることから、効率的なエタノールの変換方法の早期開発が期待されている。
【0004】
例えば、特許文献1及び特許文献2ではエタノールからプロピレンへの変換反応を促進するリン修飾ゼオライト触媒の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
中国公開特許公報107649173A号
特許第6229274号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び2では、ゼオライト触媒を用いて、エタノールを含む原料を、エチレン、プロピレン及び芳香族化合物を含む反応ガスへと変換する。当該反応により得られる反応ガスは、精製系により、高い純度のエチレン及びプロピレンを得る。精製系としては、反応ガスを専ら精製することを目的とした蒸留塔や、ナフサクラッカー等の既存の工業設備の精製系に導入し精製することなど、種々の精製系が想定される。これらの精製系においては、特に工業的なスケールでの精製の実施となると、連続運転することが求められ、更に、わずかな組成比の変動によっても、精製系の条件、蒸留塔の設置数等の変更が余儀なくされることもあり、精製系の操業負荷が大きくなる。
【0007】
そこで、本発明は、精製系の操業負荷を低減するエタノールの変換方法、C
2-3
オレフィンの製造方法、及び触媒の再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記の課題を達成するために鋭意検討した結果、固定床反応器を2基以上用いて、エタノールを含む原料を炭素数3以上のオレフィンを含有する反応ガスを得、プロピレンの製造量が初期の製造量に対して所定の値以下の変動となる時間内で、前記原料を供給する固定床反応器を切り替えることで、上述の課題を達成しうることを見出した。
即ち、本発明は以下の実施形態を包含する。
<1>
ゼオライト触媒を備える固定床反応器を2基以上用いて、エタノールを含む原料を炭素数3以上のオレフィンを含有する反応ガスに連続的に変換する方法であって、
前記原料を前記固定床反応器のうち少なくも1基の反応器に供給し、前記原料を前記ゼオライト含有触媒に接触させ、前記反応ガスを得る反応工程を有し、
前記反応工程におけるプロピレンの製造速度が初期の製造速度に対して15%以下の変動となる時間内で、前記原料を供給する固定床反応器を切り替える、エタノールの変換方法。
<2>
前記固定床反応器の切り替えにおける、切り替えに係る前記固定床反応器への前記原料の有効原料供給質量流量の合計の変動を5%以内とする、<1>に記載のエタノールの製造方法。
<3>
前記反応ガスがエチレンを含有し、
前記固定床反応器の切り替えにおける、切り替えに係る前記固定床反応器からのエチレン製造速度の変動を20%以内とする、<1>又は<2>に記載のエタノールの変換方法。
<4>
前記固定床反応器の切り替えにおいて、切り替え先の前記固定床反応器への前記原料の供給開始後に、運転中の前記固定床反応器への前記原料の供給停止を行う、<1>~<3>のいずれかに記載のエタノールの変換方法。
<5>
固定床反応器を3基以上用い、
前記反応工程において、前記原料を前記固定床反応器のうち少なくとも2基の反応器に導入する、<1>~<4>のいずれかに記載のエタノールの変換方法。
<6>
酸素を含有する再生ガスを、前記反応工程に用いられている固定床反応器とは異なる反応器に導入し、前記反応工程で前記触媒に付着したコークを650℃以下の反応器内温度で燃焼させる触媒再生工程を有する、<1>~<5>のいずれかに記載のエタノールの製造方法。
<7>
前記触媒再生工程の前に、前記固定床反応器に不活性ガスを流通させて、前記固定床反応器内の炭化水素の濃度を5.0体積%以下に低減する炭化水素パージ処理工程を含む、<6>に記載のエタノールの変換方法。
<8>
前記触媒再生工程の後に、前記固定床反応器に不活性ガスを供給し、前記固定床反応器内の酸素の濃度を2.5体積%以下に低減する酸素パージ処理工程を含む、<6>又は<7>に記載のエタノールの変換方法。
<9>
前記酸素パージ処理工程の後に、前記固定床反応器に炭化水素を主に含むパージガスを供給し、反応器内の不活性ガスの濃度を10.0体積%以下に低減する不活性ガスパージ処理工程を含む、<6>~<8>のいずれかに記載のエタノールの変換方法。
<10>
前記反応工程で一固定床反応器に前記原料を供給する時間T
R
と、一固定床反応器が前記触媒再生工程に要する時間T
C
とが、T
R
≧T
C
を満たす<6>~<9>のいずれかに記載のエタノールの変換方法。
<11>
前記触媒再生工程において、前記コークを450℃以上の反応器温度で燃焼させる、<6>~<10>のいずれかに記載のエタノールの変換方法。
<12>
前記再生ガスに含まれる酸素が、20体積%以下である、<6>~<11>のいずれかに記載のエタノールの変更方法。
<13>
前記固定床反応器の前記反応工程への稼働率が50%以上である、<6>~<12>のいずれかに記載のエタノールの変換方法。
<14>
前記ゼオライト含有触媒に含まれるゼオライトのシリカ/アルミナのモル比が、20~3000である、<1>~<13>のいずれかに記載のエタノールの変換方法。
<15>
前記ゼオライト含有触媒が、銀元素又はリン元素を含む、<1>~<14>のいずれかに記載のエタノールの変換方法。
<16>
前記固定床反応器1基あたりの前記原料の供給量が15,000kg/hr以下である、<1>~<15>のいずれかに記載のエタノールの変換方法。
<17>
<1>~<16>のいずれかに記載のエタノールの変換方法により得られる前記反応ガスからエチレン及びプロピレンを精製する精製工程を更に含む、C
2-3
オレフィンの製造方法。
<18>
炭素数4以上の炭化水素を分解炉に導入し得られたクラッキング成分又はそれに由来する留分と、前記反応ガス又はそれに由来する留分とを、合流させること合流留分を得る合流工程を含み、
前記合流留分を前記精製工程に供給する、<17>に記載のC
2-3
オレフィンの製造方法。
<19>
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、精製系の操業負荷を低減するエタノールの変換方法、C
2-3
オレフィンの製造方法、及び触媒の再生方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、エタノールの変換装置の一実施形態の概略図を示す。
図2は、固定床一段断熱型反応器の一実施形態の概略図を示す。
図3は、実施例1における各反応器の稼働工程を示す。
図4は、実施例1の運転時間と製造速度の結果を示す。
図5は、比較例1の運転時間と製造速度の結果を示す。
図6は、実施例2における各反応器の稼働工程を示す。
図7は、実施例2の運転時間と製造速度の結果を示す。
図8は、実施例3における各反応器の稼働工程を示す。
図9は、実施例3の運転時間と製造速度の結果を示す。
図10は、実施例4における各反応器の稼働工程を示す。
図11は、実施例4の運転時間と製造速度の結果を示す。
図12は、実施例5における各反応器の稼働工程を示す。
図13は、実施例5の運転時間と製造速度の結果を示す。
図14は、実施例6における各反応器の稼働工程を示す。
図15は、実施例6の運転時間と製造速度の結果を示す。
図16は、実施例7の運転時間と製造速度の結果を示す。
図17は、実施例8における反応器の稼働状況を示す。
図18は、実施例8の運転時間と製造速度の結果を示す。
図19は、実施例10の運転時間と製造速度の結果を示す。
図20は、実施例11における各反応器の稼働工程を示す。
図21は、実施例11の運転時間と製造速度の結果を示す。
図22は、実施例12で使用した精製設備の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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