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公開番号2025118513
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-13
出願番号2024203477
出願日2024-11-21
発明の名称ゼオライト、樹脂組成物、液状封止剤、アンダーフィル材、封止材の製造方法及び電子デバイス
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人
主分類C01B 39/48 20060101AFI20250805BHJP(無機化学)
要約【課題】
吸湿性及び硬化後の熱膨張係数が低く、かつ低粘度でギャップ浸入性が高い樹脂組成物を得るためのゼオライトを提供すること。
【解決手段】
熱重量分析(TGA)により、空気雰囲気中、昇温速度10℃/分にて800℃まで昇温し、800℃で10分保持したときに、400℃における重量を基準とした800℃での重量減少率が1%以上であり、一次粒子の真円度が0.800以上であり、体積基準の粒度分布測定で得られた粒径が3μm以上の粒子が40%以下である、ゼオライトである。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
熱重量分析(TGA)により、空気雰囲気中、昇温速度10℃/分にて800℃まで昇温し、800℃で10分保持したときに、400℃における重量を基準とした800℃での重量減少率が1%以上であり、一次粒子の真円度が0.800以上であり、体積基準の粒度分布測定で得られた粒径が3μm以上の粒子が40%以下である、ゼオライト。
続きを表示(約 460 文字)【請求項2】
CBUとしてd6rを有する、請求項1に記載のゼオライト。
【請求項3】
酸素8員環以下の構造である、請求項1に記載のゼオライト。
【請求項4】
CHA型構造である、請求項1に記載のゼオライト。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のゼオライトと樹脂とを含有する、樹脂組成物。
【請求項6】
前記樹脂がエポキシ樹脂及びポリイミド樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種類を含む、請求項5に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記樹脂がエポキシ樹脂を含む、請求項5に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
請求項5に記載の樹脂組成物からなる、液状封止剤。
【請求項9】
請求項5に記載の樹脂組成物からなる、アンダーフィル材。
【請求項10】
請求項5に記載の樹脂組成物を隙間に充填した後、硬化させる工程を有する、封止材の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ゼオライト、樹脂組成物、液状封止剤、アンダーフィル材、封止材の製造方法及び電子デバイスに関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
アンダーフィル材として用いられる液状封止剤は、注入性、接着性、硬化性、保存安定性等に優れ、かつ、ボイドが発生しないことが求められる。また、液状封止剤によって封止した部位が、耐湿性、耐サーマルサイクル性、耐リフロー、耐クラック性、耐反り等に優れることが求められる。上記の要求を満足するため、アンダーフィル材として用いられる液状封止剤としては、エポキシ樹脂を主剤とするものが広く用いられている。
【0003】
また、液状封止剤によって封止した部位の耐湿性及び耐サーマルサイクル性、特に耐サーマルサイクル性を向上させるためには、シリカフィラーのような無機物質からなる充填材(以下、「無機フィラー」と記載することがある。)を液状封止剤に用いることにより、エポキシ樹脂等の有機材料製の基板、及び半導体素子との熱膨張係数の差のコントロールや、バンプ電極を補強することが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2007-56070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
シリカフィラーなどの無機フィラーを使用した液状封止剤(樹脂組成物)は、熱膨張係数が十分に低くならず、耐サーマルサイクル性などの観点から、熱膨張係数をさらに低くすることが求められている。また、熱膨張係数が低い無機フィラーとしては、ゼオライトが知られているが、ゼオライトが配合された液状封止剤は、粘度が高くなる傾向にあり、アンダーフィル材として使用した際の注入性(ギャップ浸入性)が低下してしまうために、硬化物の熱膨張係数を低くしつつ、注入性の良好な液状封止剤を得ることは難しい。
【0006】
また、ゼオライトは吸湿性が高いことが知られているが、水の存在により電子材料の誘電率や信頼性などが低下することがあるため、該用途に用いるゼオライトには、吸湿性が低いことが求められる。
【0007】
そこで、本発明は、低吸湿で硬化後の熱膨張係数が低く、かつ低粘度でギャップ浸入性が良好である樹脂組成物を得るためのゼオライトを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討した結果、特定の構成からなるゼオライトを用いることで、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1]熱重量分析(TGA)により、空気雰囲気中、昇温速度10℃/分にて800℃まで昇温し、800℃で10分保持したときに、400℃における重量を基準とした800℃での重量減少率が1%以上であり、一次粒子の真円度が0.800以上であり、体積基準の粒度分布測定で得られた粒径が3μm以上の粒子が40%以下である、ゼオライト。
[2]CBUとしてd6rを有する、上記[1]に記載のゼオライト。
[3]酸素8員環以下の構造である、上記[1]又は[2]に記載のゼオライト。
[4]CHA型構造である、上記[1]~[3]のいずれか一つに記載のゼオライト。
[5]上記[1]~[4]のいずれか一つに記載のゼオライトと樹脂とを含有する、樹脂組成物。
[6]前記樹脂がエポキシ樹脂及びポリイミド樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種類を含む、上記[5]に記載の樹脂組成物。
[7]前記樹脂がエポキシ樹脂を含む、上記[5]又は[6]に記載の樹脂組成物。
[8]上記[5]~[7]のいずれか一つに記載の樹脂組成物からなる、液状封止剤。
[9]上記[5]~[7]のいずれか一つに記載の樹脂組成物からなる、アンダーフィル材。
[10]上記[5]~[7]のいずれか一つに記載の樹脂組成物を隙間に充填した後、硬化させる工程を有する、封止材の製造方法。
[11]上記[10]に記載の製造方法により得られる封止材を備える、電子デバイス。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、吸湿性及び硬化後の熱膨張係数が低く、かつ低粘度でギャップ浸入性が高い樹脂組成物を得るためのゼオライトを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[ゼオライト]
ゼオライトとは通常、ケイ素又はアルミニウムと、酸素とを含んで構成される、三次元ネットワークからなる骨格と、その骨格構造に由来する細孔を有する結晶性の物質の一群を指し、このような特徴的な構造は吸着剤や触媒に応用されている。そのため、ゼオライトの合成途中で細孔内部に取り込まれる有機構造規定剤などの有機物は、細孔を閉塞し、ゼオライトの吸着能や触媒能を低下させる原因となるため、焼成等によって除去されることが一般的である。しかしながら、本発明のゼオライト(以下、「本ゼオライト」と記載することがある。)は、細孔内部に有機物、好ましくはゼオライトの原料である有機構造規定剤由来の成分を含有していることを特徴とする。細孔内部に有機物、好ましくは有機構造規定剤由来の成分を含有したゼオライトの製造方法としては、これに限られないが、例えばゼオライトの製造過程において、通常行われる焼成処理を行わない、もしくは部分的に行うことが挙げられる。細孔内部に有機物、好ましくは有機構造規定剤由来の成分を含有したゼオライトの特徴としては、具体的には、熱重量分析(TGA)により、空気雰囲気中、昇温速度10℃/分にて800℃まで昇温し、800℃で10分保持したときに、400℃における重量を基準として、800℃での重量減少率が1%以上であることが挙げられる。細孔内部に有機物、好ましくは有機構造規定剤由来の成分を含有したゼオライトは、400℃から800℃の高温領域での熱処理では、ゼオライトの細孔内に存在する吸着水及び有機物、好ましくは有機構造規定剤が脱離することによって、通常の焼成されているゼオライト(以下、「焼成ゼオライト」と記載することがある。)に比較して、重量減少率の値が大きくなると思われる。
後述する本発明の樹脂組成物(以下、「本樹脂組成物」と記載することがある。)は、このような細孔内部に有機物、好ましくは有機構造規定剤由来の成分を含有したゼオライトを用いることによって、硬化物が低吸湿性を示す。このようなゼオライトを用いることによって低吸湿性を示す機構は、以下と推測している。ゼオライトが水や他物質への吸着性を発揮するのは、ゼオライトが多孔質な構造を持ち、吸着サイトである酸点を持つためである。その多孔内に有機物、好ましくは有機構造規定剤由来の成分が存在することで完全な多孔質になりきれず、水や他物質への吸着性が低下し、吸湿性が低下すると推定している。以上の観点から、本ゼオライトは、熱重量分析(TGA)により、空気雰囲気中、昇温速度10℃/分にて800℃まで昇温し、800℃で10分保持したときに、400℃における重量を基準とした800℃での重量減少率(以下、単に「重量減少率」と記載することがある。)が1%以上であり、2%以上であることが好ましく、3%以上であることがより好ましい。なお、重量減少率は5%以上であっても、10%以上であっても、20%以上であってもよい。上限値については、本願発明の効果を奏する範囲であれば、特に制限はないが、例えば50%以下であってよい。
(【0011】以降は省略されています)

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