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公開番号2025118546
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-13
出願番号2025011169
出願日2025-01-27
発明の名称炭素繊維シートの製造方法
出願人東レ株式会社
代理人
主分類D06B 3/10 20060101AFI20250805BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約【課題】炭素繊維シートの製造における、炭素繊維多孔体シートにロールトゥロールで液状物を含浸させる工程において、含浸槽内の液中ガイドロールの表面に液状物由来の析出物が堆積することを抑制する。
【解決手段】炭素繊維多孔体シートを、フィラーが分散した液状物で満たされた含浸槽中の液中ガイドロールに通して、前記液状物中を連続的に通過させることにより炭素繊維多孔体シートに前記液状物を含浸させる含浸工程を有する炭素繊維シートの製造方法であって、前記含浸槽の内部に少なくとも1ヶ所の液流形成部を有し、前記液流形成部によって、液中ガイドロールの上方に液流を形成する炭素繊維シートの製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
炭素繊維多孔体シートを、フィラーが分散した液状物で満たされた含浸槽中の液中ガイドロールに通して、前記液状物中を連続的に通過させることにより炭素繊維多孔体シートに前記液状物を含浸させる含浸工程を有する炭素繊維シートの製造方法であって、前記含浸槽の内部に少なくとも1ヶ所の液流形成部を有し、前記液流形成部によって、液中ガイドロールの上方に液流を形成する炭素繊維シートの製造方法。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
炭素繊維多孔体シートを、フィラーが分散した液状物で満たされた含浸槽中の液中ガイドロールに通して、前記液状物中を連続的に通過させることにより炭素繊維多孔体シートに前記液状物を含浸させる含浸工程を有する炭素繊維シートの製造方法であって、前記含浸槽の内部に少なくとも1ヶ所の液流形成部を有し、前記液流形成部によって、炭素繊維多孔体シートの上方に液流を形成する炭素繊維シートの製造方法。
【請求項3】
少なくとも1ヶ所の液流形成部が液中ガイドロールの上方または炭素繊維多孔体シートの上方にある請求項1または2に記載の炭素繊維シートの製造方法。
【請求項4】
前記液流形成部によって、液中ガイドロールの上方または炭素繊維多孔体シートの上方に液中ガイドロールの回転軸の軸方向の液流を形成する請求項1または2に記載の炭素繊維シートの製造方法。
【請求項5】
前記液流形成部によって、液中ガイドロールの表面に向かう液流を形成する請求項1または2に記載の炭素繊維シートの製造方法。
【請求項6】
前記含浸槽の内部に液流形成部が2ヶ所以上あり、少なくとも1ヶ所の液流形成部が含浸槽の底部に液流を形成する請求項1または2に記載の炭素繊維シートの製造方法。
【請求項7】
少なくとも2ヶ所の液流形成部が液中ガイドロールの上方または炭素繊維多孔体シートの上方にある請求項1または2に記載の炭素繊維シートの製造方法。
【請求項8】
前記炭素繊維シートが長尺のシート状物である請求項1または2に記載の炭素繊維シートの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電気伝導とガス拡散または通液を必要とする多孔質電極を用いる電気化学ユニットに好適に用いられる炭素繊維シートの製造方法に関するものである。このような電気化学ユニットとしては、燃料電池、水電解セル、レドックスフロー電池、空気電池があげられるが、固体高分子型燃料電池に特に好適に用いることができる。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
水素を含む燃料ガスをアノードに供給し、酸素を含む酸化ガスをカソードに供給して、両極で起こる電気化学反応によって起電力を得る固体高分子型燃料電池は、一般的に、セパレータ、ガス拡散電極、触媒層、電解質膜、触媒層、ガス拡散電極、およびセパレータを順に積層して構成されている。上記のガス拡散電極には、セパレータから供給されるガスを触媒層へと拡散するための高いガス拡散性と、電気化学反応に伴って生成する水をセパレータへ排出するための高い排水性、および発生した電流を取り出すための高い導電性が必要である。また、固体高分子型燃料電池の動作温度は近年、高温度化しており、電気・熱抵抗の低い炭素繊維シートが求められている。このような炭素繊維シートを得るための手段として、炭素粒子といったフィラーを多く添加することで、電気・熱抵抗の低い炭素繊維シートを得る方法がある。
【0003】
炭素繊維シートを製造する際、長尺の炭素繊維抄紙体に樹脂組成物を付着させるロールトゥロールの含浸工程を設けることが知られている(特許文献1)。
【0004】
また、炭素繊維シート前駆体に含浸液を含浸させる際に、液中ガイドロールの上面に含浸液がないように炭素繊維シート前駆体のパスライン角度を調整することで、地合いの良好な炭素繊維シートを得る方法が提案されている(特許文献2)。
【0005】
また、スラリーに含まれる固形分が含浸槽の底部に堆積することを低減するため、含浸槽の底部に傾斜を設け、液の供給口を側面に向けた含浸槽が提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第4591128号
特開2018-159164号公報
特表2015-527187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
フィラーを多く添加した炭素繊維シートの製造において、フィラーが分散した液中に炭素繊維シート前駆体シートを通過させてフィラーを添加する工程を採用する場合、当該工程において、添加工程中のパスライン上にフィラーが堆積することで、フィラーの付着が不均一になる、炭素繊維シート前駆体シートが破断するといった課題がある。
【0008】
特許文献2に記載の発明においては、炭素繊維シート前駆体シートの上面に樹脂組成物を含む含浸液が存在しないことによって、炭素繊維シート前駆体シートの目付や樹脂組成物の組成によっては、シートの表裏でフィラーの付着量差が生じるという課題が残されている。また、特許文献3に記載の発明においては、液中のガイドロールに対してフィラーが堆積するという課題が残されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の構成は以下のとおりである。
(1)炭素繊維多孔体シートを、フィラーが分散した液状物で満たされた含浸槽中の液中ガイドロールに通して、前記液状物中を連続的に通過させることにより炭素繊維多孔体シートに前記液状物を含浸させる含浸工程を有する炭素繊維シートの製造方法であって、前記含浸槽の内部に少なくとも1ヶ所の液流形成部を有し、前記液流形成部によって、液中ガイドロールの上方に液流を形成する炭素繊維シートの製造方法。
(2)炭素繊維多孔体シートを、フィラーが分散した液状物で満たされた含浸槽中の液中ガイドロールに通して、前記液状物中を連続的に通過させることにより炭素繊維多孔体シートに前記液状物を含浸させる含浸工程を有する炭素繊維シートの製造方法であって、前記含浸槽の内部に少なくとも1ヶ所の液流形成部を有し、前記液流形成部によって、炭素繊維多孔体シートの上方に液流を形成する炭素繊維シートの製造方法。
(3)少なくとも1ヶ所の液流形成部が液中ガイドロールの上方または炭素繊維多孔体シートの上方にある(1)または(2)に記載の炭素繊維シートの製造方法。
(4)前記液流形成部によって、液中ガイドロールの上方または炭素繊維多孔体シートの上方に液中ガイドロールの回転軸の軸方向の液流を形成する(1)~(3)のいずれかに記載の炭素繊維シートの製造方法。
(5)前記液流形成部によって、液中ガイドロールの表面に向かう液流を形成する(1)~(4)のいずれかに記載の炭素繊維シートの製造方法。
(6)前記含浸槽の内部に液流形成部が2ヶ所以上あり、少なくとも1ヶ所の液流形成部が含浸槽の底部に液流を形成する(1)~(5)のいずれかに記載の炭素繊維シートの製造方法。
(7)少なくとも2ヶ所の液流形成部が液中ガイドロールの上方または炭素繊維多孔体シートの上方にある(1)~(6)のいずれかに記載の炭素繊維シートの製造方法。
(8)前記炭素繊維シートが長尺のシート状物である(1)~(7)のいずれかに記載の炭素繊維シートの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明の炭素繊維シートの製造方法で得られる炭素繊維シートは品質安定性が良好であり、これを用いた燃料電池あるいは水電解装置の品質も安定し、かつ性能も向上する。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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