TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2025117751
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-13
出願番号
2024012640
出願日
2024-01-31
発明の名称
有価物の分離方法及び分離装置
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
B01D
61/02 20060101AFI20250805BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】本発明は、簡便な手法で多価の有価物と1価の有価物を分離する方法及び有価物の分離装置を提供することを目的とする。
【解決手段】材料をアルカリ水溶液と接触させるアルカリ処理工程と、上記アルカリ処理工程で得られた1価の有価物のイオン及び多価の有価物のイオンを含む有価物含有アルカリ水溶液から、ナノろ過膜により、1価の有価物のイオン濃度の総和Pと多価の有価物のイオン濃度の総和Qとの比率(P/Q)が5以上の透過水aを得る分離工程Aと、を含む、1価の有価物と多価の有価物の分離方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
材料をアルカリ水溶液と接触させるアルカリ処理工程と、前記アルカリ処理工程で得られた1価の有価物のイオン及び多価の有価物のイオンを含む有価物含有アルカリ水溶液から、ナノろ過膜により、1価の有価物のイオン濃度の総和Pと多価の有価物のイオン濃度の総和Qとの比率(P/Q)が5以上の透過水aを得る分離工程Aと、を含む、1価の有価物と多価の有価物の分離方法。
続きを表示(約 680 文字)
【請求項2】
前記アルカリ水溶液が有機塩基及び/又はアンモニアを含む、請求項1に記載の分離方法。
【請求項3】
前記アルカリ水溶液が第4級アンモニウム塩を含む、請求項2に記載の分離方法。
【請求項4】
前記有機塩基の式量が90以上である、請求項2又は3に記載の分離方法。
【請求項5】
前記材料が硫黄を含有し、かつ前記分離工程Aにより得られる非透過水bが硫化物イオンを含む、請求項1~3のいずれかに記載の分離方法。
【請求項6】
前記非透過水bのpHを8以下とし、発生する硫化水素を回収する工程を含む、請求項5に記載の分離方法。
【請求項7】
前記1価の有価物がリチウムを含む、請求項1~3のいずれかに記載の分離方法。
【請求項8】
前記材料が、電池の電解質を含む、請求項1~3のいずれかに記載の分離方法。
【請求項9】
請求項7に記載の分離方法を含む、リチウム塩の回収方法。
【請求項10】
前記分離工程Aで使用するナノろ過膜が、0.5MPaの操作圧力で25℃、pH6.5の1000mg/Lのグルコース水溶液を透過させたときのグルコール除去率と、0.5MPaの操作圧力で25℃、pH6.5の1000mg/Lのイソプロピルアルコール水溶液を透過させたときのイソプロピルアルコール除去率との差が50%以上であり、前記グルコース除去率が70%以上である、請求項1~3のいずれかに記載の分離方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池やその製造工程で生じる廃材、廃液、鉱石、スラグなどから有価物を分離する方法及びその分離装置に関するものである。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、通信機器、ハイブリッドカー及び電気自動車の急速な普及に伴い、リチウム二次電池の開発が重要視されている。
【0003】
一般的にリチウム二次電池の構成部材は、様々な貴重資源を使用している。例えば、固体電解質として酸化物系固体電解質であるLAGP(Li
1+x
Al
x
Ge
2-x
(PO
4
)
3
)や硫化物系固体電解質としてリチウム・ゲルマニウム・リン・硫黄で構成される材料であるLGPSが有望な材料として開発されている。これらの物質は、例えば、リチウム、ゲルマニウムなどの貴重な有価物が使用されている。
【0004】
近年、貴重資源の需要が拡大し、貴重資源の不足が懸念されることから、使用済みのリチウム二次電池やその製造工程から生じる廃材などから、有価物を再利用する取り組みが行われている。例えば、特許文献1には、リチウム二次電池の処理部材から抽出したリチウムイオン抽出液から、リチウム選択透過膜を用いてリチウムイオンを回収する、水酸化リチウムの製造方法が開示されている。また、特許文献2には、廃リチウムイオン電池に対して、前処置、鉱酸への溶解、イオン交換膜による電解などを行い、有価金属を回収する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-075619号公報
特開2023-051697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、リチウムのみを分離回収しており、他の有価物を分離回収できない課題があった。また、特許文献2に記載の方法は、複数の工程を経ており、分離に労力がかかる課題があった。本発明は、簡便な手法で多価の有価物と1価の有価物を分離する方法及び有価物の分離装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成からなる。
[1]材料をアルカリ水溶液と接触させるアルカリ処理工程と、上記アルカリ処理工程で得られた1価の有価物のイオン及び多価の有価物のイオンを含む有価物含有アルカリ水溶液から、ナノろ過膜により、1価の有価物のイオン濃度の総和Pと多価の有価物のイオン濃度の総和Qとの比率(P/Q)が5以上の透過水aを得る分離工程Aと、を含む、1価の有価物と多価の有価物の分離方法。
[2]上記アルカリ水溶液が有機塩基及び/又はアンモニアを含む、上記[1]に記載の分離方法。
[3]上記アルカリ水溶液が第4級アンモニウム塩を含む、上記[2]に記載の分離方法。
[4]上記有機塩基の式量が90以上である、上記[2]又は[3]に記載の分離方法。
[5]上記材料が硫黄を含有し、かつ上記分離工程Aにより得られる非透過水bが硫化物イオンを含む、上記[1]~[4]のいずれかに記載の分離方法。
[6]上記非透過水bのpHを8以下とし、発生する硫化水素を回収する工程を含む、上記[5]に記載の分離方法。
[7]上記1価の有価物がリチウムを含む、上記[1]~[6]のいずれかに記載の分離方法。
[8]上記材料が、電池の電解質を含む、上記[1]~[7]のいずれかに記載の分離方法。
[9]上記[7]に記載の分離方法を含む、リチウム塩の回収方法。
[10]上記分離工程Aで使用するナノろ過膜が、0.5MPaの操作圧力で25℃、pH6.5の1000mg/Lのグルコース水溶液を透過させたときのグルコール除去率と、0.5MPaの操作圧力で25℃、pH6.5の1000mg/Lのイソプロピルアルコール水溶液を透過させたときのイソプロピルアルコール除去率との差が50%以上であり、上記グルコース除去率が70%以上である、上記[1]~[9]のいずれかに記載の分離方法。
[11]上記ナノろ過膜により、有機塩基及び多価の有価物イオンを含有する非透過水bから、有機塩基の濃度の総和Rと多価の有価物のイオンの濃度の総和Qとの比率(R/Q)が3以上の透過水cを得る、分離工程Bと、を含む、上記[4]に記載の分離方法。
[12]上記有機塩基の式量が90~210である、上記[11]に記載の分離方法。
[13]上記分離工程Bで使用するナノろ過膜が、0.5MPaの操作圧力で25℃、pH6.5の1000mg/Lのグルコース水溶液を透過させたときのグルコース除去率と0.5MPaの操作圧力で25℃、pH6.5の1000mg/Lのイソプロピルアルコール水溶液を透過させたときのイソプロピルアルコール除去率との差が60%以上であり、上記グルコース除去率が70%以上である、上記[11]又は[12]に記載の分離方法。
[14]材料をアルカリ水溶液と接触させるアルカリ処理手段と、上記アルカリ処理手段で得られた1価の有価物及び多価の有価物含有アルカリ水溶液を、1価の有価物のイオン濃度の総和Pと多価の有価物のイオン濃度の総和Qとの比率(P/Q)が5以上の透過水と、非透過水と、に分離する第一のナノろ過手段と、を備える、有価物の分離装置。
[15]上記非透過水のpHを8以下に調整するpH調整装置と、発生する気体の回収装置と、を備える、上記[14]に記載の有価物の分離装置。
[16]多価の有価物のイオン及び有機塩基を含む上記非透過水を、有機塩基の濃度の総和Rと多価イオンの濃度の総和Qとの比率(R/Q)が3以上の透過水と、非透過水と、に分離する第二のナノろ過手段を備え、上記ナノろ過手段Bに用いるナノろ過膜ユニットを構成する少なくとも一つのナノろ過膜エレメントが備えるナノろ過膜が、0.5MPaの操作圧力で25℃、pH6.5の1000mg/Lのグルコース水溶液を透過させたときのグルコース除去率と、0.5MPaの操作圧力で25℃、pH6.5の1000mg/Lのイソプロピルアルコール水溶液を透過させたときのイソプロピルアルコール除去率との差が60%以上、かつ上記グルコース除去率が70%以上である、上記[14]又は[15]に記載の有価物の分離装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡便な手法で1価の有価物と多価の有価物を分離する方法及び有価物の分離装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の有価物の分離方法の一実施態様を示す概略工程図である。
分離工程Aの一実施態様を示す概略工程図である。
分離工程Aの別の実施態様を示す概略工程図である。
分離工程Bの一実施態様を示す概略工程図である。
pH調整装置と気体回収装置を備える本発明の有価物の分離装置の一実施態様を示す概略図である。
第二のナノろ過膜ユニットを備える本発明の有価物の分離装置の一実施態様を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の多価の有価物と1価の有価物の分離方法は、材料をアルカリ水溶液と接触させ、有価物含有溶液を得るアルカリ処理工程と、ナノろ過膜により、1価イオンとして存在する有価物を含む透過水aと、多価イオンとして存在する有価物を含む非透過水bと、に分離する分離工程Aを含む。各工程について、以下に説明する。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
関連特許
東レ株式会社
浄水器
11日前
東レ株式会社
複合半透膜
1か月前
東レ株式会社
積層フィルム
27日前
東レ株式会社
風車ブレード
1か月前
東レ株式会社
多孔質炭素シート
20日前
東レ株式会社
多層積層フィルム
13日前
東レ株式会社
熱硬化性樹脂組成物
1か月前
東レ株式会社
サンドイッチ構造体
21日前
東レ株式会社
引抜成形品の製造方法
1か月前
東レ株式会社
複合成形体の製造方法
11日前
東レ株式会社
ポリエステルフィルム
5日前
東レ株式会社
ガス拡散層の製造方法
20日前
東レ株式会社
プラスチック光ファイバ
21日前
東レ株式会社
織物およびシート表皮材
20日前
東レ株式会社
霧化状活性液体供給装置
1か月前
東レ株式会社
ゴム補強用合成繊維コード
5日前
東レ株式会社
ゴム補強用合成繊維コード
5日前
東レ株式会社
織物および織物プリプレグ
21日前
東レ株式会社
透明ディスプレイシステム
1か月前
東レ株式会社
繊維強化プラスチック構造体
1か月前
東レ株式会社
ポリエステル組成物の製造方法
4日前
東レ株式会社
繊維強化樹脂成形品の製造方法
1か月前
東レ株式会社
一体化成形品及びその製造方法
1か月前
東レ株式会社
繊維強化樹脂成形品の製造方法
1か月前
東レ株式会社
多孔繊維および液体処理カラム
20日前
東レ株式会社
先端に凸面を有する光ファイバ
11日前
東レ株式会社
多孔繊維、繊維束及び吸着カラム
20日前
東レ株式会社
ポリマーフィルムおよび二次電池
1か月前
東レ株式会社
扁平多様断面繊維を含有した中綿
1日前
東レ株式会社
二軸配向ポリプロピレンフィルム
1か月前
東レ株式会社
ポリエステルフィルムの解重合方法
20日前
東レ株式会社
超音波溶着による接合体の製造方法
1か月前
東レ株式会社
多孔中実繊維、繊維束及び吸着カラム
20日前
東レ株式会社
多孔中実繊維、繊維束および浄化カラム
20日前
東レ株式会社
積層多孔膜および積層多孔膜の製造方法
21日前
東レ株式会社
人工皮革およびその製造方法ならびに雑貨
20日前
続きを見る
他の特許を見る