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公開番号2025119478
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-14
出願番号2024014385
出願日2024-02-01
発明の名称建築部材の接合構造
出願人株式会社スクリムテックジャパン
代理人弁理士法人英和特許事務所
主分類E04B 1/58 20060101AFI20250806BHJP(建築物)
要約【課題】十分な靱性性能及び安定した破壊強度を有しつつ、定着部材の靱性部が伸びて破断した場合でも接合した建築部材同士がバラバラになることなく、接合状態を保つことのできる建築部材の接合構造を提供すること及び接合する第1建築部材及び第2建築部材のサイズが変わる度に、接合金具を変更したり設計し直したりする必要がない建築部材の接合構造を提供すること。
【解決手段】上側第1定着部材4a、上側第2定着部材5a、上側接合部材6a、下側第1定着部材4b、下側第2定着部材5b、下側接合部材6b、第1ネジ部7sの端部に固定される角柱状の第1接続部7cからなる3つの第1連結部材7a、第2ネジ部7tの端部に固定される角柱状の第2接続部7dからなる3つの第2連結部材7b、3つの第1接続部7c及び3つの第2接続部7dの両側に配置され、3対の第1連結対向面及び3対の第2連結対向面を覆う一対の金属製プレート7m、7nからなり、柱部材2(第1建築部材)と梁部材3(第2建築部材)の接合に用いられる建築部材の接合構造。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
第1建築部材の接合面である第1接合面に形成された第1接合穴に接着剤の接着作用によって定着され、前記第1接合面側に第1固定端部を有する第1定着部材と、
第2建築部材の接合面である第2接合面に形成された第2接合穴に接着剤の接着作用によって定着され、前記第2接合面側に第2固定端部を有する第2定着部材と、
前記第1固定端部に固定される第1固定部及び前記第2固定端部に固定される第2固定部が形成されている接合部材と、からなる定着接合構造を備えるとともに、
前記第1接合面に固定され、該第1接合面に対して垂直に延びる一対の第1連結対向面を有する第1連結部材と、
前記第2接合面に固定され、該第2接合面に対して垂直に延びる一対の第2連結対向面を有する第2連結部材と、
前記第1連結対向面及び前記第2連結対向面の両側に配置される一対の金属製プレートと、
前記第1連結対向面及び前記第2連結対向面を、それぞれ前記一対の金属製プレート間に挟み付ける一方側挟持部材及び他方側挟持部材からなる摩擦接合構造を備え、
前記第1連結部材及び前記第2連結部材の一方には、前記第1連結対向面又は前記第2連結対向面を貫通する貫通穴が形成され、前記第1連結部材及び前記第2連結部材の他方には、前記第1連結対向面又は前記第2連結対向面を貫通する長穴又はスリットが形成され、
前記一対の金属製プレートの前記貫通穴に対応する位置には、一方側挟持部材挿通部が形成され、
前記一対の金属製プレートの前記長穴又は前記スリットの接合面側に対応する位置には、他方側挟持部材挿通部が形成されており、
前記貫通穴と前記一方側挟持部材挿通部には前記一方側挟持部材が挿通されて、前記第1連結部材及び前記第2連結部材の一方を前記一対の金属製プレート間に挟み付けることができ、
前記長穴又は前記スリットと前記他方側挟持部材挿通部には前記他方側挟持部材が挿通されて、前記第1連結部材及び前記第2連結部材の他方を前記一対の金属製プレート間に挟み付けることができる
ことを特徴とする建築部材の接合構造。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
前記第1接合面と前記第2接合面の一端付近との間に前記定着接合構造を備え、
前記第1接合面と前記第2接合面の他端付近との間に前記定着接合構造を備え、
前記第1接合面と前記第2接合面の中央付近との間に前記摩擦接合構造を備えている
ことを特徴とする請求項1に記載の建築部材の接合構造。
【請求項3】
前記第1接合面と前記第2接合面の一端付近との間に前記摩擦接合構造を備え、
前記第1接合面と前記第2接合面の他端付近との間に前記摩擦接合構造を備え、
前記第1接合面と前記第2接合面の中央付近との間に前記定着接合構造を備えている
ことを特徴とする請求項1に記載の建築部材の接合構造。
【請求項4】
前記摩擦接合構造は、前記第1連結部材及び前記第2連結部材を複数組備えており、前記一対の金属製プレートは、複数組の前記第1連結対向面及び前記第2連結対向面の両側に配置される
ことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の建築部材の接合構造。
【請求項5】
前記第1連結部材は、前記第1接合面にねじ込まれる第1ネジ部及び前記第1ネジ部の端部に固定される角柱状、角筒状又はコ字状の部材からなり、
前記第2連結部材は、前記第2接合面にねじ込まれる第2ネジ部及び前記第2ネジ部の端部に固定される角柱状、角筒状又はコ字状の部材からなり、
前記一対の金属製プレートは、前記第1連結対向面及び前記第2連結対向面の両外側に配置される
ことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の建築部材の接合構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の材料からなる第1建築部材と、各種の材料からなる第2建築部材とを接合するための建築部材の接合構造に関する。
続きを表示(約 5,000 文字)【背景技術】
【0002】
第1建築部材と第2建築部材、例えば柱部材と床部材又は柱部材と梁部材の接合面同士を接合する建築部材の接合構造においては、十分な靱性(伸び)性能及び安定した破壊強度が求められる。そして、近年、木造建築の分野において、中大規模の木造建築物が建設されるようになり、これらの木造建築物に用いられる建築部材の接合構造にも、同様に十分な靱性性能や安定した破壊強度が求められるようになってきている。
このような状況に鑑み、本出願人は、特許文献1(特開2020-84500号公報)に記載されているように、第1建築部材としての柱部材(12)の接合面(12f)と第2建築部材としての床部材(14)の接合面(14f)とを接合するための構造を提案している。
そして、柱部材(12)側の構造は、柱部材(12)の各段部(16)の段差面(16f)側に1対又は2対の接合穴(18)が形成され、各接合穴(18)に第1定着部材(20)の定着ネジ部(22)が硬化接着剤(B)の接着作用によって定着され、第1定着部材(20)は靱性部(26)を有し、各靱性部(26)に対する硬化接着剤(B)の付着力は、定着ネジ部(22)に対する硬化接着剤(B)の付着力よりも十分に小さく設定されている(段落0020~0023及び図1、2を参照)。
また、柱部材(12)と床部材(14)の接合構造(10)は、床部材(14)の接合面(14f)側に定着された複数のアンカーボルト(28)と、柱部材(12)の各段部(16)内に配設された箱形の接合金具(32)を備え、接合金具(32)の第1金具接合部(34)の中央部に形成されているネジ穴(36)に、第1定着部材(20)の第1固定ネジ部(24)を螺合させ、接合金具(32)の第2金具接合部(40)の中央部に形成されている挿通穴(42)にアンカーボルト(28)を挿通させ、アンカーボルト(28)の第2固定ネジ部(30)に螺合した固定ナット(44)を締め付けることで、柱部材(12)と床部材(14)とを接合している(段落0025~0028及び図1、2を参照)。
【0003】
さらに、本出願人は、特許文献2(特開2021-165464号公報)に記載されているように、第1建築部材としての柱部材(14)の接合面(14p)と第2建築部材としての梁部材(16)の接合面(16p)とを接合するための構造を提案している。
そして、柱部材(14)側の構造は、柱部材(14)の接合面(14p)側に水平方向に延びる複数の嵌合溝(14g)が形成され、各嵌合溝(14g)の底面側に第1接合穴(14h)が形成され、各第1接合穴(14h)には、全ネジタイプの第1定着部材(20)が硬化接着剤(B)の接着作用によって定着されており(段落0025及び図2、3を参照)、梁部材(16)側の構造は、梁部材(16)の接合面(16p)側の複数の角部に段部(16d)が形成され、各段部(16d)の段差面側に第2接合穴(16h)が形成され、各第2接合穴(16h)には、棒状の第2定着部材(22)が硬化接着剤(B)の接着作用によって定着されている(段落0027及び図2、3を参照)。
また、柱部材(14)と梁部材(16)の接合構造(18)は、梁部材(16)の接合面(16p)から突出している箱形の接合金具(24)を備え、接合金具(24)における梁部材(16)の接合面(16p)から突出した部分は柱部材(14)の各嵌合溝(14g)に嵌合しており、各接合金具(24)の第1金具接合部(24a)に靱性部(22t)を有する第2定着部材(22)の第2固定ネジ部(22s)を螺合させ、各接合金具(24)の第2金具接合部(24b)に形成されている挿通穴(24h)に固定ボルト(28)を挿通させ、第1定着部材(20)の第1固定ネジ部(20s)と固定ボルト(28)とを高ナット(26)を介して間接的に螺合させ、固定ボルト(28)を締め付けることで柱部材(14)と梁部材(16)とを接合している(段落0030~0031及び図2~4を参照)。
【0004】
加えて、特許文献3(特開2013-14940号公報)には、木質部材の接合構造であって、柱(70)にラグスクリューボルト(60)で固定された第1の金具(10a)の接合部(16p),(16q)に、連結板(30p),(30q)の左側を結合し、梁(72)にラグスクリューボルト(60)で固定された第2の金具(20)の接合部(26p),(26q)に連結板(30p),(30q)の右側を結合する点、連結板(30p),(30q)には貫通穴(32)及び長穴(34)が形成され、接合部(16p),(16q)、接合部(26p),(26q)及び連結板(30p),(30q)をボルト(40)及びナット(48)を用いて結合した後に、第1の金具(10a)と第2の金具(20)との間に作用する荷重が、接合部(16p),(16q)と連結板(30p),(30q)及び接合部(26p),(26q)と連結板(30p),(30q)との間に作用する静止摩擦力を越えると、すべりが発生しボルト(40)の円筒部(44)が長穴(34)にめり込み、塑性変形によってエネルギーが吸収され、接合構造の靭性を高くできる点が記載されている(特に、図2及び段落0091~0100を参照)
しかし、特許文献1記載の発明は、定着ネジ部(22)及び第1固定ネジ部(24)が破断する前に靱性部(26)が伸びて破断するように構成されており(段落0023を参照)、特許文献2記載の発明は、第2定着部材(22)の基端側部分及び第2固定ネジ部(22s)が破断する前に靱性部(22t)が伸びて破断するように構成されているので(段落0028を参照)、破断した後の強度が著しく小さくなってしまうという問題があった。また、特許文献3記載の発明は、接合部(16p),(16q)、接合部(26p),(26q)及び連結板(30p),(30q)がボルト(40)及びナット(48)を用いて結合され、接合構造の初期剛性は、接合部(16p),(16q)と連結板(30p),(30q)及び接合部(26p),(26q)と連結板(30p),(30q)との間に作用する静止摩擦力で決まるため、安定した強度を得ることができず、第1の金具(10a)、第2の金具(20)及び連結板(30p),(30q)の大きさが決まっているため、接合する柱(70)及び梁(72)のサイズが変わる度に、接合金具を変更したり設計し直したりする必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2020-84500号公報(特許第7193127号公報)
特開2021-165464号公報
特開2013-14940号公報(特許第5713161号公報)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、上記の問題を克服するため、十分な靱性性能及び安定した破壊強度を有しつつ、定着部材の靱性部が伸びて破断した場合でも接合した建築部材同士がバラバラになることなく、接合状態を保つことのできる建築部材の接合構造を提供することを第1の課題としている。また、接合する第1建築部材及び第2建築部材のサイズが変わる度に、接合金具を変更したり設計し直したりする必要がない建築部材の接合構造を提供することを第2の課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するための請求項1に係る発明の建築部材の接合構造は、
第1建築部材(2)の接合面である第1接合面(2p)に形成された第1接合穴(4h,4i)に接着剤の接着作用によって定着され、前記第1接合面(2p)側に第1固定端部(4s,4t)を有する第1定着部材(4a,4b)と、
第2建築部材(3)の接合面である第2接合面(3p)に形成された第2接合穴(5h,5i)に接着剤の接着作用によって定着され、前記第2接合面(3p)側に第2固定端部(5s,5t)を有する第2定着部材(5a,5b)と、
前記第1固定端部(4s,4t)に固定される第1固定部(6s,6t)及び前記第2固定端部(5s,5t)に固定される第2固定部(6u,6v)が形成されている接合部材(6a,6b)と、からなる定着接合構造を備えるとともに、
前記第1接合面(2p)に固定され、該第1接合面(2p)に対して垂直に延びる一対の第1連結対向面を有する第1連結部材(7a)と、
前記第2接合面(3p)に固定され、該第2接合面(3p)に対して垂直に延びる一対の第2連結対向面を有する第2連結部材(7b)と、
前記第1連結対向面及び前記第2連結対向面の両側に配置される一対の金属製プレート(7m,7n)と、
前記第1連結対向面及び前記第2連結対向面を、それぞれ前記一対の金属製プレート(7m,7n)間に挟み付ける一方側挟持部材(7u)及び他方側挟持部材(7v)からなる摩擦接合構造を備え、
前記第1連結部材(7a)及び前記第2連結部材(7b)の一方には、前記第1連結対向面又は前記第2連結対向面を貫通する貫通穴(7w)が形成され、前記第1連結部材(7a)及び前記第2連結部材(7b)の他方には、前記第1連結対向面又は前記第2連結対向面を貫通する長穴又はスリット(7x)が形成され、
前記一対の金属製プレート(7m,7n)の前記貫通穴(7w)に対応する位置には、一方側挟持部材挿通部(7e,7f)が形成され、
前記一対の金属製プレート(7m,7n)の前記長穴又は前記スリット(7x)の接合面側に対応する位置には、他方側挟持部材挿通部(7g,7h)が形成されており、
前記貫通穴(7w)と前記一方側挟持部材挿通部(7e,7f)には前記一方側挟持部材が挿通されて、前記第1連結部材(7a)及び前記第2連結部材(7b)の一方を前記一対の金属製プレート(7m,7n)間に挟み付けることができ、
前記長穴又は前記スリット(7x)と前記他方側挟持部材挿通部(7g,7h)には前記他方側挟持部材(7v)が挿通されて、前記第1連結部材(7a)及び前記第2連結部材(7b)の他方を前記一対の金属製プレート(7m,7n)間に挟み付けることができることを特徴としている。
なお、括弧内に示す番号は、実施例1の説明における各構成に対応する図番である。
【0008】
上記の課題を解決するための請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の建築部材の接合構造において、
前記第1接合面(2p)と前記第2接合面(3p)の一端付近との間に前記定着接合構造を備え、
前記第1接合面(2p)と前記第2接合面(3p)の他端付近との間に前記定着接合構造を備え、
前記第1接合面(2p)と前記第2接合面(3p)の中央付近との間に前記摩擦接合構造を備えていることを特徴としている。
【0009】
上記の課題を解決するための請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明の建築部材の接合構造において、
前記第1接合面(2p)と前記第2接合面(3p)の一端付近との間に前記摩擦接合構造を備え、
前記第1接合面(2p)と前記第2接合面(3p)の他端付近との間に前記摩擦接合構造を備え、
前記第1接合面(2p)と前記第2接合面(3p)の中央付近との間に前記定着接合構造を備えていることを特徴としている。
【0010】
上記の課題を解決するための請求項4に係る発明は、請求項1~3のいずれかに係る発明の建築部材の接合構造において、
前記摩擦接合構造は、前記第1連結部材(7a)及び前記第2連結部材(7b)を複数組備えており、前記一対の金属製プレート(7m,7n)は、複数組の前記第1連結対向面及び前記第2連結対向面の両側に配置されることを特徴としている。
(【0011】以降は省略されています)

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