TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025125409
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-27
出願番号2024021451
出願日2024-02-15
発明の名称蒸気タービンを用いたシステム
出願人UBE三菱セメント株式会社
代理人個人
主分類F01K 7/34 20060101AFI20250820BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】熱空気冷却器の伝熱性能が低下しても、粉砕機に供給する一次空気温度を所定の値に維持するとともにタービン熱効率(発電効率)の低下を回避する。
【解決手段】システム1は、蒸気タービン11と、復水バイパス路17が分岐した主復水供給路16と、復水バイパス路17に設けられた分岐復水流量調整弁26と、GAH50からの熱空気により復水の一部を加熱するとともに熱空気を冷却する熱空気冷却器15と、熱空気冷却器15に接続された冷却後熱空気路22と、冷却後熱空気路22の途中に設けられた冷却後熱空気温度検出器27aと、熱空気冷却器15をバイパスする熱空気バイパス路23aと、熱空気バイパス路制御弁20Dと、冷却後熱空気温度検出器27aでの検出結果に応じて熱空気バイパス路制御弁20Dの開閉を制御する第1制御部24aと、を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
複数の抽気段を有する抽気復水式の蒸気タービンと、
前記蒸気タービンの復水をボイラに供給する主復水供給路と、
前記主復水供給路上に設けられ、前記複数の抽気段のうち2つ以上の抽気段から抽気された蒸気により、前記復水を予熱する複数の加熱器と、
を備えたシステムであって、
前記主復水供給路から分岐し、前記復水の一部を前記複数の加熱器の出口側に供給する復水バイパス路と、
前記復水バイパス路に設けられた分岐復水流量調整弁と、
前記復水バイパス路の、前記分岐復水流量調整弁の下流側に設けられ、前記システムの外部の装置からの熱空気により前記復水の一部を加熱するとともに前記熱空気を冷却する熱空気冷却器と、
前記熱空気冷却器の空気出口に接続された冷却後熱空気路と、
前記冷却後熱空気路の途中に設けられた冷却後熱空気温度検出器と、
前記外部の装置と前記熱空気冷却器の空気入口とを接続する冷却前熱空気路の途中で前記冷却前熱空気路から分岐し、前記熱空気冷却器の下流側で前記冷却後熱空気路に合流する熱空気バイパス路と、
前記熱空気バイパス路に設けられた、前記熱空気バイパス路の開閉を制御するように開閉される熱空気バイパス路制御弁と、
前記冷却後熱空気温度検出器での検出結果に応じて前記熱空気バイパス路制御弁の開閉を制御する第1制御部と、
を有するシステム。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
前記復水バイパス路は、前記熱空気冷却器が設けられた上流側復水バイパス路と、前記熱空気冷却器と前記複数の加熱器の出口側とを接続する下流側復水バイパス路と、を備え、
前記下流側復水バイパス路は、前記複数の加熱器に向けて分岐し前記複数の加熱器の出口側に接続された複数の分岐流路を有し、
前記複数の分岐流路にそれぞれ熱回収復水流量調整弁が1つずつ設けられ、
前記システムは、
前記熱空気冷却器の復水出口側で前記熱回収復水の温度を検出する熱回収復水温度検出器と、
前記複数の加熱器の出口温度をそれぞれ検出する複数の加熱器出口温度検出器と、
前記熱空気冷却器で加熱された熱回収復水を前記複数の加熱器の出口側のいずれか1つに供給するように前記複数の熱回収復水流量調整弁の開閉を制御する第2制御部をさらに有し、
前記第1制御部はさらに、前記熱空気冷却器より排出されて前記冷却後熱空気温度検出器で検出される熱空気の温度が予め設定された設定値になるように、前記分岐復水流量調節弁の開度を制御し、
前記第2制御部は、検出された前記熱回収復水の温度と前記複数の加熱器の出口温度とを比較し、比較結果に応じて、前記複数の加熱器のうち、前記熱回収復水の温度に最も近く、かつ、前記熱回収復水の温度よりも低い出口温度となる加熱器を選択し、選択された加熱器の出口に前記熱回収復水を供給するように、前記複数の熱回収復水制御弁の開度を制御する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記蒸気タービンに接続された発電機をさらに有する、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記システムの外部の装置は再生式空気予熱器である、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項5】
前記ボイラへ供給される燃料を粉砕する粉砕機をさらに有する、請求項1または2に記載のシステム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、発電システムなど蒸気タービンを用いたシステムに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
火力発電システムなど、蒸気タービンを用いたシステムにおいては、蒸気タービンから排出された蒸気を復水器で凝縮して得られる復水を、蒸気タービンから抽気された蒸気により予熱してボイラに供給することによって、熱効率の向上を図る再生サイクル方式が採用されている。また、ボイラ排ガスの熱をそのシステム内の熱源として利用することはよく行われている。例えば、ボイラの燃料として微粉炭燃料を用いたシステムでは、燃料の原料である石炭を粉砕する粉砕機の乾燥熱源としてボイラ排ガスを利用している。粉砕機の乾燥熱源は、ボイラ排ガスと熱交換させて加熱した熱空気に冷空気を混合したものが、粉砕機入口空気(一次空気)として供給される。ここで、燃料が、バイオマス等の揮発分が高く発火リスクが高い燃料である場合は、一次空気の温度を微粉炭燃料を用いた場合よりも下げる必要がある。
【0003】
しかし熱空気と冷空気を混合させて一次空気温度を調整する既存のシステムで冷空気を多く使用して一次空気温度を低減する運用を行った場合、ボイラ排ガスを用いて空気を加熱し熱空気を発生させる再生式空気予熱器(GAH)での交換熱量が減少する。その結果、GAH出口のボイラ排ガス温度が設計値より高くなり、GAHの下流側設備(例えば、電気集じん器、脱硫設備等)の運転に支障をきたすことがある。
【0004】
そこで、GAH出口熱空気(以降、熱空気と呼称)をタービン復水で冷却する熱空気冷却器を設置して、GAH出口の排ガス温度を上昇させずに一次空気を所定の温度に冷却することが求められる。例えば、非特許文献1には、熱交換により熱空気を冷却して粉砕機に供給する熱空気冷却器を設置し、回収した熱をボイラー給水の予熱に使用することが記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
Adam Nicholson、“Coal to Biomass Conversion”、Drax社、2019年2月19日、P29、<URL: https://nearyou.imeche.org/docs/default-source/Power-Industries-Division-NW-Centre/imeche---biomass-conversion-lecture-v1.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
冷却する熱空気はボイラ排ガスにより持ち込まれGAHに付着した灰を同伴するため、熱空気冷却器の伝熱管が経時的に汚れ伝熱性能が悪化する。そのため、この汚れを考慮して熱空気冷却器の伝熱面積に過剰な余裕をとった設計にすると、運転初期には伝熱性能が過大となり冷却後熱空気温度が低くなりすぎてしまい必要な一次空気温度が確保できなくなる。
【0007】
一方、伝熱面積の余裕をあまり確保せずに設計した場合において伝熱性能が低下したときは、冷却冷媒であるタービン復水の熱空気冷却器の出口温度を低くするようタービン復水流量を設定することで伝熱性能を確保することになる。
【0008】
タービン復水配管からタービン復水の一部を分岐させ熱空気冷却器で冷却に使用され、加熱されたタービン復水の配管は、タービン熱効率を低下させないようにするために、熱空気冷却器の設計条件温度に近いタービン復水配管の箇所に合流させる設計をする。即ち、熱空気冷却器にタービン復水を供給するために分岐したタービン復水配管は、タービン復水系統に複数設置されている低圧給水加熱器(LPH)の上記温度に応じた基数をバイパスすることとなる。
【0009】
従来の設計思想でタービン復水系統に合流させる配管が1か所で固定された場合、上記のとおり熱空気冷却器の伝熱性能悪化時における冷却冷媒温度を低下させる運転を行い設計値より低い温度のタービン復水を合流させると、蒸気タービンを用いたシステムでは、蒸気タービンから排出された蒸気を復水器で凝縮して得られる復水を、蒸気タービンから抽気された蒸気により予熱してボイラに供給することによって、熱効率の向上を図る再生サイクル方式のタービン熱効率を悪化させてしまう。
【0010】
本発明は、蒸気タービンを用いたシステムにおいて、熱空気冷却器の伝熱性能が低下しても、粉砕機に供給する一次空気温度を所定の値に維持するとともにタービン熱効率(発電効率)の低下を回避することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

ダイハツ工業株式会社
冷却装置
今日
ダイハツ工業株式会社
動弁装置
21日前
スズキ株式会社
内燃機関の排気管構造
1か月前
ダイハツ工業株式会社
内燃機関
15日前
ダイハツ工業株式会社
内燃機関
15日前
株式会社クボタ
トラクタ
14日前
株式会社クボタ
トラクタ
14日前
大洋技研工業株式会社
混合液ポンプ
28日前
フタバ産業株式会社
排気装置
28日前
スズキ株式会社
触媒コンバータの異常診断装置
29日前
トヨタ自動車株式会社
内燃機関制御装置
10日前
スズキ株式会社
冷却水の排水構造
21日前
株式会社SUBARU
可変バルブタイミング機構
6日前
トヨタ自動車株式会社
エンジンの制御装置
27日前
トヨタ自動車株式会社
潤滑油希釈抑制装置
16日前
日野自動車株式会社
タンク構造
1か月前
本田技研工業株式会社
鞍乗型車両の排気装置
1か月前
トヨタ自動車株式会社
内燃機関の異常診断装置
1か月前
トヨタ自動車株式会社
内燃機関の排気浄化装置
21日前
トヨタ自動車株式会社
内燃機関の排気浄化装置
29日前
スズキ株式会社
リザーバタンクの設置構造
29日前
フタバ産業株式会社
消音器の製造方法
1か月前
トヨタ自動車株式会社
車両
3日前
株式会社豊田自動織機
排気浄化装置
1か月前
株式会社SUBARU
エンジン
22日前
UBE三菱セメント株式会社
蒸気タービンを用いたシステム
1日前
フタバ産業株式会社
排気系部品の製造方法
1か月前
トヨタ自動車株式会社
エンジンオイル交換時期報知制御装置
9日前
トヨタ自動車株式会社
エンジン冷却装置
8日前
いすゞ自動車株式会社
排気処理装置
今日
東京濾器株式会社
オイルセパレータ
1か月前
いすゞ自動車株式会社
排ガス浄化装置
1か月前
いすゞ自動車株式会社
後処理システム
今日
トヨタ自動車株式会社
潤滑油劣化判定装置、劣化判定方法
23日前
トヨタ自動車株式会社
排ガス浄化装置
6日前
個人
発電システム
1か月前
続きを見る