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公開番号
2025126596
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-29
出願番号
2024022913
出願日
2024-02-19
発明の名称
反応装置及びそれを用いた化合物の製造方法
出願人
東京都公立大学法人
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C25B
1/30 20060101AFI20250822BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約
【課題】本発明が解決しようとする課題は、過酸化水素等の有用な化合物をより効率的に製造するための反応装置を提供すること。
【解決手段】多孔質のアノード膜、多孔質電解質膜、及び多孔質のカソード膜がこの順に積層されたユニット膜を備える反応装置であって、前記ユニット膜内は、細孔を介して連通し、前記カソード膜は、被還元性物質、前記アノード膜で生成する電子を反応させて化合物を生成するよう構成されている、反応装置。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
多孔質のアノード膜、多孔質電解質膜、及び多孔質のカソード膜がこの順に積層されたユニット膜を備える反応装置であって、
前記ユニット膜内は、細孔を介して連通し、
前記カソード膜は、被還元性物質、前記アノード膜で生成する電子を反応させて化合物を生成するよう構成されている反応装置。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
前記アノード膜は、下記式(I)の反応により前記電子を生成する、請求項1に記載の反応装置。
2H
2
O→O
2
+4H
+
+4e
-
・・・(I)
【請求項3】
前記化合物が、過酸化水素、ギ酸、メタノール、酢酸、エタノール、及び尿素のうち少なくとも1つである、請求項1に記載の反応装置。
【請求項4】
前記カソード膜は、下記式(II)~(VII)のうち少なくとも1つの反応により前記化合物として過酸化水素、ギ酸、メタノール、酢酸、エタノール、及び尿素のうち少なくとも1つを生成する、請求項1に記載の反応装置。
O
2
+2H
+
+2e
-
→H
2
O
2
・・・(II)
CO
2
+2H
+
+2e
-
→HCO
2
H ・・・(III)
CO
2
+6H
+
+6e
-
→CH
3
OH+H
2
O ・・・(IV)
2CO
2
+8H
+
+8e
-
→CH
3
CO
2
H+2H
2
O ・・・(V)
2CO
2
+8H
+
+8e
-
→CH
3
CH
2
OH+H
2
O ・・・(VI)
CO
2
+2NO
3
-
+18H
+
+16e
-
→CO(NH
2
)
2
+7H
2
O ・・・(VII)
【請求項5】
前記アノード膜が、多孔質導電性支持体、及びアノード活物質を含む触媒電極である、請求項1に記載の反応装置。
【請求項6】
前記カソード膜が、多孔質導電性支持体、及びカソード活物質を含む触媒電極である、請求項1に記載の反応装置。
【請求項7】
前記アノード活物質が、電気エネルギー、又は光エネルギーを利用して式(I)の反応を促進する電極である、請求項5に記載の反応装置。
【請求項8】
前記カソード膜が、多孔質導電性支持体、及びカソード活物質を含む触媒電極である、
前記カソード活物質が、電気エネルギー、又は光エネルギーを利用して前記式(II)~(VII)のうち少なくとも1つの反応を促進する電極である、請求項4に記載の反応装置。
【請求項9】
前記多孔質電解質膜が電子伝導性を有しないイオン伝導体であり、且つ気体の透過を妨げない多孔性構造体である、請求項1に記載の反応装置。
【請求項10】
前記ユニット膜内に液体を供給する供給管、及び前記化合物の溶液を回収する回収管を備える、請求項1に記載の反応装置。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、反応装置及びそれを用いる化合物の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
過酸化水素は、化学、パルプ、医薬、食品、繊維、及び半導体工業において、漂白剤及び/又は酸化剤として使用されている有用な化合物である。従来の過酸化水素の製造方法としては、例えば、(i)アルキルアントラキノンを用いた自動酸化法(非特許文献1参照)、(ii)アルカリ金属水酸化物中で酸素を陰極還元する電解法(特許文献1参照)、(iii)硫酸又は塩酸水溶液中に懸濁もしくは溶解した白金族系の触媒を用いて水素と酸素を触媒的に反応させる方法(特許文献2参照)等が知られており、工業的には主に上記(i)の方法が用いられている。
【0003】
しかしながら、これらの従来の過酸化水素の製造方法においては、例えば、上記(i)の方法では、以下の(a)~(f)に述べるような問題がある。(a)大量の有機溶媒の添加を必要とする。(b)多くの副生物や触媒の劣化が生じるので、さまざまな分離工程や再生工程を必要とする。(c)触媒材料に応じて異なるpHの電解質を必要とする。(d)連続法ではなくバッチ法で製造する必要があるため複雑な製造工程、精製工程及びこれらを行うための設備を必要とする。(e)高価なパラジウム触媒を必要とする。(f)輸送コストを削減するため高濃度にすると、爆発の危険性を伴うため安全性の問題がある。このように、上記(i)の方法では、エネルギー消費や設備投資も多く、且つ安全性の問題もあるため、より安価且つ安全な製造法の開発が求められている。また、上記(ii)の方法においては、アルカリ金属水酸化物を取り除く分離工程を必要とする問題点がある。さらに、上記(iii)の方法においては、同一反応器内において水素と酸素を混合させる必要があり、爆発危険性等の安全上の問題を有し、工業的製造法としては難点がある。
【0004】
一方、近年、燃料電池システム、及び電解セルシステムを用いて、温和な条件で種々の有用な化合物を製造する研究が進められている。燃料電池とは燃料を電解質膜で隔てて電気化学的に完全燃焼させ、その反応過程の自由エネルギー変化を直接電力エネルギーに変換することを目的としたシステムである。すなわち、電子の放出反応と受容反応をそれぞれアノード、カソードで行わせ、両極を結ぶ外部回路を通る電子の移動を電力として利用するものである。このような燃料電池を物質合成の立場から化学反応器とみると、原理的には電力と共に有用な化合物の製造が可能である。電解セルとはアノードとカソード間に外部から電圧を印加することにより、アノードで電子を放出する酸化反応、カソードで電子を需要する還元反応を行わせるものである。外部電圧を印可しているため、水電解による水素製造、及び二酸化炭素の電解による一酸化炭素やギ酸等の有用な化合物の製造が可能である。このような電解セルをエネルギー変換技術とみると、再生可能エネルギーで発生させた電力を化学エネルギーに変換し、電力を蓄電池に貯蔵する場合に比べて、エネルギーの貯蔵コストを低減することができ、また貯蔵ロスも少ないという利点がある。
【0005】
燃料電池システム及び電解セルシステムを応用した化学合成法は、以下の(1)~(3)に述べるような、工業生産においても有利な特徴を有している。(1)活性種の分離や特殊反応場を形成させることができるため、通常の触媒反応では困難な選択反応を可能にする。(2)反応速度や選択性を電気的に容易に制御することができる。(3)酸素等の酸化性物質と水素等の還元性物質が隔膜で分離されているので爆発の危険性を低減できる。
【0006】
燃料電池システムの化学合成への応用例としては、(iv)エチレンおよびプロピレンの部分酸化反応(非特許文献2参照)、(v)ベンゼンの水酸化反応(非特許文献3参照)、(vi)メタノールの酸化的カルボニル化反応(非特許文献4参照)、(vii)水素と酸素から過酸化水素を製造する方法、(viii)アノードでの酸化反応に水、メタノール又はエタノール等のいずれを用いて過酸化水素を製造する方法(非特許文献5~6及び特許文献3~7参照)等が提案されている。
【0007】
特許文献6及び非特許文献5に開示された上記(vii)の方法においては、ナフィオン(デュポン社の登録商標)を隔膜とし、触媒電極として、膜のアノード側は白金黒を、カソード側は金メッシュ又はグラファイトを用いている。そして、アノード室に水素ガスを、塩酸水溶液が導入されたカソード室に酸素ガスを吹き込むことによって過酸化水素を製造する。
【0008】
また、特許文献3~5に開示された上記(vii)の方法においては、アノード及びカソードにより、アノード室、中間室、及びカソード室に区画され、中間室に電解質溶液を存在させ、両極間を電子伝導体で外部短絡された構造を有する装置又は該中間室がカチオン交換膜によって区画された構造を有する装置が用いられる。そして、アノード室に水素ガスを、カソード室に酸素ガスを供給して、中間室の電解質溶液中に過酸化水素を発生させる。
【0009】
また、特許文献7及び非特許文献6に開示された上記(viii)の方法においては、アノードでの電子の発生を、(A)酸素が過酸化水素に還元される電極電位より低い電位でのアノードでの酸化反応、及び/又は(B)カソードとアノード間の外部電圧印加によるアノードでの酸化反応、のいずれかによって過酸化水素を製造する。電解セルシステムを用いて、水の酸化による酸素生成反応においても実施することができるため、高価な燃料を必要としない過酸化水素の製造が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
米国特許第4,431,494号明細書
米国特許第4,009,252号明細書
特開2001-236968号公報
特開2005-076043号公報
特開2005-281057号公報
特開2010-215938号公報
特開2010-242159号公報
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)
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