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公開番号2025127220
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-01
出願番号2024023817
出願日2024-02-20
発明の名称横吹出形ユニットヒータの異音低減機構
出願人新晃工業株式会社
代理人個人,個人
主分類F24H 3/04 20220101AFI20250825BHJP(加熱;レンジ;換気)
要約【課題】横吹出形(H型)ユニットヒータにおける風切り音等の異音を低減させる機構を提供する。
【解決手段】
上流側に断面円形のベルマウス型の吸引開口を設け、直後に熱交換器であるコイルを水平又は垂直に配置する横吹出形ユニットヒータにおいて、前記水平又は垂直のコイルの両端近傍に、一対のコイルに設けられたフィンと平行に整流板を配置し、前記ベルマウス型の吸引開口の開口面積を拡大し該ベルマウス型の吸引開口と開口部とで形成する渦流発生部を小さくした横吹出形ユニットヒータの異音低減機構。
【選択図】図3

特許請求の範囲【請求項1】
上流側に断面円形のベルマウス型の吸引開口を設け、直後に熱交換器であるコイルを水平又は垂直に配置する横吹出形ユニットヒータにおいて、
前記水平又は垂直のコイルの両端近傍に、一対のコイルに設けられたフィンと平行に整流板を配置し、
前記ベルマウス型の吸引開口の開口面積を拡大し該ベルマウス型の吸引開口と開口部とで形成する渦流発生部を小さくした
ことを特徴とする横吹出形ユニットヒータの異音低減機構。
続きを表示(約 82 文字)【請求項2】
前記一対の整流板の中央部には両整流板を繋ぐ整流板補強部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の横吹出形ユニットヒータの異音低減機構。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、横吹出形(H型)ユニットヒータにおける、風切り音等の異音を低減させる異音低減機構に関するものである。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来のユニットヒータは、蒸気または温水を熱源とし、コイルで暖めた空気を効率の高い有圧プロペラファンによって下方向、または横方向に送風することで、居住域の暖房や、工場・倉庫・体育館・展示場などの居住域用暖房装置として幅広く使用され、主に、下吹出形ユニットヒータと、横吹出形ユニットヒータとがあるが、このうち図1に示すのは、横吹出形ユニットヒータである。
この横吹出形ユニットヒータは上流側にベルマウス型の吸引開口(有圧換気扇)2を、下流側に暖房用のコイル4を配置し、さらに下流の吹出口にはダンパ部5を配置した横吹出型ユニットヒータで、広い工場などで工場全体を暖房する、或いはスペースヒーティングとして一部区域のみを暖房する、または、住居域のみ暖房するスポットヒーティングと使用することができ、しかも、取り付け及び配管は容易であるので、多用されている。
ところで、横吹出形ユニットヒータは、使用勝手が良いものの、風切り音等の異音が発生しやすいという不都合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
実用新案登録第3220002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、横吹出形(H型)ユニットヒータにおける風切り音等の異音を低減させる機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上流側に断面円形のベルマウス型の吸引開口を設け、直後に熱交換器であるコイルを水平又は垂直に配置する横吹出形ユニットヒータにおいて、前記水平又は垂直のコイルの両端近傍に、一対のコイルに設けられたフィンと平行に整流板を配置し、前記ベルマウス型の吸引開口(有圧換気扇)の開口面積を拡大し該ベルマウス型の吸引開口と開口部とで形成する渦流発生部を小さくした横吹出形ユニットヒータの異音低減機構であり、さらに、前記一対の整流板の中央部には両整流板を繋ぐ整流板補強部を設けた横吹出形ユニットヒータの異音低減機構である。
なお、ベルマウス型の吸引開口は、図1に示すような、開口にファンを設けて空気を送り込むような有圧換気扇がよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明の横吹出形ユニットヒータの異音低減機構によれば、横吹出形ユニットヒータの異音低減機構において、コイルの両端近傍のフィンに平行な整流板を配置して、ベルマウス型の吸引開口の開口面積を拡大し該ベルマウス型の吸引開口と開口部とで形成する渦流発生部を小さくしたので、風切り音等の異音を低減することができる。また、一対の垂直な整流板の中央部には水平な整流板を設けて整流板補強部を設けたので、強い風圧が加わる整流板の変形を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1(a)は前提となるユニットヒータの実施例の熱交換器の吹出側の全体外観の斜視図、図1(b)は給気側の全体外観斜視図、
図2は従来の整流板のない吹出形ユニットヒータの異音低減機構の空気量の説明図、図2(a)は全体斜視図、図2(b)はその部分拡大図、図2(c)は空気の流れの状態を示す部分拡大図、
図3は本実施例の整流板を配置した吹出形ユニットヒータの異音低減機構の空気量の説明図、図3(a)は全体斜視図、図3(b)はその部分拡大図、図3(c)は空気の流れの状態を示す部分拡大図、
図4(a)は従来のベルマウス型の吸引開口の開口部の斜視図、図4(b)はその断面図、図4(c)はその円鎖線の拡大図、
図5(a)は本実施例のベルマウス型の吸引開口の開口部の斜視図、図5(b)はその断面図、図5(c)はその円鎖線の拡大図、
図6のケースAは従来の製品の1/1オクターブバンド分析結果、ケースBは開口部を大きくした(広げた)状態の1/1オクターブバンド分析結果、ケースCは整流板を配置した状態の1/1オクターブバンド分析結果、ケースDは両者を施した状態の1/1オクターブバンド分析結果である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明を横吹出形ユニットヒータの好適な実施例を図面に沿って説明する。
図1(a)(b)に示す横吹出形ユニットヒータは、温水又は蒸気を熱源として、コイル4で温めた空気を吸引開口2を用いてファン3によって送風するもので、本発明の横吹出形(H型)ユニットヒータでは、ケース1の後板11に吸引開口を取り付けているが、吸引開口を使用した際、風下側から耳障りな風切り音(高音域での異音)が発生する。
本発明は、この耳障りな風切り音(高音域での異音)を消すことを目的にしたもので、このため第(1)点は、コイル4が水平配置の場合は整流板6を垂直(コイルのフィン面と平行)に配置するが、コイル配管が横向き(HW型)の場合「H」形状、縦向き(HS型)の場合「工」形状にする。
第(2)点は、吸引開口の取付板(ケース後板)11の空気吸込の開口面積を拡大し、すなわち、開口径はベルマウスの吐出側の径に合わせたもので、この第(1)点と第(2)点を併用することで、異音の解消をすることができた。
【0009】
以下に、この2点について、詳細に説明する。
第(1)点の整流板について
図2は、従来の横吹出形において、上流側に断面円形のベルマウス型の吸引開口2を設け、直後に熱交換器であるコイル4を水平(又は垂直)に配置する横吹出形ユニットヒータである。
図3は、本発明の実施例である整流板であって、前記水平(又は垂直)のコイルの両端近傍に、水平コイル4のフィン41と平行に、整流板6を一対設けたものであり、前記一対の整流板の中央部には両整流板を繋ぐ整流板補強部61を設けたものである。
ここで、従来の図2(c)と本実施例の図3(c)とを比較すると、従来の空気の流れの強弱は不均一であり、これが異音の原因の1つであると考えられる。
この時の異音測定結果は、図6の表であり、整流板を設けず他の対策を設けなかった場合の1/1オクターブバンド分析結果がケースAであるが、整流板を設けた場合の結果はケースCであり、可聴周波数の4kHzでは-5.3dB低減したが異音は残る。
なお、コイル4が水平に設置されている場合、フィン41は垂直であるが、コイル4が縦型の垂直である場合は、フィン41は水平であるので、一対の整流板6は水平となり中央の整流補強板は垂直となる。要するに、コイル配管が縦向き(HS型)の場合、コイルフィン面は横向きになるため、H形状の整流板も横向きに配置することになる。
なお、図6の表のオクターブバンド分析とは、雑音分析として古くから行われている手法で、「1/1オクターブバンド分析」、「1/3オクターブバンド分析」等の手法があるが、ここでは、「1/1オクターブバンド分析」を採用した。
また、通常下では下は20Hzから上は15kHzないし20kHz(個人差あり )までの鼓膜振動を音として感じることができ、この周波数帯域を可聴域というが、人が不快に感じる音は可聴域の中間領域で、異音としてもっとも不快感を呼び起こすのは2kHz~4kHz周波数帯と言われている。
図6の表において、ケースA,Bでは2kHzに比べ4kHzが突出している。ケースCではほぼ横並び、ケースDでは隣り合う2kHzに比べ明らかにレベルが低い。異音として感じるのはケースA、Bにおける4kHzの音を聞いた場合であり、ケースCでは異音を感じとることができる場合であり、ケースDのように2kHz→4kHz→8kHzのレベルが なだらかな右肩下がりの状態では異音として感じることはない。
【0010】
第(2)点の渦流の抑制について
上述したように、整流板を設けても、風切り音等の異音は残るので、異音発生の箇所は、図4のベルマウス型の吸引開口4の開口部7に存在する滞留空間71(図4(c)の点線円)に存在する空間に生じる渦流であると考え、開口部7を大きくして滞留空間71を極小滞留空間72(図5(c)の点線円)として渦流が生ずる空間を極力なくすようにし、生じる渦流も極めて小さなものとなった。
図6の表でのユニットヒータ(HW-95-2/50Hz)の風量は4795m
3
/hであった。
この結果、図6の表1/1オクターブバンド分析結果がケースBとなりケースAと比べて可聴周波数の4kHzでは-0.9dB低減したが異音は残った。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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