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公開番号2025127430
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-01
出願番号2024174385
出願日2024-10-03
発明の名称(メタ)アクリル酸の製造方法
出願人株式会社日本触媒
代理人弁理士法人WisePlus
主分類C07C 51/377 20060101AFI20250825BHJP(有機化学)
要約【課題】 3-ヒドロキシカルボン酸及び/又はその縮合物を含む原料から(メタ)アクリル酸を得る製造方法において、100℃を超える高温の反応でも反応器内での(メタ)アクリル酸の重合を抑制し、高い生産性かつ、高い収率で(メタ)アクリル酸を製造することができる製造方法を提供する。
【解決手段】 3-ヒドロキシカルボン酸及び/又はその縮合物を含む原料から(メタ)アクリル酸を得る反応工程を含む(メタ)アクリル酸の製造方法であって、該製造方法は、3-ヒドロキシカルボン酸及び/又はその縮合物と(メタ)アクリル酸とを含む反応液中に鉄系化合物が存在する条件下で該反応工程を行うことを特徴とする(メタ)アクリル酸の製造方法。
【選択図】なし


特許請求の範囲【請求項1】
3-ヒドロキシカルボン酸及び/又はその縮合物を含む原料から(メタ)アクリル酸を得る反応工程を含む(メタ)アクリル酸の製造方法であって、
該製造方法は、3-ヒドロキシカルボン酸及び/又はその縮合物と(メタ)アクリル酸とを含む反応液中に鉄系化合物が存在する条件下で該反応工程を行う
ことを特徴とする(メタ)アクリル酸の製造方法。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記反応工程は、100~300℃の温度で行われることを特徴とする請求項1に記載の(メタ)アクリル酸の製造方法。
【請求項3】
前記反応液中における鉄系化合物の濃度は、1~30000ppmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の(メタ)アクリル酸の製造方法。
【請求項4】
3-ヒドロキシカルボン酸及び/又はその縮合物を含む原料を用いて親水性樹脂を製造する方法であって、
該製造方法は、3-ヒドロキシカルボン酸及び/又はその縮合物と(メタ)アクリル酸とを含む反応液中に鉄系化合物が存在する条件下で、3-ヒドロキシカルボン酸及び/又はその縮合物から(メタ)アクリル酸を生成させる反応工程と、
該反応工程で得られた(メタ)アクリル酸を含む単量体成分を重合して親水性樹脂を生成させる重合工程を含み、
該反応工程で得られる生成物中の主生成物が(メタ)アクリル酸であることを特徴とする親水性樹脂の製造方法。
【請求項5】
前記親水性樹脂が吸水性樹脂であることを特徴とする請求項4に記載の親水性樹脂の製造方法。
【請求項6】
前記親水性樹脂が化粧料用添加剤であることを特徴とする請求項4に記載の親水性樹脂の製造方法。
【請求項7】
3-ヒドロキシカルボン酸及び/又はその縮合物を含む原料を用いて(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法であって、
該製造方法は、3-ヒドロキシカルボン酸及び/又はその縮合物と(メタ)アクリル酸とを含む反応液中に鉄系化合物が存在する条件下で、3-ヒドロキシカルボン酸及び/又はその縮合物から(メタ)アクリル酸を生成させる反応工程と、
該反応工程で得られた(メタ)アクリル酸を含む成分をアルコール、もしくはエポキシドと反応させてエステルを生成させるエステル化工程を含み、
該反応工程で得られる生成物中の主生成物が(メタ)アクリル酸であることを特徴とする(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
【請求項8】
前記(メタ)アクリル酸エステルが、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸1-オクチル、(メタ)アクリル酸2-オクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸2-メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2-エトキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチルのいずれか、又は、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールの複数のアルコール基の一部、若しくは全部が(メタ)アクリル酸でエステル化されたエステル体のいずれかであることを特徴とする請求項7に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、(メタ)アクリル酸の製造方法に関する。より詳しくは、3-ヒドロキシカルボン酸及び/又はその縮合物を含む原料から(メタ)アクリル酸を得る製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
(メタ)アクリル酸は、アクリル樹脂や親水性樹脂の原料として工業的に広く利用されている。(メタ)アクリル酸の製造方法としては、固定床多管式連続反応器を用い酸化物触媒の存在下、化石資源由来の原料であるプロピレンやイソブチレンを接触気相酸化によりアクロレインやメタクロレインとし、これを更に接触気相酸化する二段酸化方法が一般的である(特許文献1~7参照)。しかしながら、近年の環境問題への意識の高まり等を受けて化石資源からではなく、再生可能資源から(メタ)アクリル酸を製造することが望まれており、再生可能資源であるバイオマス等を利用して、(メタ)アクリル酸を商業的規模で経済的に製造する試みが行われている。
【0003】
バイオマスからの(メタ)アクリル酸の生成方法としては、農作物等の天然物から、又は、セルロース等を分解して糖類を得た後、糖類を更に発酵させて3-ヒドロキシプロピオン酸(以下、3HPとも称す。)や3-ヒドロキシイソ酪酸等の3-ヒドロキシカルボン酸を得、この3-ヒドロキシカルボン酸からアクリル酸を得る方法が挙げられ、3-ヒドロキシカルボン酸の重合物を含む組成物を生成させる工程と該組成物から100℃を超える温度で(メタ)アクリル酸を生成させる液相反応を行う工程とを含む(メタ)アクリル酸の製造方法(特許文献8参照)や、沸点30~200℃の第1重合禁止剤と沸点200℃以上の第2重合禁止剤とを用いて3-ヒドロキシプロピオン酸からアクリル酸を製造する方法(特許文献9参照)が開示されている。またその他にも3-ヒドロキシカルボン酸を反応させて(メタ)アクリル酸を製造する製造方法が多数開示されている(特許文献10~13参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2005/095320号
国際公開第2007/106100号
特表2006-518766号公報
特開2000-159724号公報
国際公開第2012/091114号
特表2004-532855号公報
国際公開第2011/002892号
特許第6078447号
韓国公開特許第2023-0049853号公報
米国特許第7166743号明細書
米国特許第6897338号明細書
国際公開第2011/100608号
特開2015-067567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のとおり、バイオマスからの(メタ)アクリル酸の生成方法として天然物から3-ヒドロキシカルボン酸を得、それを脱水して(メタ)アクリル酸を製造する方法が知られているが、いずれの製法においても、アクリル酸が高い反応性を有するために反応器内部で(メタ)アクリル酸が重合することがあり、これによって反応装置内でゲルが発生してトラブルの原因となったり、アクリル酸の収率が低くなるという課題があった。このような(メタ)アクリル酸の反応器内部での重合を抑制するため、反応器内に重合禁止剤が添加されるが、一般的な重合禁止剤は3-ヒドロキシカルボン酸の脱水反応の反応率が高い100℃を超える高温での反応では重合禁止効果が乏しいため、(メタ)アクリル酸の生産性を犠牲にして反応温度を下げざるを得なかった。
【0006】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、3-ヒドロキシカルボン酸及び/又はその縮合物を含む原料から(メタ)アクリル酸を得る製造方法において、100℃を超える高温の反応でも反応器内での(メタ)アクリル酸の重合を抑制し、高い生産性かつ、高い収率でアクリル酸を製造することができる製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、3-ヒドロキシカルボン酸及び/又はその縮合物を含む原料から(メタ)アクリル酸を得る製造方法において、反応器内での(メタ)アクリル酸の重合を抑制する方法について検討した。そして、通常は重合禁止剤として使用されず、(メタ)アクリル酸のみが存在する環境下では(メタ)アクリル酸の重合禁止効果を発揮しない鉄系化合物が、3-ヒドロキシカルボン酸及び/又はその縮合物と(メタ)アクリル酸とが存在する環境下では(メタ)アクリル酸の重合禁止剤としての機能を発揮することを見出した。更に本発明者は、鉄系化合物は100℃を超える高温の反応でも優れた重合禁止効果を発揮することも見出し、これにより、高い生産性かつ、高い収率で(メタ)アクリル酸を製造することが可能となることを見出し、更に、このようにして得られた(メタ)アクリル酸を使用する親水性樹脂及び(メタ)アクリル酸エステルの好適な製造方法も見出し、本発明に到達したものである。
【0008】
すなわち本発明は、以下のとおりである。
【0009】
[1]3-ヒドロキシカルボン酸及び/又はその縮合物を含む原料から(メタ)アクリル酸を得る反応工程を含む(メタ)アクリル酸の製造方法であって、
該製造方法は、3-ヒドロキシカルボン酸及び/又はその縮合物と(メタ)アクリル酸とを含む反応液中に鉄系化合物が存在する条件下で該反応工程を行う
ことを特徴とする(メタ)アクリル酸の製造方法。
【0010】
[2]前記反応工程は、100~300℃の温度で行われることを特徴とする[1]に記載の(メタ)アクリル酸の製造方法。
(【0011】以降は省略されています)

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