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公開番号2025127441
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-01
出願番号2024226741
出願日2024-12-23
発明の名称亜鉛および金属鉄の分離回収方法
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人,個人
主分類C22B 19/30 20060101AFI20250825BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】製鋼ダスト中の亜鉛を少ない薬剤量で分離しつつ、亜鉛および金属鉄を回収する方法を提供する。
【解決手段】製鋼ダストスラリーを湿式サイクロンに流入させ、製鋼ダストスラリーを、金属鉄希釈ダストスラリーと金属鉄濃縮ダストスラリーとに分離してそれらを回収する工程と、金属鉄希釈ダストスラリーに酸化剤を添加して酸化還元電位を調整する工程と、調整亜鉛含有ダストスラリーのpHを調整して亜鉛を浸出させ、亜鉛浸出液および亜鉛浸出残渣を得る工程と、亜鉛浸出液と亜鉛浸出残渣とに固液分離する工程と、亜鉛浸出液のpHを調整して亜鉛を亜鉛沈殿物として沈殿させる工程と、亜鉛浸出液を亜鉛沈殿物とろ液とに固液分離して、亜鉛沈殿物を回収する工程と、金属鉄濃縮ダストスラリーを金属鉄濃縮ダストとろ液とに固液分離して、金属鉄濃縮ダストを回収する工程とを有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
亜鉛ダストおよび鉄ダストを含有する製鋼ダストから亜鉛および金属鉄を分離回収する方法であって、
前記製鋼ダストを含有する製鋼ダストスラリーを湿式サイクロンに流入させ、前記製鋼ダストスラリーを、前記金属鉄の濃度および前記製鋼ダストの濃度を希釈させた金属鉄希釈ダストスラリーと、前記金属鉄の濃度および前記製鋼ダストの濃度を濃縮させた金属鉄濃縮ダストスラリーとに分離して、前記金属鉄希釈ダストスラリーを前記湿式サイクロンの上部出側から、前記金属鉄濃縮ダストスラリーを前記湿式サイクロンの下部出側から、それぞれ回収する湿式分離工程と、
前記金属鉄希釈ダストスラリーに酸化剤を添加して酸化還元電位を調整する酸化還元電位調整工程と、
前記酸化還元電位調整工程において酸化還元電位が調整された調整亜鉛含有ダストスラリーのpHを調整して亜鉛を浸出させ、亜鉛浸出液および亜鉛浸出残渣を得る亜鉛浸出工程と、
前記亜鉛浸出液と前記亜鉛浸出残渣とに固液分離する第一固液分離工程と、
分離された前記亜鉛浸出液のpHを調整して亜鉛を亜鉛沈殿物として沈殿させる亜鉛沈殿工程と、
pHが調整された前記亜鉛浸出液を前記亜鉛沈殿物とろ液とに固液分離して、分離された前記亜鉛沈殿物を回収する第二固液分離工程と、
前記金属鉄濃縮ダストスラリーを金属鉄濃縮ダストとろ液とに固液分離して、分離された前記金属鉄濃縮ダストを回収する第三固液分離工程と、
を有する亜鉛および金属鉄の分離回収方法。
続きを表示(約 190 文字)【請求項2】
前記湿式サイクロンの下部出側の口径が7mm以上12mm以下に調整されている、請求項1に記載の亜鉛および金属鉄の分離回収方法。
【請求項3】
前記酸化還元電位調整工程において、前記製鋼ダストスラリーの酸化還元電位を、前記鉄ダストの表面にヘマタイトを形成させる酸化還元電位に調整する、請求項1または2に記載の亜鉛および金属鉄の分離回収方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、亜鉛および金属鉄の分離回収方法に関し、特に、ダスト中の亜鉛および金属鉄を分離回収する方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
転炉、溶銑予備処理炉、電気炉等の製鋼炉から発生する亜鉛含有ダストは、鉄ダストを多く含むため、製鉄工程への有望なリサイクル源である。ただし、亜鉛含有ダストを全量リサイクルすると、亜鉛が製鉄所内を循環し続けるため原料由来の亜鉛分だけ蓄積し、蓄積量が過大になると高炉で操業トラブルの原因となる。そのため、亜鉛含有ダストのリサイクル時には、事前に亜鉛を分離する必要がある。
【0003】
亜鉛含有ダストからの亜鉛分離技術として、特許文献1には、亜鉛を含有する製鋼ダストを反応容器において空気を吹き込んで撹拌しながら水と接触混合し、水の水素イオン濃度をpH3から6に調整して該ダスト中の亜鉛分を溶液側に浸出させた後、亜鉛を溶解した水と鉄分含有ダストとを分離し、引き続き前記亜鉛を溶解した水の水素イオン濃度をpH7から9に調整することによって亜鉛分を沈殿分離する方法が提案されている。
【0004】
また、特許文献2には、亜鉛を含有する電気炉等の集塵ダストを反応容器において硫酸を用いてpH4に制御する際、曝気または酸化剤を併用することによって、亜鉛を溶出させつつ、鉄の溶出を抑制する方法が提案されている。
【0005】
さらに、特許文献3には、亜鉛を含有する製鉄ダストに対し、湿式サイクロンにより亜鉛を濃縮した後、pHを1.0以上に調整して亜鉛を浸出させ、アルカリを添加して鉄を沈殿させて固液分離した後、更にアルカリを添加して亜鉛分を沈殿分離する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2000-309831号公報
特開平2-250928号公報
特開2022-105980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1または特許文献2に記載された方法では、亜鉛含有ダスト中の鉄形態の大部分が酸に易溶な金属鉄やウスタイトの状態であり、水の水素イオン濃度を酸性側に増加する。そのため、ダストの主成分である鉄が2~4%程度溶液に浸出しており、鉄の浸出によって水の水素イオンが消費され、水の水素イオン濃度を制御する際に添加する酸の量が大幅に増加する。また、亜鉛を沈殿分離する際に溶液に浸出していた鉄も一緒に沈殿するため、回収する亜鉛の純度が大幅に低減するデメリットがある。さらに、金属鉄は酸化されて酸化鉄となってしまうため、亜鉛浸出後の残渣を鉄源として製鉄所内でリサイクルする際、追加で還元剤が必要になってしまうデメリットもある。
【0008】
また、特許文献3に記載された方法では、高炉ダストを対象とする場合と異なり、亜鉛と鉄の一部が互いに化学的に結合しており、かつ粒度差も小さい製鋼ダストを対象とする場合には、湿式サイクロンでは鉄から亜鉛を分離して濃縮することはできない。また、製鋼ダストは酸に易溶な金属鉄やウスタイトの鉄形態が大部分を占めるため、上記同様、そのままの鉄形態で酸を添加すると、水の水素イオン濃度を制御する際に添加する酸の量が大幅に増加する。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みて開発されたもので、製鋼ダスト中の亜鉛を少ない薬剤量で分離しつつ、亜鉛および金属鉄を回収する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決するため、製鋼ダスト中の亜鉛を薬剤量を低減しつつ分離して、金属鉄を回収する方法について検討を重ねた。その結果、製鋼ダストを事前に湿式サイクロンに流入させて金属鉄濃縮ダストスラリーと金属鉄希釈ダストスラリーとに分離し、次いで金属鉄希釈ダストスラリーの酸化還元電位を増加させてダスト表面の鉄を酸化して酸に不溶なマグネタイトやヘマタイトにすることによって、鉄の溶解に消費される酸の量を抑制しつつ、亜鉛分離能を向上させることが可能な技術に思い至った。その要旨は次のとおりである。
(【0011】以降は省略されています)

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