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公開番号2025128607
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-03
出願番号2024025365
出願日2024-02-22
発明の名称原子発振器
出願人日本電気株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H03L 7/26 20060101AFI20250827BHJP(基本電子回路)
要約【課題】原子発振器における共鳴周波数の安定性の向上を図ることが困難であること。
【解決手段】本開示の原子発振器100は、ガスセル101と、照射光をガスセルに照射する光発生部102と、ガスセルを透過した透過光を検出する光検出部103と、検出した透過光の光量に基づいて決定された共鳴周波数に基づいて外部出力される発振信号の発振周波数を制御する制御部104と、ガスセルと光発生部との温度を調整する温度調整部105と、を備え、温度調整部105は、ガスセルと光発生部との温度と共鳴周波数との関係性に基づいて、ガスセルと光発生部との温度の両方が変動した場合における共鳴周波数の変動量が、ガスセルと光発生部との温度のいずれか一方が変動した場合における共鳴周波数の変動量より少なくなるよう設定されたガスセルの設定温度と光発生部の設定温度とに、ガスセルの温度と光発生部の温度とをそれぞれ調整する。
【選択図】図6

特許請求の範囲【請求項1】
アルカリ金属原子が封入されたガスセルと、
少なくとも2つの異なる周波数成分を有する照射光を前記ガスセルに照射する光発生部と、
前記ガスセルを透過した透過光を検出する光検出部と、
検出した前記透過光の光量に基づいて共鳴周波数を決定し、決定した共鳴周波数に基づいて外部出力される発振信号の発振周波数を制御する制御部と、
前記ガスセルと前記光発生部との温度を調整する温度調整部と、
を備え、
前記温度調整部は、前記ガスセルと前記光発生部とのそれぞれにおける温度と共鳴周波数との関係性に基づいて、前記ガスセルと前記光発生部との温度の両方が変動した場合における共鳴周波数の変動量が、前記ガスセルと前記光発生部との温度のいずれか一方が変動した場合における共鳴周波数の変動量より少なくなるよう設定された前記ガスセルの設定温度と前記光発生部の設定温度とに、前記ガスセルの温度と前記光発生部の温度とをそれぞれ調整する、
原子発振器。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
請求項1に記載の原子発振器であって、
前記温度調整部は、前記関係性に基づいて、前記ガスセルの温度が変動した場合における共鳴周波数の変動量を、前記光発生部の温度が変動した場合における共鳴周波数の変動量により減少させるよう設定された前記ガスセルの設定温度と前記光発生部の設定温度とに、前記ガスセルの温度と前記光発生部の温度とをそれぞれ調整する、
原子発振器。
【請求項3】
請求項1に記載の原子発振器であって、
前記温度調整部は、前記関係性に基づいて、前記ガスセルの温度の変動による共鳴周波数の変動量と前記光発生部の温度の変動による共鳴周波数の変動量とが相互に反対符号となるよう設定された前記ガスセルの設定温度と前記光発生部の設定温度とに、前記ガスセルの温度と前記光発生部の温度とをそれぞれ調整する、
原子発振器。
【請求項4】
請求項1に記載の原子発振器であって、
前記制御部は、前記ガスセルの温度と前記光発生部の温度との組み合わせを複数設定すると共に、複数の前記組み合わせにおいてそれぞれ共鳴周波数を決定し、さらに、前記関係性に基づいて、複数の前記組み合わせのうち、前記ガスセルの温度の変動による共鳴周波数の変動量と前記光発生部の温度の変動による共鳴周波数の変動量とが相互に反対符号となる前記組み合わせを抽出し、抽出した前記組み合わせに基づいて前記ガスセルの設定温度と前記光発生部の設定温度とを設定する温度設定部を備え、
前記温度調整部は、設定した前記ガスセルの設定温度と前記光発生部の設定温度とに、前記ガスセルの温度と前記光発生部の温度とをそれぞれ調整する、
原子発振器。
【請求項5】
請求項4に記載の原子発振器であって、
前記温度設定部は、複数の前記組み合わせそれぞれにおいて、共鳴周波数を決定すると共に、前記照射光の差周波数が特定の量子状態間の遷移周波数と一致するときにおける前記透過光のスペクトルの誤差信号の変化量を表すゼロ点スロープを取得し、抽出した前記組み合わせと前記ゼロ点スロープとに基づいて前記ガスセルの設定温度と前記光発生部の設定温度とを設定する、
原子発振器。
【請求項6】
請求項5に記載の原子発振器であって、
前記温度設定部は、抽出した前記組み合わせのうち前記ゼロ点スロープの絶対値が最大の前記組み合わせを前記ガスセルの設定温度と前記光発生部の設定温度とに設定する、
原子発振器。
【請求項7】
アルカリ金属原子が封入されたガスセルと、
少なくとも2つの異なる周波数成分を有する照射光を前記ガスセルに照射する光発生部と、
前記ガスセルを透過した透過光を検出する光検出部と、
を備えた原子発振器における制御方法であって、
検出した前記透過光の光量に基づいて共鳴周波数を決定し、
前記ガスセルと前記光発生部とのそれぞれにおける温度と共鳴周波数との関係性に基づいて、前記ガスセルと前記光発生部との温度の両方が変動した場合における共鳴周波数の変動量が、前記ガスセルと前記光発生部との温度のいずれか一方が変動した場合における共鳴周波数の変動量より少なくなるよう設定された前記ガスセルの設定温度と前記光発生部の設定温度とに、前記ガスセルの温度と前記光発生部の温度とをそれぞれ調整するよう制御する、
制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載の制御方法であって、
前記ガスセルの温度と前記光発生部の温度との組み合わせを複数設定すると共に、複数の前記組み合わせにおいてそれぞれ共鳴周波数を決定し、さらに、前記関係性に基づいて、複数の前記組み合わせのうち、前記ガスセルの温度の変動による共鳴周波数の変動量と前記光発生部の温度の変動による共鳴周波数の変動量とが相互に反対符号となる前記組み合わせを抽出し、抽出した前記組み合わせに基づいて前記ガスセルの設定温度と前記光発生部の設定温度とを設定し、
設定した前記ガスセルの設定温度と前記光発生部の設定温度とに、前記ガスセルの温度と前記光発生部の温度とをそれぞれ調整する、
制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、原子発振器に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
長期的に高精度な発振特性を有する発振器として、アルカリ金属の原子のエネルギー遷移に基づいて発振する原子発振器が知られている。原子発振器では、原子に照射した光の透過光量を検出することで共鳴周波数を決定し、これに基づいて発振周波数を制御する。このとき、原子発振器では、光源や原子を封入したガスセルの温度変動は、共鳴周波数の周波数安定性を損なう要因となる。このため、特許文献1には、光源とガスセルの温度を一定に保持することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-065148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、原子発振器において、光源とガスセルの温度を一定に保つよう制御することは困難である。例えば、短時間で温度が変化した場合には、かかる温度変化に対応して光源とガスセルの温度を一定に保つよう制御することが困難である。このため、原子発振器における共鳴周波数の安定性の向上を図ることが困難である、という問題が生じる。
【0005】
本開示の目的は、上述した課題である、原子発振器における共鳴周波数の安定性の向上を図ることが困難である、ことを解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態である原子発振器は、
アルカリ金属原子が封入されたガスセルと、
少なくとも2つの異なる周波数成分を有する照射光を前記ガスセルに照射する光発生部と、
前記ガスセルを透過した透過光を検出する光検出部と、
検出した前記透過光の光量に基づいて共鳴周波数を決定し、決定した共鳴周波数に基づいて外部出力される発振信号の発振周波数を制御する制御部と、
前記ガスセルと前記光発生部との温度を調整する温度調整部と、
を備え、
前記温度調整部は、前記ガスセルと前記光発生部とのそれぞれにおける温度と共鳴周波数との関係性に基づいて、前記ガスセルと前記光発生部との温度の両方が変動した場合における共鳴周波数の変動量が、前記ガスセルと前記光発生部との温度のいずれか一方が変動した場合における共鳴周波数の変動量より少なくなるよう設定された前記ガスセルの設定温度と前記光発生部の設定温度とに、前記ガスセルの温度と前記光発生部の温度とをそれぞれ調整する、
という構成をとる。
また、本発明の一形態である制御方法は、
アルカリ金属原子が封入されたガスセルと、
少なくとも2つの異なる周波数成分を有する照射光を前記ガスセルに照射する光発生部と、
前記ガスセルを透過した透過光を検出する光検出部と、
を備えた原子発振器における制御方法であって、
検出した前記透過光の光量に基づいて共鳴周波数を決定し、
前記ガスセルと前記光発生部とのそれぞれにおける温度と共鳴周波数との関係性に基づいて、前記ガスセルと前記光発生部との温度の両方が変動した場合における共鳴周波数の変動量が、前記ガスセルと前記光発生部との温度のいずれか一方が変動した場合における共鳴周波数の変動量より少なくなるよう設定された前記ガスセルの設定温度と前記光発生部の設定温度とに、前記ガスセルの温度と前記光発生部の温度とをそれぞれ調整するよう制御する、
という構成をとる。
【発明の効果】
【0007】
本開示は、以上のように構成されることにより、原子発振器における共鳴周波数の安定性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示における原子発振器の構成を示すブロック図である。
原子発振器による処理の様子を示す図である。
原子発振器による処理の様子を示す図である。
原子発振器による処理の様子を示す図である。
原子発振器による処理動作を示すフローチャートである。
本開示における原子発振器の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施形態1>
本開示の第1の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、図面はいずれの実施形態にも関連しうる。
【0010】
[構成]
まず、原子発振器の概要について説明する。原子発振器は、アルカリ金属原子などの原子気体を利用して安定な周波数発振を実現する装置である。原子発振器は、原子気体が封入されたガスセルを有し、少なくとも2つの異なる周波数を含む光をガスセルに照射し、その透過光を測定することで、原子気体の特定の量子状態間の遷移周波数と照射光の差周波数が一致するときに生じる量子干渉効果(CPT(Coherent Population Trapping)共鳴と呼ばれる)を、透過光量の変動として検出できる。図2は、透過光スペクトルに現れるCPT共鳴の図である。例えば、照射する光の差周波数を掃引しつつ、セシウム原子の透過光を検出した場合の透過光スペクトルを測定すると、差周波数が特定の量子状態間の遷移周波数と一致するときに、図2(2-1)に示すように透過光量がピーク値に達し、CPT共鳴が検出される。このときの照射する光の差周波数は、共鳴周波数と呼ばれる。CPT共鳴の共鳴周波数を検出し、照射する光の差周波数を特定の量子状態間の遷移周波数と一致するように制御することで、量子干渉効果を利用した高精度の原子発振器が実現される。上記のCPT方式での原子発振器では、発振周波数の基準としてCPT共鳴の共鳴周波数を用いる。
(【0011】以降は省略されています)

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