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公開番号2025129633
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-05
出願番号2024026394
出願日2024-02-26
発明の名称水電解システム及び水電解システムの構築方法
出願人高砂熱学工業株式会社
代理人個人,個人
主分類C25B 1/04 20210101AFI20250829BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】固体高分子形の水電解セルを用いた水電解装置およびその周辺機器をコンテナ内に収容するにあたり、換気量を従来よりも抑える。
【解決手段】
水電解セルスタック13、酸素ガス用の気液分離を行うタンク21、水素ガス用気液分離機能を有するタンク52、水素ガスの除湿を行う除湿器62を、コンテナC1内に収容するにあたり、コンテナC1内の一側に寄せた領域Hに、水素ガス用気液分離機能を有するタンク52、水素ガスの除湿を行う除湿器62を配置する。領域Hは仕切り壁81に囲まれ、領域H内の雰囲気は換気扇83によってシステム外に放出される。仕切り壁81における下部は、コンテナC1内における領域H以外の空間と連通している。
【選択図】図3

特許請求の範囲【請求項1】
水電解装置を用いて水を電気分解するシステムであって、
前記水電解装置に原料水を供給する原料水供給路と、
前記水電解装置で発生した水素ガスを、システム外に放出する水素ガス放出路と、
前記水電解装置で発生した酸素ガスを、システム外に放出する酸素ガス放出路と、を有し、
前記水電解装置、水素ガス放出路は、コンテナ内で仕切り壁によって区画された領域内に設置され、
前記仕切り壁における下部は、前記コンテナ内の前記領域以外の空間と連通しており、
前記領域における上方空間には、当該領域内の雰囲気を前記領域から排気する排気装置が設けられていることを特徴とする、水電解システム。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記領域内の水素ガスの濃度を検知する水素ガスセンサを有し、前記排気装置は前記水素ガスセンサからの信号に基づいて制御されることを特徴とする、請求項1に記載の水電解システム。
【請求項3】
前記酸素ガス放出路は、酸素ガス用気液分離タンクを含み、
前記仕切り壁によって区画された領域は、前記コンテナの一側に寄せて設定され、前記酸素ガス用気液分離タンクは、人の通過可能スペースを介して、前記領域の反対側に配置されていることを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載の水電解システム。
【請求項4】
前記水素ガス放出路は、水素ガス用気液分離タンクを含み、
前記水素ガス用気液分離タンクは前記水電解装置よりも高い位置に配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の水電解システム。
【請求項5】
前記水素ガス放出路は、水素ガス用気液分離タンクを含み、
前記酸素ガス用気液分離タンク内の水位より、前記水素ガス用気液分離タンク内の水位の方が高い位置にあることを特徴とする、請求項3に記載の水電解システム。
【請求項6】
前記酸素ガス用気液分離タンク内の水位より、前記水電解装置から水素ガス用気液分離タンクに至る流路が高い位置に、あることを特徴とする、請求項3に記載の水電解システム。
【請求項7】
前記コンテナは、第1のコンテナと第2のコンテナとに分割されており、
前記第1のコンテナには前記水電解装置、水素ガス用気液分離タンク、および前記酸素ガス用気液分離タンクが収容され、
前記第1のコンテナには、前記水電解装置以外の機器に対して電力を供給するための動力盤が収容され、
前記第2のコンテナには、前記水電解装置に対して電力を供給する電源装置が収容されていることを特徴とする、請求項3に記載の水電解システム。
【請求項8】
請求項7に記載の水電解システムを目的場所に構築する方法であって、
前記第1のコンテナと第2のコンテナとを別々に搬送し、前記目的場所にて、前記第1のコンテナと第2のコンテナとを接続して、水電解システムを構築することを特徴とする、水電解システムの構築方法。
【請求項9】
前記搬送の前に、前記第1のコンテナ内における前記動力盤と前記機器との間の配線を行うことを特徴とする、請求項8に記載の水電解システムの構築方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、固体高分子形の水電解セルを用いた水電解システム及び水電解システムの構築方法に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、電解質膜の両側に給電体を配置した固体高分子形の水電解セルを複数積層した水電解装置が利用されているが、近年は水電解装置及びその周辺機器を使用場所にて個々に設置するのではなく、例えば規格化されたコンテナ内に予めこれらの装置、機器を収容しておき、当該コンテナごと輸送することで搬送、設置の利便性を図った技術が登場している。
【0003】
特許文献1には、直列に接続された第1のスタックおよび第2のスタックと、前記2つのスタックに対する単一の酸素分離ユニット、前記2つのスタックに対する水素分離装置、前記2つのスタックに対する精製ユニット、前記2つのスタックに対する整流器、汎用制御パネルを40フィートコンテナに収容した水素発生装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2019-515126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記した従来技術では、まず40フィートコンテナ内にセルスタックをはじめとする各種機器を収容することに主眼が置かれているため、発生する水素が漏洩した際のリスクを鑑みると、コンテナ内を常に換気する必要があるが、この点に関しては格別対策がされていない。そのためコンテナ内の換気量が多くなり、換気機器の大型化、電力の消費量が多くなるおそれがある。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、固体高分子形の水電解セルを用いた水電解装置およびその周辺機器をコンテナ内に収容するにあたり、前記した換気量を従来よりも抑えることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明は、水電解装置を用いて水を電気分解するシステムであって、前記水電解装置に原料水を供給する原料水供給路と、前記水電解装置で発生した水素ガスを、システム外に放出する水素ガス放出路と、前記水電解装置で発生した酸素ガスを、システム外に放出する酸素ガス放出路と、を有し、前記水電解装置、水素ガス放出路は、コンテナ内で仕切り壁によって区画された領域内に設置され、前記仕切り壁における下部は、前記コンテナ内の前記領域以外の空間と連通しており、前記領域における上方空間には、当該領域内の雰囲気を前記領域から排気する排気装置が設けられていることを特徴としている。
【0008】
本発明によれば、水電解装置、水素ガス放出路はコンテナ内において、仕切り壁に囲まれた領域内に配置されている。そしてこの仕切り壁における下部は、コンテナ内の前記領域以外の空間と連通し、前記領域における上方空間には、当該領域内の雰囲気を前記領域から排気する排気装置が設けられている。したがって水電解の際に発生した水素ガスが漏出する可能性がある機器は、前記領域内に収められている。しかもこの領域内の雰囲気は排気装置によって排気されるから、前記領域およびコンテナ自体を、安全性を考慮した特殊な仕様にする必要がない。そして仕切り壁における下部は、コンテナ内の前記領域以外の空間と連通しているから、前記領域外のコンテナ内の雰囲気、例えば空気は仕切り壁における下部から領域内に進入して、排気分は補充され、円滑な排気を実現できる。すなわち、水素ガスは空気より軽いので、下部吸込み、上部排気とすることで下から上に流れて、上方から排出する気流を形成して、速やかに排出されるようになっている。
したがって水電解装置およびその周辺機器をコンテナ内に収容するにあたり、必要な換気量は領域内の換気だけでよいので、コンテナ内全てを換気する従来よりも換気量を抑えることが可能である。
【0009】
領域内の水素ガスの濃度を検知する水素ガスセンサを有し、前記排気装置は前記水素ガスセンサからの信号に基づいて制御されるように構成してもよい。これによって、領域内の水素ガスの濃度に基づいて換気を行なったり、換気量を制御することが可能になり、さらに効率のよいシステムの運用を実現できる。
【0010】
前記仕切り壁によって区画された領域は、前記コンテナの一側に寄せて設定され、前記酸素ガス用気液分離タンクは、人の通過可能スペースを介して、前記領域の反対側に配置されているように構成してもよい。
これによってスペースが限られているコンテナ内の空間を有効に活用できると共に、各種機器のメンテナンス作業もしやすくなる。
(【0011】以降は省略されています)

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