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公開番号2025122457
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-21
出願番号2024017955
出願日2024-02-08
発明の名称電気化学セル
出願人国立研究開発法人理化学研究所
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類C25B 15/023 20210101AFI20250814BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】オペランド計測において、電気化学セルに供給する電流密度を高めても気泡の影響が少ない計測結果を得ること、例えば産業用途に合った計測結果を得ることを可能にする電気化学セルを提供する。
【解決手段】本発明の電気化学セルは、水の供給部および水と酸素の排出部を有するアノード部材と、X線を透過するカソード部材と、前記カソード部材に対して、前記アノード部材が設けられる側とは反対の側に設けられるカバー部材とを有し、前記カバー部材は、オペランド計測の際に前記アノード部材および前記カソード部材が設けられる側とは反対の側からX線を通す開口部を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
水の供給部および水と酸素の排出部を有するアノード部材と、
X線を透過するカソード部材と、
前記カソード部材に対して、前記アノード部材が設けられる側とは反対の側に設けられるカバー部材と
を有し、
前記カバー部材は、オペランド計測の際に前記アノード部材および前記カソード部材が設けられる側とは反対の側からX線を通す開口部を有する
ことを特徴とする電気化学セル。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
前記アノード部材と前記カソード部材の間には、アノード触媒とカソード触媒で電解質膜を挟んだ構造体が設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項3】
前記電解質膜は固体高分子電解質膜である
ことを特徴とする請求項2に記載の電気化学セル。
【請求項4】
前記構造体は、前記アノード部材の側から前記アノード触媒を担持するアノード触媒担持部材と、前記カソード部材の側から前記カソード触媒を担持するカソード触媒担持部材とをさらに有する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の電気化学セル。
【請求項5】
前記アノード触媒担持部材はメッシュ部材である
ことを特徴とする請求項4に記載の電気化学セル。
【請求項6】
前記アノード部材の側に設けられるヒーターをさらに有する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の電気化学セル。
【請求項7】
請求項1に記載の電気化学セルにおける前記アノード部材と前記カソード部材の間に設けられた、アノード触媒とカソード触媒で電解質膜を挟んだ構造体に対して、前記開口部からX線を照射するステップと、
前記開口部から出てきた蛍光X線を検出するステップと
を有することを特徴とする計測方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電気化学セルに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
再生可能エネルギーを水素燃料として貯蔵する水素貯蔵システムの需要がますます高まっている。水素貯蔵システムは、余剰電力を用いて水電解セルで水の電気分解を行って水素の形でエネルギーを貯蔵し、電力不足時には貯蔵水素を燃料電池セルで発電して不足電力を補う。水電解セルおよび燃料電池セルとして機能する電気化学セルに関する技術は、例えば、特許文献1に開示されている。
【0003】
電気化学セルにおいて使用される触媒の開発などのための知見を得るために、放射線を用いたX線吸収分光(XAS)分析が行われる。特に、電気化学セルの動作中における触媒の状態の計測(オペランド計測)が重要である。例えば、オペランド計測によれば、電気化学セルにおける電気化学反応中の触媒構造や電子状態に関する知見を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-066799号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
水の電気分解の際に発生する気泡は、X線の吸光度の変動をもたらし、オペランド計測の結果に影響を及ぼす。電気化学セルに供給する電流密度が高いほど活発に気泡が発生する。そのため、従来は、電流密度を約10mAcm
-2
以下に制限して、オペランド計測を行っていた。
【0006】
しかしながら、産業用途では、効率的な水素製造のため、約10mAcm
-2
よりも約2桁大きい数百から数千mAcm
-2
で水の電気分解が行われる。そのため、従来のオペランド計測では、産業用途に合った計測結果を得ることができない。
【0007】
そこで、本発明は、オペランド計測において、電気化学セルに供給する電流密度を高めても気泡の影響が少ない計測結果を得ること、例えば産業用途に合った計測結果を得ることを可能にする電気化学セルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電気化学セルは、水の供給部および水と酸素の排出部を有するアノード部材と、X線を透過するカソード部材と、前記カソード部材に対して、前記アノード部材が設けられる側とは反対の側に設けられるカバー部材とを有し、前記カバー部材は、オペランド計測の際に前記アノード部材および前記カソード部材が設けられる側とは反対の側からX線を通す開口部を有する。アノード部材はアノード電極側の部材であり、カソード部材はカソード電極側の部材である。アノード部材をアノード集電体と解釈してもよく、カソード部材をカソード集電体と解釈してもよい。
【0009】
前記アノード部材と前記カソード部材の間には、アノード触媒とカソード触媒で電解質膜を挟んだ構造体が設けられる。アノード触媒はアノード電極側の触媒であり、カソード触媒はカソード電極側の触媒である。この構造体は、オペランド計測の対象であり、電気
化学セルに対して着脱可能であってもよく、適宜変更され得る。
【0010】
従来の電気化学セルでも本発明の電気化学セルでも、アノード触媒の外側(アノード電極側)表面で気泡が発生する。オペランド計測でアノード触媒の表面分析を行おうとした場合に、従来のオペランド計測、特に透過法による測定では、アノード電極側からアノード触媒にX線を照射するため、X線がアノード触媒の外側表面で発生した気泡部分を通る。このため、オペランド計測の結果がアノード触媒の外側表面で発生した気泡の影響を大きく受けてしまう。本発明に係るオペランド計測では、カソード電極側(カバー部材の開口部)からアノード触媒にX線を照射し、カバー部材の開口部から外に放出された蛍光X線を検出することで、X線がアノード触媒の外側表面で発生した気泡部分を通るのを防ぐことができる。その結果、アノード触媒の外側表面で発生した気泡の影響が無い計測結果を得ることができる。電気化学セルに供給する電流密度を高めた場合も同様の効果を得ることができ、産業用途に合った計測結果を得ることも可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

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