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公開番号2025132452
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-10
出願番号2024030024
出願日2024-02-29
発明の名称燃料電池、その燃料電池の製造方法、及び、その燃料電池の製造に用いる燃料電池用形成体
出願人スズキ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類H01M 8/0271 20160101AFI20250903BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】アノード側ガス拡散層の厚さとカソード側ガス拡散層の厚さを独立に規定することができる燃料電池を提供する。
【解決手段】燃料電池1であって、アノード側ガス拡散層7の側に配置される第1のセパレータ10a及びカソード側ガス拡散層8の側に配置される第2のセパレータ10bと、を備え、電解質膜3の端部3aは、電極4、5の端面より外側に突出しており、シール部11は、電解質膜3の端部3aの一方の面と第1のセパレータ10aとの間でアノード側ガス拡散層7の端面に沿って配置される第1の基材14aと、電解質膜3の端部3aの他方の面と第2のセパレータ10bとの間でカソード側ガス拡散層8の端面に沿って配置される第2の基材14bと、を有し、熱可塑性樹脂12の一部は、少なくとも、第1の基材14aの一方の面及び他方の面と、第2の基材14bの一方の面及び他方の面とに形成されている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
燃料電池であって、
電解質膜と、前記電解質膜の一方の面及び他方の面に配置された電極を有する膜電極接合体と、
前記膜電極接合体の一方の面に配置されたアノード側ガス拡散層と、
前記膜電極接合体の他方の面に配置されたカソード側ガス拡散層と、
前記アノード側ガス拡散層の端面側及び前記カソード側ガス拡散層の端面側に配置され熱可塑性樹脂を含むシール部と、
前記アノード側ガス拡散層及び前記カソード側ガス拡散層が配置された前記膜電極接合体と前記シール部とを挟持する第1のセパレータ及び第2セパレータであって、前記アノード側ガス拡散層の側に配置される第1のセパレータ及び前記カソード側ガス拡散層の側に配置される第2のセパレータと、
を備え、
前記電解質膜の端部は、前記電極の端面より外側に突出しており、
前記シール部は、前記電解質膜の前記端部の一方の面と前記第1のセパレータとの間で前記アノード側ガス拡散層の端面に沿って配置される第1の基材と、前記電解質膜の前記端部の他方の面と前記第2のセパレータとの間で前記カソード側ガス拡散層の端面に沿って配置される第2の基材と、を有し、
前記熱可塑性樹脂の一部は、少なくとも、前記第1の基材の一方の面及び他方の面と、前記第2の基材の一方の面及び他方の面とに形成されていることを特徴とする燃料電池。
続きを表示(約 3,000 文字)【請求項2】
前記熱可塑性樹脂の一部は、前記第1のセパレータの端面及び前記第2のセパレータの端面よりも外側に膨出し、前記電解質膜の端面と前記電解質膜の前記端部の一方の面の一部及び他方の面の一部とを覆うように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
【請求項3】
前記第1のセパレータの端部は前記第2のセパレータ側に曲がるように形成され、前記第2のセパレータの端部は前記第1のセパレータ側に曲がるように形成され、
前記熱可塑性樹脂は、前記第1のセパレータの端部及び前記第2のセパレータの端部よりも外側に膨出していることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池。
【請求項4】
前記第1のセパレータは、前記第1の基材に対向する部位に位置する第1外側基端から前記第1のセパレータの端部に向かうに従って、前記第1の基材から離れるように傾斜する第1の外側傾斜部を有し、
前記第2のセパレータは、前記第2の基材に対向する部位に位置する第2外側基端から前記第2のセパレータの端部に向かうに従って、前記第2の基材から離れるように傾斜する第2の外側傾斜部を有することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池。
【請求項5】
前記第1外側基端は、前記第1の基材の前記アノード側ガス拡散層の側の端面と前記第1の基材の外側の端面との間の中心よりも前記アノード側ガス拡散層の側の端面の側に位置し、
前記第2外側基端は、前記第2の基材の前記カソード側ガス拡散層の側の端面と前記第2の基材の外側の端面との間の中心よりも前記カソード側ガス拡散層の側の端面の側に位置していることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池。
【請求項6】
前記第1のセパレータは、前記第1の基材に対向する部位に位置する第1内側基端から前記アノード側ガス拡散層の側に向かうに従って、前記第1の基材から離れるように傾斜する第1の内側傾斜部であって、前記第1の外側傾斜部よりも前記アノード側ガス拡散層の側にある第1の内側傾斜部を有し、
前記第2のセパレータは、前記第2の基材に対向する部位に位置する第1内側基端から前記カソード側ガス拡散層の側に向かうに従って、前記第2の基材から離れるように傾斜する第2の内側傾斜部であって、前記第2の外側傾斜部よりも前記カソード側ガス拡散層の側にある第2の内側傾斜部を有し、
前記第1の内側傾斜部と前記第1の基材とで形成される鋭角側の角度は、前記第1の外側傾斜部と前記第1の基材とで形成される鋭角側の角度よりも大きく形成され、
前記第2の内側傾斜部と前記第2の基材とで形成される鋭角側の角度は、前記第2の外側傾斜部と前記第2の基材とで形成される鋭角側の角度よりも大きく形成されていることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池。
【請求項7】
前記第1の基材の厚みは、前記アノード側ガス拡散層の厚みに応じて設定され、
前記第2の基材の厚みは、前記カソード側ガス拡散層の厚みに応じて設定されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の燃料電池。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか1項に記載の燃料電池を製造する燃料電池製造方法であって、
前記膜電極接合体と、前記アノード側ガス拡散層と、前記第1の基材と前記第1の基材の一方の面及び他方の面に形成された前記熱可塑性樹脂の一部とを有する第1のシール部と、前記カソード側ガス拡散層と、前記第2の基材と前記第2の基材の一方の面及び他方の面に形成された前記熱可塑性樹脂の一部とを有する第2のシール部と、前記第1のセパレータ及び前記第2のセパレータとを用意する工程と、
前記膜電極接合体の一方の面に、前記アノード側ガス拡散層を配置し、
前記膜電極接合体の他方の面に、前記カソード側ガス拡散層を配置し、
前記電解質膜の前記端部の一方の面に、前記アノード側ガス拡散層の端面に沿って前記第1のシール部を配置し、
前記電解質膜の前記端部の他方の面に、前記カソード側ガス拡散層の端面に沿って前記第2のシール部を配置し、
前記膜電極接合体の一方の面に配置された前記アノード側ガス拡散層の前記膜電極接合体に対向する側とは反対側の面側で、且つ、前記電解質膜の前記端部の一方の面に配置された前記第1のシール部の前記電解質膜の前記端部に対向する側とは反対側の面側に前記第1のセパレータを配置し、前記膜電極接合体の他方の面に配置された前記カソード側ガス拡散層の前記膜電極接合体に対向する側とは反対側の面側で、且つ、前記電解質膜の前記端部の他方の面に配置された前記第2のシール部の前記電解質膜に対向する側とは反対側の面側に前記第2のセパレータを配置する工程と、
あらかじめ定めた温度で、前記第1のセパレータ及び前記第2のセパレータを介して、前記第1のシール部及び前記アノード側ガス拡散層と前記第2のシール部及び前記カソード側ガス拡散層とに荷重をかけることにより、前記第1のセパレータと前記第1のシール部における前記第1の基材の一方の面に形成された前記熱可塑性樹脂とを接着させ、且つ、前記第2のセパレータと前記第2のシール部における前記第2の基材の他方の面に形成された前記熱可塑性樹脂とを接着させると共に、前記第1のシール部の前記熱可塑性樹脂を前記第1のセパレータの端面よりも外側に膨出させ、且つ、前記第2のシール部の前記熱可塑性樹脂を前記第2のセパレータの端面よりも外側に膨出させ、前記第1のシール部の前記熱可塑性樹脂と前記第2のシール部の前記熱可塑性樹脂とを前記電解質膜の端面と前記電解質膜の前記端部の一方の面の一部及び他方の面の一部とを覆うように溶着させる工程と、
有することを特徴とする燃料電池の製造方法。
【請求項9】
請求項8の燃料電池の製造方法に用いる燃料電池用形成体であって、
前記膜電極接合体と、前記アノード側ガス拡散層と、前記カソード側ガス拡散層と、前記第1のシール部と、前記第2のシール部と、前記第1のセパレータと、前記第2のセパレータと、を備え、
前記第1のセパレータの前記アノード側ガス拡散層に対向する側の面には、隣接する前記アノード側ガス拡散層に反応ガスを供給するための第1の流路が形成され、
前記第2のセパレータの前記カソード側ガス拡散層に対向する側の面には、隣接する前記カソード側ガス拡散層に反応ガスを供給するための第2の流路が形成され、
前記第1のシール部に前記荷重をかける前の前記第1のシール部における前記第1の基材の一方の面に形成された前記熱可塑性樹脂の厚さ方向の寸法は、前記第1のセパレータの厚さ方向における前記第1の流路の深さ寸法よりも大きく、
前記第2のシール部に荷重をかける前の前記第2のシール部における前記第2の基材の他方の面に形成された前記熱可塑性樹脂の厚さ方向の寸法は、前記第2のセパレータの厚さ方向における前記第2の流路の深さ寸法よりも大きいことを特徴とする燃料電池用形成体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池、その燃料電池の製造方法、及び、その燃料電池の製造に用いる燃料電池用形成体に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された燃料電池は、電解質膜の両面に、燃料電池反応を促進するための触媒を担持させた電極(触媒電極)が配置された発電体である膜電極接合体(MEA)を備える。MEAの一方の面には、反応ガス(例えば、水素)を拡散させて触媒電極全体に行き渡らせるためのアノード側ガス拡散層が配置され、MEAの他方の面には、反応ガス(例えば、酸素)を拡散させて触媒電極全体に行き渡らせるためのカソード側ガス拡散層が配置される。アノード側ガス拡散層及びカソード側ガス拡散層が配置された膜電極ガス拡散層接合体(MEGA)は、一対のセパレータにより狭持される。一対のセパレータ間は、MEGAの外側に設けられたシール部材により電気的に絶縁されている。シール部材は、樹脂で構成されるコア層と、コア層の一対のセパレータに接する両側の表層に形成され、一対のセパレータとコア層とを接着する一対の熱可塑性樹脂で構成されるスキン層と、を備えている。
【0003】
特許文献1に記載された燃料電池によれば、一対のセパレータを介して掛けられる荷重に応じて変化するMEGAの厚さの変化に応じてシール部材のスキン層の厚さが変化して吸収することができるので、一対のセパレータ間の間隔が一定となるように規定した燃料電池を容易に一体化形成することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2014-120248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、アノード側ガス拡散層の厚さ及びカソード側ガス拡散層の厚さが、燃料電池の発電性能に影響を与えることが分かってきたが、特許文献1に記載された燃料電池では、一対のセパレータ間の間隔が一定となるように規定することはできるが、アノード側ガス拡散層の厚さとカソード側ガス拡散層の厚さを独立に規定することはできなかった。
【0006】
そこで、本発明は、アノード側ガス拡散層の厚さとカソード側ガス拡散層の厚さを独立に規定することができる燃料電池、その燃料電池の製造方法、及び、その燃料電池の製造に用いる燃料電池用形成体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、燃料電池であって、電解質膜と、電解質膜の一方の面及び他方の面に配置された電極を有する膜電極接合体と、膜電極接合体の一方の面に配置されたアノード側ガス拡散層と、膜電極接合体の他方の面に配置されたカソード側ガス拡散層と、アノード側ガス拡散層の端面側及びカソード側ガス拡散層の端面側に配置され熱可塑性樹脂を含むシール部と、アノード側ガス拡散層及びカソード側ガス拡散層が配置された膜電極接合体とシール部とを挟持する第1のセパレータ及び第2セパレータであって、アノード側ガス拡散層の側に配置される第1のセパレータ及びカソード側ガス拡散層の側に配置される第2のセパレータと、を備え、電解質膜の端部は、電極の端面より外側に突出しており、シール部は、電解質膜の端部の一方の面と第1のセパレータとの間でアノード側ガス拡散層の端面に沿って配置される第1の基材と、電解質膜の端部の他方の面と第2のセパレータとの間でカソード側ガス拡散層の端面に沿って配置される第2の基材と、を有し、熱可塑性樹脂の一部は、少なくとも、第1の基材の一方の面及び他方の面と、第2の基材の一方の面及び他方の面と、に形成されている。また、本発明の他の態様は、本発明の一態様に示された燃料電池を製造する燃料電池製造方法である。本発明の別の態様は、本発明の他の態様に示された燃料電池を製造する燃料電池製造方法に用いる燃料電池用形成体である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、アノード側ガス拡散層の厚さとカソード側ガス拡散層の厚さを独立に規定することができる燃料電池、その燃料電池の製造方法、及び、その燃料電池の製造に用いる燃料電池用形成体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
第1実施形態に係る燃料電池の構成を分解して概略的に示す斜視図である。
第1実施形態に係る燃料電池の断面構成を概略的に示す説明図である。
第1実施形態に係る燃料電池の製造方法を概念的に示す説明図であって、プレス前の燃料電池の断面構成を示す。
第1実施形態に係る燃料電池の製造方法を概念的に示す説明図であって、プレス後の燃料電池の断面構成を示す。
第1実施形態に係る燃料電池の製造方法に用いる燃料電池用形成体の断面構成を概略的に示す説明図である。
第1実施形態に係る燃料電池の製造方法に用いる燃料電池用形成体に荷重をかけた初期段階を概略的に示す説明図である。
第1実施形態に係る燃料電池の製造方法に用いる燃料電池用形成体に荷重をかけた第2段階を概略的に示す説明図である。
第1実施形態に係る燃料電池の製造方法に用いる燃料電池用形成体に荷重をかけた最終段階を概略的に示す説明図である。
第1実施形態に係る燃料電池の製造方法に用いる他の形態の燃料電池用形成体の断面構成を概略的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施形態に係る燃料電池1を添付図面に基づいて説明する。尚、図1~5において、特に説明がない限り、燃料電池1の各部材を積層する方向、すなわち、図1~5における上下方向を、燃料電池1の「積層方向」と言う。また、燃料電池1の各部材が積層して各部材同士が隣接する面を積層面と言う。
(【0011】以降は省略されています)

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