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公開番号2025133480
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-11
出願番号2024031461
出願日2024-03-01
発明の名称触媒成形体及びその製造方法、並びに該触媒成形体を用いたアルコールの製造方法
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人
主分類B01J 23/36 20060101AFI20250904BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】工業的に有用な形態である成形体担体に担持したレニウム含有金属触媒成形体、および、該触媒成形体の製造方法を提供すること。
【解決手段】レニウムを含む金属成分が成形体担体に担持された触媒成形体であって、該触媒成形体の断面において、該断面を2分割する線分上の一端から長さ10~90%で且つ該線分の両側にそれぞれ100μmの幅の長方形の領域において、前記線分に対して平行方向におけるレニウムの担持量の変動係数が0.25以下である、触媒成形体である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
レニウムを含む金属成分が成形体担体に担持された触媒成形体であって、該触媒成形体の断面において、該断面を2分割する線分上の一端から長さ10~90%で且つ該線分の両側にそれぞれ100μmの幅の長方形の領域において、前記線分に対して平行方向におけるレニウムの担持量の変動係数が0.25以下である、触媒成形体。
続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
前記触媒成形体が球状である、請求項1に記載の触媒成形体。
【請求項3】
前記触媒成形体が柱状である、請求項1に記載の触媒成形体。
【請求項4】
前記領域におけるレニウムの担持量分布の第一四分位数が第三四分位数の70%以上である、請求項1に記載の触媒成形体。
【請求項5】
前記金属成分が、第2成分として、第3周期以降の第13~15族に属する元素及び第8~10族に属する元素から選ばれる1種又は2種以上含有する、請求項1に記載の触媒成形体。
【請求項6】
前記領域における前記第2成分の担持量の変動係数が0.25以下である、請求項5に記載の触媒成形体。
【請求項7】
前記領域における前記第2成分の担持量分布の第一四分位数が第三四分位数の70%以上である、請求項5に記載の触媒成形体。
【請求項8】
前記成形体担体が周期表第4族の金属の酸化物を含有する、請求項1に記載の触媒成形体。
【請求項9】
前記成形体担体が、直径が0.34mm以上、10mm以下の球状、または、断面の外接円の直径が0.34mm以上、10mm以下であって長さが0.5mm以上、50mm以下の柱状である、請求項1に記載の触媒成形体。
【請求項10】
カルボニル化合物から対応するアルコールを製造するための触媒として用いられる、請求項1に記載の触媒成形体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、種々の水素化反応に対して有効な、レニウムを含む金属を成形体担体に担持した触媒及びその製造方法、並びに該触媒成形体を用いたアルコールの製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
レニウムを担体に担持したレニウム担持金属触媒は、種々の水素化反応に用いられる。例えば、レニウムを酸化チタンに担持した触媒が、カルボニル化合物を水素化してアルコールを製造する反応に有効である事が知られている(例えば非特許文献1および2)。また、レニウムを酸化チタンに担持した触媒が、二酸化炭素を還元してメタノールを製造する反応に有効である事が知られている(例えば非特許文献3)。
【0003】
レニウムとともに1種又は2種以上の成分を担体に担持したレニウム含有金属触媒も、種々の水素化反応に有効である。例えば、カルボニル化合物を水素化してアルコールを製造する反応に対しては、レニウムに加えて触媒活性成分として、ケイ素、ガリウム、ゲルマニウム、及びインジウムよりなる群から選ばれる1種又は2種以上の成分を添加することで、カルボニル化合物を還元して高活性ならびに高選択的にアルコールを製造するアルコールの製造方法が報告されている(例えば、特許文献1および2)。また、グリセロールを水素化分解してジアルコールおよびモノアルコールを製造する反応に対しては、レニウムに加えて触媒活性成分として、イリジウムを添加することで、2級アルコールの選択的な水素化分解により、1級アルコールを選択的に製造する方法が報告されている(例えば特許文献3)。
【0004】
このようにレニウム含有金属触媒は、種々の水素化反応に有効な触媒であり、化学工業において有用な触媒である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
WO2018/164193
WO2020/022256
特開2013-010707号公報
【非特許文献】
【0006】
Journal of Organic Chemistry 24 (1959) 1847-1854
Journal of Catalysis 328 (2015) 197-207
ACS catalysis 2019, 9, 4, 3685-3693.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
工業的に各種化合物の水素化反応を実施するにあたっては、例えば、回分式や流通式の反応装置が用いられる。いずれの装置においても触媒の投入や分離における操作性や、流通式においては圧力損失の低減の観点から、触媒は粉体ではなく、概ね0.1mm以上の大きさを持った構造体が好ましい形態となることが多い。しかしながら、各種成形体触媒の工業的調製方法には画一的な確立された手法はなく、用いる担持金属や成形体担体に応じて各種工夫がなされているのが実態である。
【0008】
本発明のレニウム含有金属触媒においては、以下の課題がある。例えば、金属レニウム前駆体のうち工業的に入手可能な各種の塩は溶解性が低いため、これらのレニウム塩を担体上に担持する工程において触媒成形体の外表面に析出して偏析する。したがって、十分な量のレニウム種を担体上に担持するためには複数回の担持操作を要し、非経済的である。
また、触媒調製工程において生成し得る高原子価のレニウム種は揮発性を有するため、担持したレニウム種が成形体担体から容易に揮散し、レニウム種を定量的に担体上に固定化する事が困難であるとの問題がある。
【0009】
これらのレニウム含有触媒特有の性質から、公知の粉末担体への金属成分の担持手法を成形体担体への担持に適用すると、成形体担体上において担持した金属成分の不均一性が生じ、触媒活性が大幅に低下することが本発明を完成する過程において判明した。
さらに、レニウムに加えて1種又は2種以上の金属成分を添加した触媒では、レニウムとそれらの成分を、いずれも均一に担持する事はより一層困難であることも判明した。すなわち、上記のようにレニウム含有金属触媒は種々の水素化反応に有効な工業触媒と期待されているにもかかわらず、その多くが実装に至らない要因の一つはレニウム含有金属触媒成形体が、粉体触媒に比べて触媒活性が著しく低下するという技術的課題を有することにあることが判明した。
そこで、本発明は、触媒成形体における活性低下を抑制し、工業的に有用な形態である成形体担体に担持したレニウム含有金属触媒成形体、および、該触媒成形体の製造方法、並びに該触媒成形体を用いたアルコールの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、特定の製造方法によって製造することで上記のレニウム種の揮散や成形体担体上での偏析の課題を解決できることを見出した。さらに、レニウムを特定の分布で成形体担体上に担持した触媒成形体が、上記の活性低下の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、以下を要旨とする。
(【0011】以降は省略されています)

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