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公開番号
2025133852
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-11
出願番号
2025112580,2025517861
出願日
2025-07-02,2024-12-24
発明の名称
植物細胞への物質導入方法、遺伝子改変植物又は植物細胞及びこれらの製造方法、並びに植物細胞への物質導入装置の制御プログラム
出願人
横河電機株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12N
5/10 20060101AFI20250904BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】植物に特化した条件での自動制御された植物細胞へのインジェクションシステムを提供する。
【解決手段】以下を含む、植物細胞への物質導入方法:a)ナノピペットを細胞対応位置に位置付けする工程;b)ナノピペット内部と電解液間の電流に基づきナノピペットを所定位置まで細胞方向に移動する工程;c)ナノピペットを設定穿刺距離で細胞方向に移動して細胞に穿刺する工程;d)電圧を印加して物質を細胞内に排出する工程;及びe)ナノピペットを抜去する工程。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
以下を含む、植物細胞への物質導入方法:
a)物質を充填したナノピペットを電解液中の植物細胞対応位置に位置付けする工程;
b)ナノピペット内部と電解液間の電流を測定しナノピペットを定常電流からの低下率が2%以上50%以下の設定電流低下率の位置まで細胞方向に移動する工程;
c)ナノピペットを1μm以上50μm以下の設定穿刺距離で細胞方向に移動して植物細胞に穿刺する工程;
d)ナノピペット内部と電解液間に電圧を印加して物質を植物細胞内に排出する工程;及び
e)ナノピペットを抜去する工程。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記物質が、タンパク質、タンパク質を含む混合物又は複合体、タンパク質及び核酸を含む混合物又は複合体、核酸、又は色素である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記物質が、ゲノム編集用物質である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記物質が、正帯電性物質又は負帯電性物質であり、
前記物質が正帯電性物質である場合に、工程d)が、ナノピペットの内部が正電位となり、電解液が負電位となるように電圧を印加することにより行われ、
前記物質が負帯電性物質である場合に、工程d)が、ナノピペットの内部が負電位となり、電解液が正電位となるように電圧を印加することにより行われる、
請求項2に記載の方法。
【請求項5】
工程d)が、-11V以上+11V以下の設定印加電圧及び0.1秒以上10.0秒以下の設定印加時間で電圧を印加することにより行われる、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
以下を含む、遺伝子改変植物又は植物細胞の製造方法:
a)遺伝子改変用物質を充填したナノピペットを電解液中の植物細胞対応位置に位置付けする工程;
b)ナノピペット内部と電解液間の電流を測定しナノピペットを定常電流からの低下率が2%以上50%以下の設定電流低下率の位置まで細胞方向に移動する工程;
c)ナノピペットを1μm以上50μm以下の設定穿刺距離で細胞方向に移動して植物細胞に穿刺する工程;
d)ナノピペット内部と電解液間に電圧を印加して物質を植物細胞内に排出する工程;及び
e)ナノピペットを抜去する工程。
【請求項7】
以下を含む方法により製造される、遺伝子改変植物又は植物細胞:
a)遺伝子改変用物質を充填したナノピペットを電解液中の植物細胞対応位置に位置付けする工程;
b)ナノピペット内部と電解液間の電流を測定しナノピペットを定常電流からの低下率が2%以上50%以下の設定電流低下率の位置まで細胞方向に移動する工程;
c)ナノピペットを1μm以上50μm以下の設定穿刺距離で細胞方向に移動して植物細胞に穿刺する工程;
d)ナノピペット内部と電解液間に電圧を印加して物質を植物細胞内に排出する工程;及び
e)ナノピペットを抜去する工程。
【請求項8】
以下を行うための命令を含む、植物細胞への物質導入装置の制御プログラム:
a)遺伝子改変用物質を充填したナノピペットを電解液中の植物細胞対応位置に位置付けする工程;
b)ナノピペット内部と電解液間の電流を測定しナノピペットを定常電流からの低下率が2%以上50%以下の設定電流低下率の位置まで細胞方向に移動する工程;
c)ナノピペットを1μm以上50μm以下の設定穿刺距離で細胞方向に移動して植物細胞に穿刺する工程;
d)ナノピペット内部と電解液間に電圧を印加して物質を植物細胞内に排出する工程;及び
e)ナノピペットを抜去する工程。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、植物細胞への物質導入方法、遺伝子改変植物又は植物細胞及びこれらの製造方法、並びに植物細胞への物質導入装置の制御プログラムに関する。
続きを表示(約 3,500 文字)
【背景技術】
【0002】
CRISPR-Cas9システム等のゲノム編集ツールは、生物個体の遺伝子改変に簡便に用いられることが期待される。特に、植物個体へのゲノム編集ツールの導入方法として、例えば、特許文献1、2に記載されるナノピペットを用いたインジェクション方法、特許文献3、4に記載されるパーティクルガン法による金粒子とゲノム編集ツールとの複合体の植物個体への導入方法(iPB(in planta Particle Bombardment)法)等を検討することができる。iPB法は、ゲノム編集ツールが導入される細胞がランダムとなり、また導入細胞や導入物質へのダメージ発生が考えられ、遺伝子改変効率の安定性や植物個体への侵襲性が懸念される。ナノピペットを用いたインジェクション方法は、遺伝子改変効率の向上した安定性や低侵襲性が期待されるが、植物に特化したインジェクション条件が確立されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2014/160036号
国際公開第2013/012452号
特開2017-205103号公報
特開2017-205104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、ナノピペットを用いた植物細胞へのインジェクション方法において、植物に特化したインジェクション条件を確立し、自動制御された植物細胞へのインジェクションシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
〔1〕
以下を含む、植物細胞への物質導入方法:
a)物質を充填したナノピペットを電解液中の植物細胞対応位置に位置付けする工程;
b)ナノピペット内部と電解液間の電流を測定しナノピペットを定常電流からの低下率が2%以上50%以下の設定電流低下率の位置まで細胞方向に移動する工程;
c)ナノピペットを1μm以上50μm以下の設定穿刺距離で細胞方向に移動して植物細胞に穿刺する工程;
d)ナノピペット内部と電解液間に電圧を印加して物質を植物細胞内に排出する工程;及び
e)ナノピペットを抜去する工程。
〔2〕
前記物質が、タンパク質、タンパク質を含む混合物又は複合体、タンパク質及び核酸を含む混合物又は複合体、核酸、又は色素である、上記〔1〕に記載の方法。
〔3〕
前記物質が、ゲノム編集用物質である、上記〔2〕に記載の方法。
〔4〕
前記物質が、正帯電性物質又は負帯電性物質であり、
前記物質が正帯電性物質である場合に、工程d)が、ナノピペットの内部が正電位となり、電解液が負電位となるように電圧を印加することにより行われ、
前記物質が負帯電性物質である場合に、工程d)が、ナノピペットの内部が負電位となり、電解液が正電位となるように電圧を印加することにより行われる、
上記〔2〕に記載の方法。
〔5〕
工程d)が、-11V以上+11V以下の設定印加電圧及び0.1秒以上10.0秒以下の設定印加時間で電圧を印加することにより行われる、
上記〔4〕に記載の方法。
〔6〕
以下を含む、遺伝子改変植物又は植物細胞の製造方法:
a)遺伝子改変用物質を充填したナノピペットを電解液中の植物細胞対応位置に位置付けする工程;
b)ナノピペット内部と電解液間の電流を測定しナノピペットを定常電流からの低下率が2%以上50%以下の設定電流低下率の位置まで細胞方向に移動する工程;
c)ナノピペットを1μm以上50μm以下の設定穿刺距離で細胞方向に移動して植物細胞に穿刺する工程;
d)ナノピペット内部と電解液間に電圧を印加して物質を植物細胞内に排出する工程;及び
e)ナノピペットを抜去する工程。
〔7〕
以下を含む方法により製造される、遺伝子改変植物又は植物細胞:
a)遺伝子改変用物質を充填したナノピペットを電解液中の植物細胞対応位置に位置付けする工程;
b)ナノピペット内部と電解液間の電流を測定しナノピペットを定常電流からの低下率が2%以上50%以下の設定電流低下率の位置まで細胞方向に移動する工程;
c)ナノピペットを1μm以上50μm以下の設定穿刺距離で細胞方向に移動して植物細胞に穿刺する工程;
d)ナノピペット内部と電解液間に電圧を印加して物質を植物細胞内に排出する工程;及び
e)ナノピペットを抜去する工程。
〔8〕
以下を行うための命令を含む、植物細胞への物質導入装置の制御プログラム:
a)遺伝子改変用物質を充填したナノピペットを電解液中の植物細胞対応位置に位置付けする工程;
b)ナノピペット内部と電解液間の電流を測定しナノピペットを定常電流からの低下率が2%以上50%以下の設定電流低下率の位置まで細胞方向に移動する工程;
c)ナノピペットを1μm以上50μm以下の設定穿刺距離で細胞方向に移動して植物細胞に穿刺する工程;
d)ナノピペット内部と電解液間に電圧を印加して物質を植物細胞内に排出する工程;及び
e)ナノピペットを抜去する工程。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、ナノピペットを用いた植物細胞へのインジェクション方法において、植物に特化したインジェクション条件を確立し、自動制御された植物細胞へのインジェクションシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示の方法に用いるためのシステム及び本開示の方法におけるピペットアプローチ工程の概念図である。
本開示の方法におけるピペット穿刺工程の概念図である。
本開示の方法におけるピペット物質排出工程の概念図である。
本開示の方法に用いるためのシステムの制御機構の例を示す図である。
本開示の方法でゲノム編集されたイネカルスの写真を示す。上図及び下図は、それぞれ別の2つのサンプルを示す。右図では、白色化部分を枠で表示している。
本開示の方法でゲノム編集されたオオムギ植物個体の写真を示す。下図は、上図の拡大写真を示す。右図では、白色化部分を枠で表示している。
インジェクション電圧の各条件に応じて本開示の方法で試薬溶液を導入したオオムギの生存率を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、必要に応じて図面を参照しながら、本発明を詳細に説明するが、図面は本発明を説明するための例示であり、本発明の技術的範囲は図面による例示により限定されるものではない。
【0009】
〔植物細胞への物質導入システム〕
本開示の方法(植物細胞への物質導入方法及び遺伝子改変植物細胞の製造方法)に用いるためのシステム(植物細胞への物質導入システム、以下「本開示のシステム」という。)を説明する。本開示のシステムは、例えば、以下の構成要素を含む。
・ナノピペット;
・ナノピペットを三次元(便宜上「xyz」ということがある。)方向に移動させるための三次元(xyz)移動ピペットホルダ;
・ナノピペットの内部に充填された液体と接触可能な電極(以下、「ピペット電極」という。);
・細胞保持具中の電解液と接触可能な電極(以下、「リファレンス電極」という。);
・ピペット電極とリファレンス電極との間の電流を測定するための電流測定回路;
・ピペット電極とリファレンス電極との間に電圧を印加するための電圧印加回路。
【0010】
また、本開示のシステムは、三次元移動モジュールを手動入力によって移動させるための位置入力装置をさらに含んでもよい。本開示のシステムは、光学顕微鏡に装着して用いられる。また、本開示のシステムは、植物細胞及び植物細胞を浸漬する電解液を保持する細胞保持具を光学顕微鏡上に設置し、かつ植物細胞に導入される物質を含有する溶液をナノピペット内部に保持させて用いられる。
(【0011】以降は省略されています)
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