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公開番号2025135473
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-18
出願番号2024033345
出願日2024-03-05
発明の名称量子回路軽量化プログラム、情報処理装置及び量子回路軽量化方法
出願人富士通株式会社
代理人弁理士法人扶桑国際特許事務所
主分類G06N 10/60 20220101AFI20250910BHJP(計算;計数)
要約【課題】VQEの精度の悪化を抑制する。
【解決手段】記憶部11は、第1量子回路に含まれる角度パラメータごとのRzゲートの数を減らし軽量化した第2量子回路を表す量子回路情報11aを記憶する。処理部12は、量子回路情報11aを用いて、分子に含まれる複数の原子の間の複数の原子間距離のそれぞれの分子構造に対して、VQEにより分子のエネルギーを算出し、VQEのイタレーション数を取得する処理を、原子間距離が短い順に行う処理において、第1原子間距離の第1イタレーション数から、第1原子間距離よりも長い第2原子間距離の第2イタレーション数までのイタレーション数の累積増加数が閾値以上になった場合に、用いる量子回路情報11aを第2量子回路の角度パラメータごとのRzゲートの数を増やした第3量子回路を表す量子回路情報11bに変更して、第2原子間距離よりも長い第3原子間距離の分子構造に対してエネルギーを算出する。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
第1量子回路に含まれる角度パラメータごとのRzゲートの数を減らし軽量化した第2量子回路を表す量子回路情報を用いて、分子に含まれる複数の原子の間の複数の原子間距離のそれぞれの分子構造に対して、VQEにより前記分子のエネルギーを算出し、前記VQEのイタレーション数を取得する処理を、原子間距離が短い順に行う処理において、
前記複数の原子間距離のうち第1原子間距離の第1イタレーション数から、前記複数の原子間距離のうち前記第1原子間距離よりも長い第2原子間距離の第2イタレーション数までの前記イタレーション数の累積増加数が閾値以上になった場合に、用いる前記量子回路情報を前記第2量子回路の前記角度パラメータごとの前記Rzゲートの数を増やした第3量子回路を表す量子回路情報に変更して、前記複数の原子間距離のうち前記第2原子間距離よりも長い第3原子間距離の分子構造に対して、前記VQEにより前記エネルギーを算出する、
処理をコンピュータに実行させる量子回路軽量化プログラム。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記第1量子回路は、前記Rzゲートに付随する複数のCNOTゲートを含み、前記第2量子回路を表す前記量子回路情報が生成されるとき、前記第1量子回路から削除された前記Rzゲートに付随する前記複数のCNOTゲートも、前記第1量子回路から削除される、請求項1に記載の量子回路軽量化プログラム。
【請求項3】
前記第2量子回路における前記角度パラメータごとの前記Rzゲートの数の初期値は1である、請求項1に記載の量子回路軽量化プログラム。
【請求項4】
第1量子回路に含まれる角度パラメータごとのRzゲートの数を減らし軽量化した第2量子回路を表す量子回路情報を記憶する記憶部と、
前記量子回路情報を用いて、分子に含まれる複数の原子の間の複数の原子間距離のそれぞれの分子構造に対して、VQEにより前記分子のエネルギーを算出し、前記VQEのイタレーション数を取得する処理を、原子間距離が短い順に行う処理において、前記複数の原子間距離のうち第1原子間距離の第1イタレーション数から、前記複数の原子間距離のうち前記第1原子間距離よりも長い第2原子間距離の第2イタレーション数までの前記イタレーション数の累積増加数が閾値以上になった場合に、用いる前記量子回路情報を前記第2量子回路の前記角度パラメータごとの前記Rzゲートの数を増やした第3量子回路を表す量子回路情報に変更して、前記複数の原子間距離のうち前記第2原子間距離よりも長い第3原子間距離の分子構造に対して、前記VQEにより前記エネルギーを算出する処理部と、
を有する情報処理装置。
【請求項5】
第1量子回路に含まれる角度パラメータごとのRzゲートの数を減らし軽量化した第2量子回路を表す量子回路情報を用いて、分子に含まれる複数の原子の間の複数の原子間距離のそれぞれの分子構造に対して、VQEにより前記分子のエネルギーを算出し、前記VQEのイタレーション数を取得する処理を、原子間距離が短い順に行う処理において、
前記複数の原子間距離のうち第1原子間距離の第1イタレーション数から、前記複数の原子間距離のうち前記第1原子間距離よりも長い第2原子間距離の第2イタレーション数までの前記イタレーション数の累積増加数が閾値以上になった場合に、用いる前記量子回路情報を前記第2量子回路の前記角度パラメータごとの前記Rzゲートの数を増やした第3量子回路を表す量子回路情報に変更して、前記複数の原子間距離のうち前記第2原子間距離よりも長い第3原子間距離の分子構造に対して、前記VQEにより前記エネルギーを算出する、
処理をコンピュータが実行する量子回路軽量化方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、量子回路軽量化プログラム、情報処理装置及び量子回路軽量化方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
量子化学計算は、分子の構造や性質を電子状態から解析する手法であり、解析対象の分子のエネルギーを算出することが基本的な処理である。量子化学計算アルゴリズムの1つとして、VQE(Variational Quantum Eigensolver)がある。VQEは、エラー訂正のない中規模の量子デバイス(NISQ(Noisy Intermediate-Scale Quantum)と呼ばれることもある)において実行可能な、変分アルゴリズムの候補の1つでもある。
【0003】
VQEでは、回転ゲートの回転角を角度パラメータとしてもつ量子回路(変分量子回路と呼ばれることもある)を用いて、分子の電子状態を表す試行波動関数が表現される。このような量子回路または試行波動関数は、ansatzとも呼ばれることもある。そして、量子回路を用いて分子のエネルギーの算出が行われる。このエネルギーが最小になるように古典処理による角度パラメータの最適化、量子回路によるエネルギーの算出処理が繰り返される。VQEの精度と計算量は、ansatzの種類に大きく依存する。高精度な計算が可能なansatzとして、UCCSD(Unitary Coupled Cluster Singles and Doubles) ansatzがある。
【0004】
従来、効率的な材料設計を行うために、所望の材料機能を満たす分子特徴量を算出し、その分子特徴量を実現する構成材を算出する技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-081819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、VQEでは、分子に含まれる複数の原子の間の複数の原子間距離のそれぞれの分子構造に対して、エネルギーの算出が行われることがある。このとき、原子間距離が長くなるほど量子回路の潜在的な精度が悪化し、VQEの精度が悪化する場合がある。
【0007】
1つの側面では、本発明は、VQEの精度の悪化を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの実施態様では、第1量子回路に含まれる角度パラメータごとのRzゲートの数を減らし軽量化した第2量子回路を表す量子回路情報を用いて、分子に含まれる複数の原子の間の複数の原子間距離のそれぞれの分子構造に対して、VQEにより前記分子のエネルギーを算出し、前記VQEのイタレーション数を取得する処理を、原子間距離が短い順に行う処理において、前記複数の原子間距離のうち第1原子間距離の第1イタレーション数から、前記複数の原子間距離のうち前記第1原子間距離よりも長い第2原子間距離の第2イタレーション数までの前記イタレーション数の累積増加数が閾値以上になった場合に、用いる前記量子回路情報を前記第2量子回路の前記角度パラメータごとの前記Rzゲートの数を増やした第3量子回路を表す量子回路情報に変更して、前記複数の原子間距離のうち前記第2原子間距離よりも長い第3原子間距離の分子構造に対して、前記VQEにより前記エネルギーを算出する、処理をコンピュータに実行させる量子回路軽量化プログラムが提供される。
【0009】
また、1つの実施態様では、情報処理装置が提供される。
また、1つの実施態様では、量子回路軽量化方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
1つの側面では、本発明は、VQEの精度の悪化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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