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公開番号2025136055
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024034226
出願日2024-03-06
発明の名称人工毛髪用ポリアクリロニトリル系繊維の製造方法
出願人株式会社カネカ
代理人弁理士法人池内アンドパートナーズ
主分類D01F 6/18 20060101AFI20250911BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約【課題】製造工程において繊維に荷重が掛かっても、繊維断面の潰れが抑制され、嵩高性に優れる人工毛髪用ポリアクリロニトリル系繊維が得られる人工毛髪用ポリアクリロニトリル系繊維の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の1以上の実施形態は、人工毛髪用ポリアクリロニトリル系繊維の製造方法であって、アクリロニトリル系重合体及び有機溶媒を含む紡糸液を紡糸ノズルを用いて凝固浴中に押し出して凝固糸を得る紡糸工程、及び前記凝固糸を延伸浴中で延伸する湿式延伸工程を含み、前記紡糸ノズルは、C字形の断面を有し、前記C字形のいずれか一方の端部が他方の端部より中空部側に位置しており、前記凝固糸をガイドロールにて前記凝固浴から前記延伸浴に導く際に、前記凝固糸に荷重が掛かっており、前記延伸浴の温度は、5℃以上30℃未満である人工毛髪用ポリアクリロニトリル系繊維の製造方法に関する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
人工毛髪用ポリアクリロニトリル系繊維の製造方法であって、
アクリロニトリル系重合体及び有機溶媒を含む紡糸液を紡糸ノズルを用いて凝固浴中に押し出して凝固糸を得る紡糸工程、及び
前記凝固糸を延伸浴中で延伸する湿式延伸工程を含み、
前記紡糸ノズルは、C字形の断面を有し、前記C字形のいずれか一方の端部が他方の端部より中空部側に位置しており、
前記凝固糸をガイドロールにて前記凝固浴から前記延伸浴に導く際に、前記凝固糸に荷重が掛かっており、
前記延伸浴の温度は、5℃以上30℃未満である、人工毛髪用ポリアクリロニトリル系繊維の製造方法。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
前記凝固糸をガイドロールにて前記凝固浴から前記延伸浴に導く際に、前記凝固糸に繊維一本当たり10g以上の荷重が掛かっている、請求項1に記載の人工毛髪用ポリアクリロニトリル系繊維の製造方法。
【請求項3】
前記凝固浴として、前記有機溶媒の水溶液を用いており、前記凝固浴用有機溶媒の水溶液中の有機溶媒の濃度は33質量%以上である、請求項1に記載の人工毛髪用ポリアクリロニトリル系繊維の製造方法。
【請求項4】
前記延伸浴として、前記有機溶媒の水溶液又は水を用いており、前記延伸浴用有機溶媒の水溶液中の有機溶媒の濃度は、前記凝固浴用有機溶媒の水溶液中の有機溶媒の濃度より低い、請求項1に記載の人工毛髪用ポリアクリロニトリル系繊維の製造方法。
【請求項5】
前記延伸浴用有機溶媒の水溶液中の有機溶媒の濃度は、25質量%以下である、請求項1に記載の人工毛髪用ポリアクリロニトリル系繊維の製造方法。
【請求項6】
前記紡糸液中のアクリロニトリル系重合体の濃度は、20~50質量%である、請求項1に記載の人工毛髪用ポリアクリロニトリル系繊維の製造方法。
【請求項7】
前記有機溶媒は、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、及びアセトンからなる群から選ばれる1以上を含む、請求項1に記載の人工毛髪用ポリアクリロニトリル系繊維の製造方法。
【請求項8】
前記人工毛髪用ポリアクリロニトリル系繊維は、C字形、6字形及び中空部を有するそら豆形からなる群から選ばれる1以上の形状の繊維断面を有する、請求項1に記載の人工毛髪用ポリアクリロニトリル系繊維の製造方法。
【請求項9】
前記人工毛髪用ポリアクリロニトリル系繊維の単繊維繊度は、35~65dtexである、請求項1に記載の人工毛髪用ポリアクリロニトリル系繊維の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、かつら等の頭飾製品に好適に用いることができる人工毛髪用ポリアクリロニトリル系繊維の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
かつら等の頭飾製品には、人毛に加えて、アクリル系繊維等の人工毛髪が使用されている。近年、このような人工毛髪に用いる繊維にソフト感や嵩高性を付与することが行われている。例えば、特許文献1には、アクリル系繊維の繊維断面をC字形、6字形及び中空部を有するそら豆形からなる群から選ばれる1以上の形状にすることで、嵩高性や触感を向上することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開公報2023/047882号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、C字形、6字形及び中空部を有するそら豆形からなる群から選ばれる1以上の形状の繊維断面を有する繊維を、C字形のいずれか一方の端部が他方の端部より中空部側に位置するC字形の断面を有する紡糸ノズルを用いて製造しているが、このような紡糸ノズルで繊維を製造する際、製造工程において繊維に荷重が掛かると、繊維断面の潰れが発生することがあった。
【0005】
本発明は、前記問題を解決するため、製造工程において繊維に荷重が掛かっても、繊維断面の潰れが抑制され、嵩高性に優れる人工毛髪用ポリアクリロニトリル系繊維が得られる人工毛髪用ポリアクリロニトリル系繊維の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1以上の実施形態は、人工毛髪用ポリアクリロニトリル系繊維の製造方法であって、アクリロニトリル系重合体及び有機溶媒を含む紡糸液を紡糸ノズルを用いて凝固浴中に押し出して凝固糸を得る紡糸工程、及び前記凝固糸を延伸浴中で延伸する湿式延伸工程を含み、前記紡糸ノズルは、C字形の断面を有し、前記C字形のいずれか一方の端部が他方の端部より中空部側に位置しており、前記凝固糸をガイドロールにて前記凝固浴から前記延伸浴に導く際に、前記凝固糸に荷重が掛かっており、前記延伸浴の温度は、5℃以上30℃未満である、人工毛髪用ポリアクリロニトリル系繊維の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、繊維断面の潰れが抑制され、嵩高性に優れる人工毛髪用ポリアクリロニトリル系繊維を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
一例の紡糸ノズルの模式的断面図である。
C字形の繊維断面を有するポリアクリロニトリル系繊維A1の模式的断面図である。
C字形の繊維断面を有するポリアクリロニトリル系繊維A1の模式的断面図である。
6字形の繊維断面を有するポリアクリロニトリル系繊維A2の模式的断面図である。
6字形の繊維断面を有するポリアクリロニトリル系繊維A2の模式的断面図である。
中空部を有するそら豆形の繊維断面を有するポリアクリロニトリル系繊維A3の模式的断面図である。
中空部を有するそら豆形の繊維断面を有するポリアクリロニトリル系繊維A3の模式的断面図である。
凝固糸をガイドロールにて凝固浴から延伸浴に導く工程を説明する模式的側面図である。
一例の紡糸ノズルの模式的断面図である。
実施例1のポリアクリロニトリル系繊維の断面写真(200倍)である。
比較例1のポリアクリロニトリル系繊維の断面写真(200倍)である。
比較例2のポリアクリロニトリル系繊維の断面写真(200倍)である。
比較例3のポリアクリロニトリル系繊維の断面写真(200倍)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の発明者らは、上記問題を解決するために検討重ねた。その結果、アクリロニトリル系重合体及び有機溶媒を含む紡糸液を、C字形の断面を有し、C字形のいずれか一方の端部が他方の端部より中空部側に位置する紡糸ノズル(以下において、単にC字形紡糸ノズルとも記す。)を用いて凝固浴中に押し出し、得られた凝固糸をガイドロールにて凝固浴から延伸浴に導く際に、凝固糸に荷重が掛かっている場合でも、延伸浴の温度を従来とは異なる所定の範囲に調整することで、繊維断面の潰れが抑制され、嵩高性に優れる人工毛髪用ポリアクリロニトリル系繊維(以下において、単にポリアクリロニトリル系繊維とも記す。)が得られることを見出した。
本明細書において、紡糸ノズルの断面形状は、紡糸ノズルの横断面の形状を意味する。
【0010】
具体的には、C字形紡糸ノズルにおいて、例えば、ノズル数が1000未満の場合は、凝固糸をガイドロールにて凝固浴から延伸浴に導く際に、凝固糸の自重により凝固糸に荷重が掛かることがほとんどない。一方、例えば、ノズルのホール数が1000以上の大型の紡糸ノズルの場合、ガイドロールにて凝固浴から延伸浴に導く際に、凝固糸の自重により凝固糸に荷重が掛かる。このような凝固糸をガイドロールにて凝固浴から延伸浴に導く際に、凝固糸に荷重が掛かる場合、延伸浴の温度を従来のようにすると、得られたポリアクリロニトリル系繊維の繊維断面が潰れる、より具体的にはC字形、6字形及び中空部を有するそら豆形(以下において、単に「中空そら豆形」とも記す。)からなる群から選ばれる1以上の形状の繊維断面が潰れて雫形や中空雫形になってしまうが、本願では、驚くことに、延伸浴の温度を従来より低くすることで、繊維断面が潰れることを抑制し得ることを見出した。
(【0011】以降は省略されています)

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