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公開番号
2025136733
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-19
出願番号
2024035546
出願日
2024-03-08
発明の名称
有価金属の回収方法
出願人
三菱マテリアル株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C22B
23/00 20060101AFI20250911BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】コバルトおよびニッケルの少なくとも一方を含むとともに銅を含有する原溶液から、コバルトやニッケルからなる有価金属を効率良く、かつ、安定して回収することが可能な有価金属の回収方法を提供する。
【解決手段】コバルトおよびニッケルの少なくとも一方を含むとともに銅を含有する原溶液から、コバルトおよびニッケルの少なくとも一方からなる有価金属を回収する有価金属の回収方法であって、原溶液を、ビスピコリルアミン基を有するキレート樹脂と接触させて、原溶液中の金属をキレート樹脂に吸着させるイオン吸着工程S01と、硫酸溶液によってキレート樹脂に吸着したコバルトおよびニッケルの少なくとも一方を溶離するコバルトおよびニッケル溶離工程S02と、を繰り返し実施するとともに、キレート樹脂に吸着した銅量に応じて、アンモニア水溶液によってキレート樹脂に吸着した銅を溶離する銅溶離工程S04を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
コバルトおよびニッケルの少なくとも一方を含むとともに銅を含有する原溶液から、コバルトおよびニッケルの少なくとも一方からなる有価金属を回収する有価金属の回収方法であって、
前記原溶液を、ビスピコリルアミン基を有するキレート樹脂と接触させて、前記原溶液中の金属を前記キレート樹脂に吸着させるイオン吸着工程と、
硫酸溶液によって前記キレート樹脂に吸着したコバルトおよびニッケルの少なくとも一方を溶離して回収し、前記キレート樹脂を再生するコバルトおよびニッケル溶離工程と、
を繰り返し実施するとともに、
前記キレート樹脂に吸着した銅量に応じて、アンモニア水溶液によって前記キレート樹脂に吸着した銅を溶離して、前記キレート樹脂を再生する銅溶離工程を有し、
前記銅溶離工程で再生した前記キレート樹脂を用いて、前記イオン吸着工程を実施することを特徴とする有価金属の回収方法。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
コバルトおよびニッケルの少なくとも一方を含むとともに銅を含有する原溶液から、コバルトおよびニッケルの少なくとも一方からなる有価金属を回収する有価金属の回収方法であって、
前記原溶液を、ビスピコリルアミン基を有するキレート樹脂と接触させて、前記原溶液中の金属を前記キレート樹脂に吸着させるイオン吸着工程と、
硫酸溶液によって前記キレート樹脂に吸着したコバルトおよびニッケルの少なくとも一方を溶離して回収し、前記キレート樹脂を再生するコバルトおよびニッケル溶離工程と、
を繰り返し実施するとともに、
前記イオン吸着工程および前記コバルトおよびニッケル溶離工程を所定回数以上実施した後に、アンモニア水溶液によって前記キレート樹脂に吸着した銅を溶離して、前記キレート樹脂を再生する銅溶離工程を有し、
前記銅溶離工程で再生した前記キレート樹脂を用いて、前記イオン吸着工程を実施することを特徴とする有価金属の回収方法。
【請求項3】
前記キレート樹脂に吸着した銅量が1.25g/L-R以上の場合に、前記銅溶離工程を実施することを特徴とする請求項1に記載の有価金属の回収方法。
【請求項4】
前記イオン吸着工程およびコバルトおよびニッケル溶離工程をそれぞれ2回以上実施した後に、前記銅溶離工程を実施することを特徴とする請求項2に記載の有価金属の回収方法。
【請求項5】
前記原溶液における銅の含有量が0.0001質量%以上1質量%以下の範囲内、コバルトの含有量が0.001質量%以上1質量%以下の範囲内、ニッケルの含有量が0.001質量%以上1質量%以下の範囲内とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有価金属の回収方法。
【請求項6】
前記原溶液がコバルトとニッケルを含有しており、前記コバルトおよびニッケル溶離工程においては、硫酸濃度が4質量%未満の硫酸溶液によってコバルトを溶離して回収するコバルト溶離工程と、その後、硫酸濃度が5質量%以上の硫酸溶液によってニッケルを溶離して回収するニッケル溶離工程と、を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有価金属の回収方法。
【請求項7】
前記原溶液が鉱石の浸出工程で排出される銅抽出後液であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有価金属の回収方法。
【請求項8】
前記原溶液がプリント基板の酸浸出工程の廃液であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有価金属の回収方法。
【請求項9】
前記イオン吸着工程の前に、前記原溶液中の銅量を低減する銅低減工程を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有価金属の回収方法。
【請求項10】
前記銅低減工程が、前記原溶液に、銅よりも卑な金属を添加し、前記原溶液に含まれる銅イオンを金属銅として沈殿させるセメンテーション工程であることを特徴とする請求項9に記載の有価金属の回収方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、コバルトおよびニッケルの少なくとも一方を含むとともに銅を含有する原溶液から、コバルトおよびニッケルの少なくとも一方からなる有価金属を回収する有価金属の回収方法に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
ニッケルラテライト鉱の浸出液、銅鉱石の浸出液から銅を抽出した後のラフィネート液、プリント基板や廃電池等の処理時に発生する廃液には、コバルトやニッケルの有価金属が含まれる。なお、これらの浸出液、ラフィネート液、廃液には、コバルトやニッケル以外に、鉄、銅、亜鉛等の不純物も含まれる。
上述の浸出液及び廃液からコバルトおよびニッケルを回収する方法として、キレート樹脂を用いたイオン吸着法が用いられている。
【0003】
イオン吸着法においては、例えば、特許文献1および非特許文献1,2に記載されているように、金属を含有する溶液をキレート樹脂と接触させることでキレート樹脂に金属を吸着させ、次に、キレート樹脂に酸等の溶離液を通液することで吸着した金属を溶離する。ここで、吸着した金属が溶離されたキレート樹脂は、再度、溶液の処理に使用することになる。
【0004】
特許文献1には、銅鉱石を浸出して銅イオンを溶媒抽出した後のラフィネート液について、pH調整と鉄(III)イオン還元の前処理をして、キレート樹脂(Ion exchange resin)を用いて、銅の選択抽出に続いてコバルト・ニッケルの選択抽出を実施し、その後、硫酸にてキレート樹脂からコバルト・ニッケルを溶離することにより、コバルトおよびニッケルを回収する方法が記載されている。
【0005】
非特許文献1には、多量の銅を含むプリント基板浸出液から、ビスピコリルアミン基を有するキレート樹脂を使用して銅イオンを吸着させ、硫酸にて溶離することで、銅を分離回収する方法が記載されている。
非特許文献2には、ニッケルと銅を吸着させたビスピコリルアミン基を有するキレート樹脂について、硫酸を用いたニッケルの溶離とアンモニア水溶液を用いた銅の溶離を実施して得られた各溶離液濃度と金属の溶離率の関係が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2011/100442号
【非特許文献】
【0007】
Neto, I. F. F., et al., “A simple and nearly-closed cycle process for recycling copper with high purity from end life printed circuit boards”(Separation and Purification Technology, 2016), Vol. 164, 19-27.
Ulloa, L., et al., “Split regeneration of chelating resins for the selective recovery of nickel and copper”(Separation and Purification Technology, 2020), Vol. 253, 117516.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、特許文献1においては、元素混合溶液に適切な前処理を行った後にコバルト・ニッケルをキレート樹脂に吸着させている。コバルト・ニッケルが吸着したキレート樹脂を低濃度硫酸で溶離することでコバルトを溶離し、高濃度硫酸で溶離することでニッケルを溶離する。しかし、この手法ではキレート樹脂内に吸着した銅は完全に溶離されずに蓄積濃集していき、イオン吸着容量の占有によるキレート樹脂の性能の低下が生じるおそれがあった。
【0009】
非特許文献1においては、硫酸を用いてキレート樹脂の再生を行っているが、高濃度の銅を含有するプリント基板浸出液を対象としていることから、銅イオンの溶離液として高濃度(32質量%)の硫酸が必要である上、樹脂量当たりの硫酸使用量も大きいため処理コストが増大するといった問題があった。
【0010】
非特許文献2では、溶離液の濃度条件を検証した上で、18質量%硫酸と3.4質量%アンモニア水溶液を併用した際に最も高い溶離率が得られたと報告しているが、その条件下でもニッケル及び銅の溶離率は66%未満である。さらに、吸着と樹脂再生を繰り返した際のニッケルの吸着率低下を報告しており、樹脂内への銅イオンの蓄積濃集によるイオン吸着容量の占有によるキレート樹脂の性能の低下が生じているものと推察される。
(【0011】以降は省略されています)
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