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公開番号2025136829
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024035706
出願日2024-03-08
発明の名称タリウム化合物の製造方法
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人個人
主分類C22B 61/00 20060101AFI20250911BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】タリウムとカドミウムと不純物元素とを含む溶液から、効率的にかつ高い品位でタリウム化合物を製造する方法を提供する。
【解決手段】本発明は、タリウムとカドミウムと不純物元素とを含む原料溶液からタリウム化合物を製造する方法であって、原料溶液にタリウム及びカドミウムの合計量に対して2.5~4.0当量で硫化剤を添加して硫化処理を行い硫化タリウムと硫化カドミウムの混合硫化物とする硫化工程と、混合硫化物に硫酸を添加しpH0.5~1.5でタリウムを浸出する浸出工程と、浸出液からタリウムを得るタリウム製造工程と、を含む。タリウム製造工程では、塩化物イオン量がタリウム量に対して5.5~8.0当量となる量で塩化物イオンを添加し塩化タリウムを析出させる晶析工程を行う。あるいは、浸出液に酸化剤をタリウム量に対して1.0~2.0当量で添加しpH2.0~4.0に制御して酸化タリウムを生成させる酸化工程を行う。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
タリウムと、カドミウムと、不純物元素とを含有する原料溶液からタリウムを製造する方法であって、
前記原料溶液に、該原料溶液中のタリウム及びカドミウムの合計量に対して2.5当量以上4.0当量以下となる量で硫化剤を添加して硫化処理を行い、硫化タリウムと硫化カドミウムとを含む混合硫化物を生成する硫化工程と、
前記混合硫化物に硫酸を添加し、pH0.5以上1.5以下の範囲に制御しながら該混合硫化物からタリウムを浸出する浸出工程と、
前記タリウムを含む浸出液に、塩化物イオンを遊離する塩化物又は塩化物イオンを含む溶液を、該塩化物イオン量が該浸出液に含まれるタリウム量に対して5.5当量以上8.0当量以下となる量で添加し、塩化タリウムを析出させる晶析工程と、
を含む、タリウム化合物の製造方法。
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
タリウムと、カドミウムと、不純物元素とを含有する原料溶液からタリウムを製造する方法であって、
前記原料溶液に、該原料溶液中のタリウム及びカドミウムの合計量に対して2.5当量以上4.0当量以下となる量で硫化剤を添加して硫化処理を行い、硫化タリウムと硫化カドミウムとを含む混合硫化物を生成する硫化工程と、
前記混合硫化物に硫酸を添加し、pH0.5以上1.5以下の範囲に制御しながら該混合硫化物からタリウムを浸出する浸出工程と、
前記タリウムを含む浸出液に、酸化剤を、該浸出液中のタリウム量に対して1.0当量以上2.0当量以下となる量で添加するとともに、pH2.0以上4.0以下の範囲に制御して、酸化タリウムを生成させる酸化工程と、
を含む、タリウム化合物の製造方法。
【請求項3】
前記硫化工程では、
前記原料溶液に、該原料溶液中のタリウム及びカドミウムの合計量に対して1.8当量以上2.1当量以下となる量で硫化剤を添加して第1の硫化処理を行い、
その後、前記第1の硫化処理で得られた硫化後液に対し、前記原料溶液中のタリウム及びカドミウムの合計量に対して2.5当量以上4.0当量以下となる量で硫化剤を添加して第2の硫化処理を行う、
請求項1又は2に記載のタリウム化合物の製造方法。
【請求項4】
前記原料溶液は、前記不純物元素として少なくとも亜鉛及び/又は鉛を含有し、
前記硫化工程に先立って、前記原料溶液に対して中和処理を行う中和工程を行い、
前記中和工程では、
前記原料溶液にpH調整剤を添加してpHを7.0以上9.0以下の範囲に調整して、該原料溶液に含まれる亜鉛及び/又は鉛の水酸化物からなる沈殿物を生成させる第1の中和処理を行い、
その後、前記沈殿物を分離除去して得られる濾液にpH調整剤を添加してpHを前記第1の中和処理で調整したpHよりも大きく、且つ11.0以下の範囲に調整して、前記カドミウムの水酸化物からなる沈殿物を生成させる第2の中和処理を行い、
前記第2の中和処理で生成した沈殿物を分離除去して得られる中和後液を前記硫化工程に供する、
請求項1又は2に記載のタリウム化合物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、タリウムと、カドミウムと、不純物元素とを含有する原料溶液から、タリウム化合物を製造する方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
亜鉛製錬所における亜鉛地金の原料として、粗酸化亜鉛等から不純物を分離回収して得られる酸化亜鉛鉱が広く用いられている。粗酸化亜鉛は、例えば、鉄鋼業における高炉や電気炉等の製鋼炉から発生する鉄鋼ダストから還元焙焼処理を経て得ることができる。資源リサイクルの促進の観点からすると、その粗酸化亜鉛を鉄鋼ダストの亜鉛原料として再利用することが望ましい。
【0003】
一方で、鉄鋼ダスト由来の粗酸化亜鉛には、その主成分である酸化亜鉛以外に、塩素やフッ素等のハロゲン成分やカドミウム等の不純物が高い割合で含まれている。これらの不純物のうち、特にカドミウムは有害金属であるため、酸化亜鉛の製造プラントにおいては、カドミウムの分離回収が一般的に行われている。一方で、カドミウムは、ニッケルカドミウム電池の負極材として使用される等、電子エレクトロニクス材料として重要な有用金属のひとつにもなっている。
【0004】
さて、カドミウムの分離回収は、粗酸化亜鉛を酸浸出に付すことによってカドミウムを浸出させた浸出液に、例えば、中和処理や亜鉛セメンテーション処理等の複数の処理を組み合わせた湿式処理により行うことができる。しかしながら、粗酸化亜鉛には微量のタリウムが含まれており、そのタリウムは、湿式処理において系外へ除去されることなく次第に蓄積されていく。そのため、湿式処理の系内にタリウムが蓄積され続けると、タリウムの分離が不十分となって、金属カドミウムの品位に悪影響を及ぼす懸念がある。
【0005】
タリウムを湿式処理の系外へ排出する方法として、例えば、中和処理において発生する中和処理液に硫化処理を施して製錬中間物を生成し、その製錬中間物を介してタリウムを系外へ排出する方法が知られている。ところが、製錬中間物には、タリウムのほかにカドミウムが含まれ、製錬中間物が系外へ排出される際にタリウムだけでなくカドミウムも系外へ排出されてしまうため、経済的ではない。製錬中間物からカドミウムを分離して、タリウムを回収することができれば、タリウムのみを系外に排出することが可能となって、経済的であり、より有利な方法といえる。
【0006】
製錬中間物からタリウムを回収する方法としては、例えば、特許文献1に示される方法が挙げられ、この方法によれば、製錬中間物からタリウムを回収することが可能となる。しかしながら、特許文献1に開示の方法は、製錬中間物に空気又は窒素ガスを吹き込みながら硫酸浸出し、次いで亜鉛末を加えてスポンジタリウムを還元析出して、そのスポンジタリウムにさらに硫酸浸出や中和処理を複数適用させる等の複雑な処理工程を経ることが必要であり、効率的な方法ではない。
【0007】
そこで、製錬中間物からより効率的にタリウムを回収する方法として、特許文献2に示される方法が提案されている。具体的に、特許文献2に開示の方法は、硫化タリウムと、硫化カドミウムとを含む混合硫化物を出発物質としてタリウムを分離回収する方法であり、混合硫化物を酸で浸出する浸出工程と、浸出液から塩化タリウムの沈殿物としてタリウムを分離回収するタリウム回収工程から構成されている。この方法によれば、複雑な処理工程を経ることなく効率的にタリウムを回収することが可能となる。
【0008】
しかしながら、タリウムの回収においては更なる改善の余地がある。また、タリウムそれ自体についても、産業上さまざまな分野で使用される有価金属であり、高品位のタリウム化合物を製造することができれば、そのタリウム化合物から高品位の金属タリウムを効率的に製造することが可能となる。したがって、産業上の利用の点からすると、上述のような少なくともタリウムとカドミウムと不純物元素とを含有する溶液から、より効率的に、かつ高い品位で、タリウム化合物を製造する方法が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開昭60-122722号公報
特開2022-43470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明はこのような実情に鑑みて提案されたものであり、タリウムとカドミウムと不純物元素とを含有する溶液から、より効率的に、かつ高い品位で、タリウム化合物を製造することを可能にする方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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