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公開番号
2025137434
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-19
出願番号
2025023943
出願日
2025-02-18
発明の名称
偏心芯鞘中空複合繊維およびその製造方法
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
D01F
8/14 20060101AFI20250911BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約
【課題】本発明の目的は、従来技術の課題を克服し、高ストレッチ性、嵩高性、軽量性を兼ね備えた生地が得られる偏心芯鞘中空複合繊維を提供することにある。
【解決手段】A成分及びB成分の2種のポリエステルからなる複合繊維の横断面において、A成分がB成分で完全に覆われており、以下の(1)~(6)を同時に満たし、かつ繊維軸方向に連続した1つの中空部を有することを特徴とする偏心芯鞘中空複合繊維。
(1)A成分を覆っているB成分の厚みの最小厚みSと繊維径Dの比S/Dが0.01~0.1である。
(2)最小厚みSより厚みが1.05倍以内の部分の繊維の周囲長が繊維全体の周囲長の1/3以上。
(3)熱処理前の捲縮数が8~20山/25mm、捲縮度が8~25%である。
(4)160℃における無荷重熱処理時の捲縮度が熱処理前の捲縮度の2.0倍以上となる潜在捲縮能を有する。
(5)繊維横断面の中空率が10%以上30%未満。
(6)単繊維繊度が1.0~2.5dtexである。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
A成分及びB成分の2種のポリエステルからなる複合繊維の横断面において、A成分がB成分で完全に覆われており、以下の(1)~(6)を同時に満たし、かつ繊維軸方向に連続した1つの中空部を有することを特徴とする偏心芯鞘中空複合繊維。
(1)A成分を覆っているB成分の厚みの最小厚みSと繊維径Dの比S/Dが0.01~0.1である。
(2)最小厚みSより厚みが1.05倍以内の部分の繊維の周囲長が繊維全体の周囲長の1/3以上。
(3)熱処理前の捲縮数が8~20山/25mm、捲縮度が8~25%である。
(4)160℃における無荷重熱処理時の捲縮度が熱処理前の捲縮度の2.0倍以上となる潜在捲縮能を有する。
(5)繊維横断面の中空率が10%以上30%未満。
(6)単繊維繊度が1.0~2.5dtexである。
続きを表示(約 260 文字)
【請求項2】
A成分が2,2-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン2~7モル%とイソフタル酸5~13モル%とを共重合したエチレンテレフタレート単位主体の共重合ポリエステル、B成分が実質的にエチレンテレフタレート単位よりなるポリエステルであることを特徴とする請求項1に記載の偏心芯鞘中空複合繊維。
【請求項3】
糸条の冷却処理が、口金面より5~25mmの位置から紡出糸に冷却風にて急冷して冷却・固化することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の偏心芯鞘中空複合繊維の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏心芯鞘中空複合繊維とその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
ポリエステルやポリアミドに代表される熱可塑性樹脂を用いた合成繊維は、強度、耐熱性、耐薬品性、ウォッシュアンドウェアー性など各種の特性に優れるため、衣料用途や産業資材用途、不織布用途に広く用いられている。
【0003】
衣料用途の中で、紡績糸を用いた織編物は、風合いや自然な外観から、ジャケット、コート、シャツ、肌着やスポーツ衣料など多岐に渡り使用されている。紡績糸は繊維長が数十ミリメートルの短繊維を数本から数十本、撚り合わせてできる糸であり、短繊維として、綿などの天然繊維、レーヨンなどの再生繊維および羊毛などの獣毛繊維を用いることで、優れた吸湿性や保温性などを特長とした織編物を得ることができる。しかしながら、それらの繊維の性質上、強度面が弱く、多量の汗や水分を吸収するとそれらを繊維内部まで取り込むため、乾きにくく、ベタツキなどの不快感を生ずるといった欠点がある。
【0004】
これらの課題を解決するため、機械的性質、化学的性質、吸水速乾性などに優れているポリエステル繊維からなる紡績糸、または、ポリエステル繊維と天然繊維や再生繊維との混紡によってなる紡績糸が用いられている。
【0005】
衣料用途における様々な要求特性を満たすため、より高機能なポリエステル繊維を含む紡績糸の開発が進められているが、近年においては衣服着用時の束縛感の抑制や動作の追従性が求められるようになり、ストレッチ性能に関する要求が高い。特に、シャツ、肌着やスポーツ衣料など細番手紡績糸(30~60番手)を用いた生地においてストレッチ性能の要求が高い。一般的に、細番手紡績糸に太繊度短繊維(単繊維繊度3dtex以上)を使用すると紡績糸の糸ムラやネップに繋がり、最終的な生地の品位低下を招くため、細繊度短繊維(単繊維繊度3dtex未満)の開発が進められている。
【0006】
ストレッチ性能を得る方法として、ポリウレタン系の繊維を混用し、ストレッチ性を付与する方法がある。しかしながら、ポリウレタン系繊維はポリウレタン固有の性質として風合いが硬く、織物の風合いやドレープ性が低下するといった問題があった。さらに、ポリウレタン系繊維はポリエステル用の染料には染まり難く、ポリエステル繊維と併用したとしても、染色工程が複雑になるばかりか所望の色彩に染色することが困難であった。
【0007】
ポリウレタン系繊維を用いない方法として、サイドバイサイド複合を利用した潜在捲縮発現性繊維が種々提案されている。潜在捲縮発現性繊維とは熱処理により捲縮が発現する、あるいは熱処理前より微細な捲縮が発現する能力を有する繊維のことを言う。
【0008】
例えば、特許文献1には、粘度差のある2成分のポリマー(ポリエステル)をサイドバイサイド型に貼り合わせた複合繊維による潜在捲縮性複合繊維が提案されている。
【0009】
この潜在捲縮性複合繊維は、熱処理後に繊維が高収縮成分側に大きく湾曲することになるため、3次元的なスパイラル構造をとる。このため、該構造がバネのように伸び縮みすることで、織編物にストレッチ性を付与することができる。
【0010】
特許文献2には、第一成分と第二成分とを含む複合繊維の繊維断面において、第二成分の重心位置は繊維の重心位置からずれている顕在捲縮性複合短繊維が提案されている。芯鞘構造であるため、吐出の際の糸曲がりは抑えられ、紡糸安定性に優れ、波形状捲縮および螺旋状捲縮を有した顕在捲縮性複合短繊維が得られている。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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