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公開番号
2025139363
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-26
出願番号
2024038258
出願日
2024-03-12
発明の名称
アルミニウム合金製のクラッド材
出願人
MAアルミニウム株式会社
代理人
個人
主分類
C22C
21/00 20060101AFI20250918BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】クラッド材を提供する。
【解決手段】心材のクラッド率が71%以上97%以下であり、心材は、Mn,Si,Fe,Cu,Mgを含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなり、圧延方向と横方向とにそれぞれ平行なろう付熱処理前の心材の断面は、平均粒子径が50nmを超え100nm以下の金属間化合物の密度が0.5×10
6
個/mm
2
以上6.0×10
6
個/mm
2
以下、100nmを超え300nm以下の金属間化合物の密度が1.0×10
6
個/mm
2
以上5.0×10
6
個/mm
2
以下、500nmを超え1500nm以下の金属間化合物の密度が5.0×10
3
個/mm
2
以上15.0×10
3
個/mm
2
以下であり、ろう付熱処理前の心材は、Mnの固溶度をa質量%,Siの固溶度をb質量%,Cuの固溶度をc質量%,Mgの固溶度をd質量%、11a+2b+6c+9dを固溶度評価値とすると、固溶度評価値が9.0質量%未満である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
心材の片面或いは両面に、ろう材及び犠牲材の少なくとも一方からなる皮材がクラッドされたアルミニウム合金製のクラッド材であって、
前記心材のクラッド率が71%以上97%以下であり、
前記心材は、Mnを0.8質量%以上1.8質量%以下、Siを0.05質量%以上1.5質量%以下、Feを0.05質量%以上0.5質量%以下、Cuを0.05質量%以上1.5質量%以下、Mgを0.001質量%以上1.0質量%以下含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなり、
圧延方向と、該圧延方向及び厚さ方向それぞれに直交する横方向とにそれぞれ平行なろう付熱処理前の前記心材の断面は、平均粒子径が50nmを超え100nm以下の金属間化合物の密度が0.5×10
6
個/mm
2
以上6.0×10
6
個/mm
2
以下であり、平均粒子径が100nmを超え300nm以下の金属間化合物の密度が1.0×10
6
個/mm
2
以上5.0×10
6
個/mm
2
以下であり、平均粒子径が500nmを超え1500nm以下の金属間化合物の密度が5.0×10
3
個/mm
2
以上15.0×10
3
個/mm
2
以下であり、
さらにろう付熱処理前の前記心材は、Mnの固溶度をa質量%,Siの固溶度をb質量%,Cuの固溶度をc質量%及びMgの固溶度をd質量%とし、さらに11a+2b+6c+9dを固溶度評価値とすると、該固溶度評価値が9.0質量%未満であることを特徴とする、クラッド材。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
前記心材は、Tiを0.005質量%以上0.30質量%以下、Zrを0.005質量%以上0.30質量%以下、Crを0.005質量%以上0.30質量%以下、Vを0.001質量%以上0.30質量%以下、Znを0.005質量%以上1.0質量%以下のうち、少なくとも一つの元素をさらに含有することを特徴とする、請求項1に記載のクラッド材。
【請求項3】
前記ろう材は、Siを2.0質量%以上13質量%以下、Feを0.05質量%以上0.8質量%以下含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなり、
前記犠牲材は、Siを1.5質量%以下、Feを0.8質量%以下、Znを0.4質量%以上10.0質量%以下、Cuを1.0質量%以下、Mnを2.0質量%以下、Crを0.50質量%以下、Vを0.30質量%以下、Zrを0.30質量%以下、Tiを0.30質量%以下、Niを1.5質量%以下、Mgを3.0質量%以下、Biを1.0質量%以下のうち、少なくとも一つの元素を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のクラッド材。
【請求項4】
前記ろう材は、Siを2.0質量%以上13質量%以下、Feを0.05質量%以上0.8質量%以下を含有すると共に、Znを5.0質量%以下、Cuを1.0質量%以下、Mnを2.0質量%以下、Crを0.50質量%以下、Vを0.30質量%以下、Zrを0.30質量%以下、Tiを0.30質量%以下、Niを1.5質量%以下、Mgを2.0質量%以下、Biを1.0質量%以下のうち、少なくとも一つの元素を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなり、
前記犠牲材は、Siを1.5質量%以下、Feを0.8質量%以下、Znを0.4質量%以上10.0質量%以下、Cuを1.0質量%以下、Mnを2.0質量%以下、Crを0.50質量%以下、Vを0.30質量%以下、Zrを0.30質量%以下、Tiを0.30質量%以下、Niを1.5質量%以下、Mgを3.0質量%以下、Biを1.0質量%以下のうち、少なくとも一つの元素を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のクラッド材。
【請求項5】
クラッド構成が以下の(イ)~(ト)のいずれかであることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のクラッド材。
(イ)前記ろう材/前記心材の順に積層された片面クラッド型である。
(ロ)前記ろう材/前記心材/前記ろう材の順に積層された両面クラッド型である。
(ハ)前記ろう材/前記心材/前記犠牲材の順に積層された両面クラッド型である。
(ニ)前記ろう材/前記心材/前記犠牲材/前記ろう材の順に積層された両面クラッド型である。
(ホ)前記ろう材/前記犠牲材/前記心材/前記犠牲材/前記ろう材の順に積層された両面クラッド型である。
(ヘ)前記犠牲材/前記心材の順に積層された片面クラッド型である。
(ト)前記犠牲材/前記心材/前記犠牲材の順に積層された両面クラッド型である。
【請求項6】
質別がO、H1n、H2nのいずれかであることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のクラッド材。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム合金製のクラッド材に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
燃費向上や省スペース化の観点から自動車用熱交換器は軽量化傾向にあり、そのため使用部材として用いられる例えば片面ろうクラッド型のブレージングシートには薄肉高強度化が求められる。
【0003】
特許文献1に開示さているブレージングシートでは、ろう付熱処理前において、心材に含有される0.2μm~0.5μmのサイズを有する金属間化合物が心材の任意断面において面積分率で5%以下の場合に、ろう付後において0.2%以上のMn固溶量を得ることができるとし、これによって十分な固溶強化の効果が得られ、ろう付熱処理後に十分な強度を有するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5793336号 段落(0047)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年ではCO
2
削減要望の高まりからスクラップ材の使用なども求められており、その場合、従来以上に元素含有種や量が増える傾向にある。これは材料の高強度化に寄与するが、形状が複雑化する熱交換器の成形性を阻害することになる。特許文献1の心材はMn,Si及びCuなどの複数種の元素を含有するアルミニウム合金からなるが、これら複数種の元素を含有したアルミニウム合金の成形性の課題を解決するものではない。ブレージングシートに限らず、各種のクラッド構成のクラッド材でも同様に解決することが望まれる。
【0006】
そこで、上記の課題に鑑みて、本発明はアルミニウム合金製のクラッド材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、心材の片面或いは両面に、ろう材及び犠牲材の少なくとも一方からなる皮材がクラッドされたアルミニウム合金製のクラッド材であって、前記心材のクラッド率が71%以上97%以下であり、前記心材は、Mnを0.8質量%以上1.8質量%以下、Siを0.05質量%以上1.5質量%以下、Feを0.05質量%以上0.5質量%以下、Cuを0.05質量%以上1.5質量%以下、Mgを0.001質量%以上1.0質量%以下含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる。圧延方向と、該圧延方向及び厚さ方向それぞれに直交する横方向とに平行なろう付熱処理前の前記心材の断面は、平均粒径が50nmを超え100nm以下の金属間化合物の数が0.5×10
6
個/mm
2
以上6.0×10
6
個/mm
2
以下であり、平均粒径が100nmを超え300nm以下の金属間化合物の数が1.0×10
6
個/mm
2
以上5.0×10
6
個/mm
2
以下であり、平均粒径が500nmを超え1500nm以下の金属間化合物の数が5.0×10
3
個/mm
2
以上15.0×10
3
個/mm
2
以下である。さらにろう付熱処理前の前記心材は、Mnの固溶度をa質量%,Siの固溶度をb質量%,Cuの固溶度をc質量%及びMgの固溶度をd質量%とし、さらに11a+2b+6c+9dを固溶度評価値とすると、該固溶度評価値が9.0質量%未満である。
【0008】
心材のクラッド率:71%以上97%以下
クラッド材では、心材のクラッド率が71%以上97%以下とし、皮材のクラッド率に対して遥かに大きいことと、皮材を変形させる成形性が心材よりも優れていることから、心材の成形性や強度によって、クラッド材全体の成形性や強度がほぼ決まる。心材のクラッド率が71%未満であると、皮材が成形性や強度に寄与し、心材のクラッド率が97%を超えると、製造が困難となり好ましくない。したがって、本発明では、心材の成形性や強度を向上させるために、心材の成分と金属組織(固溶度や金属間化合物の分布)を制御している。
【0009】
[心材の成分]
Mn:0.8質量%以上1.8質量%以下
心材は、Mnを含有することで、固溶強化と、Al-Mn系、Al-Mn-Si系、Al-Mn-Fe系、Al-Mn-Fe-Si系などの金属間化合物の析出とによって、材料強度が向上する。Mn含有量が0.8質量%未満であると所望の強度向上効果を得られない。一方、Mn含有量が1.8質量%を超えると鋳造時に巨大な金属間化合物を生成し、製造性が低下する。
【0010】
Si:0.05質量%以上1.5質量%以下
心材は、Siを含有することで、固溶強化と、Al-Mn-Si系、Al-Mn-Fe-Si系などの金属間化合物が析出する分散強化とによって材料強度が向上する。Si含有量が0.05質量%未満であると所望の強度向上効果を得られない。一方、Si含有量が1.5質量%を超えると、融点が低下する。
(【0011】以降は省略されています)
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