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公開番号2025141956
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-29
出願番号2025042010
出願日2025-03-17
発明の名称抗菌剤又は抗藻剤
出願人独立行政法人国立高等専門学校機構
代理人個人
主分類A01N 43/90 20060101AFI20250919BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】長期的な光抗菌又は抗藻能を維持できる化合物を提供する。
【解決手段】一般式(I):
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>JPEG</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2025141956000061.jpg</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">69</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">82</com:WidthMeasure> </com:Image>
(Mは、2個の水素原子、Zn、Ni、Gd、Pd、Pt、Si又はAlである。)で表される化合物又はその塩を有効成分とする、抗菌剤又は抗藻剤を調製する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
一般式(I):
JPEG
2025141956000053.jpg
69
82
(式中、
Mは、2個の水素原子、Zn、Ni、Gd、Pd、Pt、Si又はAlである。


~X
20
は、それぞれ独立に、
フッ素原子、
HOCH

CH

S-基、
H(OCH

CH



O-基(nは、1~100の整数を示す。)、
4-ピリジノチオ基、又は
1-メチル-4-ピリジノチオ基であり、かつ、


~X
20
から選択される少なくとも1つが、
HOCH

CH

S-基、
H(OCH

CH



O-基(nは、1~100の整数を示す。)、
4-ピリジノチオ基、又は
1-メチル-4-ピリジノチオ基である。
Aは、下記式(A1)で表される構造を有する環、式(A2)で表される構造を有する環、式(A3)で表される構造を有する環、式(A4)で表される構造を有する環、又は式(A5)で表される構造を有する環であり、
Bは、下記式(B1)で表される構造を有する環、式(B2)で表される構造を有する環、式(B3)で表される構造を有する環、式(B4)で表される構造を有する環、又は式(B5)で表される構造を有する環であり、
Cは、下記式(C1)で表される構造を有する環、式(C2)で表される構造を有する環、式(C3)で表される構造を有する環、式(C4)で表される構造を有する環、又は式(C5)で表される構造を有する環であり、
Dは、下記式(D1)で表される構造を有する環、式(D2)で表される構造を有する環、式(D3)で表される構造を有する環、式(D4)で表される構造を有する環、又は式(D5)で表される構造を有する環である。
ここで、波線は、結合部位を示す。)で表される化合物又はその塩を有効成分とする、抗菌剤又は抗藻剤。
JPEG
2025141956000054.jpg
173
153
続きを表示(約 6,300 文字)【請求項2】
前記一般式(I)で表される化合物が、次の式(II)又は式(III)で表される化合物である、請求項1に記載の抗菌剤又は抗藻剤。
JPEG
2025141956000055.jpg
69
82
(式中、Mは、2個の水素原子、Zn、Ni、Gd、Pd、Pt、Si、又はAlであり、


~R

は、それぞれ独立に、フッ素原子、HOCH

CH

S-基、H(OCH

CH



O-基(nは、1~100の整数を示す。)、4-ピリジノチオ基、又は1-メチル-4-ピリジノチオ基であり、かつR

~R

から選択される少なくとも1つが、HOCH

CH

S-基、H(OCH

CH



O-基(nは、1~100の整数を示す。)、4-ピリジノチオ基、又は1-メチル-4-ピリジノチオ基である。)
JPEG
2025141956000056.jpg
68
82
(式中、Mは、2個の水素原子、Zn、Ni、Gd、Pd、Pt、Si、又はAlであり、


~R

は、それぞれ独立に、フッ素原子、HOCH

CH

S-基、H(OCH

CH



O-基(nは、1~100の整数を示す。)、4-ピリジノチオ基、又は1-メチル-4-ピリジノチオ基であり、かつR

~R

から選択される少なくとも1つが、HOCH

CH

S-基、H(OCH

CH



O-基(nは、1~100の整数を示す。)、4-ピリジノチオ基、又は1-メチル-4-ピリジノチオ基である。)
【請求項3】
前記Mが、2個の水素原子、Zn、Ni、Gd又はPdである、請求項1又は2に記載の抗菌剤又は抗藻剤。
【請求項4】
前記R

~R

から選択される少なくとも2つが同一の基であり、かつ、その同一の基がHOCH

CH

S-基、H(OCH

CH



O-基(nは、1~100の整数を示す。)、4-ピリジノチオ基、又は1-メチル-4-ピリジノチオ基である、請求項2又は3に記載の抗菌剤又は抗藻剤。
【請求項5】
前記式(I)で表される化合物が、
(I-1)5,10,15,20-テトラキス(4-(2-ヒドロキシエチルチオ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)ポルフィリネート 亜鉛(II)、
(I-2)5,10,15,20-テトラキス(4-(2-ヒドロキシエチルチオ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)ポルフィリネート ニッケル(II)、
(I-3)5,10,15,20-テトラキス(4-(2-ヒドロキシエチルチオ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)ポルフィリネート パラジウム(II)、
(I-4)5,10,15,20-テトラキス(4-(2-ヒドロキシエチルチオ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)ポルフィリネート ガドリニウム(III)、
(I-5)5,10,15,20-テトラキス(4-(2-ヒドロキシエチルチオ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-2,3-(メタノ(N-メチル)-イミノメタノ)クロリン、
(I-6)5,10,15,20-テトラキス(4-(2-ヒドロキシエチルチオ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-2,3-(メタノ(N-メチル)-イミノメタノ)クロリネート パラジウム(II)、
(I-7)5,10,15,20-テトラキス(4-(2-ヒドロキシエチルチオ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-2,3-(メタノ(N-メチル)-イミノメタノ)クロリネート ガドリニウム(III)、
(I-8)5,10,15,20-テトラキス(4-(2-アセチルエチルチオ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)ポルフィリネート 亜鉛(II)
(I-9)5,10,15,20-テトラキス(4-(2-アセチルエチルチオ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-2,3-(メタノ(N-メチル)-イミノメタノ)クロリネート 亜鉛(II)、
(I-10)5,10,15,20-テトラキス(4-(2-ヒドロキシエチルチオ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-2,3-(メタノ(N-メチル)-イミノメタノ)クロリネート 亜鉛(II)、
(I-11)5-(4-(4-ピリジノチオ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-10,15,20-トリス(ペンタフルオロフェニル)ポルフィリン、
(I-12)5,15-ビス(4-(4-ピリジノチオ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-10,20-ビス(ペンタフルオロフェニル)ポルフィリン、
(I-13)5,10-ビス(4-(4-ピリジノチオ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-15,20-ビス(ペンタフルオロフェニル)ポルフィリン、
(I-14)5,10,15-トリス(4-(4-ピリジノチオ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-20-(ペンタフルオロフェニル)ポルフィリン、
(I-15)5,10,15,20-テトラキス(4-(4-ピリジノチオ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)ポルフィリン、
(I-16)5-(4-(4-ピリジノチオ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-10,15,20-トリス(ペンタフルオロフェニル)ポルフィリネート 亜鉛(II)、
(I-17)5,15-ビス(4-(4-ピリジノチオ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-10,20-ビス(ペンタフルオロフェニル)ポルフィリネート 亜鉛(II)、
(I-18)5,10,15,20-テトラキス-(4-(4-ピリジノチオ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)ポルフィリネート 亜鉛(II)、
(I-19)5-(4-(4-ピリジノチオ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-10,15,20-トリス(ペンタフルオロフェニル)ポルフィリネート ニッケル(II)、
(I-20)5,15-ビス(4-(4-ピリジノチオ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-10,20-ビス(ペンタフルオロフェニル)ポルフィリネート ニッケル(II)、
(I-21)5,10-ビス(4-(4-ピリジノチオ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-15,20-ビス(ペンタフルオロフェニル)ポルフィリネート ニッケル(II)、
(I-22)5,10,15-トリス(4-(4-ピリジノチオ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-20-(ペンタフルオロフェニル)ポルフィリネート ニッケル(II)、
(I-23)5,10,15,20-テトラキス(4-(4-ピリジノチオ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)ポルフィリネート ニッケル(II)、
(I-24)5-(4-(1-メチル-4-ピリジノチオ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-10,15,20-トリス(ペンタフルオロフェニル)ポルフィリン、
(I-25)5-(4-(1-メチル-4-ピリジノチオ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-10,15,20-トリス(ペンタフルオロフェニル)ポルフィリネート ニッケル(II)、
(I-26)5-(4-(ポリエチレングリコール400)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-10,15,20-トリス(ペンタフルオロフェニル)ポルフィリン、
(I-27)5-(4-(ポリエチレングリコール1000)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-10,15,20-トリス(ペンタフルオロフェニル)ポルフィリン、
(I-28)5-(4-(ポリエチレングリコール4000)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-10,15,20-トリス(ペンタフルオロフェニル)ポルフィリン
(I-29)5-(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-10,15,20-トリス(ペンタフルオロフェニル)ポルフィリン、
(I-30)5,15-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-10,20-ビス(ペンタフルオロフェニル)ポルフィリン、
(I-31)5,10-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-15,20-ビス(ペンタフルオロフェニル)ポルフィリン、
(I-32)5,10,15-トリス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-20-(ペンタフルオロフェニル)ポルフィリン、
(I-33)5,10,15,20-テトラキス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)ポルフィリン、
(I-34)5,10,15,20-テトラキス(4-(2-ヒドロキシエチルチオ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)ポルフィリン、
(I-35)5,10,15,20-テトラキス(4-(4-ピリジノチオ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-2,3-(メタノ(N-メチル)-イミノメタノ)クロリン、
(I-36)5,10-ビス(4-(4-ピリジノチオ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-15,20-ビス(ペンタフルオロフェニル) ポルフィリネート 亜鉛(II)、又は
(I-37)5,10,15-トリス(4-(4-ピリジノチオ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-20-(ペンタフルオロフェニル) ポルフィリネート 亜鉛(II)
である、請求項1に記載の抗菌剤又は抗藻剤。
【請求項6】
一般式(IV):
JPEG
2025141956000057.jpg
68
82
(式中、
Mは、2個の水素原子、Zn、Ni、Gd、Pd、Pt、Si又はAlである。


~X
20
は、それぞれ独立に、
フッ素原子、H(OCH

CH



O-基(nは、2~100の整数を示す。)、4-ピリジノチオ基、又は1-メチル-4-ピリジノチオ基であり、かつ、


~X
20
から選択される少なくとも1つが、H(OCH

CH



O-基(nは、2~100の整数を示す。)、4-ピリジノチオ基、又は1-メチル-4-ピリジノチオ基である。
Aは、下記式(A1)で表される構造を有する環、式(A2)で表される構造を有する環、式(A3)で表される構造を有する環、式(A4)で表される構造を有する環、又は式(A5)で表される構造を有する環であり、
Bは、下記式(B1)で表される構造を有する環、式(B2)で表される構造を有する環、式(B3)で表される構造を有する環、式(B4)で表される構造を有する環、又は式(B5)で表される構造を有する環であり、
Cは、下記式(C1)で表される構造を有する環、式(C2)で表される構造を有する環、式(C3)で表される構造を有する環、式(C4)で表される構造を有する環、又は式(C5)で表される構造を有する環であり、
Dは、下記式(D1)で表される構造を有する環、式(D2)で表される構造を有する環、式(D3)で表される構造を有する環、式(D4)で表される構造を有する環、又は式(D5)で表される構造を有する環である。
ここで、波線は、結合部位を示す。)で表される化合物又はその塩。
JPEG
2025141956000058.jpg
173
153
【請求項7】
前記一般式(IV)で表される化合物が、次の式(V)又は式(VI)で表される化合物である、請求項6に記載の化合物又はその塩。
JPEG
2025141956000059.jpg
71
82
(式中、Mは、2個の水素原子、Zn、Ni、Gd、Pd、Pt、Si又はAlであり、


~R

は、それぞれ独立にフッ素原子、H(OCH

CH



O-基(nは、2~100の整数を示す。)、4-ピリジノチオ基、又は1-メチル-4-ピリジノチオ基であり、かつ、R

~R

から選択される少なくとも1つが、H(OCH

CH



O-基(nは、2~100の整数を示す。)、4-ピリジノチオ基、又は1-メチル-4-ピリジノチオ基である。)
JPEG
2025141956000060.jpg
70
82
(式中、Mは、2個の水素原子、Zn、Ni、Gd、Pd、Pt、Si又はAlであり、


~R

は、それぞれ独立にフッ素原子、H(OCH

CH



O-基(nは、2~100の整数を示す。)、4-ピリジノチオ基、又は1-メチル-4-ピリジノチオ基であり、かつ、R

~R

から選択される少なくとも1つが、H(OCH

CH



O-基(nは、2~100の整数を示す。)、2-ヒドロキシエチルチオ基、4-ピリジノチオ基、又は1-メチル-4-ピリジノチオ基である。)
【請求項8】
前記Mが、2個の水素原子、Zn、Ni、Gd又はPdである、請求項6又は7に記載の化合物又はその塩。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は抗菌剤又は抗藻剤や、抗菌又は抗藻作用を有する化合物に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
現在、コロナ禍で家にいる時間が増える中、香りや動物(ペット)に癒しを求める「セラピー」が流行っている。その中でもペットは爆発的ブームとなっており2020年の販売額は前年度比8.2%増の約2,800億円と大幅に上昇し(非特許文献1参照)、世界中では2028年までの間に5.0%以上の成長率が予測されている。ペットの中でも、飼育の費用も手間もかかりにくい熱帯魚やメダカ、金魚などのアクアペットは、アフターコロナにおいても堅調な伸びが期待され、今後飼育したいペットランキングにおいても犬・猫に続き3・5・6位と上位を占めている。またアクアペットは、高齢者の認知症予防にも有効であると言われている。しかしアクアペットは、原則毎週水替えの必要があり、高齢者への普及は困難である。
【0003】
アクアペットの水槽の水換え頻度を減らす商品として、銀や硝酸菌入りのコケ防止剤溶液や、これらを担持した軽石の投入が行われている。しかし、これらは商品の原液のにおいが非常に臭いものや、原液が沈殿し均一な溶液を添加するのが難しいほか、生分解しないなどの問題がある。
【0004】
ところで、植物などに含まれるポルフィリンは、自身に毒性がなく、少量では肥料となるほか、生分解性に富むことが知られている。さらに、このポルフィリン化合物は、光線力学療法(PDT)を用いた悪性腫瘍の治療やポジトロン断層撮影法(PET)のトレーサーに使用されている。本発明者らは、これまでフッ素ポルフィリンやフッ素クロリンポルフィリンの誘導体について研究を進め、様々なポルフィリン誘導体化合物やその化合物の合成方法、光殺傷効果等を開示してきた(特許文献1、2、非特許文献2~5参照)。
【0005】
また、ポルフィリン化合物に関して、金属ポルフィリンの中心にアンチモンを導入した錯体を用いて、屋外の噴水におけるレジオネラ菌の殺菌効果が開示されている(非特許文献6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2015-30671号公報
国際公開第2008/102669号パンフレット
【非特許文献】
【0007】
経済産業省ホームページ、ペット産業の動向-コロナ禍でも堅調なペット関連産業-2022年3月11日 URL:www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/hitokoto_kako/20220311hitokoto.html
S.Hirohara, et.al., J. Photochem. Photobiol. B, Biol. 2009, 97, 22-33.
S.Hirohara, et.al J. Med. Chem. 2015, 58, 8658-8670.
M. Obata et al., J. Photochem. Photobiol. B, Biol., 2016, 162, 324-331.
廣原 志保ら 日レ医誌(JJSLMS)第44巻第1号(2023)
保田 昌秀 宮崎国際大学教育学部紀要『教育科学論集』第7号(2020)1-9頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のようにアクアペットの飼育者が増えてきている中で、アクアリウム水槽の水替え頻度を減らして高齢者でも気軽に飼育できるように、アクアペット用抗菌剤の開発が求められている。しかしながら、既存の抗菌剤は効果が短いことや、生分解しない物質が用いられていることがある。そこで、本開示の課題は、長期的な光抗菌又は抗藻能を維持できる化合物を提供することや、その化合物を含む抗菌又は抗藻剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討したなかで、これまでのポルフィリン化学の知見をもとに、光安定が高いフッ素ポルフィリンやフッ素クロリン及びその担持体の開発を取り組んだ。そのなかで、5,10,15,20-テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ポルフィリン(TFPP)や5,10,15,20-テトラキス(ペンタフルオロフェニル)-2,3-(メタノ(N-メチル)-イミノメタノ)クロリン誘導体(TFPC)のフェニルにHOCH

CH

S-基、4-ピリジノチオ基、又は1-メチル-4-ピリジノチオ基が結合した化合物は抗菌又は抗藻能を有し、かつ光安定性を有することを見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕一般式(I):
JPEG
2025141956000001.jpg
69
82
(式中、
Mは、2個の水素原子、Zn、Ni、Gd、Pd、Pt、Si又はAlである。


~X
20
は、それぞれ独立に、
フッ素原子、
HOCH

CH

S-基、
H(OCH

CH



O-基(nは、1~100の整数を示す。)、
4-ピリジノチオ基、又は
1-メチル-4-ピリジノチオ基であり、かつ、


~X
20
から選択される少なくとも1つが、
HOCH

CH

S-基、
H(OCH

CH



O-基(nは、1~100の整数を示す。)、
4-ピリジノチオ基、又は
1-メチル-4-ピリジノチオ基である。
Aは、下記式(A1)で表される構造を有する環、式(A2)で表される構造を有する環、式(A3)で表される構造を有する環、式(A4)で表される構造を有する環、又は式(A5)で表される構造を有する環であり、
Bは、下記式(B1)で表される構造を有する環、式(B2)で表される構造を有する環、式(B3)で表される構造を有する環、式(B4)で表される構造を有する環、又は式(B5)で表される構造を有する環であり、
Cは、下記式(C1)で表される構造を有する環、式(C2)で表される構造を有する環、式(C3)で表される構造を有する環、式(C4)で表される構造を有する環、又は式(C5)で表される構造を有する環であり、
Dは、下記式(D1)で表される構造を有する環、式(D2)で表される構造を有する環、式(D3)で表される構造を有する環、式(D4)で表される構造を有する環、又は式(D5)で表される構造を有する環である。
ここで、波線は、結合部位を示す。)で表される化合物又はその塩を有効成分とする、抗菌剤又は抗藻剤。
JPEG
2025141956000002.jpg
173
153
〔2〕前記一般式(I)で表される化合物が、次の式(II)又は式(III)で表される化合物である、上記〔1〕に記載の抗菌剤又は抗藻剤。
JPEG
2025141956000003.jpg
69
82
(式中、Mは、2個の水素原子、Zn、Ni、Gd、Pd、Pt、Si、又はAlであり、


~R

は、それぞれ独立に、フッ素原子、HOCH

CH

S-基、H(OCH

CH



O-基(nは、1~100の整数を示す。)、4-ピリジノチオ基、又は1-メチル-4-ピリジノチオ基であり、かつR

~R

から選択される少なくとも1つが、HOCH

CH

S-基、H(OCH

CH
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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