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公開番号2025142315
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-30
出願番号2025126957,2024002258
出願日2025-07-30,2019-03-13
発明の名称無アルカリガラス
出願人AGC株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C03C 3/091 20060101AFI20250919BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】 本発明は、ガラス基板の変形を抑制でき、かつ、成型性に優れ、製造設備への負担が低いガラスの提供を目的とする。
【解決手段】 熱膨張係数、ヤング率、歪点、粘度が104dPa・sとなる温度T4、ガラス表面失透温度、及び粘度が102dPa・sとなる温度T2が所定の範囲内であり、SiO2、Al2O3、B2O3、MgO、CaO、SrO、及びBaOの含有量、MgO+CaO+SrO+BaO、並びにMgO/CaOが所定の範囲内である、無アルカリガラス。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
SiO

を主成分としてAl



及びB



を含有する無アルカリガラスであって、
酸化物基準のモル%表示で
SiO

を62~67%、
Al



を12.5~15%、
MgOを9~13%、
CaOを6~12%、
SrOを0.5~2.5%、
BaOを0~0.5%含有し、
MgO+CaO+SrO+BaOが18~22%であり、
MgO/CaOが0.8以上であり、
歪点が685~725℃であり、
50~350℃での平均熱膨張係数が30×10
-7
~43×10
-7
/℃であり、
粘度が10

dPa・sとなる温度T

が1680℃以下であり、
粘度が10

dPa・sとなるときの温度T

が1290℃以下であり、
ガラス表面失透温度(T

)がT

+20℃以下であり、
下記式(II)で表される値が1.0以上であることを特徴とする無アルカリガラス。
(-1.02[Al



]+10.79[B



]+2.84[MgO]+4.12[CaO]+5.19[SrO]+3.16[BaO])/[SiO

]・・・式(II)
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
比弾性率が34MN・m/kg以上である、請求項1に記載の無アルカリガラス。
【請求項3】
密度が2.60g/cm

以下である、請求項1または2に記載の無アルカリガラス。
【請求項4】
ガラス表面失透粘度(η

)が10
3.8
dPa・s以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の無アルカリガラス。
【請求項5】
ガラス転移点が730~790℃である、請求項1~4のいずれか1項に記載の無アルカリガラス。
【請求項6】
下記式(I)で表される値が4.60以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の無アルカリガラス。
(7.87[Al



]-8.5[B



]+11.35[MgO]+7.09[CaO]+5.52[SrO]-1.45[BaO])/[SiO

]・・・式(I)
【請求項7】
前記式(II)で表される値が1.17以上である、請求項1~6のいずれか1項に記載の無アルカリガラス。
【請求項8】
下記式(III)で表される値が4.09~4.8である、請求項1~7のいずれか1項に記載の無アルカリガラス。
(8.9[Al



]+4.26[B



]+11.3[MgO]+4.54[CaO]+0.1[SrO]-9.98[BaO])×{1+([MgO]/[CaO]-1)

}/[SiO

] ・・・式(III)
【請求項9】
酸化物基準のモル%表示で、SnO

を0.5%以下含有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の無アルカリガラス。
【請求項10】
β-OH値が0.05~0.5mm
-1
である、請求項1~9のいずれか1項に記載の無アルカリガラス。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、各種ディスプレイ用、フォトマスク用、電子デバイス支持用、情報記録媒体用、平面型アンテナ用などのガラス基板として好適な無アルカリガラスに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
各種ディスプレイ用、フォトマスク用、電子デバイス支持用、情報記録媒体用、平面型アンテナ用のガラス板(ガラス基板)、特に表面に金属または酸化物等の薄膜を形成されるガラス板に用いるガラスでは、以下の(1)~(4)などの特性が要求される。
(1)ガラスがアルカリ金属酸化物を含有する場合、アルカリ金属イオンが上記薄膜中に拡散して薄膜の膜特性を劣化させるので、ガラスが実質的にアルカリ金属イオンを含まないこと。
(2)薄膜形成工程でガラス板が高温にさらされる際に、ガラス板の変形およびガラスの構造安定化に伴う収縮(熱収縮)を最小限に抑えうるように、歪点が高いこと。
【0003】
(3)半導体形成に用いる各種薬品に対して充分な化学耐久性を有すること。特にSiO

やSiN

のエッチングに用いるバッファードフッ酸(BHF:フッ酸とフッ化アンモニウムの混合液)、ITOのエッチングに用いる塩酸を含有する薬液、金属電極のエッチングに用いる各種の酸(硝酸、硫酸等)、および、レジスト剥離液のアルカリ等に対して耐久性のあること。
(4)内部および表面に欠点(泡、脈理、インクルージョン、ピット、キズ等)がないこと。
【0004】
上記の要求に加えて、近年、更に、以下の(5)~(9)の要求もされている。
(5)ディスプレイの軽量化が要求されるので、比重の小さいガラスが望まれる。
(6)ディスプレイの軽量化が要求されるので、ガラス板の薄板化が望まれる。
(7)これまでのアモルファスシリコン(a-Si)タイプの液晶ディスプレイに加え、熱処理温度の高い多結晶シリコン(p-Si)タイプの液晶ディスプレイが作製されるようになってきた(a-Siの熱処理温度:約350℃、p-Siの熱処理温度:350~550℃)ので、耐熱性が求められる。
【0005】
(8)液晶ディスプレイの作製の際の熱処理の昇降温速度を速くして生産性を上げたり、耐熱衝撃性を上げたりする目的で、平均熱膨張係数の小さいガラスが求められる。一方で、ガラスの平均熱膨張係数が小さすぎる場合、液晶ディスプレイ作製の際のゲート金属膜やゲート絶縁膜などの各種成膜工程が多くなると、ガラスの反りが大きくなってしまい、液晶ディスプレイの搬送時に割れや傷が生じるなどの不具合が起き、露光パターンのずれが大きくなってしまうなどの問題がある。
(9)また、ガラス基板の大型化・薄板化に伴い、比弾性率(ヤング率/密度)が高いガラスが求められている。
【0006】
上記のような要求を満たす目的で、これまで、例えば、液晶ディスプレイパネル用ガラスでは、様々なガラス組成が提案されている(特許文献1~4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
日本国特許第5702888号明細書
国際公開第2013/183626号
日本国特許第5849965号明細書
日本国特許第5712922号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年、電子ディスプレイの更なる高解像度化が進んでおり、大型テレビにおいては高精細化に伴い、例えばCu配線の膜厚が上がるなどして、各種の成膜による基板の反りが大きくなりやすくなっている。そこで、反りが少ない基板へのニーズが高まっており、これに応えるためにはガラスのヤング率を高くする必要がある。
しかし、特許文献3、4に記載されるような公知のヤング率の高いガラスは歪点が高く、粘度が10

dPa・sとなる温度T

に比べて失透温度が高い傾向にある。その結果、ガラスの成型が難しくなり、製造設備への負荷が大きくなるので、生産コストの増加が懸念される。
【0009】
本発明は、ガラス基板の反りなどの変形を抑制でき、かつ、成型性に優れ、製造設備への負担が低いガラスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成する本発明の無アルカリガラスは、50~350℃での平均熱膨張係数が30×10
-7
~43×10
-7
/℃、ヤング率が88GPa以上、歪点が650~725℃、粘度が10

dPa・sとなる温度T

が1290℃以下、ガラス表面失透温度(T

)がT

+20℃以下、粘度が10

dPa・sとなる温度T

が1680℃以下であり、
酸化物基準のモル%表示で
SiO

を62~67%、
Al



を12.5~16.5%、




を0~3%、
MgOを8~13%、
CaOを6~12%、
SrOを0.5~4%、
BaOを0~0.5%含有し、
MgO+CaO+SrO+BaOが18~22%、MgO/CaOが0.8~1.33である。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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