TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025144443
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-02
出願番号2024044212
出願日2024-03-19
発明の名称造形用のステンレス鋼粉末および造形体
出願人山陽特殊製鋼株式会社
代理人個人,個人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20250925BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】耐食性が高くかつ凝固割れが生じにくい積層造形に好適なステンレス鋼粉末及び積層造形体の提供。
【解決手段】
質量%でCr:16.0~18.0%、Ni:12.0~15.0%、C:0.03%以下、Si:1.0%以下、Mn:2.0%以下、Mo:2.0~3.0%、N:400~2000ppm及び残部がFe及び不可避的不純物であって、C+Si+Mn+N:2.0超~3.0%、Creq/Nieq:1.5未満、P+S:0.03%以下、 O:500ppm以下、P:0.045%以下、S:0.03%以下である積層造形用ステンレス鋼粉末。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
質量%で
Cr:16.0~18.0%、
Ni:12.0~15.0%、
C:0.03%以下、
Si:1.0%以下、
Mn:2.0%以下、
Mo:2.0~3.0%、
N:400~2000ppm
及び残部がFe及び不可避的不純物であって、
C+Si+Mn+N:2.0%超~3.0%、
Cr
eq
/Ni
eq
:1.5未満、
P+S:0.03%以下、
O:500ppm以下、
P:0.045%以下、
S:0.03%以下、
である積層造形用ステンレス鋼粉末。
ただし、Cr
eq
及びNi
eq
は、それぞれ、下記数式の各成分にその質量%の値を代入して求める。
Cr
eq
=Cr+1.4Mo+1.5Si
Ni
eq
=Ni+0.3Mn+22C+14N
続きを表示(約 690 文字)【請求項2】
体積%で累積50%の粉末の粒子径(D
50
):15~100μm、
タップ密度(TD):3.0~6.0Mg/m
3


50
とTDの比(D
50
/TD):2.5~20.0
を満足する請求項1に記載の積層造形用ステンレス鋼粉末。
【請求項3】
質量%で
Cr:16.0~18.0%、
Ni:12.0~15.0%、
C:0.03%以下、
Si:1.0%以下、
Mn:2.0%以下、
Mo:2.0~3.0%、
N:400~2000ppm
及び残部がFe及び不可避的不純物であって、
C+Si+Mn+N:2.0%超~3.0%、
Cr
eq
/Ni
eq
:1.5未満、
P+S:0.03%以下、
O:500ppm以下、
P:0.045%以下、
S:0.03%以下、
であるステンレス鋼からなる造形体。
ただし、Cr
eq
及びNi
eq
は、それぞれ、下記数式の各成分にその質量%の値を代入して求める。
Cr
eq
=Cr+1.4Mo+1.5Si
Ni
eq
=Ni+0.3Mn+22C+14N
【請求項4】
請求項1または2のステンレス鋼粉末を用いて、三次元積層造形によって造形体を得る造形体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元積層造形法、溶射法、レーザーコーティング法、肉盛法等の、急速溶融急冷凝固プロセスを伴う造形法に用いられる金属粉末に関し、特にその材質がステンレス鋼である積層造形に好適な粉末と、急速溶融急速凝固プロセスを用いた造形体に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
高耐食性を特徴としたステンレス鋼として、JIS(日本産業規格)G 4303で定められたステンレス鋼棒のSUS316Lがある。溶製材を固溶化処理して用いられるSUS316Lは、耐食性の高いステンレス鋼であることが知られている。
【0003】
そこで、近年、SUS316Lなどのステンレス鋼において、急速溶融急速凝固プロセスの1つとして、積層造形法(3Dプリンター、三次元積層法、Additive Manufacturing、付加製造法などとも呼ばれる)による造形物の製作が行われている。積層造形法では、敷き詰められた金属粉末に、レーザービーム又は電子ビームが照射される。照射により、粉末の金属粒子が溶融する。粒子はその後、凝固する。この溶融と凝固とにより、粒子同士が結合する。照射は、金属粉末の一部に、選択的になされる。粉末の、照射がなされなかった部分は、溶融しない。照射がなされた部分のみにおいて、結合層が形成される。
【0004】
結合層の上に、さらに金属粉末が敷き詰められる。この金属粉末に、レーザービーム又は電子ビームが照射される。照射により、金属粒子が溶融する。金属はその後、凝固する。この急速溶融と急速凝固によって粉末中の粒子同士が結合され、新たな結合層が形成される。新たな結合層は、既存の結合層とも結合される。
【0005】
照射による結合が繰り返されることにより、結合層の集合体が徐々に成長する。この成長により、三次元形状を有する造形物が得られる。かかる積層造形法により、複雑な形状の造形物が容易に得られる。急速溶融急速凝固プロセスである積層造形法の一例が特許文献1に開示されている。
【0006】
また、Feを主成分とし、質量%で、Cr:10.5%以上20.0%以下、Ni:1.0%以上15.0%以下、C+Si+Mn+N:2.0%以下、Mo+Cu+Nb:5.0%以下を含み、かつ下記数式(3)及び(4)を満たす造形用ステンレス鋼が提案されている(特許文献2参照。)。
Cr
eq
/ Ni
eq
≧1.5 ・・・(3)
P+S≦0.03・・・(4)
このステンレス鋼は、PおよびSの含有率を規制することで、急速溶融急冷凝固プロセスを伴う造形法において、凝固割れしにくいことを志向したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第4661842号公報
特開2022-23045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
もっとも、SUS316L鋼の成分を用いて積層造形を行うと、塩水や海水などの使用環境において、耐食性が悪いことが課題となっている。特開文献2に開示されたステンレス鋼も、耐食性は低い。
【0009】
また、積層造形で作製されるステンレス鋼の造形体では、作製後に特段熱処理を行わず、急冷凝固ままの状態で使用される場合もある。そのため、上記のステンレス鋼を積層造形で製造する場合、耐凝固割れ性と高耐食性の両方を維持することが困難であった。
【0010】
そこで、積層造形においては耐食性が良くかつ凝固割れが生じにくいステンレス鋼粉末が求められている。それのみならず、溶射法、レーザーコーティング法、肉盛法等の、急速溶融急冷凝固プロセスを伴う他の造形法でも、耐食性が良くかつ凝固割れが生じにくいステンレス鋼粉末が求められている。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

山陽特殊製鋼株式会社
高耐食性Ni基合金
16日前
山陽特殊製鋼株式会社
肌焼鋼及び肌焼鋼の製造方法
16日前
山陽特殊製鋼株式会社
造形用のステンレス鋼粉末および造形体
3日前
山陽特殊製鋼株式会社
CoFeB合金スパッタリングターゲット
27日前
山陽特殊製鋼株式会社
熱間工具鋼粉末およびこれを用いた積層造形体
6日前
山陽特殊製鋼株式会社
簡易矯正解析モデルを用いた矯正加工の解析方法
25日前
山陽特殊製鋼株式会社
耐食性に優れた工具鋼
10日前
山陽特殊製鋼株式会社
棒状鋼材及びその製造方法
10日前
個人
銅鉄合金の製造
2か月前
株式会社プロテリアル
焼結体
7か月前
個人
高強度せん断補強筋用の鋼材
5か月前
宏幸株式会社
金属回収方法
5か月前
株式会社神戸製鋼所
鋼材
5か月前
株式会社クボタ
比重分離装置
6か月前
株式会社クボタ
比重分離装置
6か月前
株式会社クボタ
比重分離装置
6か月前
国立大学法人東北大学
高耐食銅合金
8か月前
株式会社神戸製鋼所
銅合金板
1か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
4か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
5か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
2か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
6か月前
日本製鉄株式会社
線材
3か月前
日本製鉄株式会社
鋼線
3か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
1か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
5か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
5か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
1か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
1か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
1か月前
大同特殊鋼株式会社
鋼材及び金型
2か月前
日本製鉄株式会社
ボルト
6日前
大同メタル工業株式会社
摺動材料
2か月前
国立大学法人東北大学
腐食環境用銅合金
8か月前
日本製鉄株式会社
ボルト
1か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
7か月前
続きを見る