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公開番号
2025146698
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-03
出願番号
2025026113
出願日
2025-02-20
発明の名称
乳酸溶液の製造方法、乳酸誘導体の製造方法、乳酸溶液の製造システム、及び炭素系吸着剤組成物
出願人
株式会社豊田中央研究所
代理人
弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類
C12P
7/56 20060101AFI20250926BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】副生成物の発生を抑制し、低い環境負荷で乳酸溶液を製造することができる乳酸溶液の製造方法が提供される。
【解決手段】乳酸発酵により生産された乳酸と、炭素系吸着剤及び/又は炭素系吸着剤組成物とを接触させて、前記炭素系吸着剤及び/又は炭素系吸着剤組成物に前記乳酸を吸着させることと、前記乳酸を吸着させた吸着後吸着剤と、アルコールを含む溶媒とを接触させて、前記溶媒に前記乳酸を抽出することと、を含む、乳酸溶液の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
乳酸発酵により生産された乳酸と、炭素系吸着剤及び/又は炭素系吸着剤組成物とを接触させて、前記炭素系吸着剤及び/又は前記炭素系吸着剤組成物に前記乳酸を吸着させた吸着後吸着剤を得ることと、
前記吸着後吸着剤と、アルコールを含む溶媒とを接触させて、前記溶媒に前記乳酸を抽出することと、
を含む、乳酸溶液の製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記抽出することの実施後の抽出後吸着剤を、前記吸着させること及び前記抽出させることに、繰り返して使用する、請求項1に記載の乳酸溶液の製造方法。
【請求項3】
前記炭素系吸着剤組成物及び前記抽出後吸着剤が、前記炭素系吸着剤と、前記炭素系吸着剤に固定化された前記乳酸とを含み、
前記炭素系吸着剤に固定化された前記乳酸の含有量が、前記炭素系吸着剤100質量%に対し、1質量%~15質量%である、請求項2に記載の乳酸溶液の製造方法。
【請求項4】
前記抽出することの実施後の前記抽出後吸着剤を、前記吸着させることに再度使用する前に、乾燥処理を行わない、又は、前記抽出後吸着剤に乾燥処理を行うことを更に含み、
前記乾燥処理の温度が、120℃以下である、請求項3に記載の乳酸溶液の製造方法。
【請求項5】
前記アルコールの大気圧での沸点が、100℃以下である、請求項4に記載の乳酸溶液の製造方法。
【請求項6】
乳酸発酵により前記乳酸を生産することを更に含み、
前記乳酸発酵には、真菌類が用いられる、請求項5に記載の乳酸溶液の製造方法。
【請求項7】
前記乳酸発酵に用いられる中和剤の使用量が、0.20mol/L以下である、請求項6に記載の乳酸溶液の製造方法。
【請求項8】
前記乳酸発酵には、前記炭素系吸着剤及び/又は炭素系吸着剤組成物を含む培地が用いられる、請求項6に記載の乳酸溶液の製造方法。
【請求項9】
請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の乳酸溶液の製造方法によって、乳酸溶液を作製することと、
前記乳酸溶液を用いて、乳酸誘導体を合成することと、
を含む、乳酸誘導体の製造方法。
【請求項10】
容器と、
前記容器に充填された炭素系吸着剤及び/又は炭素系吸着剤組成物と、
を備え、
前記容器が、第1処理及び第2処理の実施が可能な構成であり、
前記第1処理が、乳酸発酵により生産された乳酸と、前記炭素系吸着剤及び/又は炭素系吸着剤組成物とを接触させて、前記炭素系吸着剤及び/又は炭素系吸着剤組成物に前記乳酸を吸着させて吸着後吸着剤を得ることを示し、
前記第2処理が、前記吸着後吸着剤と、アルコールを含む溶媒とを接触させて、前記溶媒に前記乳酸を抽出することを示す、乳酸溶液の製造システム。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、乳酸溶液の製造方法、乳酸誘導体の製造方法、乳酸溶液の製造システム、及び炭素系吸着剤組成物に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
乳酸は、食品添加物として食品(例えば、清酒、清涼飲料、漬物、醤油、パン、又はビールなど)の製造に使用されるだけでなく、工業製品(例えば、皮革、繊維、プラスチック、医薬品又は農薬など)の製造に使用されている。乳酸誘導体である乳酸エステル(例えば、乳酸エチル又は乳酸ブチルなど)は、安全性の高い溶剤や洗浄剤として、その用途が広がっている。特に、医薬、又は農薬の原料として乳酸エステルが利用される場合には、高い光学活性を持つ高純度の乳酸から製造した乳酸エステルが必要とされる。高い光学活性を持つ高純度の乳酸は、発酵によって生産されている。その他の乳酸誘導体として、乳酸の脱水反応により得られるアクリル酸がある。アクリル酸は、高吸水性樹脂、分散剤、凝集剤、増粘剤、又は粘接着剤等の原料として用いられる。
【0003】
乳酸は、水溶媒中での発酵法により製造することができる。発酵が進行すると乳酸の増加により溶液のpHが低くなり、発酵障害(例えば、微生物の機能低下)が起こる。そのため、中和剤(例えば、炭酸カルシウム、又はアンモニア等)の添加により溶液を中和しながら発酵させること(以下、「中和発酵」ともいう)が行われている。しかしながら、中和発酵では、乳酸が乳酸塩の形態で得られるため、脱塩工程及び乳酸分離・抽出工程が必要となる(非特許文献1~2、特許文献1~3)。
【0004】
一方、真菌類(例えば、酵母、又はカビ等)は耐酸性が高い。そのため、これらを用いて発酵することで、非中和でも乳酸を製造することができる。遺伝子組換え酵母での発酵で得られた乳酸水溶液に予備的精製を実施し、予備的精製の実施後の乳酸水溶液をII型強塩基性イオン交換樹脂に接触させて、II型強塩基性イオン交換樹脂に乳酸を吸着させた後、乳酸を鉱酸水溶液に抽出させる方法(特許文献4参照)が知られている。遺伝子組換え酵母での発酵で得られた乳酸水溶液を炭化物材料に接触させて、炭化物材料に乳酸を吸着させた後、アセトンに抽出させる方法(特許文献5参照)が知られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
木村良晴、“石油に依存しない高分子、ポリ乳酸をつくる”、高分子、Vol.64、No.5(2015)、pp.278-282.
Fukushima, K., et al., “Production of D-Lactic Acid by Bacterial Fermentation of Rice Starch”, Macromolecular Bioscience, Vol.4, No.11(2004), pp.1021-1027.
木村道臣、“乳酸の常識”、 日本釀造協會雜誌、Vol.74、No.3(1979)、pp.145-147.
【特許文献】
【0006】
特開2013-43860号公報
特開平6-311886号公報
特開平7-155191号公報
特開2014-39505号公報
特開2010-000025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
中和発酵では、乳酸が乳酸塩の形態で得られる。そのため、乳酸塩のmol量と等しいmol量の酸を乳酸塩に加える等によって、乳酸塩から乳酸を遊離させる必要がある。最も一般的な炭酸カルシウムで中和する方法では、乳酸カルシウムに硫酸を加え、乳酸を遊離させる(非特許文献1~2、特許文献1)。副生成物として乳酸取得質量の約75質量%の硫酸カルシウム(石膏)が発生することが問題である。
【0008】
硫酸カルシウムが発生しない方法として、特許文献2又は特許文献3に開示の方法がある。特許文献2は、アンモニアで中和した後、濃縮し、炭素数が4又は5のアルコールでエステル化することでアンモニアを脱離し、蒸留・濃縮した後、乳酸エステルを鉱酸存在下のもと、加水分解し、乳酸を得る方法を開示している。特許文献2に開示の方法では、100℃以上の加熱を伴う工程が多い。そのため、消費エネルギーが多大であることが問題である。特許文献3は、アンモニアで中和した後、電気透析あるいはイオン交換樹脂により乳酸を精製する方法を開示している。特許文献3に開示の方法では、電気透析は精製装置や運転コストが高く、イオン交換樹脂は使用後に再生処理が必要であり、処理コストや再生薬剤による環境汚染が懸念される。
【0009】
耐酸性が高い真菌類の一種である酵母を用いた非中和発酵において、特許文献4では、得られた乳酸をイオン交換樹脂で吸着させた後、鉱酸水溶液で抽出する。前述の通りイオン交換樹脂は、使用後に再生処理が必要である。加えて、抽出液中に鉱酸塩や抽出効率を上げるための水溶性有機薬剤等が多く含まれており、乳酸を分離する工程が必要である。特許文献5では、得られた乳酸を炭化物材料に吸着させた後、アセトンで抽出する。抽出後の炭化物材料を再利用する際、200℃、1時間の加熱処理を行う。そのため、抽出しきれなかった乳酸が気化し、消失することが問題である。さらには、アセトンで抽出した乳酸をエステル化等に用いる場合、乳酸誘導体の合成反応を阻害しないようにアセトンを完全に除去する必要がある。乳酸は蒸気圧が低く、熱変性や自己縮合しやすい。そのため、蒸留が困難である(非特許文献3)。そのため、濃縮によりアセトンを除去することになる。乳酸濃度が90%を越えると、自己縮合によるポリマー化が進行し(非特許文献3)、乳酸モノマーに戻すことが困難となる。そのため、アセトンを完全に除去するためには、90%まで濃縮した後、別の溶媒を添加し、再度90%まで濃縮する工程を繰り返さなければならない。その結果、労力やエネルギーを要する。
【0010】
従来技術や上記先行技術文献に共通する問題として、濃縮にエネルギーを要する点が挙げられる。詳しくは、乳酸誘導体(例えば、乳酸エステル又はアクリル酸など)を合成する場合、溶媒置換のため、乳酸溶液を高濃度(例えば、乳酸濃度:90質量%)に濃縮する必要がある。乳酸誘導体を合成する場合、溶媒はアルコールを含むことが好ましい。特に乳酸エステルを合成する場合は、溶媒はアルコールを含むことが必須である。乳酸発酵は水溶媒中で行われる。加えて、先行技術文献では、乳酸を分離・抽出した後の溶媒は、水又は、アルコール以外の有機溶媒である。そのため、乳酸溶液を高濃度(例えば、乳酸濃度:90質量%)に濃縮した後、アルコールを加える必要がある。特にアルコール以外の有機溶媒(例えば、アセトン等)は、乳酸誘導体の合成時に反応を阻害する恐れがある。そのため、アルコール以外の有機溶媒を乳酸溶液から完全に除去する必要がある。その結果、手間やエネルギーを要する。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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