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公開番号2025152153
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-09
出願番号2024053914
出願日2024-03-28
発明の名称被覆金属材の試験方法
出願人マツダ株式会社
代理人弁理士法人前田特許事務所
主分類G01N 27/00 20060101AFI20251002BHJP(測定;試験)
要約【課題】大型構造物や複雑構造物等に含まれる被覆金属材を試験対象とする場合であっても、試験の十分な信頼性を担保する。
【解決手段】被覆金属材1の試験方法は、金属製基材2に表面処理膜4の表面に含水材料を接触状態で表面処理膜の表面と金属製基材との間に通電し、両者間に生じる電流値、電圧値又は抵抗値が急激に変化した後の抵抗値Aを取得するA工程と、金属製基材と同一の材料からなる基材部に表面処理膜と同一の材料からなる膜部が設けられてなる試験片について、膜部の表面に含水材料を接触させた状態で膜部の表面と基材部との間に通電し、両者間に生じる電流値、電圧値又は抵抗値が急激に変化した後の両者間の抵抗値Bを取得するB工程と、抵抗値Aと、抵抗値Bと、に基づいて、A工程で使用した通電回路に含まれる表面処理膜以外の要素の抵抗値Cを算出するC工程と、を備え、評価工程で、抵抗値Cを考慮して、被覆金属材の物理特性を評価する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
金属製基材に表面処理膜が設けられてなる被覆金属材の物理特性を評価する評価工程を備えた被覆金属材の試験方法であって、
前記表面処理膜の表面に含水材料を接触させた状態で該表面処理膜の表面と前記金属製基材との間に通電し、両者間に生じる電流値、電圧値又は抵抗値が急激に変化した後の両者間の抵抗値Aを取得するA工程と、
前記金属製基材と同一の材料からなる基材部に前記表面処理膜と同一の材料からなる膜部が設けられてなる試験片について、該膜部の表面に含水材料を接触させた状態で該膜部の表面と該基材部との間に通電し、両者間に生じる電流値、電圧値又は抵抗値が急激に変化した後の両者間の抵抗値Bを取得するB工程と、
前記抵抗値Aと、前記抵抗値Bと、に基づいて、前記A工程で使用した通電回路に含まれる前記表面処理膜以外の要素の抵抗値Cを算出するC工程と、を備え、
前記評価工程で、前記抵抗値Cを考慮して、前記被覆金属材の前記物理特性を評価する
ことを特徴とする被覆金属材の試験方法。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
請求項1において、
前記A工程及び前B工程の少なくとも一方で、前記電流値、電圧値又は抵抗値が急激に変化するとは、該電流値、電圧値又は抵抗値の経時変化の波形における変化率の絶対値が所定値以上となることを意味する
ことを特徴とする被覆金属材の試験方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、
前記A工程及び前記B工程の少なくとも一方で、前記表面処理膜及び/又は前記膜部の表面と前記金属製基材との間に漸増する電圧を印加することにより両者間に生じる電流値が急激に増加した後に、前記表面処理膜及び/又は前記膜部の表面と前記金属製基材との間に漸増する電圧を印加することにより両者間に生じる電流値が閾値に到達したときの印加電圧値を求め、該印加電圧値に基づいて前記抵抗値A及び/又は前記抵抗値Bを求める
ことを特徴とする被覆金属材の試験方法。
【請求項4】
請求項1又は請求項2において、
前記A工程及び前記B工程の少なくとも一方は、
前記表面処理膜及び/又は前記膜部の表面と前記金属製基材との間に漸増する電圧を印加する1回目の通電を行う工程と、
前記1回目の通電を行った後に、前記表面処理膜及び/又は前記膜部の表面と前記金属製基材との間に漸増する電圧を印加する2回目の通電を行う工程と、を備え、
前記1回目の通電において、前記表面処理膜及び/又は前記膜部の表面と前記金属製基材との間に生じる電流値は第1時刻から増加して第2時刻に第1閾値に到達するものであり、
前記1回目の通電における前記電流値の経時変化の波形における変化率である第1閾値/(第2時刻-第1時刻)は所定値以上であり、
前記2回目の通電において、前記表面処理膜及び/又は前記膜部の表面と前記金属製基材との間に生じる電流値が第2閾値に到達したときの印加電圧値を求め、該印加電圧値に基づいて前記抵抗値A及び/又は前記抵抗値Bを求める
ことを特徴とする被覆金属材の試験方法。
【請求項5】
請求項1又は請求項2において、
前記評価工程は、前記表面処理膜の表面に含水材料を接触させた状態で該表面処理膜の表面と前記金属製基材との間に漸増する電圧を印加することにより両者間に生じる電流値が急激に増加したときの電圧値に基づいて、前記物理特性としての前記被覆金属材の耐食性を評価するものであり、
前記評価工程で、前記電圧値を、前記抵抗値Cに基づき補正して、前記耐食性の評価に供する
ことを特徴とする被覆金属材の試験方法。
【請求項6】
請求項1又は請求項2において、
前記評価工程は、前記表面処理膜の表面に含水材料を接触させた状態で該表面処理膜の表面と前記金属製基材との間に電圧及び/又は電流を印加することにより両者間に生じる電流及び/又は電圧の経時変化に基づいて、前記物理特性としての前記表面処理膜の膜質及び/又は欠陥発生状況を評価するものであり、
前記評価工程で、前記電流及び/又は電圧の経時変化を、前記抵抗値Cに基づき補正して、前記膜質及び/又は欠陥発生状況の評価に供する
ことを特徴とする被覆金属材の試験方法。
【請求項7】
請求項1又は請求項2において、
前記被覆金属材は、前記表面処理膜を貫通して前記金属製基材に達する傷又は前記表面処理膜の膨れを備え、
前記評価工程は、前記表面処理膜の表面における前記傷又は前記膨れが形成された個所に含水材料を接触させた状態で該表面処理膜の表面と前記金属製基材との間に直流の定電圧を印加することにより両者間に生じる電流値に基づいて、前記物理特性としての前記傷の大きさ又は前記膨れの大きさを評価するものであり、
前記評価工程で、前記電流値を、前記抵抗値Cに基づき補正して、前記傷の大きさ又は前記膨れの大きさの評価に供する
ことを特徴とする被覆金属材の試験方法。
【請求項8】
請求項1又は請求項2において、
前記金属製基材は、表面に形成された化成皮膜を備えており、
前記表面処理膜は、前記化成皮膜を介して前記金属製基材の表面に設けられている
ことを特徴とする被覆金属材の試験方法。
【請求項9】
請求項1又は請求項2において、
前記表面処理膜は、樹脂系塗料を用いて形成された電着塗膜である
ことを特徴とする被覆金属材の試験方法。
【請求項10】
請求項1又は請求項2において、
前記金属製基材は、自動車部材用鋼板である
ことを特徴とする被覆金属材の試験方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、被覆金属材の試験方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、塗膜性能を評価する手法として複合サイクル試験、塩水噴霧試験等の腐食促進試験が行われている。しかし、かかる腐食促進試験においては、評価に数ヶ月を要するため、例えば塗装鋼板の構成材料や焼付条件の異なる塗膜の状態を簡便に評価し、塗装条件の最適化等を迅速に行うことが困難である。従って、材料開発、塗装工場の工程管理、車両防錆に係る品質管理の場において、塗装鋼板の耐食性を迅速且つ簡便に評価する定量評価法の確立が望まれている。
【0003】
これに対し、被覆金属材の耐食性試験及びその関連試験として、電気化学的手法を用いた各種試験方法が報告されている(例えば特許文献1~5参照)。
【0004】
特許文献1には、被覆金属材の塗膜表面側に電解質材料を介して電極を配置し、被覆金属材の基材と塗膜表面との間に電圧を印加し、塗膜が絶縁破壊するときの電圧値に基づいて、被覆金属材の耐食性を評価することが記載されている。
【0005】
特許文献2には、金属製基材に表面処理膜が設けられてなる被覆金属材の耐食性試験方法であって、前記表面処理膜の表面に腐食因子を接触させた状態で該表面処理膜の表面と前記金属製基材との間に電圧及び/又は電流を印加することにより両者の間に生じる電流及び/又は電圧の経時的変化を測定する通電工程と、前記経時的変化の波形に基づいて、前記表面処理膜の欠陥発生状況を評価する評価工程と、を備えた方法が記載されている。
【0006】
特許文献3には、金属製基材に表面処理膜が設けられてなる被覆金属材の耐食性試験方法であって、前記表面処理膜の表面に腐食因子を接触させた状態で該表面処理膜の表面と前記金属製基材との間に電圧及び/又は電流を印加することにより両者の間に生じる電流及び/又は電圧の経時的変化を測定する通電工程と、前記経時的変化において、前記電流及び/又は電圧の値が所定値を超えたときの該経時的変化の傾き、所定時間範囲内における前記電流及び/又は電圧の値の積算値、及び、該積算値の時間平均値の少なくともいずれかに基づいて、前記表面処理膜の膜質を評価する評価工程と、を備えた方法が記載されている。
【0007】
特許文献4には、金属製基材に表面処理膜が設けられてなる被覆金属材に形成された前記表面処理膜を貫通して前記金属製基材に達する傷の大きさを計測する方法であって、前記傷に接触する含水材料と該含水材料に接触する電極とを配置するとともに、該電極及び前記金属製基材間を外部回路で電気的に接続するステップと、前記外部回路によって、前記電極及び前記金属製基材をそれぞれカソード及びアノードとして、両者間に定電圧を印加し、両者間に流れる電流値を検出するステップと、検出した前記電流値と、予め試験的に求めておいた電流値と前記傷の大きさとの相関関係と、に基づいて、前記傷の大きさを算出するステップと、を備えた方法が記載されている。
【0008】
特許文献5には、金属製基材に表面処理膜が設けられてなる被覆金属材に形成された前記表面処理膜の膨れの大きさを計測する方法であって、前記膨れに接触する含水材料と該含水材料に接触する電極とを配置するとともに、該電極及び前記金属製基材間を外部回路で電気的に接続するステップと、前記外部回路によって、前記電極及び前記金属製基材をそれぞれカソード及びアノードとして、両者間に定電圧を印加し、両者間に流れる電流値を計測するステップと、計測した前記電流値と、予め試験的に求めておいた電流値と前記膨れの大きさとの相関関係と、に基づいて、前記膨れの大きさを算出するステップと、を備えた方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2016-050915号公報
特開2023-053787号公報
特開2023-053790号公報
特開2022-001857号公報
特開2022-001858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、大型構造物や複雑構造物等に含まれる被覆金属材を試験対象として前記のような電気化学的手法を用いた各種試験を行う場合、通電回路上に存在する表面処理膜以外の要素に起因する抵抗値が実質的に無視できないほど大きくなる場合がある。そうすると、目的とする物理特性を評価するための数値等が当該抵抗値の影響を受けたものとなり、試験精度の低下、延いては試験の信頼性の低下に繋がるおそれがある。
(【0011】以降は省略されています)

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