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公開番号
2025157431
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-15
出願番号
2025120770,2021564063
出願日
2025-07-17,2020-12-11
発明の名称
細胞外プリン受容体リガンドを検出するシステムおよび当該システムを導入した非ヒト動物
出願人
中外製薬株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
A01K
67/0278 20240101AFI20251007BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約
【課題】低侵襲的かつ経時的、全身的に細胞外プリン受容体リガンドを検出することが可能な評価系を提供する。
【解決手段】細胞外に存在するプリン受容体リガンドを検出するための第1の融合タンパク質および第2の融合タンパク質を発現する遺伝子改変非ヒト動物であって、前記第1の融合タンパク質がプリン受容体リガンドと結合する膜タンパク質と第1のレポータータンパク質を含み、前記第2の融合タンパク質が前記リガンドの結合した前記膜タンパク質と結合するタンパク質と第2のレポータータンパク質を含む、遺伝子改変非ヒト動物、ならびのその細胞を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
細胞外に存在するプリン受容体リガンドを検出するための第1の融合タンパク質および第2の融合タンパク質を発現する遺伝子改変非ヒト動物であって、
前記第1の融合タンパク質がプリン受容体リガンドと結合する膜タンパク質と第1のレポータータンパク質を含み、
前記第2の融合タンパク質が前記リガンドの結合した前記膜タンパク質と結合するタンパク質と第2のレポータータンパク質を含む、遺伝子改変非ヒト動物。
続きを表示(約 630 文字)
【請求項2】
第1のレポータータンパク質と第2のレポータータンパク質が、スプリットレポータータンパク質の各サブユニットである、請求項1に記載の遺伝子改変非ヒト動物。
【請求項3】
前記スプリットレポータータンパク質がスプリットルシフェラーゼである、請求項2に記載の遺伝子改変非ヒト動物。
【請求項4】
前記膜タンパク質がGタンパク質共役受容体(GPCR)またはその部分である、請求項1~3のいずれか一項に記載の遺伝子改変非ヒト動物。
【請求項5】
前記GPCRがP2受容体である、請求項4に記載の遺伝子改変非ヒト動物。
【請求項6】
前記P2受容体がP2Y受容体である、請求項5に記載の遺伝子改変非ヒト動物。
【請求項7】
前記P2Y受容体がP2Y11である、請求項6に記載の遺伝子改変非ヒト動物。
【請求項8】
前記プリン受容体リガンドがP2受容体リガンドである、請求項5~7のいずれか一項に記載の遺伝子改変非ヒト動物。
【請求項9】
前記P2受容体リガンドがAMP、ADP、ATP、UTP、UDP、UDPグルコースからなる群から選択される、請求項8に記載の遺伝子改変非ヒト動物。
【請求項10】
前記P2受容体リガンドがATPである、請求項8又は9に記載の遺伝子改変非ヒト動物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリン受容体リガンドをリガンドとする受容体タンパク質のシグナル伝達を利用した細胞外プリン受容体リガンドを検出するシステム、および当該システムを導入した遺伝子改変非ヒト動物に関する。また細胞外プリン受容体リガンドを検出するシステムを導入した遺伝子改変非ヒト動物を用いた疾患の病態のモニタリングおよび化合物の評価方法等に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
プリン受容体(purinergic receptor)はアデノシンならびにATPなどヌクレオチド類をリガンドとする一群の細胞表面受容体である。プリン受容体は免疫異常をはじめ様々な疾患と関与していることが報告されており、プリン受容体を標的とするプリン受容体阻害薬やプリン受容体作動薬などの開発も進められている。プリン受容体リガンドとして、ATPやアデノシンをはじめそれらの代謝産物を含むヌクレオチドが知られており、これらのプリン受容体リガンドとプリン受容体によるシグナル伝達経路は神経伝達、筋肉収縮、痛覚、味覚、炎症反応など、多様な生理現象にかかわることが報告されている。
【0003】
ATPやアデノシンをはじめとするプリン受容体リガンドは生体におけるシグナル伝達物質として機能することから生体内における産生や分解などの挙動の検証や濃度測定等が試みられている。その一例として、細胞死に伴い細胞内の大量のATPが細胞外に漏出することが知られており、炎症過程における重要な危険信号としての役割を果たしていることが報告されている。また癌組織においても癌細胞が細胞死すると細胞内の大量のATPが細胞外に漏出するため、癌組織におけるATP濃度は正常組織と比べて高いことが報告されている(非特許文献1,3,4)。
【0004】
生体中の細胞外プリン受容体リガンドを含む生体内物質を測定する手法として、Microdialysis法が挙げられる。この手法は、組織から回収した組織液あるいは細胞外液を、HPLC等を用いて分析する。測定対象がATPである場合は、HPLC等による分析手法以外にもルシフェリン-ルシフェラーゼアッセイにより測定する手法も利用することができる。しかしながら、上記の手法を用いた場合であっても、検出・測定されたプリン受容体リガンドが細胞内由来なのか、細胞外由来なのかを明確に区別することは困難であり、またリアルタイムに生体内のプリン受容体リガンド濃度を測定することはできない。さらに、Microdialysis法においては、組織へ針を挿入して組織液を回収するが、この際に刺入部位の細胞死や組織の壊死が起こることある。そのような場合には、測定手技によるアーティファクトが測定結果に影響する課題がある。測定物質がATPの場合には、細胞死や細胞の炎症反応に伴い分泌されることが知られており、本手法による測定にはより適さない。特許文献2には、ATP合成酵素のεサブユニットのアミノ末端側およびカルボキシ末端側に、蛍光共鳴エネルギー移動におけるドナー及びアクセプターとなりうる2種類の蛍光タンパク質をそれぞれ結合させてなる融合タンパク質を発現する非ヒト哺乳動物を用いて、生体内のATP分布と変動を観察する手法が報告されている。しかしながら、本手法では細胞内のATPに焦点を当てており、細胞外ATPを評価することはできない。
【0005】
また、生体における細胞外ATPを測定する試みとして、ルシフェラーゼを細胞外に発現させた遺伝子改変細胞を用いる手法が報告されている(非特許文献1,2、特許文献1)。前記手法では、前記遺伝子改変細胞が、細胞外ATP濃度が高い環境下に曝された場合にルシフェリン-ルシフェラーゼ反応によりシグナルを発光し、このシグナルを検出することによって生体における細胞外ATPを測定する手法である。しかしながら、本手法においては、当該細胞を生体内に移入する必要があるが、生体内に移入された細胞を全身にくまなく分布させることは困難であり、ATPがいつ細胞外に放出されるかが不明な場合には、当該細胞をいつ移入させれば良いかの判断が困難であるといった課題が残されている。また、移入した細胞が宿主免疫系により排除されてしまう場合には使用できないという課題もある。さらに、上記のルシフェリン-ルシフェラーゼ反応では、測定できるのはATPのみであり、その他のプリン受容体リガンドを測定することはできない。
【0006】
ATPに限らずプリン受容体リガンドは細胞外のシグナル伝達物質として種々の疾患との関連が報告されているものの、どのような疾患で、どのようなタイミングで、どのような細胞外プリン受容体リガンドが、どのように機能するかという点に関しては不明な点が多い。そのため、生体および病態における細胞外プリン受容体リガンドの機能を評価するために、低侵襲的かつ経時的、全身的に細胞外プリン受容体リガンドを検出することが可能な評価系が必要であるが、そのような評価系は未だ存在していなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
WO2006/126231
WO2015/108102
【非特許文献】
【0008】
Patrizia et.al.(2008)PLoS One.3,e2599
Francesco Di Virgilio et.al.(2016)Methods Mol Biol.1417,115-29
Idzko M et.al.(2007)Nat Med.Aug;13(8):913-9
Lommatzsch M et.al.(2010)Am J Respir Crit Care Med.May 1;181(9):928-34
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記のような状況に鑑みてなされたものであり、低侵襲的かつ経時的、全身的に細胞外プリン受容体リガンドを検出することが可能な評価系を提供することを目的とする。より具体的には、本発明は、細胞外プリン受容体リガンドを検出・評価するためのレポータータンパク質を全身的に発現する遺伝子改変非ヒト動物を提供すること、また細胞外プリン受容体リガンドを検出する評価システムを構築することを目的とする。さらに、本発明は、前記遺伝子改変非ヒト動物およびレポータータンパク質を用いた細胞外プリン受容体リガンドを検出する評価システムを用いて、種々の疾患の検出や種々の疾患の病態のモニタリング、およびそれらの疾患の治療薬のスクリーニング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、プリン受容体であるP2Y受容体(P2Y purinergic receptor)と細胞内でそれに結合するβアレスチン(β-Arestin)にスプリットルシフェラーゼ(Split Luciferase)の各サブユニットタンパク質をそれぞれ融合し、それらを全身で発現する遺伝子改変マウスを作製し、細胞外ATPを検出できることを見出した。すなわち、本遺伝子改変によれば、細胞外ATPがP2Y受容体と結合すると、細胞内でP2Y受容体とβアレスチンが結合してそれぞれに融合されたサブユニットタンパク質が適切に会合してルシフェラーゼが再構築・生成される。ルシフェラーゼは適切な基質の存在下にて発光シグナルを発現することができ、このシグナルを検出することによって細胞外ATPを検出することができる。また、前記遺伝子改変マウスより単離した細胞を用いてATPの測定を行うと、検出される発光シグナル強度は濃度依存的で定量的にATP濃度を測定できることが確認された。これにより、in vitroでのATP濃度測定やスクリーニングなどへも応用が可能である。さらには、本遺伝子改変マウスの生体における細胞外ATPの検出を検討したところ、その発光シグナルは濃度依存的に検出することができ、非侵襲的に全身の細胞外ATPを経時的に検出することができることを見出した。
(【0011】以降は省略されています)
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