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公開番号
2025028006
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-28
出願番号
2024134596
出願日
2024-08-09
発明の名称
細胞を操作する方法、細胞操作用の組成物および細胞増殖抑制薬
出願人
国立大学法人 宮崎大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12N
5/09 20100101AFI20250220BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】腫瘍の良性と悪性にかかわらず増殖を制御しうる共通のシグナル経路、代謝経路を制御することで、人為的に悪性髄膜腫に細胞老化、石灰化をもたらし増殖を停止させることのできる新たな化学療法としての、細胞を操作する方法、細胞操作用の組成物および細胞増殖抑制薬を提供する。
【解決手段】細胞内のBMPを阻害し、または、GREM2の活性を増加させて、前記細胞の石灰化を促進する、細胞を操作する方法、細胞操作用の組成物および細胞増殖抑制薬である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
細胞内のBMPを阻害し、または、GREM2の活性を増加させて、前記細胞の石灰化を促進する、細胞を操作する方法。
続きを表示(約 350 文字)
【請求項2】
前記細胞にBMPシグナル伝達経路の阻害薬を投与する、請求項1に記載の細胞を操作する方法。
【請求項3】
前記細胞にセロトニンまたはセロトニン受容体を発現させ、かつ、NADH/NAD+を減少させる、請求項1または2に記載の細胞を操作する方法。
【請求項4】
前記細胞にGREM2を発現させる遺伝子を導入する、請求項1に記載の細胞を操作する方法。
【請求項5】
BMP阻害剤、またはGREM2の発現を増加させる成分を含み、細胞の石灰化を促進する、細胞操作用の組成物。
【請求項6】
請求項5の細胞操作用の組成物を含む、細胞増殖抑制薬。
【請求項7】
髄膜腫の治療用である、請求項6に記載の細胞増殖抑制薬。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に髄膜腫などの腫瘍細胞の細胞石灰化を促し、細胞増殖を抑制し治療に応用する方法および細胞増殖抑制薬に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
脳に見られる腫瘍のうち、髄膜腫は最も多い脳腫瘍で、中枢神経系腫瘍のおよそ3分の1を占めている。髄膜腫は硬膜に強固に接着したくも膜細胞から発生し、25%~50%の症例で周囲の骨に影響を与え、hyperostosisやballooningなどの骨変化を引き起こす。一方で、髄膜腫はほとんどが良性脳腫瘍であり、特に、腫瘍内に石灰化の見られる髄膜腫は腫瘍が拡大せず、増殖が遅いことが判明している。
一方で、腫瘍内に石灰化が見られない髄膜腫は悪性であり、治療が難しい。悪性の非定型髄膜腫(AM)や退形成性髄膜腫(AnM)については、頻繁に再発し、5年生存率はAMで67.5%、AnMで55.6%である。これらは頭蓋底や周囲血管を巻き込んでいる髄膜腫である場合や、脳内に浸潤するような髄膜腫である場合があり、その場合、腫瘍の全摘出が不可能である。また、不完全な切除や放射線治療を行うことは、5年無増悪生存率を有意に低下させる。そのため、これらの治療法には限界があり、特に再発を繰り返す症例では、腫瘍の悪性転化が見られ、外科的治療以外の化学的な治療法などの補助療法を必要とする。
【0003】
髄膜腫の化学的な治療技術としては、例えば特許文献1では、髄膜腫の治療用の医薬組成物として、WT1発現細胞に対して細胞傷害性を発揮する物質、又はWT1発現細胞に対する細胞傷害性を誘導する活性を有する物質を有効成分として含有する髄膜腫治療用医薬組成物を開示している。WT1発現細胞に対して細胞傷害性を発揮する物質は、例えば「WT1発現細胞特異的細胞傷害活性を有する細胞」及び「WT1発現細胞を特異的に認識する抗体」からなる群より選択される物質である。WT1発現細胞に対する細胞傷害性を誘導する活性を有する物質は、例えば、「WT1」、「WT1由来ペプチド」、「WT1由来ペプチドを提示する細胞」、「WT1発現細胞を特異的に認識するレセプター」及び「WT1発現細胞を特異的に認識するレセプターをコードする核酸」からなる群より選択される物質である。
この技術は、各種の癌において高発現しているWT1遺伝子を標的とし、WT1発現細胞に障害細胞性を誘導し、これらの癌の治療薬として用いようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2013-116891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のように、腫瘍内に石灰化が見られない悪性の髄膜腫に対しては外科的な治療が難しい。従来の治療法では、手術と放射線治療しかなく、摘出困難例や放射線照射の効果がない症例では、次に選択できる治療法がなかった。
そのため、化学的な治療法が強く求められているが、遺伝子変異やメチル化の解析によって新たな髄膜腫の分類法が誕生しているものの、それら遺伝子変化による代謝の変化は同定されていないため化学療法の標的となる代謝経路や代謝産物が同定されていない。髄膜腫の腫瘍組織について、その成長を的確にコントロールできる化学療法は見つかっていない。
【0006】
特許文献1の技術では、WT1を発現する癌細胞に障害性を発揮することができるが、特に髄膜腫に有効で、髄膜腫の腫瘍細胞の成長を的確にコントロールできる技術は強く求められている。
【0007】
本発明者らは、良性の髄膜腫では石灰化が起こり、増殖が抑えられることに注目した。仮に髄膜腫の増殖と石灰化に関連する機序をコントロールすることができれば、良性の髄膜腫の悪性転化を防ぐことができ、また、悪性の髄膜腫の増殖の抑制や、良性の髄膜腫に近い状態に転化させることができる可能性がある。そこで本発明者らは、髄膜腫の良性と悪性にかかわらず増殖を制御しうる機序について、さらに研究を進めた。悪性、良性髄膜腫のシグナル伝達経路、代謝経路を探索し、細胞増殖にかかわる代謝経路について、研究を行っていった。
【0008】
本発明は上記のような事情を鑑みてなされたものであり、腫瘍の良性と悪性にかかわらず増殖を制御しうる共通のシグナル経路、代謝経路を制御することで、人為的に悪性髄膜腫に細胞老化、石灰化をもたらし増殖を停止させることのできる新たな化学療法としての、細胞を操作する方法、細胞操作用の組成物および細胞増殖抑制薬を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は以下の態様を有する。
本発明の第1の態様は、
細胞内のBMPを阻害し、または、GREM2の活性を増加させて、前記細胞の石灰化を促進する、細胞を操作する方法である。
【0010】
本発明の第2の態様は、
前記細胞にBMPシグナル伝達経路の阻害薬を投与する、第1の態様の細胞を操作する方法である。
(【0011】以降は省略されています)
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