TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025072192
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-09
出願番号2023182783
出願日2023-10-24
発明の名称水素センサ
出願人日本碍子株式会社,サンエツ金属株式会社,古河電気工業株式会社,株式会社ASABA,向陽シスコン株式会社,真空セラミックス株式会社,株式会社ナカヤマ
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G01N 27/406 20060101AFI20250430BHJP(測定;試験)
要約【課題】工業規模の銅等溶融物の水素濃度を測定可能な水素センサを実現する。
【解決手段】水素センサが、白金基準電極を内底面に備える有底管状の固体電解質製センサスリーブと、耐熱合金製中空部材であり、センサスリーブが内部に螺設されてなる第1部分に、第1部分よりも小径かつ長尺でセンサスリーブから連続する内空間を形成する第2部分が接続されてなる保護スリーブと、保護管に被覆された状態で内空間に挿入されてなり、Pt-Rh合金線とPt線のそれぞれの一方端の溶接部と基準電極との接触によりPt-Rh合金線およびPt線と基準電極とが接続してなるR熱電対と、銅等溶融物の共材からなり、第1部分の外周に付設されてなり、先端側が円錐状をなして螺おり、センサスリーブの端部を覆う保護キャップと、を備え、第1部分の内側に備わるテーパー部とセンサスリーブとの間に、アルミナ粉末とガラス粉末と無機接着剤とを充填するようにした。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
溶融状態にある銅または銅合金である銅等溶融物に含まれる水素の濃度を測定するためのセンサであって、
固体電解質からなり、一方端部が開口した有底管状をなし、白金からなる基準電極を他方端部側の内底面に備えるセンサスリーブと、
耐熱合金からなる中空の部材であり、
前記センサスリーブが内部において螺合してなる第1の部分と、
前記第1の部分と接続されてなり、前記第1の部分よりも小径かつ長尺な中空棒状をなし、前記第1の部分において螺合してなる前記センサスリーブの内側から連続する一の内空間を形成する第2の部分と、
を備える保護スリーブと、
Pt-Rh合金線とPt線のそれぞれの一方端が溶接されてなる溶接部を備え、前記溶接部を突出させつつ保護管に被覆された状態で前記内空間に挿入されてなり、前記溶接部と前記基準電極とが接触することで、前記Pt-Rh合金線および前記Pt線と前記基準電極とが電気的に接続してなるR熱電対と、
前記銅等溶融物の共材からなり、前記保護スリーブの前記第1の部分の外周に付設されてなり、先端側が円錐状をなしており、前記先端側が前記センサスリーブの前記他方端部の近傍を覆う保護キャップと、
を備え、
前記保護スリーブの前記第1の部分の内側が、前記第2の部分と反対側の端部に向かうほど開口径が大きくなるテーパー部を有してなり、
前記テーパー部と前記センサスリーブとの間に、前記センサスリーブと前記保護スリーブとの螺合部分から近い側から順に、アルミナ粉末と、ガラス粉末と、無機接着剤とが充填されてなり、
前記基準電極を前記内空間に導入した基準ガスと接触させつつ少なくとも前記センサスリーブの前記他方端部側を前記銅等溶融物に浸漬させた状態において、前記Pt線の他方端と前記保護スリーブとの間に生じる起電力に基づいて、前記銅等溶融物の水素濃度を測定する、
ことを特徴とする水素センサ。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
請求項1に記載の水素センサであって、
前記R熱電対の前記溶接部は、前記保護管が前記基準電極の備わる側に向けて押圧されることによって前記基準電極と接触してなり、
前記R熱電対の前記溶接部の曲率半径をrとし、前記センサスリーブの前記内底面の曲率半径Rとするときに、比r/Rが1/3~2/3である、
ことを特徴とする水素センサ。
【請求項3】
請求項2に記載の水素センサであって、
前記保護管の外周に付勢金具が固設されてなり、
前記保護スリーブの前記第2の部分の前記第1の部分と反対側に前記Pt-Rh合金線と前記Pt線とを外部と接続するための端子台が当接固定されてなり、
前記付勢金具と前記端子台との間において前記保護管にスプリングが環装されてなり、
前記スプリングは前記付勢金具と前記端子台によって挟まれることで圧縮を受けており、
前記スプリングの前記圧縮に対する反発力によって付勢されることにより、前記保護管が前記基準電極の備わる側に向けて押圧されてなる、
ことを特徴とする水素センサ。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の水素センサであって、
前記アルミナ粉末と前記ガラス粉末の体積比率が1:2~1:10である、
ことを特徴とする水素センサ。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の水素センサであって、
前記保護キャップにおいては、先端から前記センサスリーブの前記内底面における前記基準電極の形成範囲よりも所定距離離隔した位置までが、前記円錐状をなしており、
前記保護キャップの前記円錐状をなす部分の、前記センサスリーブの軸線方向に対する傾斜角度が、30°~45°である、
ことを特徴とする水素センサ。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の水素センサであって、
前記センサスリーブは、全長が100mm以下であり、内面深さが内径の10倍よりも短く、
前記保護スリーブの前記第2の部分の長さが600mm以上である、
ことを特徴とする水素センサ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、溶融した銅または銅合金中の水素濃度を測定するための水素センサに関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
銅(Cu)の素形材産業において、溶融した銅中の水素濃度を測定管理することは重要である。雰囲気中から溶解した水素が凝固時に放出され、凝固欠陥を形成してしまうことが知られている。
【0003】
溶融した銅または銅合金の水素濃度を測定する手段として、アルミナを固体電解質とした濃淡電池型水素センサが報告されている(例えば、非特許文献1および非特許文献2参照)。
【0004】
非特許文献1においては、アルミナをベースとしたプロトン(水素イオン)導電体では、酸素イオンは殆ど動くことができないため、簡便な構造の水素センサを構成できるとの言及がなされたうえで、一端封じのアルミナ管の内部に白金電極を設けて空気を送入し、外部は融体に直接触れさせて測定極とし起電力を測定することにより、直接浸漬型の電池型水素センサを構成できるとされている。
【0005】
また、このような水素センサにおいて、一端が開口した筒状のαアルミナ製のセンサスリーブの開口端側から該センサスリーブ内へリード線を内包した保護管を挿入し、保護管から突出させたリード線の先端を、センサスリーブの閉塞端側の内周面に弾性的に接触させる態様や、センサスリーブを溶融した銅中に浸漬する際の熱衝撃の緩和と溶融銅スラグの付着による汚染の防止とを目的として、センサスリーブの閉塞端の外側に、共材料(具体的には銅)にて作製した保護キャップを取り付けておく態様もすでに公知である(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。なお、この保護キャップ自体は、浸漬後には溶融した銅に溶解消失するため、センサ機能には支障を来たさない。
【0006】
また、特許文献1には、長尺のセンサスリーブが取り扱い時に破損するのを防ぐべく、先端部分を除くセンサスリーブの外周を金属(例えば耐熱ステンレス)製の外周保護スリーブにて囲繞する態様や、センサスリーブと外周保護スリーブとの間隙に、セラミックロープや無機接着剤およびガラス粉末を充填した層を作り、溶融した銅の浸入を封止する態様も、開示されている。ガラス粉末は、センサスリーブと外周保護スリーブとを溶融した銅に浸漬すると同時に軟化してガラス層を形成し、間隙から溶融した銅の浸入を封止する。
【0007】
特許文献1にはさらに、基準ガスとして空気が送入されるセンサスリーブの内面に白金ペースト等を焼結させて多孔質白金電極を形成し、これを基準電極とするとともに、センサスリーブ内にR熱電対(白金ロジウム(Pt-Rh):+側-白金(Pt):-側)を挿入し、係るR熱電対の白金線を基準極リード線として基準電極と接続させる一方で、導電性である耐熱ステンレス製の外周保護スリーブを測定電極として機能させる態様も、例示されている。
【0008】
また、以上のような構成の水素センサにおいて、空気に代えて酸化物混合粉末を標準極活物質とする態様も、すでに公知である(例えば、非特許文献3参照)。
【0009】
また、非特許文献1や非特許文献2において測定対象とされているのはCuやCu-Ni合金であるが、さらに、Cu-Fe、Cu-Si、Cu-Zr、Cu-Tiの各合金を対象とした測定や、Cu-Zn、Cu-Mgの各合金を対象とした測定についても、既に試みられている(例えば非特許文献4および非特許文献5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2014-160006号公報
特開2014-160005号公報
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

日本碍子株式会社
匣鉢
1か月前
日本碍子株式会社
水素センサ
5日前
日本碍子株式会社
ガスセンサ
1か月前
日本碍子株式会社
プロトン伝導性材料
12日前
日本碍子株式会社
プロトン伝導性材料
12日前
日本碍子株式会社
車両用空調システム
16日前
日本碍子株式会社
除湿機用吸湿デバイス及び除湿機
16日前
日本碍子株式会社
静電チャックおよびサセプタ
14日前
日本碍子株式会社
複合基板および複合基板の製造方法
20日前
個人
粒子分析装置
20日前
株式会社イシダ
計量装置
14日前
個人
アクセサリー型テスター
21日前
日本精機株式会社
アセンブリ
6日前
個人
準結晶の解析方法
6日前
株式会社豊田自動織機
自動走行体
5日前
株式会社ミツトヨ
画像測定機
22日前
栄進化学株式会社
浸透探傷用濃縮液
27日前
株式会社テイエルブイ
振動検出装置
20日前
ダイハツ工業株式会社
試料セル
20日前
トヨタ自動車株式会社
検査装置
14日前
大和製衡株式会社
計量装置
27日前
GEE株式会社
光学特性測定装置
5日前
日本特殊陶業株式会社
ガスセンサ
6日前
トヨタ自動車株式会社
電気自動車
21日前
理研計器株式会社
ガス検出器
22日前
東ソー株式会社
簡易型液体クロマトグラフ
16日前
大成建設株式会社
画像表示システム
1か月前
理研計器株式会社
ガス検出器
22日前
理研計器株式会社
ガス検出器
22日前
理研計器株式会社
ガス検出器
22日前
株式会社熊谷組
計測システム
27日前
株式会社TISM
センサ部材
5日前
理研計器株式会社
ガス検出器
22日前
大和製衡株式会社
表示システム
12日前
リバークル株式会社
荷重移動試験装置
14日前
株式会社ニコン
検出装置
20日前
続きを見る