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公開番号2025074874
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-14
出願番号2023185965
出願日2023-10-30
発明の名称ボールねじ装置
出願人日本精工株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類F16H 25/22 20060101AFI20250507BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】循環部品の脱落を抑制するボールねじ装置を提供する。
【解決手段】ボールねじ装置は、ナットとねじ軸とボールと循環部品とスリーブを備える。ナットには、ナットの内周面と外周面とを貫通する2つの脚部用孔が形成されている。循環部品は、脚部用孔に挿入された2つの脚部と、ナットの外周側に配置され、2つの脚部同士を接続する戻し路本体と、を有している。スリーブは、ねじ軸と平行な軸方向に延在する切り込みが設けられ、軸方向から視てC字状のスリーブ本体と、スリーブ本体の内周面から径方向内側に突出し、かつ互いに周方向に離隔した2つの突起と、を有している。切り込みの幅は、戻し路本体の幅よりも大きい。スリーブ本体は、内周面の一部であり戻し路本体と当接する当接面を有している。2つの突起は、当接面を挟んで周方向に離隔している。戻し路本体は、2つの突起の間に配置されている。
【選択図】図9
特許請求の範囲【請求項1】
内周面と外周面を有する筒状のナットと、
前記ナットを貫通するねじ軸と、
前記ナットと前記ねじ軸との間に配置された複数のボールと、
前記ナットに取り付けられた循環部品と、
前記ナットの外周面及び前記循環部品の外周側を覆うスリーブと、
を備え、
前記ナットには、前記ナットの内周面と前記外周面とを貫通する2つの脚部用孔が形成され、
前記循環部品は、
前記脚部用孔に挿入された2つの脚部と、
前記ナットの外周側に配置され、2つの前記脚部同士を接続する戻し路本体と、
を有し、
前記スリーブは、
前記ねじ軸と平行な軸方向に延在する切り込みが設けられ、前記軸方向から視てC字状のスリーブ本体と、
前記スリーブ本体の内周面から径方向内側に突出し、かつ互いに周方向に離隔した2つの突起と、
を有し、
前記切り込みの幅は、前記戻し路本体の幅よりも大きく、
前記スリーブ本体は、前記内周面の一部であり前記戻し路本体と当接する当接面を有し、
2つの前記突起は、前記当接面を挟んで周方向に離隔し、
前記戻し路本体は、2つの前記突起の間に配置されている
ボールねじ装置。
続きを表示(約 880 文字)【請求項2】
前記突起は、径方向内側の端部である先端部を有し、
前記先端部は、前記ナットの外周面から離隔している
請求項1に記載のボールねじ装置。
【請求項3】
2つの前記突起の間の距離は、前記戻し路本体の幅と同一である
請求項1に記載のボールねじ装置。
【請求項4】
2つの前記突起は、前記スリーブ本体の周方向の中央部に配置されている
請求項1に記載のボールねじ装置。
【請求項5】
前記スリーブ本体の外周面には、径方向内側に窪み、かつ前記軸方向に延在する少なくとも1つ以上の凹部が形成されている
請求項1に記載のボールねじ装置。
【請求項6】
前記スリーブ本体は、
前記スリーブ本体の周方向の中央部に配置され、内周側に前記当接面と2つの前記突起が設けられた中央壁と、
一対の前記突起のそれぞれから周方向外側に延在する一対の接続部と、
一対の前記接続部のそれぞれから周方向外側に延在する一対の挟持壁と、
を有し、
一対の前記接続部は、前記中央壁と一対の前記挟持壁よりも径方向内側に配置され、
前記凹部は、一対の前記接続部のそれぞれの径方向外側に設けられている
請求項5に記載のボールねじ装置。
【請求項7】
前記ナットの外周面は、
前記ねじ軸と平行な軸方向から視て、円弧状の円弧面と、
前記軸方向から視て、径方向に延びる仮想線に対し直交する平面と、
を有し、
前記平面には、前記2つの脚部用孔が設けられ、
前記戻し路本体及び2つの前記突起は、前記平面の径方向外側に配置されている
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のボールねじ装置。
【請求項8】
前記ナットの外周面には、前記軸方向の端部から径方向外側に突出するフランジが設けられている
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のボールねじ装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ボールねじ装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
ボールねじ装置は、回転運動を直線運動に変換したり、直線運動を回転運動に変換したりする装置である。ボールねじ装置は、ねじ軸と、ねじ軸に貫通されるナットと、複数のボールと、循環部品と、を備えている。複数のボールは、ねじ軸とナットの間の軌道を移動する。循環部品は、軌道の一端から他端に移動したボールを軌道の一端に戻す。また、循環部品は、ナットに組み付けられた場合、固定部品によりナットに固定される。
【0003】
固定部品の一例として、ナットの外周側を覆う円筒状のスリーブが挙げられる。特許文献1のスリーブは、軸方向に延在する切り込みを有し、軸方向から視てC字状となっている。このようなスリーブをナットに装着する場合、スリーブの径が大きくなるように変形させ、スリーブの内周側にナットを挿入する。その後、スリーブに加えた力を解除すると、スリーブが弾性変形(縮径)し、スリーブがナットに装着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平10-141465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献のスリーブは、ナットに対して回転可能に装着されている。また、スリーブの切り込みの幅が大きく設計される場合がある。このような場合、スリーブが回転し、スリーブの切り込みと循環部品が径方向に重なると、循環部品が脱落する可能性がある。
【0006】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであり、循環部品の脱落を抑制することができるボールねじ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本開示の一態様に係るボールねじ装置は、内周面と外周面を有する筒状のナットと、前記ナットを貫通するねじ軸と、前記ナットと前記ねじ軸との間に配置された複数のボールと、前記ナットに取り付けられた循環部品と、前記ナットの外周面及び前記循環部品の外周側を覆うスリーブと、を備えている。前記ナットには、前記ナットの内周面と前記外周面とを貫通する2つの脚部用孔が形成されている。前記循環部品は、前記脚部用孔に挿入された2つの脚部と、前記ナットの外周側に配置され、2つの前記脚部同士を接続する戻し路本体と、を有している。前記スリーブは、前記ねじ軸と平行な軸方向に延在する切り込みが設けられ、前記軸方向から視てC字状のスリーブ本体と、前記スリーブ本体の内周面から径方向内側に突出し、かつ互いに周方向に離隔した2つの突起と、を有している。前記切り込みの幅は、前記戻し路本体の幅よりも大きい。前記スリーブ本体は、前記内周面の一部であり前記戻し路本体と当接する当接面を有している。2つの前記突起は、前記当接面を挟んで周方向に離隔している。前記戻し路本体は、2つの前記突起の間に配置されている。
【0008】
切り込みの幅が戻し路本体の幅よりも大きいため、スリーブが回転し、切り込みと戻し路本体が径方向に重なると、切り込みから循環部が脱落する。若しくは、切り込みから戻し路本体が径方向外側に移動し、2つの脚部がスリーブに引っ掛かるが、脚部でボールを掬い上げることができず、スリーブの役割(循環部品の固定)を果たすことができない。しかし、本開示によれば、スリーブに周方向の荷重が作用しても2つの突起が戻し路本体に引っ掛かる。また、戻し路本体は、脚部が脚部用孔に挿入され、周方向への移動が規制されている。よって、スリーブが回転せず、循環部品の脱落が防止される。
【0009】
また、本開示の一態様に係るボールねじ装置の望ましい態様として、前記突起は、径方向内側の端部である先端部を有している。前記先端部は、前記ナットの外周面から離隔している。
【0010】
仮に突起の先端部がナットの外周面に当接するとした場合、製造誤差により突起が長く製造されると、スリーブが径方向外側に膨らむ。これにより、ナットが径方向外側に大型化し、他の部品との接触を招く。さらに、当接面が所定の位置よりも径方向外側に配置されてしまい、戻し路本体が当接面に当接しない。そして、循環部品が径方向にガタつき、軌道と循環部品との間でボールの受け渡しが円滑に行われない。一方、本開示によれば、製造誤差があっても、突起の先端部とナットの外周面との隙間により吸収される。よって、上記した課題が発生しない。
(【0011】以降は省略されています)

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