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公開番号
2025077591
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-19
出願番号
2023189899
出願日
2023-11-07
発明の名称
空間情報付与シート、空間分画装置、および画分断片回収方法
出願人
国立大学法人 香川大学
代理人
弁理士法人山内特許事務所
主分類
G01N
1/28 20060101AFI20250512BHJP(測定;試験)
要約
【課題】複数の画分断片を一括で回収しても分画前の組織切片における各画分断片の位置を特定できる空間情報付与シートを提供する。
【解決手段】空間情報付与シート1は、組織切片TSと重ね合わせた状態で組織切片TSとともに空間的に区画化されて切断されるシートである。空間情報付与シート1は、部分パターンから全体におけるその部分の位置を特定可能な空間情報パターンを有する。空間情報パターンはシート基材の内部にランダムに分散した複数のマイクロビーズで形成されたランダムドットパターンでもよい。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
組織切片と重ね合わせた状態で前記組織切片とともに空間的に区画化されて切断されるシートであって、
部分パターンから全体におけるその部分の位置を特定可能な空間情報パターンを有する
ことを特徴とする空間情報付与シート。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
透光性を有するシート基材と、
前記シート基材の内部にランダムに分散した複数のマイクロビーズと、を備え、
前記空間情報パターンは前記複数のマイクロビーズで形成されたランダムドットパターンである
ことを特徴とする請求項1記載の空間情報付与シート。
【請求項3】
前記マイクロビーズは蛍光マイクロビーズである
ことを特徴とする請求項2記載の空間情報付与シート。
【請求項4】
前記複数のマイクロビーズは複数色のマイクロビーズを含む
ことを特徴とする請求項2記載の空間情報付与シート。
【請求項5】
前記マイクロビーズの1区画あたりの平均個数は9.2個以上である
ことを特徴とする請求項2記載の空間情報付与シート。
【請求項6】
前記空間情報パターンはシート表面に付された凹凸パターンである
ことを特徴とする請求項1記載の空間情報付与シート。
【請求項7】
前記空間情報パターンは全体におけるその部分の位置を示す一次元コードまたは二次元コードの配列である
ことを特徴とする請求項1記載の空間情報付与シート。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の空間情報付与シートと、
空間的に区画化して切断する刃構造を有する微細構造刃と、
前記組織切片に前記空間情報付与シートを重ね合わせた積層体に前記微細構造刃を押圧する押圧器と、を備える
ことを特徴とする空間分画装置。
【請求項9】
請求項1~7のいずれかに記載の空間情報付与シートと前記組織切片とを重ね合わせて積層体を得る積層工程と、
前記積層体を空間的に区画化して切断する空間分画工程と、
前記積層体を切断して得られた複数の画分断片を一括で回収する回収工程と、
回収された前記複数の画分断片を個々に分離する分離工程と、
前記複数の画分断片のそれぞれについて、該画分断片が有する前記部分パターンから、該画分断片の前記組織切片における位置を特定する位置特定工程と、を備える
ことを特徴とする画分断片回収方法。
【請求項10】
前記積層工程において、前記積層体を接着剤で基板に貼り付け、
前記回収工程において、前記接着剤を溶解して前記基板から前記複数の画分断片を一括で回収する
ことを特徴とする請求項9記載の画分断片回収方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間情報付与シート、空間分画装置、および画分断片回収方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、組織切片に空間情報を付与するシート、組織切片を空間分画する装置、および組織切片を空間分画して断片を回収する方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
動植物に含まれる生体分子の情報を網羅的に解析するオミクス解析は、生命科学研究の主要なツールの一つになっている。オミクス解析技術は生体を細胞レベルで理解する基盤的な技術であることから、がん研究に代表されるヒトの疾患に関する研究に加えて、神経科学、発生科学、植物科学などの基礎生命科学に利用される。
【0003】
しかし、オミクス解析した細胞が、組織のどの位置にどのような形態で存在していたものか分からないという問題がある。組織は多様な細胞型および状態から構成されており、その空間的構成が相互作用および機能を支配する。しかし、組織からの細胞回収は空間情報の喪失を引き起こす。そこで、組織から採取した細胞のオミクス解析の結果にその細胞の空間情報を紐づけることが求められている。
【0004】
空間解析に適用可能な方法として、組織から細胞を直接分取する方法がある。高解像度で細胞を分取可能な装置として、ガラスキャピラリーを用いた吸引・吐出機構を有する細胞回収装置が市販されている。しかし、この装置は組織切片の全ての細胞を回収することは想定されておらず、網羅的な解析ができない。
【0005】
本願発明者は、細胞を二次元空間的に区画化して切断する微細構造刃を提案している(特許文献1)。微細構造刃を組織切片に押圧すれば、組織切片を空間分画できる。一度の操作で複数の画分断片が得られるため、網羅的な解析が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2015-31549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、微細構造刃で切断して得られた複数の画分断片のそれぞれを空間情報を保持したまま回収するには、ガラスキャピラリーなどを用いて画分断片を一つずつ回収する必要があり、スループットが極めて低い。画分断片を組織網羅的に回収することを考えると、この回収スループットは最大のボトルネックである。
【0008】
本発明は上記事情に鑑み、複数の画分断片を一括で回収しても分画前の組織切片における各画分断片の位置を特定できる空間情報付与シートを提供することを目的とする。
または、本発明は、空間情報を保持したまま組織切片を空間分画できる空間分画装置を提供することを目的とする。
または、本発明は、複数の画分断片を空間情報と紐づけながら高いスループットで回収できる画分断片回収方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1態様の空間情報付与シートは、組織切片と重ね合わせた状態で前記組織切片とともに空間的に区画化されて切断されるシートであって、部分パターンから全体におけるその部分の位置を特定可能な空間情報パターンを有することを特徴とする。
第2態様の空間情報付与シートは、第1態様において、透光性を有するシート基材と、前記シート基材の内部にランダムに分散した複数のマイクロビーズと、を備え、前記空間情報パターンは前記複数のマイクロビーズで形成されたランダムドットパターンであることを特徴とする。
第3態様の空間情報付与シートは、第2態様において、前記マイクロビーズは蛍光マイクロビーズであることを特徴とする。
第4態様の空間情報付与シートは、第2態様において、前記複数のマイクロビーズは複数色のマイクロビーズを含むことを特徴とする。
第5態様の空間情報付与シートは、第2態様において、前記マイクロビーズの1区画あたりの平均個数は9.2個以上であることを特徴とする。
第6態様の空間情報付与シートは、第1態様において、前記空間情報パターンはシート表面に付された凹凸パターンであることを特徴とする。
第7態様の空間情報付与シートは、第1態様において、前記空間情報パターンは全体におけるその部分の位置を示す一次元コードまたは二次元コードの配列であることを特徴とする。
第8態様の空間分画装置は、第1~第7態様のいずれかの空間情報付与シートと、空間的に区画化して切断する刃構造を有する微細構造刃と、前記組織切片に前記空間情報付与シートを重ね合わせた積層体に前記微細構造刃を押圧する押圧器と、を備えることを特徴とする。
第9態様の画分断片回収方法は、第1~第7態様のいずれかの空間情報付与シートと前記組織切片とを重ね合わせて積層体を得る積層工程と、前記積層体を空間的に区画化して切断する空間分画工程と、前記積層体を切断して得られた複数の画分断片を一括で回収する回収工程と、回収された前記複数の画分断片を個々に分離する分離工程と、前記複数の画分断片のそれぞれについて、該画分断片が有する前記部分パターンから、該画分断片の前記組織切片における位置を特定する位置特定工程と、を備えることを特徴とする。
第10態様の画分断片回収方法は、第9態様において、前記積層工程において、前記積層体を接着剤で基板に貼り付け、前記回収工程において、前記接着剤を溶解して前記基板から前記複数の画分断片を一括で回収することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
第1態様によれば、空間分画により得られた複数の画分断片のそれぞれが部分パターンを有するので、複数の画分断片を一括で回収しても分画前の組織切片における各画分断片の位置を特定できる。
第2態様によれば、複数のマイクロビーズで形成されたランダムドットパターンにより、組織切片に空間情報を付与できる。
第3態様によれば、蛍光マイクロビーズは暗所で発光するため、組織切片に付着した異物と区別しやすく、ランダムドットパターンを認識しやすい。
第4態様によれば、パターンの特徴量の一つとしてマイクロビーズの色を用いることができるため、部分パターンから全体における位置を特定しやすい。
第5発明によれば、一つの画分断片にマイクロビーズが1個以上含まれる確率が高いので、画分断片の位置同定の歩留まりを高くできる。
第6態様によれば、凹凸パターンにより、組織切片に空間情報を付与できる。
第7態様によれば、画分断片に付されたコードを読み取ることで、その画分断片の組織切片における位置を特定できる。
第8態様によれば、組織切片と空間情報付与シートとを重ね合わせた状態で空間分画するので、空間情報を保持したまま組織切片を空間分画できる。
第9態様によれば、複数の画分断片を一括で回収した後に、各画分断片の組織切片における位置を特定するので、複数の画分断片を空間情報と紐づけながら高いスループットで回収できる。
第10態様によれば、空間分画後に接着剤を溶解することで、基板に張り付いた複数の画分断片を容易に一括で回収できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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