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公開番号2025098320
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-02
出願番号2023214374
出願日2023-12-20
発明の名称燃焼器、燃焼システム、および燃焼方法
出願人国立大学法人 香川大学
代理人弁理士法人山内特許事務所
主分類F23D 14/02 20060101AFI20250625BHJP(燃焼装置;燃焼方法)
要約【課題】未燃燃料の排出量を低減できる燃焼器、燃焼システム、および燃焼方法を提供する。
【解決手段】燃焼器AAは、一端が底部13で閉塞された第1燃焼筒10と、第1燃焼筒10に接続され第1燃焼筒10よりも内径が大きい第2燃焼筒20と、第1燃焼筒10の側壁に形成された第1噴出口16から側壁の内周面に沿い底部13に向かう方向に第1燃料を噴出する第1ノズル41と、第2燃焼筒20の側壁に形成された第2噴出口26から側壁の内周面に沿う方向に第2燃料を噴出する第2ノズルとを有する。第1燃料の旋回流が底部13で反射するため、第1燃料の滞留時間が長くなり、燃焼室の中央部において高温反応域を生成できる。その結果、燃料の燃焼が促進され、未燃燃料の排出量を低減できる。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
一端が底部で閉塞され他端が開口した円筒形の第1燃焼筒と、
一端が前記第1燃焼筒の開口端に接続され、前記第1燃焼筒よりも内径が大きい円筒形の第2燃焼筒と、
前記第1燃焼筒の第1側壁に形成された第1噴出口から、前記第1側壁の内周面に沿い前記底部に向かう方向に第1燃料を噴出する第1ノズルと、
前記第2燃焼筒の第2側壁に形成された第2噴出口から、前記第2側壁の内周面に沿う方向に第2燃料を噴出する第2ノズルと、を備える
ことを特徴とする燃焼器。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記第2燃焼筒に接続され、開口端の内径が前記第2燃焼筒の内径よりも小さい火炎口を有する絞り部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1記載の燃焼器。
【請求項3】
前記第1燃焼筒の周方向に並んでおよび/または軸方向に多段階に形成された複数の前記第1噴出口のそれぞれから前記第1燃料を噴出する複数の前記第1ノズルを備える
ことを特徴とする請求項1記載の燃焼器。
【請求項4】
前記第2燃焼筒の周方向に並んでおよび/または軸方向に多段階に形成された複数の前記第2噴出口のそれぞれから前記第2燃料を噴出する複数の前記第2ノズルを備える
ことを特徴とする請求項1記載の燃焼器。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の燃焼器と、
難燃性燃料を供給する難燃性燃料供給源と、
空気を供給する空気供給源と、
前記難燃性燃料と前記空気とを混合して得られた第1混合燃料を前記第1燃料として前記第1ノズルに供給するとともに、前記難燃性燃料と前記空気とを混合して得られた第2混合燃料を前記第2燃料として前記第2ノズルに供給する燃料流路と、
前記第1混合燃料および前記第2混合燃料の総括当量比が1.0~1.2となり、前記第1混合燃料の当量比が1.0超となり、前記第2混合燃料の当量比が前記第1混合燃料の当量比より低くなるように、前記難燃性燃料および前記空気の流量を制御する流量制御部と、を備える
ことを特徴とする燃焼システム。
【請求項6】
請求項1~4のいずれかに記載の燃焼器と、
難燃性燃料を供給する難燃性燃料供給源と、
助燃燃料を供給する助燃燃料供給源と、
空気を供給する空気供給源と、
前記難燃性燃料と前記空気とを混合して得られた第1混合燃料を前記第1燃料として前記第1ノズルに供給するとともに、前記助燃燃料と前記空気とを混合して得られた第2混合燃料を前記第2燃料として前記第2ノズルに供給する燃料流路と、
前記第1混合燃料および前記第2混合燃料の総括当量比が1.0~1.2となり、前記第1混合燃料の当量比が1.2以上となり、前記第2混合燃料の当量比が前記第1混合燃料の当量比より低くなるように、前記難燃性燃料、前記助燃燃料および前記空気の流量を制御する流量制御部と、を備える
ことを特徴とする燃焼システム。
【請求項7】
前記流量制御部は、前記難燃性燃料と前記助燃燃料とを合わせた全燃料に対する前記助燃燃料の割合が5~15体積%となるように、前記難燃性燃料および前記助燃燃料の流量を制御する
ことを特徴とする請求項6記載の燃焼システム。
【請求項8】
請求項1~4のいずれかに記載の燃焼器を用いた燃焼方法であって、
当量比が1.0超の難燃性燃料と空気との混合燃料を前記第1燃料として前記第1ノズルに供給し、
当量比が前記第1混合燃料の当量比より低い難燃性燃料と空気との混合燃料を前記第2燃料として前記第2ノズルに供給し、
前記第1混合燃料および前記第2混合燃料の総括当量比は1.0~1.2である
ことを特徴とする燃焼方法。
【請求項9】
請求項1~4のいずれかに記載の燃焼器を用いた燃焼方法であって、
当量比が1.2以上の難燃性燃料と空気との混合燃料を前記第1燃料として前記第1ノズルに供給し、
当量比が前記第1混合燃料の当量比より低い助燃燃料と空気との混合燃料を前記第2燃料として前記第2ノズルに供給し、
前記第1混合燃料および前記第2混合燃料の総括当量比は1.0~1.2である
ことを特徴とする燃焼方法。
【請求項10】
前記難燃性燃料と前記助燃燃料とを合わせた全燃料に対する前記助燃燃料の割合が5~15体積%である
ことを特徴とする請求項9記載の燃焼方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼器、燃焼システム、および燃焼方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、アンモニアなどの難燃性燃料を燃焼させる燃焼器、燃焼システム、および燃焼方法に関する。
続きを表示(約 4,000 文字)【背景技術】
【0002】
地球温暖化という背景から、脱炭素社会に向けた取り組みが進められている。中でも、アンモニアは燃焼時に二酸化炭素を排出しないため、次世代のエネルギーとして注目されている。しかし、アンモニアは難燃性燃料であり、安定的に燃焼させることが困難である。そこで、高カロリーの都市ガスなどを助燃燃料として用いることが提案されている。
【0003】
これに対して、本願発明者は、高カロリーの燃料ガスを用いることなく、燃料の燃焼性を向上させる燃焼器を提案している(特許文献1)。この燃焼器は、燃焼室の底部中央に主噴出部が形成され、側壁に旋回流発生噴出部が形成された構成である。主噴出部から噴出された第1燃料が主噴流を形成するとともに、旋回流発生噴出部から噴出された第2燃料が旋回流を形成する。旋回流の火炎から主噴流へ燃焼に必要な活性化学種および熱エネルギーが供給されることから、燃料の燃焼性が向上する。そのため、アンモニア専焼が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2023/140290号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示された燃焼器は、未燃アンモニアの排出量が多いという問題がある。具体的には、第1燃料および第2燃料の流量にもよるが、燃焼器周囲の空間のアンモニア濃度が1,000~2,500ppmとなる。
【0006】
本発明は上記事情に鑑み、未燃燃料の排出量を低減できる燃焼器、燃焼システム、および燃焼方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様の燃焼器は、一端が底部で閉塞され他端が開口した円筒形の第1燃焼筒と、一端が前記第1燃焼筒の開口端に接続され、前記第1燃焼筒よりも内径が大きい円筒形の第2燃焼筒と、前記第1燃焼筒の第1側壁に形成された第1噴出口から、前記第1側壁の内周面に沿い前記底部に向かう方向に第1燃料を噴出する第1ノズルと、前記第2燃焼筒の第2側壁に形成された第2噴出口から、前記第2側壁の内周面に沿う方向に第2燃料を噴出する第2ノズルと、を備えることを特徴とする。
第2態様の燃焼器は、第1態様において、前記第2燃焼筒に接続され、開口端の内径が前記第2燃焼筒の内径よりも小さい火炎口を有する絞り部をさらに備えることを特徴とする。
第3態様の燃焼器は、第1または第2態様において、前記第1燃焼筒の周方向に並んでおよび/または軸方向に多段階に形成された複数の前記第1噴出口のそれぞれから前記第1燃料を噴出する複数の前記第1ノズルを備えることを特徴とする。
第4態様の燃焼器は、第1~第3態様のいずれかにおいて、前記第2燃焼筒の周方向に並んでおよび/または軸方向に多段階に形成された複数の前記第2噴出口のそれぞれから前記第2燃料を噴出する複数の前記第2ノズルを備えることを特徴とする。
第5態様の燃焼システムは、第1~第4態様のいずれかの燃焼器と、難燃性燃料を供給する難燃性燃料供給源と、空気を供給する空気供給源と、前記難燃性燃料と前記空気とを混合して得られた第1混合燃料を前記第1燃料として前記第1ノズルに供給するとともに、前記難燃性燃料と前記空気とを混合して得られた第2混合燃料を前記第2燃料として前記第2ノズルに供給する燃料流路と、前記第1混合燃料および前記第2混合燃料の総括当量比が1.0~1.2となり、前記第1混合燃料の当量比が1.0超となり、前記第2混合燃料の当量比が前記第1混合燃料の当量比より低くなるように、前記難燃性燃料および前記空気の流量を制御する流量制御部と、を備えることを特徴とする。
第6態様の燃焼システムは、第1~第4態様のいずれかの燃焼器と、難燃性燃料を供給する難燃性燃料供給源と、助燃燃料を供給する助燃燃料供給源と、空気を供給する空気供給源と、前記難燃性燃料と前記空気とを混合して得られた第1混合燃料を前記第1燃料として前記第1ノズルに供給するとともに、前記助燃燃料と前記空気とを混合して得られた第2混合燃料を前記第2燃料として前記第2ノズルに供給する燃料流路と、前記第1混合燃料および前記第2混合燃料の総括当量比が1.0~1.2となり、前記第1混合燃料の当量比が1.2以上となり、前記第2混合燃料の当量比が前記第1混合燃料の当量比より低くなるように、前記難燃性燃料、前記助燃燃料および前記空気の流量を制御する流量制御部と、を備えることを特徴とする。
第7態様の燃焼システムは、第6態様において、前記流量制御部は、前記難燃性燃料と前記助燃燃料とを合わせた全燃料に対する前記助燃燃料の割合が5~15体積%程度となるように、前記難燃性燃料および前記助燃燃料の流量を制御することを特徴とする。
第8態様の燃焼方法は、第1~第4態様のいずれかの燃焼器を用いた燃焼方法であって、当量比が1.0超の難燃性燃料と空気との混合燃料を前記第1燃料として前記第1ノズルに供給し、当量比が1.0未満の難燃性燃料と空気との混合燃料を前記第2燃料として前記第2ノズルに供給することを特徴とする。
第9態様の燃焼方法は、第1~第4態様のいずれかの燃焼器を用いた燃焼方法であって、当量比が1.3以上の難燃性燃料と空気との混合燃料を前記第1燃料として前記第1ノズルに供給し、当量比が0.7以下の助燃燃料と空気との混合燃料を前記第2燃料として前記第2ノズルに供給することを特徴とする。
第10態様の燃焼方法は、第9態様において、前記難燃性燃料と前記助燃燃料とを合わせた全燃料に対する前記助燃燃料の割合が5~15体積%程度であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
第1態様によれば、第1燃料および第2燃料の旋回流により活性化学種を供給できる。また、第1燃料の旋回流が底部で反射するため、第1燃料の滞留時間が長くなり、燃焼室の中央部において高温反応域を生成できる。その結果、燃料の燃焼が促進され、未燃燃料の排出量を低減できる。
第2態様によれば、絞り部により燃料の旋回半径が絞られ、活性化学種が旋回中心に集中するため、燃焼安定性が高まる。
第3態様によれば、複数の第1ノズルから第1燃料を噴出することで燃焼器への燃料供給量を多くでき、燃焼熱を増加できる。
第4態様によれば、複数の第2ノズルから第2燃料を噴出することで燃焼器への燃料供給量を多くでき、燃焼熱を増加できる。
第5態様によれば、第1混合燃料と第2混合燃料とで当量比に差異を設けることで、未燃燃料の排出量を低減できるとともに、窒素酸化物の排出量も低減できる。
第6態様によれば、第2燃料として助燃燃料と空気との混合燃料を用いることで、未燃燃料の排出量をさらに低減できるとともに、窒素酸化物の排出量をさらに低減できる。
第7態様によれば、全燃料に対する助燃燃料の割合が少ないので、二酸化炭素の排出量を低減できる。
第8態様によれば、第1混合燃料と第2混合燃料とで当量比に差異を設けることで、未燃燃料の排出量を低減できるとともに、窒素酸化物の排出量も低減できる。
第9態様によれば、第2燃料として助燃燃料と空気との混合燃料を用いることで、未燃燃料の排出量をさらに低減できるとともに、窒素酸化物の排出量をさらに低減できる。
第10態様によれば、全燃料に対する助燃燃料の割合が少ないので、二酸化炭素の排出量を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
第1実施形態に係る燃焼器の斜視図である。
同燃焼器の縦断面図である。
同燃焼器の正面図である。
同燃焼器の平面図である。
第1実施形態に係る燃焼システムの説明図である。
第2実施形態に係る燃焼システムの説明図である。
燃焼室内の燃料の流線を示す図である。
火炎の安定燃焼領域を示すグラフである。
図(A)は第1混合燃料の流量と未燃アンモニア濃度との関係を示すグラフである。図(B)は第1混合燃料の流量と窒素酸化物濃度との関係を示すグラフである。
図(A)は第1混合燃料および第2混合燃料の当量比をいずれも1.0とした場合のNO濃度分布を示す図である。図(B)は第1混合燃料の当量比を1.3とし、第2混合燃料の当量比を0.7にした場合のNO濃度分布を示す図である。
図(A)は第1混合燃料の当量比と未燃アンモニア濃度との関係を示すグラフである。図(B)は第1混合燃料の当量比と窒素酸化物濃度との関係を示すグラフである。
第2混合燃料の空気比と窒素酸化物濃度との関係を示すグラフである。
図(A)は第1混合燃料の流量と未燃アンモニア濃度との関係を示すグラフである。図(B)は第1混合燃料の流量と窒素酸化物濃度との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
〔第1実施形態〕
(燃焼器)
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る燃焼器AAは、第1燃焼筒10、第2燃焼筒20、および絞り部30を有する。また、燃焼器AAは、その内部に燃料を供給する第1ノズル41、および第2ノズル42を有する。
(【0011】以降は省略されています)

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